
この記事のまとめ
- ブラックな介護施設とは、労働環境が劣悪な職場のこと
- ブラックな介護施設を見極めるには、情報収集をすることが大切
- ブラックな介護施設から転職する際は、エージェントを活用するのがおすすめ
「もしかして、自分の職場はブラックな介護施設かも…」とお悩みの介護職員の方もいるでしょう。ブラックな介護施設の特徴として、労働時間が極端に長かったりハラスメントが横行していたりするなどが挙げられます。本記事では、ブラック企業の傾向がある介護施設の特徴について、詳しくまとめました。転職する際の注意点や入職してしまった場合の対処法もご紹介するので、転職を考えている介護職員の方は参考にしてみてください。
ブラックな介護施設とは
ブラックな介護施設とは、労働時間が極端に長かったり、ハラスメントが横行していたりするなど、ブラック企業の特徴を持つ介護施設や事業所を指します。労働環境が劣悪なので、職員の離職率が高い傾向にあるのも特徴です。「自分の職場は、もしかしてブラックな介護施設なのでは…」という方は、労働基準監督署のような対策窓口に相談してみると良いでしょう。
評判の悪い介護施設にも要注意
「あの介護施設は入居者さんへの対応が良くない」「ワンマン経営でスタッフがどんどん辞めていく」など、評判が著しく悪い施設は、ブラックな介護施設である可能性があるでしょう。口コミや噂は悪いものが集まりやすい傾向があるため、評判が悪い介護施設がブラックであるとは一概にはいえません。しかし、度を越して評判が悪い介護施設には、注意したほうが良いでしょう。
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ブラックな介護施設の労働環境の特徴
ブラック企業の傾向を持つ介護施設の特徴を、「労働環境」「人間関係」「業務面」「求人採用」の4つに分けて解説します。当てはまる項目が多い場合、ブラックな介護施設である可能性が高いでしょう。
まずは、ブラックな介護施設の労働環境の特徴をご紹介します。
労働条件通知書と実際の労働条件が違う
労働条件通知書の内容と実際の労働条件が違う介護施設は、ブラックであるといえます。雇用者が労働契約を結ぶ際は、求職者に労働条件を示さなくてはいけません。このときに提示する「労働条件通知書」の内容が実際と異なる場合、法律違反となります。
なかには、求人情報と実際の労働条件が違う介護施設もあるでしょう。介護施設によっては、試用期間中の条件が通常と異なることもあるようです。そのため、求人に載っている情報と実際の労働条件に差があるからといって、一概にブラックな介護施設であるとは言い切れません。ただし、「給与が求人情報よりもかなり低い」「残業時間が何十時間もオーバーする」など、明らかに求人と異なる場合は、ブラックな介護施設の可能性があります。
人員配置基準を無視している
介護施設は、安全にサービスを提供するために、法律で定められた人員配置基準を満たさなくてはなりません。特養を例に挙げると、「常勤の施設長1名を配置」「常勤の看護職員と介護職員の総数が、利用者さん3人に対して1人以上を配置」というのが基準です。
人員配置基準をクリアしていない場合は、「介護サービスを提供するのに必要な人員が不足している危険な状態」と判断され、介護保険法違反として行政指導や処分の対象となります。人員配置基準を満たさない施設は、罰則を受けるリスクがあるだけではなく、利用者さんへの対応が手薄になって介護事故に繋がるおそれもあるでしょう。
当たり前のように長時間労働を強いられる
介護施設では、慢性的な人手不足だったり、イレギュラーな対応が発生したりすることから、業務時間が長引くこともあります。しかし、度を超えた長時間労働がある場合は、ブラックな介護施設の可能性が高いでしょう。
厚生労働省の「時間外労働の上限規制わかりやすい解説(p.4)」によると、時間外労働の上限は、原則として月45時間、年360時間です。夜勤に入る場合も含め、特別な事情がない限り、この上限を超えてはいけません。そのため、基準を超えた長時間労働を強いる職場は、ブラックな介護施設といえます。
サービス残業が常態化し残業代が支給されない
残業が発生しているにもかかわらず残業代を支給しないのは、労働基準法違反です。残業に関わる賃金が支払われない「サービス残業」が常態化している場合は、ブラックな介護施設といえるでしょう。
「もしかしたらサービス残業をしているかも…」と不安な方は、「介護職はサービス残業が当たり前?残業になりやすい業務と対処法を解説」の記事もあわせて確認してみてください。
