
この記事のまとめ
- ケアマネジャーの平均年収は約434万円で、介護業界では高めの水準にある
- ケアマネジャーの平均年収が高い傾向にある施設は、特養や老健
- ケアマネジャーが年収を上げる方法は、ほかの職種や役職を兼務することなど
「ケアマネジャーの平均年収はどのくらい?」と気になる方もいるでしょう。働き方や経験年数によって給与額は異なりますが、常勤のケアマネジャーの平均年収は約434万円です。この記事では、ケアマネジャーの平均年収を、雇用形態や年齢、勤務先の施設形態など、さまざまな角度から解説します。年収アップの方法もまとめたので、ケアマネジャーを目指す方はチェックしてみてください。
ケアマネジャー(介護支援専門員)とはどんな仕事?業務内容や役割を解説!ケアマネジャーの平均年収
ここでは、ケアマネジャーの平均年収を、雇用形態や年齢、職種といったさまざまな角度からまとめました。ケアマネジャーの収入が気になる方は、チェックしてみてください。
常勤で働くケアマネジャーの平均年収
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.119)」によると、介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所において、常勤勤務するケアマネジャーの平均給与額は、36万1,770円です。こちらのデータからケアマネジャーの平均年収を割り出すと、434万1,240円(平均月収×12ヶ月)となります。
なお、国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、全業界の正社員(正職員)の平均年収は523万円です。全産業の平均と比べて、ケアマネジャーの年収は低い傾向にあることが分かります。ただし、厚生労働省と国税庁とではデータの抽出方法が異なるため、あくまでも参考としてご覧ください。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年2月28日)
国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」(2025年2月28日)
パートで働くケアマネジャーの平均年収
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.119)」によると、非常勤のケアマネジャーの平均給与額は25万710円です。平均年収を計算すると、300万8,520円(平均月収×12ヶ月)となります。
非常勤の介護職員の平均年収は、251万4,480円(平均月収×12ヶ月)なので、ケアマネジャーの方が50万円ほど高いようです。ただし、パート・アルバイトや派遣で働く職員の年収は、勤務回数や勤務時間によって変動します。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年2月28日)
年齢・男女別のケアマネジャーの平均年収
下記では、政府統計の総合窓口(e-Stat)の「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種:表番号7」をもとに、2023年におけるケアマネジャーの年齢・男女別の平均年収をまとめました。
男性のケアマネジャーの年齢階級別の平均年収
男性のケアマネジャーの年齢別の平均給与は、以下のとおりです(企業規模が10人以上の職場の場合)。
年齢 | きまって支給する現金給与額(平均月給) | 年間賞与その他特別給与額(ボーナスなど) | 平均年収(平均月給×12ヶ月+年間賞与等) |
20~24歳 | - | - | - |
25~29歳 | - | - | - |
30~34歳 | 28万2,900円 | 25万4,900円 | 364万9,700円 |
35~39歳 | 32万9,000円 | 70万7,400円 | 465万5,400円 |
40~44歳 | 32万7,700円 | 77万9,700円 | 471万2,100円 |
45~49歳 | 32万7,400円 | 77万9,200円 | 470万8,000円 |
50~54歳 | 33万8,300円 | 87万4,600円 | 493万4,200円 |
55~59歳 | 29万7,900円 | 48万7,300円 | 406万2,100円 |
参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種:表番号7」
上記の表によると、男性ケアマネジャーの平均年収は30代から50代前半にかけて上昇しています。50代後半以降は働き方を調整する職員が多いためか、年収が減少する傾向にあるようです。
女性のケアマネジャーの年齢階級別の平均年収
女性のケアマネジャーの年齢別の平均給与は以下のとおりです(企業規模が10人以上の職場の場合)。
年齢 | きまって支給する現金給与額(平均月給) | 年間賞与その他特別給与額(ボーナスなど) | 平均年収(平均月給×12ヶ月+年間賞与等) |
20~24歳 | 19万3,700円 | 22万5,600円 | 255万円 |
25~29歳 | 24万4,400円 | 24万9,400円 | 318万2,200円 |
30~34歳 | 24万1,700円 | 54万4,700円 | 344万5,100円 |
35~39歳 | 25万6,300円 | 58万9,200円 | 366万4,800円 |
40~44歳 | 30万800円 | 64万2,900円 | 425万2,500円 |
45~49歳 | 28万4,300円 | 72万6,400円 | 413万8,000円 |
50~54歳 | 29万9,700円 | 67万9,500円 | 427万5,900円 |
55~59歳 | 28万9,700円 | 64万2,100円 | 411万8,500円 |
参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種:表番号7」
女性ケアマネジャーの平均年収は、20代~30代では200~300万円台ですが、40代からは400万円台になっています。平均年収のピークは、50代前半です。女性のケアマネジャーは、経験を積んで役職に就く職員が多いため、50代後半までは、年齢に応じて給与が上がる傾向にあると考えられます。
出典
政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種:表番号7」(2025年2月28日)
今の職場に満足していますか?
