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この記事のまとめ
- ホームヘルパーの平均給与は、常勤で約32万円、非常勤で約22万円
- ホームヘルパーの給与は、勤務形態や地域、勤続年数などによって異なる
- ホームヘルパーが給料を上げるには、パートから正社員になる方法がある
利用者さんの自宅に訪問し、介護サービスを提供するホームヘルパー。給与は日本人の平均と比べるとやや低めですが、介護の需要の広がりから改善される可能性があります。本記事では、ホームヘルパーの給与相場を、月給、手取り、時給、年収、ボーナスなど、項目別にまとめました。ホームヘルパーが給与アップを目指す方法についても紹介しているので、今後さらなるステップアップを図りたい方も、ぜひ参考にしてみてください。
ホームヘルパー(訪問介護員)とは?仕事内容や必要な資格、給料を解説 →レバウェル介護の資格スクールはこちらホームヘルパーの給与相場(月収・手取り)
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p122)」によると、2022年度におけるホームヘルパー(訪問介護事業所で働く介護職員)の平均給与額は、常勤で約32万円、非常勤で約22万円でした。下記は、詳しい給与データと手取り額の目安をまとめた表です(手取り額は月収の8割で算出)。
勤務形態 | 2022年度の給与(手取り) | 2021年度の給与(手取り) |
常勤 | 315,170円(252,136円) | 314,590円(251,672円) |
非常勤 | 219,390円(175,512円) | 201,120円(160,896円) |
参考:「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p122)」
このデータから、2022年度のホームヘルパーの平均給与は常勤・非常勤どちらの場合でも前年度より高くなっていることが分かります。高齢化により介護・福祉に関する仕事の需要は年々高まっているため、ホームヘルパーの給与も今後上がっていくことが期待できるでしょう。
なお、手取りとは、給与の総支給額から社会保険料や所得税、住民税などを引いたもので、給与額面のおよそ8割程度といわれています。手取り額は、前年の収入や扶養の有無、扶養家族の人数などによっても変わるので気をつけましょう。
ホームヘルパーの時給
ホームヘルパーは、パートタイムやアルバイト、派遣など、時給で働く介護職員もいます。厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p124)」によれば、時給で働くホームヘルパーの平均給与は下記のとおりでした(時給は平均給与÷実労働時間数で算出)。
勤務形態 | 2022年度の給与(時給) | 2021年度の給与(時給) |
常勤 | 264,680円(約1,490円) | 243,680円(約1,430円) |
非常勤 | 107,310円(約1,610円) | 101,420円(約1,530円) |
2022年度における常勤のホームヘルパーの時給は約1,500円、非常勤の場合は約1,600円でした。ただ、この数値はあくまで平均であり、資格の有無や働く時間帯、地域、業務内容などによって違いがあります。たとえば、食事介助、入浴介助、排泄介助といった利用者さんの身体に直接触れる「身体介護」に携わるホームヘルパーの場合、初任者研修以上の資格が必要です。そのため、無資格でも行える調理・洗濯・買い物などの「生活援助」のみに携わるホームヘルパーよりも、給与は高くなるでしょう。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2023年8月4日)
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ホームヘルパーの給与相場(年収)
厚生労働省の職業情報提供サイト(日本版O-NET「訪問介護員/ホームヘルパー」によると、ホームヘルパーの年収は353.2万円です(2023年8月時点)。国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」で算出された日本人の平均年収443万円と比較してみると、ホームヘルパーの年収はやや低いといえるでしょう。ただ、両データは抽出条件などが異なるので、一概に比較できるものではありません。あくまで参考程度に見ておきましょう。
地域別のホームヘルパーの給与相場
厚生労働省の統計データには、地域別の年収も記載されています。下記は、地域を抜粋してまとめたものです。
地域 | 年収 |
全国平均 | 353.2万円 |
東京都 | 341万円 |
神奈川県 | 395.9万円 |
千葉県 | 346.2万円 |
