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デイサービスの送迎は1人でできる?法律での規定や必要な資格を紹介

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この記事のまとめ

「デイサービスの送迎業務は1人でもできるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。デイサービスの送迎は、必要な資格を有していればドライバー1人でも行えます。この記事では、デイサービスの送迎スタッフの仕事内容や業務範囲をご紹介。送迎時の注意点や必要な資格を解説するので、デイサービスで働きたい方や、送迎業務に携わっている方は、ぜひ参考にしてください。

デイサービスとは簡単にいうとどんな施設?通所介護の種類や費用を解説!

デイサービスの送迎業務とは

デイサービスの送迎業務とはの画像

デイサービスでは、交通手段のない方や身体の不自由な方も安全に通えるように、車で利用者さんの送迎を行います。車の乗降をする際の介助や、歩行の見守りなどを行うのもスタッフの重要な仕事です。デイサービスの送迎に含まれる主な業務は、以下をご覧ください。

  • 福祉車両の運転
  • 利用者さんの送迎
  • 送迎ルートの提案および決定
  • 利用者さんの車の乗降をサポート
  • 利用者さんやご家族とのコミュニケーション
  • 福祉車両の清掃および管理
  • 送迎記録の作成
  • 緊急時の連絡対応

スタッフは、一度に1人から複数人の利用者さんを安全運転で送迎します。運転する福祉車両は、4人乗りの軽自動車や、10人乗りのワンボックスカーが多いようです。

デイサービスで送迎可能なエリア・所要時間

デイサービスの送迎では、利用者さんが移動に負担を感じないよう、片道30分以内のエリアへ送迎するのが一般的です。地域の施設数やデイサービスの方針によって、送迎できる距離や範囲は異なります。

また、デイサービスの送迎は自宅と施設の間が基本です。多くの事業所では、送迎の効率化や安全性を考慮し、利用者さんに頼まれて自宅以外の場所に降ろしたり、途中でほかの場所に寄ったりすることは原則できないことになっています。ただし、送迎の運行上支障がなく、利用者さんの居住実態がある場所(近隣の親戚の家など)であれば、送迎可能です。

デイサービスの送迎はドライバー1人で業務ができる!

デイサービスの送迎は、ドライバー1人だけでもできる業務です。ドライバーが、運転をはじめ、乗降サポートや移動中の観察のすべてを任されることもあります。ただし、乗降サポートは利用者さんの身体に触れる「身体介護」となるため、介護関連の資格がなければ対応できません。そのため、ドライバー1人で送迎を行う場合は、介護職員がドライバーを兼任するケースが多いようです。
一方、大型車両を採用している施設など、専任のドライバーを雇っている場合は、運転手とは別に介護職員が同乗して乗降サポートなどを行うこともあります。

送迎がないデイサービスは介護報酬の減算対象になる?

利用者さんの送迎を行わないデイサービスは、介護報酬が減算になります。1人の利用者さんにつき、片道で47単位、往復で94単位がマイナスされる仕組みです。送迎を行わないデイサービスは、ほかの施設よりも事業所に支払われる介護報酬の金額が少なくなるため、スタッフの給与が低くなる可能性も考えられます。

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デイサービスの送迎に必要な資格・関連する法律

デイサービスで送迎ドライバーとして働くためには、「普通自動車第一種運転免許」が必要です。バスで送迎を行う場合は、中型または大型の自動車免許が求められます。

また、一定台数以上の自動車を利用する事業者は「安全運転管理者」の専任を行い、都道府県公安委員会へ届け出ることが必要です。定員11名以上の自動車が1台以上ある場合や、そのほかの自動車が5台以上ある場合が、対象となります。

なかには、「送迎業務だから、タクシーや民間バスの運転手と同様に第二種免許が必要では?」と思った人もいるかもしれません。しかし、国土交通省の「道路運送法における許可又は登録を要しない運送に関するガイドラインについて(p.4)」によると、道路運送法にて「デイサービスの送迎は、許可の必要な旅客運送行為ではない」ことが定められています。そのため、デイサービスの送迎者は自家用車と同じ白ナンバーで運行しており、ドライバーも第一種免許だけで運転できるのです。

また、デイサービスの送迎で運転業務のみを担当するならば、介護の資格は取得していなくても問題ありません。ただし、デイサービスによっては、送迎を行うドライバーを募集する際に介護職員初任者研修以上を応募資格としている場合もあるようです。介護のスキルが身についていれば、車の乗降といった利用者さんのサポートを安全に行えるでしょう。

デイサービスの送迎はどこまで対応する?

