
この記事のまとめ
- 介護職未経験者にありがちな不安は、「無資格でも採用されるか」など
- 介護職未経験者におすすめなのは、教育体制や資格取得制度が整っている職場
- 未経験・無資格から転職するときは、「未経験者歓迎」の求人に注目しよう
「未経験から介護職に就くのが不安…」と、転職をためらっている方もいるでしょう。介護職は、未経験からでも挑戦しやすい職種です。職場によっては、働きながら介護スキルを身につけられる環境が整っており、未経験からでも着実にキャリアアップできます。本記事では、未経験から介護職を目指す方にありがちな不安とその対処法を解説。介護未経験の方におすすめの職場や転職活動のコツもご紹介します。
介護士ってどんなお仕事?仕事内容や働き方、必要な資格、給与などを解説 →レバウェル介護の資格スクールはこちら介護職未経験者にありがちな不安とは
未経験から介護職を目指す人にありがちな不安には、「未経験・無資格から転職できる?」「給料は少ない?」などがあるようです。経験したことのない仕事を始めるときは、誰でも不安に思うもの。介護職に対して不安がある方は、ここで少しでも多くの疑問を解消しておきましょう。
1.未経験・無資格でも介護職員として採用される?
介護の仕事は、未経験・無資格から従事できます。そのため、応募先とのニーズが合えば、未経験・無資格でも採用される可能性があるでしょう。介護職の需要が増していることから、「未経験歓迎」「無資格OK」の求人も多数あるため、未経験からも比較的転職しやすい職種といえます。
未経験・無資格の介護職員の仕事内容
介護職員の仕事内容には、食事の支度や掃除といった家事にあたる「生活援助」と、排泄介助や入浴介助といった、利用者さんの身体に直接触れる「身体介護」があります。身体介護を行うには、原則として介護職員初任者研修以上の資格が必要です。無資格の場合は、下記のような生活援助の業務を主に行うことになるでしょう。
- 調理・配膳・下膳
- 施設内の清掃
- シーツ類の交換・洗濯
- レクリエーションの企画・運営
- 介護事務
最初は、食事の配膳や施設内の清掃といった生活援助や介護事務を任せられることが多いようです。また、施設内であれば、有資格者の指示を受けながら、身体介護を行うことができます。清拭や着替えなどの安全に行える業務から始め、徐々に移乗介助や移動介助、食事や排泄、入浴の介助など、仕事の範囲を広げて行く場合が多いでしょう。
なお、訪問介護は、基本的に介護職員が1人で利用者さんの自宅を訪問して介護サービスを提供するため、介護資格の取得が必須となります。訪問介護の仕事がしたい方は、介護職員初任者研修以上の資格を取得してから転職するとスムーズです。
▼関連記事
資格なしでも介護職の正社員になれる|就職する4つの方法とメリット無資格OKの介護求人一覧はこちら
2.介護職の夜勤はきつい?
利用者さんを24時間体制でケアをする入居型の介護施設の介護職員は、夜勤があるのが一般的です。介護職が未経験の場合、「自分に夜勤の仕事はできる?」「体力的に大変そう…」などと不安になるかもしれません。
しかし、基本的に入職してすぐに夜勤に入ることはありません。まずは日勤で経験を積み、1ヶ月ほど過ぎてから夜勤に入ることが多いようです。慣れないうちは、先輩スタッフが付いて仕事を行います。夜勤が不安な方は、事前に「夜勤にいつから入るのか」「先輩スタッフが付いてくれるか」を確認しておくと良いでしょう。
介護職の夜勤体制
介護職の勤務形態は、2交代制もしくは3交代制が一般的です。ここでは、夜勤の勤務時間の例をご紹介します。
- 2交代制の場合:午後4時~翌午前9時(16時間労働・2時間休憩)
- 3交代制の場合:午後10時~翌午前7時(8時間労働・1時間休憩)
2交代制の夜勤は16時間程度、3交代制は8時間程度となります。2交代制は1回の勤務時間が長くなるものの、夜勤明けの翌日がお休みになることが多いのが特徴です。一方、3交代制の夜勤は1回の勤務時間が短いものの、夜勤明けの次の日にシフトに入ることがあるため、休みが少ないと感じる可能性があります。
1ヶ月間で夜勤に入る回数は、2交代制の場合は4~5回程度、3交代制は6~7回程度が一般的です。
夜勤に慣れるには、自分に合った勤務形態の職場へ転職するのもポイント。2交代制もしくは3交代制から、自分が働きやすいのはどちらなのかを検討し、転職時の判断材料にしましょう。
▼関連記事
介護職の夜勤がしんどいと言われる5つの理由|メリットと仕事内容
3.介護職は給料が低いって本当?