休日が少ない・有給休暇を取得できない
休日が少な過ぎる場合や、有給休暇を取得できない場合も、ブラックな介護施設といえるでしょう。労働基準法第35条によると、雇用者は労働者に対して、「週に1回以上または4週間に4日以上」の休日を与えなくてはいけません。休日の回数や頻度が基準を満たしていない介護施設には、注意が必要です。
また、有給休暇の取得は労働者の権利であるため、年次有給休暇が付与されているのに取得できない場合、あまり良い介護施設とはいえません。
厚生労働省の「年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい解説(p.5)」には、「年次有給休暇が10日以上付与される労働者には、年5日の有給休暇を取得させることが使用者の義務である」と記載されています。有給休暇の申請を理由もなく拒否されて、一度も取得できないような場合は、ブラックな介護施設である可能性が高いでしょう。
出典
厚生労働省「「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について」(2024年7月9日)
e-Gov法令検索「労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)」(2024年7月9日)
特別な理由があってもシフトを休めない
ブラックな介護施設では、突然の体調不良や身内の不幸といった特別な理由があっても、休めないことがあるようです。人手不足で、一人でも介護職員が欠勤するとその日の業務が回らなくなる場合、特別な理由があっても仕事を休めないことがあるかもしれません。また、「休めるけど自分で代わりのスタッフを見つける必要がある」という介護施設も、あまり良い労働環境とはいえません。
ブラックな介護施設の人間関係の特徴
続いて、ブラック企業の傾向がある介護施設にありがちな「人間関係」の特徴について解説します。下記に当てはまっている場合は、ブラックな介護施設の可能性があるので、注意が必要です。
スタッフ間の人間関係が良くない
スタッフ間の人間関係が良くないのも、ブラックな介護施設の特徴です。スタッフ同士の関係がギスギスしていると、離職率が高くなり、スタッフの入れ替わりが激しくなることもあり、信頼関係を構築しづらくなります。
先述したような長時間労働や慢性的なサービス残業があれば、職員のモチベーションが下がったり、イライラしてしまったりするのも無理はありません。経営者側が問題視していなければ改善することはないので、ストレスが限界を迎える前に、転職を検討することをおすすめします。
虐待やハラスメント・いじめが横行している
介護職員へのセクハラ・パワハラや、利用者さんへの虐待行為が横行している介護施設は、ブラック企業であるといえます。ハラスメントや虐待といった問題行為は、本来あってはいけないことです。問題行為が起きる背景として、劣悪な労働環境や職員への教育が行き届いていないことが考えられるでしょう。
なお、介護施設における虐待行為とは、身体的虐待や介護・世話の放棄、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待のことです。利用者さんに対する暴力や暴言はもちろん、理由なく食事を減らしたり長時間放置したりすることも虐待にあたります。利用者さんの財産を勝手に処分することや、財産上の利益を得ることなども虐待行為です。
また、利用者さんから介護職員への暴力・ハラスメントが放置されている介護施設もあります。本来、利用者さんの行き過ぎた言動には、管理者や施設長が対応して改善を図らなければなりません。もしも、問題が放置されている場合は、ブラックな介護施設の可能性が高いといえます。状況が改善する兆しがない場合、無理して我慢せず、転職を視野に入れると良いでしょう。
ブラックな介護施設の業務面の特徴
ここでは、ブラックな介護施設にありがちな業務面の特徴をご紹介します。「知らないうちに違法な業務を行っていた」ということにならないよう、しっかり確認しておきましょう。
介護職がしてはいけない医療行為を行っている
介護職員が違法な医療行為を行っているのは、ブラックな介護施設といえます。介護職員ができるのは、体温計を使用した体温測定や爪に異常がない場合の爪切りなど、医療的処置に該当しないケアです。インスリン注射や摘便、褥瘡(床ずれ)の処置などは、医師や看護師に任せなければいけません。
なお、喀痰吸引等研修を修了し、許可を得た介護職員は、医療的ケアとして喀痰(かくたん)吸引と経管栄養のケアができます。
