
この記事のまとめ
- 通所リハでは、リハビリを通じて利用者さんの社会復帰を支援している
- 通所リハの仕事内容は、介護やレクリエーションの提供、送迎、健康チェック
- 通所リハで働く介護職員のやりがいは、多角的な視点でケアを行えることなど
通所リハの介護職員の仕事内容は介助業務やレクリエーション、利用者さまの送迎などがあります。通所施設には「通所リハ」のほかに「デイサービス」があり、介護未経験の方にとっては仕事内容の違いが分からないという方も多いでしょう。この記事では、通所リハの仕事内容を詳しく解説。通所リハで働く介護職員の1日のスケジュール例ややりがいなども紹介します。通所リハへの転職を考えている方は、参考にしてみてください。
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通所リハ(デイケア)の役割
通所リハビリテーションとは、介護老人保健施設(老健)や病院、診療所などに併設されされているリハビリに特化した通所施設で、「通所リハ」や「デイケア」とも呼ばれています。医師や理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といった常勤のリハビリ職員がいるのが、大きな特徴です。
通所リハでは、要支援や要介護認定を受けた方を対象に、心身機能の維持・回復のための「リハビリ」や「身体介助」「レクリエーション」などを提供。利用者さまの社会復帰を支援する役割を担っています。また、利用者さまのご家族の負担を軽くするのも通所リハの役割の一つです。
通所リハと同じ通所施設の「デイサービス」との違いが分からないという方もいるでしょう。デイサービスは日常生活のサポートがメインなのに対して、通所リハは専門職からの指導のもと、リハビリを中心に介護サービスを提供しています。デイサービスと通所リハの違いを、さらに詳しく知りたいという方は、「デイサービスとデイケアの違いは?施設の違いやそれぞれの特徴」の記事もご参照ください。
出典
厚生労働省「通所リハビリテーション(p21)」(2022年4月28日)
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通所リハの仕事内容
通所リハの介護職員の仕事内容には、介助業務やレクリエーション、利用者さまの送迎などがあります。ここでは、通所リハの仕事内容を紹介。通所リハの介護職に興味のある方は参考にしてみてください。
食事や入浴の介助業務
通所リハは、リハビリだけではなく入浴や食事などの提供も行っているのが一般的です。そのため、介護職員は利用者さま一人ひとりの身体機能に合わせて、食事介助や入浴介助を行います。下記は、通所リハにおける介護職の主な介助業務です。
- 食事介助
- 口腔ケア
- 服薬介助(服薬の声かけやサポート)
- 入浴介助
- 排泄介助
- 移乗、移動介助
- 見守り
など
施設によっては、リハビリの補助に入ることも。介護職員の介助業務について詳しく知りたい方は「三大介助とは?介護の役割と詳しい業務内容」の記事をご参照ください。
レクリエーションの企画・実施
通所リハの介護職員は、利用者さまの身体機能に合わせてレクリエーションを企画・実施します。レクリエーションは、利用者さまの身体機能・脳機能の活性化や周囲との交流を深めることを目的に、積極的に取り入れている通所リハが多いようです。
レクリエーションの内容は、体操やゲーム、手芸、工作、音楽鑑賞などさまざま。「介護のレクリエーション嫌いを克服するには?どうしても苦手な場合の対処法」の記事では、レクリエーションについて詳しく解説しているので参考にしてみてください。
利用者さまの送迎
送迎専門の運転手がいる通所リハもありますが、介護職員が利用者さまの送迎を担当するところも多々あります。そのため、運転免許証を必須とする求人もあるので、免許がない・運転が苦手という方は、あらかじめ資格要件を確認しておいた方が良いでしょう。また、車いすのまま乗車できる福祉車両を運転する場合には、乗降操作にもなれる必要があります。
利用さまの健康チェック
通所リハでは、定期的にバイタルチェックや健康観察を行います。とはいえ、主に看護職員が健康チェックを行うので、介護職員は補助の役割が多いでしょう。もし、日常生活のなかで少しでもいつもと様子が違うようであれば、医師や看護職員へ報告します。
通所リハの1日のスケジュール
ここでは、通所リハの1日のスケジュール例を紹介します。