▼関連記事
主任ケアマネジャーの年収はどれくらい?給料アップの方法も解説!
ケアマネジャーの年収はほかの職種より低い?
ここでは、医療介護業界の職種と、ほかの業界の平均年収を紹介します。ケアマネジャーの給料事情について気になる方は参考にしてみてください。
医療介護業界のほかの職種との平均年収を比較
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.119)」をもとに、介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所において、常勤で勤務する各職種の平均年収をまとめました。
職種(常勤) | 平均給与額 | 平均年収 (平均月収×12ヶ月) |
ケアマネジャー | 36万1,770円 | 434万1,240円 |
介護職員 | 31万7,540円 | 381万480円 |
生活相談員・支援相談員 | 34万2,330円 | 410万7,960円 |
リハビリ専門職員 | 35万4,770円 | 425万7,240円 |
看護職員 | 37万3,750円 | 448万5,000円 |
事務職員 | 30万7,960円 | 369万5,520円 |
管理栄養士・栄養士 | 31万6,320円 | 379万5,840円 |
調理員 | 26万90円 | 312万1,080円 |
参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.119)」
介護事業所の職種別の平均年収をみると、ケアマネジャーは看護職員に次いで年収が高く、介護職員よりも50万円以上高いことが分かります。ケアマネジャーは、介護業界において年収が高い職種といえるでしょう。
なお、実際の年収は地域や職場によって異なるので、平均年収のデータは参考程度にご覧ください。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年2月28日)
医療介護以外の業界の職種との平均年収を比較
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種:表番号1」をもとに、ケアマネジャーとほかの業種の平均年収をまとめました(企業規模が10人以上の職場の場合)。
職種 | 平均給与 | 平均賞与額 | 平均年収(平均給与×12ヶ月+賞与) |
ケアマネジャー(介護支援専門員) | 29万7,100円 | 65万1,000円 | 421万6,200円 |
建築技術者 | 41万6,400円 | 133万1,000円 | 632万7,800円 |
ソフトウェア作成者 | 38万5,400円 | 95万1,000円 | 557万5,800円 |
保育士 | 27万1,400円 | 71万2,200円 | 396万9,000円 |
受付・案内事務員 | 23万8,200円 | 35万7,400円 | 321万5,800円 |
営業・販売事務従事者 | 33万900円 | 99万1,700円 | 496万2,500円 |
販売店員 | 26万7,000円 | 40万5,600円 | 360万9,600円 |
理容・美容師 | 30万9,400円 | 8万4,600円 | 379万7,400円 |
飲食物調理従事者 | 27万2,500円 | 31万9,200円 | 358万9,200円 |
参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種:表番号1」
ケアマネジャーと他業種との平均年収を比較したところ、ケアマネジャーが特別低過ぎるということはありません。とはいえ、ケアマネジャーに求められる業務量の多さや専門知識に、賃金が見合っていないと感じている方は少なくないようです。
出典
政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種:表番号1」(2025年2月28日)
ケアマネジャーは施設形態によって年収が変わるの?