埼玉県 | 377.5万円 |
大阪府 | 314.8万円 |
愛知県 | 366.8万円 |
ホームヘルパーの年収相場は約353万円なので、神奈川県、埼玉県、愛知県はそれを上回る数値です。人口が多い地域では、働く場所の選択肢も多いので、全国水準よりもホームヘルパーの給与が高い傾向にあります。
ホームヘルパーの初任給
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」によると、2022年度における勤続年数0年のホームヘルパーの給与は約24万でした。同省の「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 新規学卒者の学歴別にみた賃金」によると、2022度の新規学卒者の初任給は、大学卒の場合で約23万円です。ホームヘルパーは、新卒に限らず幅広い年齢からチャレンジできる仕事であるため比較するのは難しい面があるものの、初任給としては平均的な水準といえるでしょう。
ホームヘルパーの勤続年数別給与
下記に、勤続年数別の給与額をまとめたので、確認しましょう。
勤続年数 | 所定内給与額(男性) | 所定内給与額(女性) |
0年 | 23万6,200円 | 21万8,500円 |
1~4年 | 24万4,100円 | 22万9,900円 |
5~9年 | 25万6,100円 | 23万6,000円 |
10~14年 | 27万7,400円 | 24万4,400円 |
15年以上 | 30万5,600円 | 24万8,600円 |
参考:e-Stat 政府統制の総合窓口「賃金構造基本統計調査 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
データから、ホームヘルパーの給与は、男性・女性ともに勤務年数15年以上まで増加傾向にあることが分かります。勤続年数を重ねることで、できる仕事の幅が広がり、支給される給与が増加するようです。
出典
e-Stat 政府統制の総合窓口トップページ(2023年8月4日)
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2023年8月4日)
ホームヘルパーのボーナス(賞与)
ホームヘルパーのボーナス(賞与)は下記のとおりです。初年度のボーナスは少ないものの、勤続年数に応じて金額はアップしていく傾向があります。ホームヘルパーは、勤続年数を重ねていくことが給与アップにつながるといえるでしょう。
勤続年数 | 特別給与額(男性) | 特別給与額(女性) |
0年 | 1万8,500円 | 6万6,600円 |
1~4年 | 32万2,700円 | 29万2,700円 |
5~9年 | 45万4,700円 | 34万6,700円 |
10~14年 | 49万7,900円 | 37万9,300円 |
15年以上 | 58万5,700円 | 53万1,300円 |
参考:e-Stat 政府統制の総合窓口「賃金構造基本統計調査 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
ホームヘルパーのボーナスは、事業所によって支給制度がなかったり、業績によって支給が決定されたりする場合もあります。ボーナスの有無は、年収に大きく関わってくるものなので、これから就職・転職を検討している方は、事業所の就業規則などの情報を細かくチェックしましょう。
出典
e-Stat 政府統制の総合窓口「賃金構造基本統計調査 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」(2023年8月4日)
ホームヘルパーの年齢別・男女別平均年収
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p164)」によると、2022年度における訪問介護事業所で働くホームヘルパーの年齢別、男女別の平均給与は下記のとおりでした。
年齢 | 男性 | 女性 |
29歳以下 | 281,960円 | 270,270円 |
30~39歳 | 323,950円 | 306,550円 |
40~49歳 | 358,910円 | 311,540円 |
50~59歳 | 338,400円 | 320,740円 |
60歳以上 | 290,810円 | 297,910円 |
引用:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p164)」
ホームヘルパーの給与は60歳になるまで女性より男性のほうが高い金額となっています。これは、男性のほうが管理職が多いことが少なからず影響しているでしょう。また、男女ともに年齢を重ねるほど年収が上がる傾向にあり、男性・女性ともに40代~50代がピークとなっています。
ホームヘルパーは正社員と派遣どちらが稼げる?