8:00
- 利用者さまの情報共有や1日の流れを確認
- 利用者さまの送迎
9:00
- 利用者さまが施設に到着
- 健康チェックの補助
- 入浴する方の入浴介助
- リハビリまでの移動介助
- トイレ誘導や排泄介助
12:00
- 昼食の準備や片付け
- 食事介助が必要な方のサポート
- 口腔ケア
13:00
- リハビリまでの移動介助
- レクリエーションの実施
15:00
- おやつの準備
- おやつ介助が必要な方のサポート
15:00
- 利用者さまの記録を書く
- トイレ誘導や排泄介助
- 利用者さまの帰宅準備
16:00
- 利用者さまの送迎
17:00
- ミーティング
- 退勤
通所リハは日勤のみで夜勤がないところがほとんどです。さらに、土日・祝日が休みのところも多く、家庭の都合などで、土日祝や夜勤に入るのが難しい方も働きやすいでしょう。
通所リハで働く職種
通所リハは医師やリハビリ職員、看護職員など、多職種と連携して利用者さまのケアにあたっているのが特徴です。ここでは、通所リハで働く職種と、それぞれの仕事内容を紹介します。
医師
利用者さまの健康管理やリハビリ計画書の作成・指示・指導などを行います。利用者さまの急変時には、迅速に対応してもらえるので安心感をもって働けるでしょう。
看護職員
バイタルチェックや健康観察などが、看護職員の主な仕事内容です。ほかにも、医師の指示のもと、医療的ケアや服薬介助なども行います。
リハビリ職員(理学療法士・作業療法士・言語療法士)
医師からのリハビリ計画書に沿って、リハビリを行います。介護職員へ生活リハビリの指導をすることもあるでしょう。「生活リハビリってなに?」と疑問に思った方は「生活リハビリとは?介護職が担当できるメニューや資格について解説!」の記事もご覧ください。理学療法士・作業療法士・言語療法士についても説明しています。
介護職員
上記でも述べたとおり、介護職員は身体介助やリハビリテーション、利用者さまの送迎などを行います。質の良いケアを提供するには、看護職員やリハビリ職員といった多職種との連携が大切です。
通所リハの介護職員として活かせる資格
無資格でも介護職員として働けますが、利用者さまの身体に直接触れるような介助業務は、介護職員初任者研修以上の資格が求められるのが一般的です。そのため、資格を取得した方が介護職員として仕事の幅を広げられるでしょう。ここでは、通所リハの介護職員が活かせる福祉系の資格を紹介。スキルアップやキャリアアップを目指している方は、参考にしてみてください。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は介護の基礎を学べるので、介護未経験の方は介護職員初任者研修から受講するのがおすすめです。「介護職員初任者研修を取得するメリットとは?資格の取り方とあわせて解説」では、介護職員初任者研修のカリキュラムや取得方法を紹介しています。介護職員初任者研修の受講をお考えの方は参考にしてみてください。
転職前に資格取得するのも一つの手ですが、入職してから資格取得支援制度を利用して資格を取る方法もあります。「資格取得支援制度ってなに?」という方は「無資格でも大丈夫!資格取得支援制度とは」の記事も合わせてご覧ください。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は上記の初任者研修よりも、より専門的な介護知識や技術が学べる研修です。上記の初任者研修と同様、受験要件が設けられていないので誰でも受講できます。とはいえ、介護福祉士実務者研修は介護の基本的な知識があることを前提としたカリキュラムとなっているため、介護未経験の方にはおすすめできません。「介護福祉士実務者研修とは?初任者研修との違いや取得するメリットを解説!」の記事では、介護職員実務者研修と介護職員初任者研修のどちらから受講するか迷った際のアドバイスをしているのでご参照ください。
介護福祉士資格
介護福祉士資格は、福祉系の資格のなかで唯一の国家資格です。介護福祉士資格を取得することで、介護リーダーなどの責任のある立場へキャリアアップしやすくなります。
介護福祉士資格を取得するには、「介護福祉士実務者研修の修了」と「3年の実務経験」といった受験要件を満たしたあと、介護福祉士国家試験への合格が必要です。介護福祉士国家試験の概要や合格率については「介護福祉士試験って難しい?合格率や勉強法まとめ2022年第34回【最新版】」をご覧ください。