ケアマネジャーは、勤務する施設形態によって年収が異なります。厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.157)」によると、ケアマネジャー資格を保有する介護職員の、施設形態別の平均給与額は以下のとおりです。
施設形態 | 平均給与額(月収) | 平均年収 (平均月収×12ヶ月) |
介護老人福祉施設(特養) | 41万4,760円 | 497万7,120円 |
介護老人保健施設(老健) | 39万7,600円 | 477万1,200円 |
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム) | 35万9,850円 | 431万8,200円 |
特定施設入居者生活介護事業所 | 36万4,310円 | 437万1,720円 |
小規模多機能型居宅介護事業所 | 36万1,010円 | 433万2,120円 |
通所介護事業所(デイサービス) | 31万3,480円 | 376万1,760円 |
訪問介護事業所 | 36万4,940円 | 437万9,280円 |
参考:厚生労働省「令和4年度介護職員処遇状況等調査結果(p.157)」
特養や老健といった、24時間体制でサービスを提供する介護施設では、ケアマネジャー資格を保有する方の年収が高くなっています。
なお、詳しい給与額や賞与額は職場ごとに異なるので、上記の数値はあくまで参考までにご覧ください。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2025年2月28日)
居宅ケアマネとは
居宅ケアマネとは、居宅介護支援事業所に勤務するケアマネジャーのことです。主に、自宅で生活をする利用者さんのケアプランの作成や、介護サービスを利用するための手続きを行います。居宅ケアマネは日勤のみで働くのが一般的です。居宅ケアマネについては「居宅ケアマネってどんな仕事?役割や施設ケアマネとの違い」も参考にしてみてください。
施設ケアマネとは
施設ケアマネは、介護施設に勤めるケアマネジャーです。介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)などの入居型の施設や、小規模多機能型居宅介護事業所などで働くケアマネジャーが該当します。
施設に入居している方のケアプランの作成に加え、介護職員や生活相談員と兼任する職場もあり、夜勤に入ることもあるようです。
居宅ケアマネと施設ケアマネの違いについては、「ケアマネージャーの仕事内容をわかりやすく解説!施設と居宅の業務の違い」で詳しく説明しているので、あわせてご覧ください。
居宅ケアマネと施設ケアマネの年収の違い
施設ケアマネが介護業務を兼務する場合、処遇改善手当や夜勤手当が付くため、年収が高くなる傾向にあります。一方、居宅ケアマネは基本的に夜勤がないため、夜勤手当などによる年収アップは見込めません。しかし、居宅ケアマネには、一定の生活リズムを保って働けるというメリットがあります。
職場や雇用形態によって年収額は変わるので、一概に施設と居宅のどちらが良いとは言い切れません。どちらにもメリットとデメリットがあるため、転職する際は給与額だけではなく、自分の介護観に合っているか、理想の働き方に近いかといった点も確認することが大切です。
▼関連記事
施設ケアマネの給料はどのくらい?多い?それとも少ない?
行政機関で働くケアマネジャー
地域包括支援センターとは、地域の高齢者を支援することを目的として、市区町村が運営する機関です。地域包括支援センターでは、居宅介護支援事業所と同様、ケアマネジャーや主任ケアマネジャーなどが活躍しています。
主任ケアマネジャーとして勤務するには、「主任介護支援専門員」の資格が必要です。主任ケアマネジャーはケアマネジャーの上位資格なので、一般的なケアマネジャーよりも高給与が期待できるでしょう。
主任ケアマネジャーになる方法については、後述する「主任ケアマネジャーになる」で説明します。
▼関連記事
地域包括支援センターのケアマネ業務とは?居宅介護支援との違いも解説
ケアマネジャーの年収は今後どうなる?
「ケアマネジャーの年収はこれから上がるの?」と気になる方もいるでしょう。ここでは、ケアマネジャーの給与の仕組みや今後の見通し、仕事の将来性などを解説します。
ケアマネジャーの給与が支給される仕組み
ケアマネジャーの給与は、主に介護報酬や地域包括支援センターによる認定調査の委託料から支給されます。介護報酬の金額は、担当する利用者さんの介護度によって決まるのが基本です。
また、居宅介護支援事業所では、サービスの質を維持するために、1人が担当する利用者さんが基準人数を超えると、報酬額が減少する仕組みがあります。給与を上げるために、担当する利用者さんをただ増やせば良いというわけにはいかず、事業主の力で給与を上げるのは難しいのが現状です。
ケアマネジャーの給与の仕組みをより詳しく知りたい方は、「ケアマネジャーの給料はどこから出ている?内訳や平均給与を解説」をご覧ください。
介護報酬改定によるケアマネジャーへの影響
2024年度の介護報酬改定では、介護職員等処遇改善加算の加算率が引き上げられました。厚生労働省の「処遇改善に係る加算全体のイメージ(p.5)」をみると、加算率は提供サービスによって0.5%~2.1%ほど。職種間配分ルールは、「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとしますが、事業所内で柔軟な配分を認める」との記載があります。
加算を取得している施設のケアマネジャーは、職場の判断によって給与が増える人もいるでしょう。
しかし、居宅介護支援事業所は、介護職員等処遇改善加算の算定はありません。施設ケアマネは介護報酬の処遇改善加算を受けられる可能性がある一方、居宅ケアマネは恩恵を受けられないことが問題視されています。
出典
厚生労働省「介護職員の処遇改善:TOP・制度概要」(2025年2月28日)
ケアマネジャーの処遇改善の今後
2024年12月に行われた、ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会では、ケアマネジャーの処遇改善に関する討論も行われました。
日本では高齢化の進行によって、ケアマネジャーの需要が高まる一方、人手不足が問題となっています。また、ケアマネジャーの高齢化も進んでいるため、10年以内にケアマネジャーが急激に減少すると予測されているようです。
そのため、国はケアマネジャーの人材確保と定着を図るために、ケアマネジャーの処遇改善を行う方針を示しました。
厚生労働省の「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会中間整理概要(p.2)」には、ケアマネジャーの賃金改善について、「他産業・同業他職種に見劣りしない処遇を確保する」と記載されています。賃金改善のほか、書類作成の負担軽減、カスタマーハラスメント対策など、ケアマネジャーの働く環境の改善も行っていくようです。
今後、ケアマネジャーの賃金や職場環境は、改善されていくでしょう。
出典
厚生労働省「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 中間整理」(2025年2月28日)
▼関連記事
ケアマネの給料は上がる?今後の処遇改善や収入アップ方法をご紹介!