デイサービスの送迎スタッフは、利用者さんをご自宅の玄関まで送り届けるだけでなく、自宅に上がって安全な状態が確保できるところまで対応します。利用者さんの身体の状態に応じて、車の乗降や玄関までの移動を介助するのも、送迎スタッフの仕事です。

送迎時に居宅内介助を行うことも

デイサービスの送迎時に、利用者さんの居室までの移動介助やベッドへの移乗介助、トイレ介助などを行う場合もあるでしょう。これを「居宅内介助」と呼びます。

居宅内介助サービスの内容は、利用者さんの着替え介助をはじめ、ベッドや車いすへの移乗などです。デイサービスを利用する際は外出することになるため、戸締りや居室の電気の点灯・消灯をサポートすることもあります。

厚生労働省の「通所介護及び療養通所介護(p.8)」によると、2015年度介護報酬改定より、送迎時に実施する居宅内での介護にかかる時間は、デイサービスの所要時間に含めて計算して良いとされています。ただし、居宅内で利用者さんを介助するためには、以下の条件を満たす必要があるので、注意してください。

  • スタッフに介護職員初任者研修以上の資格がある
  • ほかの利用者さんを車内で待たせない
  • 利用者さんが1人で行うのは危険で介助の必要性がある
  • ケアマネの作成するケアプランに、デイサービス職員が行うと明記されている

なお、デイサービスの送迎スタッフが、利用者さんの居宅内で介護を行える時間は、30分以内となっています。デイサービスの送迎業務で重要なのは、利用者さんの安全を確保することです。送迎業務を行っていて、自分だけでは対応できないと不安に感じる場面があったら、デイサービスの責任者に相談してみましょう。

【体験談】デイサービスの送迎業務はどうだった?

ここでは、元デイサービス職員の方の体験談として、初めて送迎に入ったときに不安に感じたことや、送迎業務で大変・難しいと感じたことをまとめました。不安や大変さをどう解決したかもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

初めて送迎に入ったときに不安に感じたこと

私が働いていたデイサービスは、1日に30~40名近くの利用者さんが通える規模の大きい施設で、送迎専門のドライバーも数人いました。

現場の仕事に慣れてきたころ、私は車の運転はせず、同乗するスタッフとして初めて送迎に入りました。その際、特に不安を感じたのは、「事故・転倒」と「ご家族からのクレーム」です。時々、「送迎中の事故」というニュースをテレビやネットで見ることがあったので、「無事に自宅まで利用者さんを送り届けられるか?」という不安がありました。また、「車を降りてから玄関に到着するまでの間に、利用者さんが転んでしまったらどうしよう…」という転倒への不安も大きかったです。

デイサービスは送迎がある分、ほかの施設形態と違って利用者さんのご家族と対面する機会が多いので、トラブルやクレームへの対応がきちんとできるかも不安でした。

送迎業務を通して大変・難しいと感じたこと

送迎専門のドライバーはいましたが、人数が少なかったため、介護職も送迎業務を行っていました。しかし、その分施設に残るスタッフが減ってしまい、次々と到着する利用者さんを少ない人数で対応しなければならなかったのが大変でした。

送迎業務に加えて現場の業務も行っているスタッフもいましたが、「時間に追われるので焦る」「どっちもやらなきゃいけないのは正直大変」と話しているのを聞いて、「並行するのは難しいのでは?」と感じました。

不安や大変に感じたことをどうやって解決した?

初めて送迎に入るときは不安が大きかったので、送迎に慣れているスタッフに同行してもらえないか上司に相談しました。実際に同行してもらったことで、分からないことがあったらすぐに聞いたり、難しい対応を代わってもらったりすることができたので、安心感がありました。

送迎業務についてきちんと相談・確認していたことで、いざというときの対応に困らずに済んだ気がします。不安を抱えたまま業務を行うと、利用者さんにも迷惑をかけてしまうので、そのままにせず、上司に相談するのが良いと思います。