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介護福祉士の大変なこととは?仕事のやりがいや必要なスキルなど
通所リハでの介護職員のやりがい
通所リハで働く介護職員のやりがいとして、「多角的な視点を持ったケアが行える」「利用者さまが回復していく過程が見られる」「ライフワークバランスが取りやすい」といった声が多く聞かれます。通所リハへの転職に悩んでいる方は、参考にしてみてください。
多角的な視点を持ったケアが行える
通所リハには、医師や看護職員、リハビリ職員の多職種との連携が求められます。カンファレンスなどで、多職種からの意見や見解が聞けるので、介護職の視点からだけではなく多角的な視点からケアが学べるでしょう。医療やリハビリ的目線といった広い視野で介護を提供したい・学びたい方にとって、やりがいをもって働ける環境です。
利用者さまが回復していく過程が見られる
通所リハは、利用者さまの身体機能の回復や維持を目的にリハビリやケアに注力している施設のため、利用者さまが回復していくのを実感できます。利用者さまが回復していく過程を見ることで、通所リハで働く意義ややりがいを感じている介護職員さんは多いようです。
ライフワークバランスが取りやすい
通所リハは基本的に夜勤がなく、日勤がメインなのでライフワークバランスが保ちやすいメリットがあります。「夜勤のある不規則な生活は体調を崩しやすい」「子育てや家族の介護で夜勤に入るのが難しい」という方にとって、負担が重くなりにくく、やりがいをもって働けるでしょう。
通所リハに関するよくある質問
通所リハに関するよくある質問に回答します。「通所リハってどんな施設なの?」と疑問に思う方は、ぜひご一読ください。
通所リハ(デイケア)の役割とは?
通所リハは、日帰りでリハビリテーションを行う施設で、利用者さんの心身機能の維持・向上・回復を担っています。また、社会復帰をサポートする役割や利用者さんのご家族の負担軽減も通所リハの役割の一つです。専門の職員に見守られながらリハビリテーションを行えるので「リハビリ中に怪我をしないか心配…」という方も安心して通うことができるでしょう。
通所リハ(デイケア)の仕事内容は?
通所リハの仕事内容は、食事介助や入浴介助、リハビリのサポート、バイタルチェック、レクリエーションの企画・実施、利用者さんの送迎などです。通所リハは、利用者さんが帰宅するまでにすべてのリハビリや介助を行わなければいけません。リハビリは理学療法士や作業療法士、言語療法士などが主に担当するため、介護職員は身体介助やリハビリのサポートがメインです。
まとめ
通所リハビリテーションとは、「通所リハ」や「デイケア」とも呼ばれ、利用者さまの身体機能の回復や維持、社会復帰を目的に「リハビリ」や「身体介助」「レクリエーション」などを提供しています。介護老人保健施設(老健)や病院、診療所などに併設されされているのが一般的です。
通所リハの介護職員の仕事内容は、介護業務を中心にレクリエーションや利用者さまの送迎、健康チェックなど。医師や看護職員、リハビリ職員と連携して介護サービスを提供しています。そのため、通所リハでは「多角的な視点を持ったケアが行える」「利用者さまが回復していく過程が見られる」といったやりがいを感じている介護職員さんが多いようです。
とはいえ、介護未経験の方にとって、「通所リハの介護職員が向いているのか分からない」「やりがいをもって働けるのか不安」という悩みを抱えている方もいるでしょう。介護職への転職が不安な方には、介護業界の転職に特化した「レバウェル介護(旧 きらケア)」がおすすめです。レバウェル介護(旧 きらケア)では業界に詳しいアドバイザーがカウンセリングを行い、ご希望や適性、経験に合った求人をご提案いたします。さらに、レバウェル介護(旧 きらケア)はスタッフが求人先の職場へ直接訪問して求人のヒアリング。経営方針や教育制度、人間関係など求人票を見るだけでは分からない詳しい職場環境も情報もしっかりお伝えするので安心して転職活動ができます。入職後のギャップが少なく、長く働ける職場がきっと見つかります。「通所リハに興味がある」「介護職員の仕事内容についてもっと知りたい」という方は、お気軽にレバウェル介護(旧 きらケア)へご相談ください。
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