
この記事のまとめ
- 認知症介護実践リーダー研修では、認知症介護を指導できる人材を育成する
- 認知症介護実践リーダー研修は、都道府県の定める要件を満たせば受講できる
- 認知症介護実践リーダー研修を取得すると、認知症ケアに専門性を活かせる
認知症介護実践リーダー研修とは、認知症介護のリーダーを育成し認知症介護の質の向上を目的とした資格です。認知症に関する資格の中でも上位に位置する資格であり、受講資格も比較的厳しく定められています。これから受講する方の中には、修了が難しいのか気になる方も多いでしょう。この記事では認知症介護実践リーダー研修の概要や受講内容、難易度などを解説。受講を検討している方は参考にしてみてください。
介護資格の種類31選!取得方法やメリットを解説します認知症介護実践リーダー研修とは
認知症介護実践リーダーとは、介護施設や事業所において認知症介護の指導ができるリーダーを育成するための資格です。さらに、地域特性を活かして認知症の方を支援できるようになることを目的としています。
認知症介護実践リーダー研修は、各都道府県が指定する事業所で実施している研修です。会場や開催日時などは、自宅または職場が所在する自治体のホームページなどから確認できます。
働きながら資格を取る方法教えます
認知症介護実践リーダー研修の概要
認知症介護実践リーダー研修は、「認知症介護基礎研修」と「認知症介護実践者研修」の上位資格にあたります。認知症への知識を深められるだけではなく、チームマネジメント力を学べるのが認知症介護実践リーダー研修の特徴です。ここでは、受講資格や申込方法、カリキュラムなどをご紹介します。認知症介護実践リーダー研修の受講を考えている方は、参考にしてみてください。
受講資格
認知症介護実践リーダ研修を受けるには、下記の受験資格などを満たしている必要があります。
- 認知症介護実践者研修の修了から1年以上経過している
- 認知症の方の介護業務に5年以上従事した経験がある
- 介護施設や事業所において、リーダーや指導する立場にある
- 認知症介護を向上させる意欲のある人
認知症介護実践リーダ研修の受験資格は、ほかの福祉系の資格と比べて厳しく定められています。ただし、各都道府県によって受験資格は異なるので、詳しくは該当する自治体のホームページでご確認ください。受験資格である認知症実践者研修に関しては「認知症介護実践者研修は難しい?資格取得の方法やメリットを解説」で解説しています。これから認知症介護実践者研修を受講する方は参考にしてみてください。
申込み方法
申し込みは基本的に、研修を実施している事業所のホームページから必要書類を送信、または郵送して行います。上記でも述べたとおり、各都道府県の指定する事業所が実施しているため、申し込み方法は一律ではありません。また、必要書類として「実践者研修の修了証」や「推薦状」「写真」などの提出が求められることもあります。用意に時間が掛かる場合があるので、上司に聞いたりホームページで調べたりして申込方法などを早めに確認しておくことが大切です。
後日、受講可否結果と受講決定通知書が送られてくるので、指示に従って受講手続きを行うことで受講できます。申し込み人数が定員を超えた場合、抽選となることもあるようです。
受講内容
認知症介護実践リーダー研修は「講義・演習」「他施設実習」「自施設実習」で構成されています。実施する事業所によって時間数が増減することもありますが、基本的なカリキュラムは以下のとおりです。
講義・演習
- 認知症介護の理念(10時間)
- 認知症介護のための組織論(14時間)
- 人材育成のための技法(19.5時間)
- チームケアのための事例演習(11.5時間)
実習
実習課題設定(2時間)
外部実習(3日以上)
職場実習(4週間)
実習結果報告を通してのまとめ(1日)
認知症介護実践リーダー研修をすべて修了するには、3ヶ月ほど要することが多いようです。講義・演習のスケジュールは各事業所によって異なるため、事前に確認しシフト調整をしておく必要があるでしょう。すべてのカリキュラムを修了すると修了証書が交付され、資格取得となります。
Web研修が実施されているところもある
最近では感染予防のため、Web研修を取り入れているところもあります。Web研修では安定したネット環境やマイク、カメラ、スピーカーなどの準備が必要です。
ネット環境の不具合により受講ができなかった場合は欠席扱いとなってしまい、修了認定が貰えない可能性も。事前にネット環境を確認しておくことが重要です。
▼関連記事
【認知症介護の資格一覧】介護士さんにおすすめの理由や取得のメリット
認知症介護実践リーダー研修の難易度