ケアマネジャーの仕事の将来性
日本では、高齢化によって、介護を必要とする人が増え続けています。一人ひとりに合わせたケアプランを作成するケアマネジャーの専門性は、社会にとって必要不可欠です。ケアマネジメントの需要は今後も増していく見込みのため、ケアマネジャーは将来性のある仕事といえます。
また、「AIが導入されたら、ケアマネジャーは不要になるの?」と将来性を心配する方もいるようです。ケアマネジャーの仕事にAIを導入する目的は生産性の向上であり、ケアマネジャーの仕事を代替することではありません。
ケアプランの作成は、利用者さんの気持ちや生活に寄り添うことが大切です。しかし、利用者さんの気持ちに寄り添った仕事は、AIには難しいでしょう。今後、ケアマネジメント業務におけるAIの活用が進んでも、ケアマネジャーの仕事がなくなる可能性は低いといえます。
ケアマネジャーの今後については、「ケアマネは今後どうなる?AIの活用で不要になるの?将来性や需要を解説!」の記事も参考にしてみてください。
ケアマネジャーが年収をアップさせる方法
ケアマネジャーが年収を上げる方法としては、「施設ケアマネになって夜勤に入る」「経験年数を重ねる」「管理職やリーダー職に就く」などが挙げられます。下記で詳しく説明するので、ケアマネジャーとして年収アップを目指す方は参考にしてみてください。
施設ケアマネになって夜勤に入る
施設ケアマネは、介護職との兼任が可能です。介護職員として夜勤に入ることで、深夜手当や夜勤手当が支給され、年収がアップする可能性があります。深夜手当の割り増し額は法律で決められていますが、夜勤手当の具体的な金額は職場の裁量で決定するのが一般的です。転職して年収を上げたい方は、夜勤手当の額を確認しておくと良いでしょう
介護福祉士と兼務する
ケアマネジャーと介護福祉士の業務を掛け持ちすることで、年収をアップする方法もあります。ケアマネジャーのなかには、介護福祉士からキャリアアップした方もいるでしょう。介護福祉士の資格を活かして、介護職のマネジメントや教育を行えば、給与アップに繋がります。
勤続年数を重ねて経験を積む
介護業界は、定期昇給によって基本給が上がる職場も多いようです。また、勤続年数が長くなるほど、退職金も多く支給される傾向があるので、生涯収入のアップも狙えます。昇給制度や退職金の金額は職場によって異なるため、転職前にチェックしておきましょう。
管理職やリーダー職に就く
ケアマネジャーの資格や経験を活かして役職に就くことで、役職手当や昇給による年収アップが期待できるでしょう。管理職やリーダー職に就くと業務範囲が広がり、責任は重くなりますが、マネジメントスキルを活かして裁量権を持って仕事ができるやりがいもあります。自分のスキルアップがモチベーションになる方は、キャリアアップを目指すのも方法の一つです。
主任ケアマネジャーになる
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)の資格を取得することで、基本給や資格手当が増え、年収がアップする可能性があります。
主任ケアマネジャーになるには、「主任介護支援専門員研修」の修了が必要です。受講要件としては、「常勤専任のケアマネジャーとしての従事期間が5年以上(60ヶ月以上)あること」「ケアマネとジャーして、十分な知識と経験があること」などが定められています。なお、主任介護支援専門員研修の受講要件は自治体によって異なるため、資格登録や勤務している都道府県の研修機関のWebサイトを確認しておきましょう。
主任ケアマネジャーの資格取得に興味がある方は、「最短で主任ケアマネジャーになる方法とは?受験資格や研修費用も解説」をご覧ください。
▼関連記事
主任ケアマネージャーの仕事内容とは?資格の取り方やメリットも解説
独立開業する
ケアマネジャーとして独立し、居宅介護支援事業所を開業すれば、経営状況によっては年収が上がる可能性があります。居宅介護支援事業所は、主任ケアマネジャーの資格があれば1人でも開業が可能です。業務に支障が出ないことを条件に、管理者とケアマネジャーの兼務も認められています。
独立開業するメリットには、収入アップだけでなく、自分のライフスタイルに合わせて仕事を調整しやすいという点もあるでしょう。ただし、経営状況によっては収入が安定しないリスクもあります。独立開業するには、ケアマネジャーとしての知識・スキル以外にも、経営のノウハウが必要です。
給与条件の良い職場に転職する