介護職への転職を検討した際に、給料が下がらないか不安になる方もいるでしょう。人によっては、他業種から未経験の介護職へ転職した際に、給与が下がる可能性があります。
ただし、介護職では、経験年数を積んだり役職に就いたりすることで、昇給するケースは少なくありません。また、保有資格に対して支払われる「資格手当」や夜勤に入ったときに支払われる「夜勤手当」があるため、働き方次第で収入は変わってきます。介護職で年収を上げる方法を知りたい方は、「介護職員の給料は今後上がる?平均給与額や年収アップの方法も解説!」の記事もチェックしてみてください。
介護職員の平均年収
職業情報提供サイト(日本版O-NET)の「施設介護員」によると、2022年度の介護職員(施設介護員)の平均年収は362.9万円でした。ほかの業界の職種と比べてみると、以下のようになります。
職種 | 年収 |
施設介護員 | 362.9万円 |
接客担当(ホテル・旅館) | 314.8万円 |
ホールスタッフ(レストラン) | 330万円 |
衣料品販売 | 357.7万円 |
食品営業(食品メーカー) | 578.3万円 |
一般事務 | 490万円 |
参考:職業情報提供サイト(日本版O-NET)「施設介護員」「接客担当(ホテル・旅館)」「ホールスタッフ(レストラン)」「衣料品販売」「食品営業(食品メーカー)」「一般事務」
介護職員の年収は、営業職や事務職に比べて低めではあるものの、接客や販売の仕事と比べてみると低いわけではありません。先述したように、介護職は働き方によって年収アップも可能です。介護職の年収が気になる方は、「介護職で年収500万円を目指せる?高給与の施設へ転職した事例も紹介」の記事もご覧ください。
出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)(2024年5月9日)
4.介護職は休みが少ない?
介護職は、人手不足というイメージがあることから、「休みが取れないのでは?」と不安に思う方もいるようです。詳しくは後述しますが、介護職の休みが極端に少ないことはありません。ただ、24時間体制で利用者さんのケアに当たる介護施設は、土日出勤や夜勤があるためシフト制を採用しているところが大半です。前職が固定勤務の方は、慣れるのに時間が掛かるかもしれません。
介護職員の平均年間休日日数
少し古いデータになりますが、厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査の概況(p.5)」によると、介護を含む医療・福祉分野の職員の平均年間休日数は111.5日とあります。全産業の平均は113.7日なので、大差はありません。
また、Leverages Medical Careの「きらケア介護白書2022(p.14)」では、介護職員の毎月の平均休日日数を調査し、下記のようにまとめています。

引用:Leverages Medical Care「きらケア介護白書2022(p.14)」
上記から、正社員・非正規雇用社員ともに、月8~10日程度以上の休日を取得している介護職員が多いことが分かります。介護業界では、介護職員の定着を目指して、職場環境の改善に積極的に取り組む施設が増加傾向にあるようです。休みが取れるか心配な場合は、応募先に休日の取り方について相談してみると良いでしょう。
出典
厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」(2024年5月9日)
Leverages Medical Care「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2024年5月9日)
▼関連記事
介護士の休みは何日くらいあるの?年間休日数や有給取得率なども解説!
5.未経験から仕事を覚えるのは大変?
介護職に限らず、未経験の仕事を覚えられるか、不安に感じる方は少なくありません。最初は仕事の流れを覚えるだけで精一杯になるかもしれませんが、「どの職種も最初は大変」と割り切ることをおすすめします。初めは先輩スタッフが丁寧に仕事を教えてくれるため、徐々に仕事を覚えていけるでしょう。
未経験から介護職に転職する場合は、教育制度が整っている職場を選ぶのもポイントです。教育が手厚ければ、介護技術や知識がしっかり身につくため、安心して仕事を続けられるでしょう。介護未経験の方の職場選びについて知りたい方は、この記事の「未経験で介護職に転職する方におすすめの職場」もご覧ください。
▼関連記事
未経験が介護職に慣れるまでどのくらい?新人職員の心得や乗り越え方を紹介
6.40代・50代から介護職に転職できる?