認知症介護実践リーダー研修には修了試験などは設けられておらず、基本的にすべての研修を受講することで修了認定が貰えます。ただし、提出物や受講態度などから研修内容の理解が足りないと判断された場合には、課題の提出を求められたり、修了認定されないケースもあるようです。とはいえ、試験や合格のボーダーなどが設けられているわけではないので、受講要件を満たしたうえで真面目に取り組めば難易度はそれほど高くないでしょう。
認知症介護実践リーダー研修を受講するメリット
認知症介護実践リーダー研修を受講するメリットは、認知症介護の質を向上させるだけではありません。下記では、認知症介護実践リーダー研修を受講するメリットをご紹介します。
認知症に特化した介護施設や事業所での需要が高い
とくに認知症に特化した介護施設や事業所では、認知症介護実践リーダー研修を修了した介護士の需要が高く、職場において重宝される存在になるでしょう。理由として「グループホームで短期利用認知症対応型共同生活介護を行う場合、認知症介護実践リーダー研修を修了したスタッフの配置を義務付けられている」ことが挙げられます。さらに「認知症専門ケア加算の算定要件の一つを満たせる」のも理由です。
ほかにも、研修修了者が介護施設や事業所において認知症介護の指導を行うことで、施設全体における認知症介護の質の向上にも繋がるはず。周りから頼りにされることも増えるでしょう。「資格を活かした仕事をしたい」という方にもおすすめの資格です。
▼関連記事
グループホームで働くには資格は必要?施設の特徴や仕事内容も解説
キャリアアップに繋がる
認知症介護実践リーダー研修は、主に指導者の育成を目的としているため、主任・副主任・ユニットリーダーなどのキャリアアップに繋がる資格です。また、認知症介護実践リーダー研修は認知症に関する研修の講師になるのに必要な「認知症介護指導者養成研修」の受験要件に含まれています。将来、認知症介護の指導者として働きたいと考えている方にとって、認知症介護実践リーダー研修は一つのステップになるでしょう。
▼関連記事
介護職で出世する人の特徴とは?共通点や早期キャリアアップのコツを解説!
認知症介護実践リーダー研修に関する質問
ここでは、認知症介護実践リーダー研修に関する質問を、Q&A形式で回答していきます。
認知症介護実践リーダー研修の目的とは?
認知症介護実践リーダー研修の目的は、「認知症支援の質を向上させるために展開できる力を身につけること」です。認知症を患う人が自立した日常生活を営むためにも、認知症支援のチームリーダーとして職員を指導し、チームケアの調整を行えるよう、研修を通じてスキルを磨きます。
出典
東京都福祉保健局「トップページ」(2022年9月30日)
認知症介護実践リーダー研修は難しいですか?
それほど難易度は高くないといえます。修了試験は行われないため、認知症介護実践リーダー研修をすべて受講すれば、修了認定を得ることが可能です。本記事の「認知症介護実践リーダー研修の難易度」にも、難易度の詳細をまとめています。受講を検討している方は、ぜひご一読ください。
まとめ
認知症介護実践リーダー研修とは「認知症介護基礎研修」と「認知症介護実践者研修」の上位資格にあたり、介護施設や事業所において認知症介護の指導ができるリーダーを育成するための資格です。認知症知識のほか、チームマネジメント力を養うことを目的としています。
認知症介護実践リーダー研修は、各都道府県が指定する事業所で実施しているため、会場や開催日時、受講料金、申込方法などは一律ではありません。自宅または職場がある自治体のホームページなどで、早めに確認しておくことが大切です。
認知症介護実践リーダー研修は主任・副主任・ユニットリーダーなどのキャリアアップが望める資格です。また、施設全体における認知症介護の質の向上に繋がり、周りから頼りにされることも増えるでしょう。
もし「今の職場では理想とするキャリアビジョンが叶えられない」「さらに自分のスキルを活かした仕事がしたい」と悩んでいる方は、転職によって理想を叶えられることも。「自分のスキルを活かせる職場が分からない」「転職先を探す時間がない」という方はレバウェル介護(旧 きらケア)がおすすめです。レバウェル介護(旧 きらケア)では、実際に介護施設を訪問し、職場環境や人間関係など細かい情報を収集してから求人をご紹介。豊富な情報の中から、あなたのスキルを活かせる転職をしっかりサポートするので、キャリアアップできて自分の介護観とマッチする職場に出会えます。また、自分の適性に合った職場で働くことで勤続年数が長くなり、給料がアップすることも。自分の経験やスキルを活かした転職をしたいと悩んでいる方は、お気軽にレバウェル介護(旧 きらケア)へご相談ください。
グループホームの求人一覧ページはこちら
小規模多機能型居宅介護 の求人一覧ページはこちら
働きながら資格を取る方法教えます