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業務改善に精神論や根性論を持ち出している
職場環境に問題があるにもかかわらず、精神論や根性論でどうにかしようとする風土のある介護施設は、あまり良い職場ではないでしょう。精神論ではなく、実際に行動を起こさなけば解決できない問題は少なくありません。
やる気や根性だけではどうにもならない状況を我慢し続けると、ストレスが溜まり、心身に悪影響を及ぼすことも考えられます。自分に合わない職場だと感じる場合は、心身の健康のためにも、転職を考えたほうが良いかもしれません。
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ブラックな介護施設の求人・採用の特徴
求人への応募や採用の段階でブラック企業を見極められれば、転職してから後悔せずに済みます。以下の求人・採用の特徴に当てはまる場合、ブラックな介護施設である可能性が高いでしょう。
人手不足で常に求人を出している
転職サイトや情報誌で求人情報をチェックしていると、ずっと人員を募集している介護施設を見つけることもあるでしょう。常に求人を出している介護施設は、職員が定着しにくかったり、過酷な労働条件だったりすることなどが原因で、慢性的な人手不足に陥っている可能性があります。
ただし、十分な人材を確保するためにエントリー数を増やしていたり、事業拡大のために長期間求人を出していたりする可能性もあります。常に求人が出ているからといって必ずしもブラックな介護施設とは限らないので、応募する際は求人を出している理由を確認すると良いでしょう。
給料が相場とかけ離れている
同じ地域にある介護施設と比べ、給料が不自然に高い求人には注意が必要です。給料が極端に高い場合、過酷な労働環境のため離職率が高く、長時間労働を強いられたり仕事内容が過酷だったりする可能性があります。就職活動の際は、給料が相場とかけ離れている求人に無条件に応募するのではなく、労働環境や条件を分析することで、ブラックな介護施設を選ぶリスクを減らせるでしょう。
ただし、給与が相場より高くても、ブラックな介護施設とは限りません。給与が相場と差がある場合、その理由を事前に確認しておけば、安心して応募できるでしょう。
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即日採用の謳い文句がある
「即日採用!」という謳い文句がある求人には、慎重になったほうが良いかもしれません。劣悪な労働環境によって職員が定着しにくく、常に求人を出している可能性も考えられます。
その場合、人手不足を理由に、研修や教育が不十分なまま現場で独り立ちすることもあるかもしれません。介護の知識やスキルが身につく前に一人で介護業務を行えば、アクシデントを引き起こすリスクが生じます。転職することに不安が残る場合は、内定を承諾する前に、内部状況について確認しておくのがおすすめです。
ただし、即日採用が必ずしも悪いというわけではありません。選考の評価が高く、採用担当者が迷うことなく内定を出すケースもあります。合否が早い理由はさまざまなので、即日採用というだけでブラック企業と決めつけず、ほかの状況も加味して判断すると良いでしょう。
人間関係の良さだけをアピールしている
「アットホームな職場」など、人間関係の良さのみをアピールする求人には注意しましょう。福利厚生や労働条件、給料など、ほかの面でアピールできるポイントがない可能性があります。
ただし、人間関係の良さをアピールしている求人が、すべてブラックな介護施設であるとは限りません。気になる介護施設がある場合は、施設見学をしたり転職エージェントに聞いたりして、職場の雰囲気を調べるのがおすすめです。
見学でブラックな介護施設を判断する方法
求人に応募する前に、職場見学で介護施設の雰囲気を見ておくことで、入職後のミスマッチを防ぐことができます。ここでは、職場見学の際に、「避けるべき介護施設」を見極める方法をまとめたので、参考にしてみてください。
利用者さんやスタッフに笑顔がない
介護現場で働く職員に笑顔がない場合、職場が悩みや不満を抱えていたり、疲労から精神的に余裕がなかったりするからかもしれません。ストレスを感じやすい環境では、笑顔は少なくなっていくもの。笑顔が見られないだけでなく、利用者さんへの態度や言葉遣いも悪いようなら、職員の教育が行き届かないほど労働環境が悪い可能性があります。
職場見学の際は、職員や利用者さんの表情や態度、言葉遣いに注目して、介護施設全体の雰囲気を把握しましょう。