介護業界には、40代・50代で未経験から転職し、活躍している方も多くいます。下記は、Leverages Medical Careの「きらケア介護白書2022(p.7)」で、「介護職として働き始めたときの年齢」をヒアリングした結果です。

引用:Leverages Medical Care「きらケア介護白書2022(p.7)」
介護職員として働き始めたときの平均年齢は、33.3歳とあります。この数値だけ見れば、「40代、50代から始めるのは遅いかも…」と不安になるかもしれません。しかし、現在50代の方が介護職になったのは平均40.2歳、60代の方が介護職になったのは平均49.5歳です。データから、40代以降に介護職へ転職する方は多いと分かります。
介護業界は、20代から60代以降まで、幅広い年代の方が活躍しているのが特徴です。そのため、40代、50代から未経験で挑戦しても、十分採用を狙えます。
出典
Leverages Medical Care「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2024年5月9日)
▼関連記事
女性が50代から一生できる仕事を紹介!資格なしで転職しやすい職種は?
7.男性も介護職員として働ける?
男性の介護職員は女性に比べると少ないのが現状ですが、男性も介護職員として働くことは可能です。
男性の利用者さんの介護の際などは、特に男性の介護職が活躍できるでしょう。「同性の職員の方が相談しやすい」「同性の介護職員の方がトイレ介助を受けるのに抵抗がない」と感じる男性利用者さんはは少なくありません。また、男性の介護職員がいることで、利用者さんから職員へのセクハラの抑制になることもあるようです。
介護業界において、「男性だからという理由で採用されない」ということはあまりないでしょう。男性介護職員の需要について、詳しく知りたい方は、「男性介護士は需要あり!将来性と向いている人の特徴とは」の記事も参考にしてみてください。
▼関連記事
男性は介護職に採用されないの?内定が出ない理由と転職成功の方法を解説!
8.体力が持つか心配
介護職は力仕事というイメージがあるため、「体力が持つか心配」という方もいるでしょう。入浴介助や移乗介助などの身体介護は、利用者さんを支えたり抱えたりしなければならないため、ある程度の体力が必要です。しかし、介護技術を習得すれば、少ない負担で介護ができます。
最近では、介護職員の負担軽減のために、介護ロボットを取り入れているところも増えてきました。体力に不安がある方は、転職の際に、介護ロボットを導入しているかなどをチェックしておくと良いでしょう。また、利用者さんの自立度が高い施設を選ぶのも一つの選択肢です。介助の機会が少ない施設の業務は、身体的な負担が少ない傾向にあります。
▼関連記事
介護職は体力が必要?限界を感じたときの対処法と長期的に働くコツを解説!
9.排泄介助ができるか不安
排泄介助では、トイレの声掛けや衣服の着脱の介助、オムツ交換、陰部洗浄などを行います。介護未経験で転職する際、排泄介助に不安を感じる方は多くいます。とはいえ、いやいや排泄介助を行うのはNG。利用者さんにとって、排泄介助は羞恥心に関わることなので、自尊心を傷つけない関わり方が大切です。
排泄介助は、利用者さんの健康状態をチェックする大切な仕事でもあります。排泄介助=排泄物の処理、ではありません。排泄介助の目的を理解し、正しい介助方法を身につけることで、排泄介助への不安を減らせるでしょう。
登録は1分で終わります
介護職の魅力とやりがい
ここでは、介護職の魅力とやりがいをご紹介します。介護職への転職を迷っている方は、参考にしてみてください。
経歴や年齢を問わない求人が豊富にある
前述したとおり、介護業界は経歴や年齢を問わない求人が豊富にあります。「ほかの業界で経験を積んでから介護職に転職した」というケースも少なくありません。そのため、未経験・無資格の方も安心して挑戦できます。
また、介護職は正社員や派遣、アルバイト、パートといった豊富な雇用形態から選んで働けるのも特徴。ライフスタイルに合わせて、働き続けやすいのも魅力です。
需要が高い業界のため将来性がある
日本の高齢化によって介護職員の需要は増しており、将来性のある職種といえます。「景気の悪化により仕事がなくなる」ということはありません。