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デイサービスの送迎業務を行う際のポイント

ここでは、デイサービスの送迎業務に携わる際のポイントをまとめました。利用者さんを安全に送迎するために確認しておきましょう。

運行表やマニュアルに沿って業務を進める

デイサービスのなかには、送迎の順番や到着予定時刻、利用者さんごとの留意点などが記載された「運行表」を用意している施設もあります。送迎業務を行う際は、送迎前に運行表に目を通し、その日の流れや注意点を理解して業務を進めましょう。

また、運行マニュアルを設けている施設もあります。運行マニュアルには、通常運行の進め方だけでなく、悪天候・事故に遭ったときの対応も記載されていることが多いようです。定期的に目を通して、適切な対応ができるようにしましょう。

福祉車両の扱いに慣れる

デイサービスの送迎では、福祉車両を使用するのが一般的です。福祉車両とは、安全に乗降できる機能の備わった車のこと。車いすのまま乗降できたり、昇降シートが付属していたりするため、普通の車とは違った操作が必要です。送迎業務に携わるスタッフは、福祉車両の扱いをマスターしましょう。

時間に余裕をもって運転する

デイサービスの送迎を行うときは、時間に余裕をもって運転しましょう。ドライバーは、1回に複数人の利用者さんを送迎するため、予定の時間に合わせて運転することが大切です。また、利用者さんは車の乗降や移動に時間がかかることもあります。安全のためには、急かさず、利用者さんのペースに合わせる時間が必要です。

車両管理表を活用して車両の点検・清掃をする

デイサービスへの送迎中も利用者さんが快適に過ごせるように、福祉車両はこまめに点検・清掃をしましょう。車両の点検内容や使用状況などを記載する「車両管理表」がある場合は、見ながら点検を行います。ガソリンやタイヤの状況をチェックして、安全に走行できるように整備することも大切です。利用者さんが不安なく利用できるように、常に車のコンディションを良好に保ちましょう。

利用者さんの安全に配慮して運転する

送迎職員は、利用者さんの車内での様子を観察しながら業務を進めることが大切です。運転をする職員と別に介護職員が同乗する場合は、利用者さんの様子を見やすいように、助手席ではなく後部座席に乗るのが良いでしょう。特に、車の乗り降りは転倒事故が起きやすいタイミングです。利用者さんごとの特性にも留意し、安全な乗り降りをサポートする必要があります。

また、運転をする際は、急ブレーキや急発進をしないよう、安全運転を心がけましょう。利用者さんの命を預かって送迎をするので、ケガや事故のないように注意しなければなりません。また、利用者さんをデイサービスから自宅まで安全に送迎するためには、交通事故が起きてしまったときの対応を確認しておくことも重要です。

利用者さんやご家族とのコミュニケーションを大切にする

デイサービスの送迎をするときは、利用者さんに声かけを行って、信頼関係を築くことも大切です。利用者さんのなかには耳が遠い方もいるため、相手に合わせた声量で、顔を見てあいさつすると良いでしょう。利用者さんとのコミュニケーションの取り方については、「高齢者とのコミュニケーション方法!相手に寄り添う上手な会話のコツとは」を参考にしてください。

また、デイサービスの送迎スタッフは、ご家族から利用者さんの様子を聞くこともあります。「夜間眠れていない」「朝の薬を飲まなかった」など、いつもと違う報告があれば、ほかのスタッフに申し送りを行い、情報を共有しましょう。

デイサービスの送迎業務を行う際のルール

デイサービスの送迎ドライバーは、体調や身だしなみに気をつかう必要があります。以下では、送迎業務を行う際の注意点を解説します。

送迎ルートを確認しておく

デイサービスでは、毎日同じ利用者さんを送迎するとは限らないため、日によってルートが変更になることも珍しくありません。送迎ルートを間違えると、デイサービスや自宅への到着時間がずれてしまいます。トラブルにつながるおそれもあるため、運転前に道順をチェックしておきましょう。

送迎記録は必ず作成する

デイサービスでは、利用者さんの送迎を行ったら、送迎記録を記入する必要があります。記録の作成も送迎業務の一環なので、毎回記入を忘れないようにしましょう。送迎記録がないと、利用者さんの送迎を行った証拠が残らないため、介護報酬が減算になってしまうこともあるようです。

送迎記録には、送迎の担当者や時間などを記入します。「ご家族が帰宅したとき利用者さんが家にいなかった」といった場合に、利用者さんが一度帰宅したことを証明するためにも、送迎記録を残すことは重要です。