スタッフから挨拶されない・挨拶を返されない
施設見学のときに、ほかのスタッフから挨拶をされなかったり、挨拶しても無視されたりする場合は、あまり良い介護施設とはいえません。職員が来客に挨拶できないことから、指導が不十分だと考えられます。入社する可能性がある人とコミュニケーションを取れない場合、転職後に良好な人間関係を築くのは難しいかもしれません。
また、挨拶にまで気が回らないほど、職員が忙しさによるストレスを抱えている可能性もあるので、注意が必要です。
施設内の清掃が行き届いていない
施設内をしっかりと清掃できていない職場は、ブラックな介護施設かもしれません。ほかの仕事で忙しくて清掃が後回しにされていたり、職員の衛生管理に対する意識が低かったりする可能性があります。
また、机の上に利用者さんの個人情報に関わる書類を出したままにしていないかなども、重要なチェックポイントです。整理整頓ができていないのは、介護施設の管理体制がずさんだからともいえます。衛生面に気を遣う余裕がなかったり、個人情報を乱雑に扱ったりする職場は、ブラックな介護施設である可能性が高いでしょう。
応募者の質問に答えてくれない
求人情報で分からなかった部分や、見学中に浮かんだ疑問点を質問した際、「入職が決まったら教える」などと言われたら、要注意です。
質問への返事が曖昧な場合、案内してくれる担当者が現場のことをよく知らなかったり、応募者に隠したいことがあったりする可能性があります。守秘義務に関わる質問は回答してもらえませんが、労働環境や仕事内容についても聞いた際に歯切れが悪い介護施設は、避けたほうが良いでしょう。
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面接でブラックな介護施設をチェックする方法
求人情報や職場見学では問題がない介護施設でも、実際に面接してみると違和感を覚えることがあります。ここでは、面接時にブラックな介護施設を見極める方法をご紹介するので、面接の予定がある方は参考にしてみてください。
面接官の態度が悪い
応募者に対して失礼な態度や言葉遣いがある面接官は、現場の職員にも同様の接し方をしている可能性があります。応募者を軽視するような発言や横柄な態度を取る面接官は、施設全体に悪影響を与えているかもしれません。
面接官の態度だけでブラックだと判断することはできませんが、面接中の雰囲気や面接官の言動には注目しておくと良いでしょう。実際に働いている人の話を聞ける機会があれば、入職を決める前に確認するのがおすすめです。
施設の都合を優先される
面接の時点で転職する前提で話を進められたり、「来週から出勤できるよね?」のように施設の都合を優先されたりすることもあります。人手不足の介護施設は、1日でも早く働き手が欲しいため、応募者の都合を聞かずに話を進めることがあるようです。
面接で強引さを感じた場合は、自分の都合を話して調整してもらえるか確認しましょう。もしも、「明日から働けないなら採用は見送り」「うちにも都合があるから待てない」と言われるようなら、「縁がなかった」と割り切ることをおすすめします。
求人情報と異なる労働条件を提示される
面接の場で、求人情報に載っていた労働条件や待遇と大きく異なる内容を説明された場合は、ブラックな介護施設の可能性があります。求人情報と異なる労働条件を提示することは、虚偽申告に該当するので、注意が必要です。
また、内定が決まってから労働条件を変えるのはブラック企業の常套手段なので、おかしいと感じたら辞退を申し入れましょう。
雇用契約が曖昧である
雇用契約が曖昧な場合も、信用できない介護施設の可能性が高いでしょう。雇用契約書は、入職が決まった応募者の労働条件がまとめられている大切な書類です。応募者と施設が雇用契約書を確認し、双方の合意によって初めて労働契約が成立するため、必ず書面で交付して確認しなければなりません。
口約束だけで雇用契約書が発行されなかったり、確認させてもらえなかったりする場合は、労働基準法に違反しています。納得して雇用契約を結べない状況なら、内定を辞退することも考えたほうが良いかもしれません。
内定の返事を急かされる
面接後すぐに内定を出すことはあっても、内定の返事を急かされることはあまりないでしょう。「今すぐ承諾してくれるなら内定を出します」「本日中に返事をお聞かせください」のように、内定の承諾を焦らせる場合、ブラックな介護施設かもしれません。本当に入職しても問題ない介護施設なのかを判断するためにも、先方が返事を急ぐ理由を確認し、様子を見て判断するようにしましょう。
結局ブラックな介護施設はどの会社なの?