現在の勤務先で、「資格手当の金額が少ない」「昇給の見込みがない」「給料が仕事に釣り合っていない」と感じている方は、待遇が良い職場への転職を検討しても良いでしょう。
職業情報提供サイト(日本版O-NET)の「介護支援専門員/ケアマネジャー」によると、2023年の有効求人倍率は7.03倍です。ケアマネジャーは需要が高く、売り手市場なので、今よりも好条件で働ける職場が意外と近くにあるかもしれません。
介護業界での転職をサポートするレバウェル介護(旧 きらケア)は、全国のケアマネジャー求人を取り扱っています。希望条件や経歴をヒアリングしたうえで、あなたに合った職場をご提案することが可能です。「話を聞くだけ」でも大丈夫なので、ぜひ気軽にお問い合わせください。
出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「介護支援専門員/ケアマネジャー」(2025年2月28日)
ケアマネジャーの資格を取得する方法
ケアマネジャーの資格を取得するには、「介護支援専門員実務研修受講試験への合格」と「介護支援専門員実務研修の修了」が必要です。介護支援専門員実務研修受講試験の受験要件は、下記のように定められています。
- 介護福祉士・社会福祉士など、指定の国家資格に基づく業務に通算5年(かつ900日)以上従事していること
- 介護施設などで、生活相談員や支援相談員などとして相談援助業務に通算5年(かつ900日)以上従事していること
ケアマネジャーになるには、介護分野や福祉分野における実務経験が必要です。上記のいずれかを満たしたうえで試験に合格し、研修を修了して資格登録することで、ケアマネジャーとして働けるようになります。
ケアマネジャーへのキャリアアップを目指す方は、「ケアマネジャーになるには最短で何年?介護支援専門員の受験資格を解説」も参考にしてみてください。
ケアマネジャーの年収についてよくある質問
ここでは、ケアマネジャーの年収についてよくある質問にお答えします。「ケアマネジャーってどのくらい稼げるの?」と知りたい方は、参考にしてみてください。
ケアマネジャーが年収1,000万を目指すことは可能?
雇用されて働くケアマネジャーが年収1,000万円を目指すのは、難しいといえます。厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.119)」によると、常勤のケアマネジャーの平均給与は 36万1,770円です。平均月収×12ヶ月で算出した平均年収は434万1,240円なので、年収1000万円を叶えるのは難しいでしょう。しかし、独立して介護事業所を開業すれば、年収アップを目指すことも可能です。
詳しくは、「ケアマネ(介護支援専門員)で年収1000万円は可能?給与アップの方法」をご覧ください。
ケアマネジャーの手取りの給料はどれくらい?
一般的に、手取り給与は総支給額の8割前後といわれています。常勤で働くケアマネジャーの平均給与36万1,770円から参考値を算出すると、月の手取りは約29万です。こちらの金額には賞与等を含むので、実際の月給はもう少し低い可能性があるでしょう。なお、給与額や賞与額、各種手当は職場によって異なるため、ご紹介した数値は目安としてご覧ください。この記事の「ケアマネジャーの平均年収」では、勤務形態や年齢など、さまざまな視点からケアマネジャーの年収を解説しているので、チェックしてみてください。
まとめ
施設に勤務するケアマネジャーの平均年収は434万1,240円で、介護業界のなかでは高い水準にあります。とはいえ、全業界の正職員の平均年収よりは低い傾向にあり、「業務量の負担が多い割に給料が少ない」と思う方もいるようです。
ケアマネジャーが年収を上げるには、経験年数を重ねたり役職に就いたりする方法が効果的です。現在の職場の手当が少なく昇給の見込みもない場合は、年収を上げるのは難しいため、待遇が良い職場に転職する選択肢もあります。
「今より好条件の職場に転職したい」という方は、レバウェル介護(旧 きらケア)へご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)では、介護業界の転職事情に詳しいアドバイザーが、地域の給与水準を把握したうえで、好待遇の求人をご提案いたします。これからケアマネジャーを目指す方には、資格取得支援制度が手厚い職場も紹介も可能です。サービスはすべて無料なので、気軽にお問い合わせください。
今の職場に満足していますか?