ホームヘルパーの派遣(登録ヘルパー)は時給次第といえ、金額によっては正社員よりも稼げる場合があります。厚生労働省の「令和3年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)(p.10)」をもとに、算出すると、登録ヘルパー時給は約1,300円でした。仮に、1日8時間20日働いたとすれば月収208,000円、1日8時間22日働いたとすれば228,800円となり、常勤で働くホームヘルパーよりもやや低い給与になります。
ただし、首都圏の場合は高齢者数が多く需要が高いこともあり、2,000円を超えるような高時給の求人もあるようです。働いた分だけ収入を手に入れられる一方、時給や出勤日数が少なければ稼ぎにくい面もあり、正社員と登録ヘルパーどちらが良いかはその人次第といえるでしょう。
正社員の特徴 | 登録ヘルパーの特徴 | |
働き方 | フルタイムの常勤 | 働きたい曜日・勤務時間を登録する |
給与形態 | 月給制 | 時給制 |
ボーナスの有無 | ボーナスが出ることが多い | ボーナスが出ることもある |
働くメリット | 収入が安定するキャリアアップによる昇給が見込める | 働いた分だけ稼げる掛け持ちで登録ができる |
正社員の場合は、退職金やボーナスを支給する事業所が多いことや、経験を着実に積み上げれば役職や管理職を目指せます。安定した収入を得ながらキャリアアップによる昇給を望めるのが正社員の強みです。登録ヘルパーの場合は、働きたい曜日や勤務時間を自由に選べるほか、掛け持ちで登録できるので、やり方次第では収入を増やすことも可能になります。派遣会社によってはボーナスが支給される場合もあるでしょう。
また、紹介型派遣の働き方であれば、派遣先の施設で正社員になることを検討しながら業務に取り組めます。ゆくゆくは正社員になりたいと考えている方は、紹介型派遣を利用するのも方法の一つです。慢性的な人手不足から介護業界は非常勤職員の待遇も高くなる可能性があるので、自身のライフスタイルに合った働き方を選択しましょう。
出典
厚生労働省「令和3年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」(2023年8月4日)
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訪問介護はメリットだらけ?転職時のポイントや注意点も
ホームヘルパーが給与アップを目指す4つの方法
最後に、ホームヘルパーとして給与アップする方法を4つご紹介します。将来のビジョンやライフプランについて考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.パート・アルバイトから正社員になる
パートやアルバイトといった非正規雇用社員として働くホームヘルパーさんは、正社員を目指すのがおすすめです。家庭の事情ややむを得ない理由があり、時短勤務をしている場合は難しいかもしれませんが、「体力的に余裕がある」「給与アップと一緒にキャリアも積んでいきたい」という方は、正社員のほうが向いています。ボーナスが支給される訪問介護事業所を選べば、年収が大幅にアップする可能性もあるでしょう。
2.資格を取得して資格手当による収入アップを目指す
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p157)」を見ると、ホームヘルパー(訪問介護事業所で働く介護職員)の平均給与額は、保有資格によって下記のような違いがあることが分かります。
資格 | 平均給与 |
無資格 | ー |
介護職員初任者研修 | 306,830円 |
実務者研修 | 318,790円 |
介護福祉士 | 323,470円 |
介護支援相談員 | 364,940円 |
引用:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p157)」
上記の表にはデータがありませんが、無資格のホームヘルパーの場合、利用者さんの身体に直接触れる身体介護はできないため、料理や洗濯、掃除といった生活援助を行うことになります。そのため、同じホームヘルパーでも、給与は比較的低めです。また、資格ごとに専門的な介護知識や技術が身につくため、給与もアップする傾向にあります。今の事業所で給与アップを図るなら、まずは資格を取得することから始めると良いでしょう。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 (p157)」(2023年8月4日)