ブラックな介護施設は、一概に定義ができません。職場がブラックな環境だと感じるかどうかは、人によって変わります。「労働時間が長い」という特徴を、「残業が多くて大変だ」と感じる方もいれば、「残業代が多く出て収入アップに繋がる」とポジティブに捉える方もいるからです。
とはいえ、短期離職のリスクが高い職場への転職は避けたいですよね。自分がブラックな介護施設と感じる職場へ転職したくない方は、レバウェル介護(旧 きらケア)が転職を支援いたします。実際に入職した方からの評判や、あなたの希望条件を踏まえ、長く働けそうな職場をご案内します。
今の職場に満足していますか?
ブラックな介護施設に入職してしまったときの対処法
「職場がブラックかも」とお悩みの方もいるでしょう。ここでは、ブラックな介護施設に入職してしまったときの対処法をご紹介します。「辞められなかったらどうしよう…」と不安に思うかもしれませんが、冷静に対処すれば大丈夫です。
労働組合を活用する
「労働環境が悪い」といった相談は、上司や施設長には相談しにくいものです。職場に相談できる人がいないときは、労働組合を活用することを検討しましょう。
労働組合とは、「労働者が主体となり、労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織された団体」です。介護施設の労働環境や労働時間、給料などの問題についても、窓口に相談できます。
出典
厚生労働省「労働組合」(2024年7月9日)
未払いの残業代を請求する
サービス残業を指示されて残業代が支払われていない場合は、職場に請求することをおすすめします。前述のように、残業代を支払わないのは労働基準法違反です。支払いを行わなければ介護施設側にペナルティが科せられるので、きちんと対応してくれるでしょう。
それでも対応しない場合は、労働基準監督署に通告したり、法的な手段を取ったりすることも考えてみてくださいね。
状況が改善する余地がなければ早めに転職を検討する
「職場がブラックな介護施設の特徴に当てはまっている…」とお悩みの方は、転職して新しい環境に身を置くのもおすすめです。職場の体制や価値観を、自分一人の力で改善するのは難しいといえます。
高齢化に伴って介護職の需要は増え続けているので、介護業界の求人は豊富です。ブラックな介護施設ではなく、職員が働きやすい環境を整えている職場が見つかるはずなので、転職を前向きに考えてみてください。
ブラックな介護施設の退職を決めたらすること
ここでは、ブラックな介護施設の退職を決めたらすることをまとめました。「退職を決めたけど、何からしたらいいの?」と気になっている方は、チェックしてみてください。
なるべく早めに退職願を提出する
直属の上司に相談してから、施設長や管理者といった責任者に退職願を提出しましょう。退職の意向を伝えるのは、法律では2週間前で良いことになっていますが、退職日の1~3ヶ月前を目安に退職願を提出するのがマナーです。また、ブラックな介護施設では、退職願をなかなか受理されないこともあるので、退職を決めたら早めに提出することをおすすめします。
退職願が受理されたら退職届を提出する
退職願が受理されたら、退職届を提出しましょう。仕組みとしては退職届から提出しても問題ありませんが、マナー違反になる可能性もあります。退職願が受理されてから退職届を出す場合が多いので、上司に確認してから、職場に応じた手順を踏むことが大切です。
ただし、いつまでたっても退職願が受理されない場合や、引き止めるためにうやむやにされた場合は、退職願が受理されていなくても、退職届を提出することを考えましょう。
仕事の引き継ぎ・貸与品の返却
自分の仕事を引き継ぎ、貸与品があれば会社に返却します。自分しか分からない仕事や利用者さんの情報があれば、自分の退職後に不都合がないように、ほかのスタッフに引き継ぎましょう。また、トラブルを防ぐためにも、制服や名札などは退職したら早めに返却しましょう。
ブラックな介護施設からホワイトな職場へ転職を成功させるには?