前日のアルコールが残らないようにする

デイサービスの送迎業務に携わるときは、前日に飲酒したアルコールが残っていないかを確認します。飲酒量が多いとアルコールの分解に時間がかかるので、運転する前日は飲み過ぎないように注意しましょう。

十分な睡眠を取って運転に備える

運転や利用者さんの観察など、デイサービスの送迎業務は高い注意力を必要とするため、睡眠不足で業務につくのは大変危険です。デイサービスの送迎ドライバーは勤務前に十分な休息を取り、体調管理に気をつかいましょう。

身だしなみを整える

送迎スタッフは、デイサービスの一員として身だしなみを清潔に保ちましょう。送迎スタッフの身だしなみが乱れていると、利用者さんやご家族から、いい加減なデイサービスだと思われてしまうかもしれません。介護職員の身だしなみについては、「介護士さんの身だしなみ。髪色やメイク、結婚指輪はどうしてる?」の記事を参照してください。

免許証と携帯電話を常備する

デイサービスのドライバーは、免許証を忘れず携帯してください。また、送迎中に利用者さんの体調が変化する可能性があるため、携帯電話も車内に置いておきましょう。

2024年度の介護報酬改定でデイサービスの共同送迎が可能に

2024年度の介護報酬改定で、デイサービスの送迎をほかの事業所と共同で行うことが可能になりました。送迎業務の効率化を図り、ドライバー不足を解消するのが、共同送迎のルールを設ける狙いです。
共同送迎の対象は、介護事業所だけでなく障害福祉サービス事業者も含みます。デイサービスの共同送迎が浸透すれば、介護職の負担軽減や施設の人件費削減にもつながるでしょう。

デイサービスの送迎ドライバーの求人を探す方法

デイサービスの送迎ドライバーとして働きたい方は、デイサービスの求人からドライバーの募集がないかチェックしましょう。ただし、ドライバー専任の求人は少ない傾向にあるので注意が必要です。送迎業務は、デイサービスの仕事の一環として、介護職員が行う場合が多いので、デイサービスの求人を広く探してみることをおすすめします。

デイサービスの仕事に興味がある方は、介護業界に特化した転職エージェントのレバウェル介護(旧 きらケア)の活用がおすすめです。非公開求人を含め、デイサービスの求人を多数取り扱っているので、ぜひチェックしてみてください。

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デイサービスの送迎に関する質問

ここでは、デイサービスの送迎に関するよくある質問にお答えします。「デイサービスの送迎業務について詳しく知りたい」という方は参考にしてください。

デイサービスの送迎範囲は利用者さん宅の玄関まで?

デイサービスの送迎範囲は、利用者さん宅の玄関までとは限りません。利用者さんが玄関から居室に移動するときに転倒するおそれもあるため、居間に座る・ベッドに腰掛けるというように、利用者さんが安全と認められる状態になるまでサポートします。詳しくは、「デイサービスの送迎はどこまで対応する?」をご覧ください。

デイサービスの送迎はご家族が不在でもできる?

デイサービスでは、ご家族が不在の方や一人暮らしの方の送迎も行います。ご家族が不在の利用者さんをお迎えするときは、戸締りができているかを一緒に確認しましょう。また、鍵はいつもカバンの同じ場所に入れるといったルールを作り、トラブルが起きないように配慮する必要があります。もし、在宅予定のご家族が不在だった場合は、念のためデイサービスの管理者に報告しましょう。

まとめ

デイサービスの多くは、利用者さんをご自宅から施設まで送迎しています。送迎の際に利用者さんが快適に過ごせるよう、福祉車両の点検や清掃をするのも、送迎業務の一環です。
デイサービスの送迎はドライバー1人でも行われており、送迎時に利用者さんの自宅内で介助を行う場合は、介護職員初任者研修以上の資格が必要です。運転においては、第一種運転免許があれば、デイサービスの送迎で普通車の運転を行えることが、道路運送法に規定されています。

転職を考えている方や、介護職として働いていて悩みのある方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)では、デイサービス以外にも有料老人ホームや通所リハビリテーション事業所といった、さまざまな介護求人を取り扱っています。「運転免許を活かして送迎業務に携わりたい」という方も、「運転には自信がないから介護業務だけを担当したい」という方も、ぜひ気軽にご利用ください。専任のアドバイザーが、あなたの希望にぴったりの職場をご紹介します!

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