介護福祉士の資格を目指すのがおすすめ
国家資格の介護福祉士を取得すれば、仕事の幅が広くなるうえ資格手当による給与アップが期待できます。介護福祉士の資格を取得するには、「介護福祉士国家試験」へ合格しなくてはなりません。「第35回介護福祉士国家試験合格発表」によると、第35回介護福祉士国家試験の合格率は84.3%と高め。対策をきちんと行えば取得できるはずなので、問題集をやり込むほか、スクールや通信講座を利用して効率良く学習すると良いでしょう。
なお、介護福祉士国家試験を受けるためには、従業期間3年以上かつ従業日数540日以上の実務経験と実務者研修課程の修了が求められます。
出典
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」(2023年8月4日)
厚生労働省「第35回介護福祉士国家試験合格発表」(2023年8月4日)
3.サービス提供責任者(サ責)になる
介護業界でのステップアップを考えている方は、サービス提供責任者を目指すのも方法の一つです。サービス提供責任者は、訪問介護事業所におけるホームヘルパーさんのまとめ役となる職種。ケアマネジャーが作成したケアプランをもとに訪問介護計画書を作ったり、ヘルパーの教育や指導を行ったりするためホームヘルパーよりも責任が増しますが、その分給与も高くなる傾向があります。
サービス提供責任者を目指すには、介護福祉士や実務者研修の資格を有していること、または介護職員初任者研修課程を修了して3年(540日)以上の実務経験が必要です。ただし、介護職員初任者研修からステップアップするのは難しい傾向にあるので、サービス提供責任者を目指すなら実務者研修以上の資格を取得しておくとスムーズでしょう。
4.給与水準の高い事業所に就職・転職する
ホームヘルパーとして満足のいく給与を手に入れたいのであれば、給与水準が高い事業所に転職するのも良いでしょう。介護や福祉に関する事業所は全国に点在しているので、より良い条件の職場を見つけられるはずです。求人を探す際は、賞与の有無や手当の種類を確認し、納得できるところを選んでください。給与の額面が高くても昇給のない事業所だと、将来的な収入アップを期待できません。「昇給・賞与の実績はあるか」「各種手当の支給は手厚いか」など、待遇面を考慮しながら複数の事業所を比較検討しましょう。
ホームヘルパーの給与についてよくある質問
ホームヘルパーの給与についてよくある質問に回答します。「いくら給与がもらえるか知りたい」という方は、チェックしてみてください。
ホームヘルパーはいくら給与がもらえるの?
ホームヘルパーの平均給与は、常勤で31万5,170円、非常勤で21万9,390円です。常勤と非常勤間で、10万円ほどの給与差があります。給与は施設によって異なるので、あくまで参考としてご覧ください。「ホームヘルパーの給与相場(月収・手取り)」で、給与の変化について詳しく解説しているので、興味がある方はぜひチェックしてみましょう。
ホームヘルパーにはどれくらいボーナスが支給されるの?
ホームヘルパーの初年度のボーナスは、約1万8,500円で、10~14年勤めている方の平均ボーナス額は、約49万7,900円です(男性の場合)。勤続年数が長くなるほどボーナスの金額も増加する傾向があるようです。ただし、ボーナスの金額は、施設によって異なります。施設や業績によっては、ボーナスが支給されないことも。転職する際は、事前に就業規則を確認しておきましょう。「ホームヘルパーのボーナス(賞与)」で、ホームヘルパーのボーナスについて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
まとめ
ホームヘルパーの平均給与は、年収353.2万円です。日本人の平均年収443万円万円と比較するとやや低い傾向にありますが、介護業界は人手不足と需要の高さから給与を含めた待遇面の改善が期待できるでしょう。
ホームヘルパーの給与は年齢、勤続年数、地域、保有資格によって変わるため、給与アップの方法は多岐にわたります。たとえば、介護福祉士の資格を取得して仕事の幅を広げたり、サービス提供責任者として責任の大きな仕事をしたりするなどの方法が有効です。今すぐに、給与アップを叶えるなら、自身の希望条件に適した事業所に転職するのも良いでしょう。
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