ブラックな介護施設からホワイトな職場へ転職したいと考えるなら、転職のプロに相談してみることをおすすめします。ブラック企業のような環境に身を置いて我慢し続けるのは、心身の健康に良くありません。一人で悩まず、できるだけ早く相談してみましょう。
転職エージェントに職場の情報を聞いてみる
ホワイト企業で働くためには、応募する会社がブラック企業なのかホワイト企業なのか判断をする必要があります。正しく判断するためには、企業分析をして内部情報を掴むことが大切です。企業の情報を集めるには、転職エージェントに相談すると良いでしょう。
転職エージェントは、「転職で再びブラックな介護施設に入職してしまいそう…」といった不安がある方におすすめです。専任のアドバイザーが事前に職場の詳細情報を教えてくれるので、安心して求職活動を進められます。また、アドバイザーから客観的な意見を聞くことで、今の状況を改善する突破口が見つかる可能性もあるでしょう。納得したうえで転職をするために、ぜひエージェントを活用してみてくださいね。
レバウェル介護(旧 きらケア)では、介護業界の転職活動のプロが、求職相談や求人紹介、面接対策など、トータルサポートを行っています。介護業界の転職に特化したエージェントなので、「初めての介護職への転職で不安…」という方も、お気軽にご相談ください。
登録は1分で終わります!
複数の求人情報を比較する
ホワイトな職場への転職を成功させるためには、複数の求人情報を比較するのがおすすめです。求人には、給与や賞与、労働時間、休日など、さまざまな情報が記載されています。複数の求人を調べることで、「ほかの施設よりも給与額が低い」「休日が少ない」など、条件を比較することが可能です。しっかりと職場環境を確認すれば、より理想に近い介護施設を見つけられるでしょう。
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介護業界でホワイト企業に就職・転職するには?優良企業の見分け方を解説!
ブラックな介護施設についてよくある質問
ここでは、ブラックな介護施設についてよくある質問にお答えします。「勤務先の介護施設がブラックかも…」「転職で失敗したくない!」という方は、ぜひご一読ください。
ブラックな介護施設を退職するにはどうすればいいですか?
介護施設の退職を決めたら、まずは直属の上司に相談しましょう。退職日を相談したうえで退職願を提出し、受理されたら退職届を提出します。その後は、業務の引き継ぎを行いましょう。退職願は、退職希望日の1~3ヶ月前に提出するのが一般的ですが、ブラックな介護施設の場合はなかなか受理されない可能性もあるため、できるだけ早く提出するのがおすすめです。ブラックな介護施設を退職する方法については、「ブラックな介護施設の退職を決めたらすること」にもまとめているので、あわせて参考にしてください。
介護業界にブラックリストがあるって本当ですか?
介護業界に、職員のブラックリストはありません。個人情報保護法により、職員や利用者さんの情報を、本人の同意を得ずに提供することは違法と定められています。前職で利用者さんやそのご家族とトラブルになったことがあった場合も、「介護職員のブラックリスト」はないので、転職の際に影響するとは考えにくいでしょう。介護職が転職を成功させるポイントについては、「ブラックな介護施設からホワイトな職場へ転職を成功させるには?」で解説しているので、チェックしてみてください。
潰れる介護施設の特徴は?
経営が立ち行かなくなる介護施設の特徴としては、「離職者が多く人員配置基準を満たせない」「設備が古く利用者さんの安全に配慮されていない」などが挙げられます。特に、人手不足が深刻で人員配置基準を満たせていない職場では、職員が日常的にサービス残業をしている場合もあるので注意が必要です。残業代が支払われないのは法律違反のため、改善しない介護施設は、潰れてしまう可能性があるでしょう。ブラックな介護施設を見極める方法については、「ブラックな介護施設の求人・採用の特徴」で解説しています。
まとめ
ブラックな介護施設とは、「労働時間が極端に長い」「ハラスメントが放置されている」など、ブラック企業の特徴を持つ介護施設や事業所のことです。転職活動をする際、給料が相場とかけ離れていたり、職場見学で職員や利用者さんに笑顔がなかったりする場合は、ブラックな介護施設の可能性があるので注意しましょう。
「ブラックな介護施設に転職したらどうしよう…」と不安な方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。転職先に直接聞ききづらいことも、アドバイザーが確認してお伝えいたします。サービスはすべて無料なので、ぜひ気軽にご相談ください。
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