また、万が一、経営難などで介護施設が閉鎖しても、介護職員が働く職場は全国に多数あります。介護のスキルを身につければ、転職に困ることはないでしょう。
未経験からでも資格取得でキャリアアップができる
介護職には、明確なキャリアパスがあるのも魅力の一つです。未経験で無資格の状態からでも、「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」というように、段階的に資格取得をすることで、キャリアアップや収入アップに繋げていけるのが魅力です。
「介護福祉士」は、介護資格のなかで唯一の国家資格。取得するには、一定の実務経験が必要になりますが、目指す課程で高度な介護スキルを身につけられます。
介護職における主な資格
介護職における主な資格としては、下記が挙げられます。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
「介護職員初任者研修」は介護の基礎を学べる研修で、誰でも受講が可能です。修了すると、1人で身体介護を行えるようになるため、仕事の幅を広げられるでしょう。また、「介護福祉士実務者研修」は、より専門的な介護技術や知識を得られる研修です。介護職員初任者研修と同じく、未経験・無資格からでも受講が可能ですが、一定の知識がないと難しいと感じるかもしれません。
「介護福祉士」や「ケアマネジャー」になるには、特定の職種における実務経験が必要です。詳しくは、「最短で介護福祉士になるには?知っておきたい3つのルート」や「介護福祉士からケアマネになるには?受験要件やステップを解説」をご覧ください。
初任者研修を取りたい方必見!
レバウェル介護の資格スクールについて知る(新宿校)
他業種での経験を活かせる
介護職は、他業種の経験を活かせるのも魅力です。たとえば、接客や営業の経験があり、人と話すのが得意なら、利用者さんとのコミュニケーションをスムーズに行えるでしょう。手芸や工作などが得意であれば、施設内で実施するレクリエーションにスキルを役立てることが可能です。
他業種から介護職へ転職する際は、介護職に活かせる経験やスキルを明確にしておくことで、転職を有利に進められるでしょう。
利用者さんやご家族から感謝の言葉をもらえる
介護職として思いやりをもって対応すれば、利用者さんやご家族に感謝されることもあります。また、利用者さんのQOLが向上するなど、自身の介護によって良い影響があった場合には、「人の役に立てている」という大きなやりがいを感じられるはずです。
介護職に向いている人の特徴
未経験から挑戦する場合、「介護職に向いているか不安…」と感じる方もいるでしょう。介護職に向いている人の特徴を以下にまとめたので、参考にしてみてください。
- コミュニケーションが得意
- 気配りが上手
- 日常的に高齢者と接している
- 思いやりがある
- 面倒見が良い
介護職の仕事に役立つのは、コミュニケーションスキルです。介護職は、利用者さんやそのご家族、介護職員同士のやり取りが多い職種なので、会話力や傾聴力を発揮できる場面は多いでしょう。
なお、上記の特徴に当てはまらないからといって、介護職に向いていないというわけではありません。最初から完璧にできなくても大丈夫なので、介護職の仕事を通して、少しずつ必要なスキルを身につけていくと良いでしょう。
▼関連記事
介護の仕事に向いている人の性格10選!職場別の適性や向いてない人の特徴
未経験で介護職に転職する方におすすめの職場
ここでは、介護職未経験で転職する方におすすめの職場の特徴をご紹介します。「より良い環境で介護職を始めたい」「自分のペースで働きたい」などの希望がある方は、無理せず仕事を始められる介護施設を選ぶのがポイントです。
教育制度が整っている職場
未経験から介護職へ就職・転職する際は、教育制度やフォロー体制が整った介護施設を選ぶことをおすすめします。教育が不十分だと、知識やスキルが思うように身につかず、「仕事についていけない」と不安になる可能性があります。そうならないためにも、教育制度やフォロー体制が整っていて、未経験からでも安心して働ける施設を見つけましょう。
働きやすい環境が整っている傾向にあるのは、大規模な施設や、未経験者歓迎の求人を出している施設です。詳しくは、「介護職が働きやすい施設とは?仕事内容や未経験者が良い求人を見つける方法」で解説しているので、介護求人を見る際の参考にしてみてください。
資格取得支援制度が充実している職場
資格取得支援制度が充実している職場なら、効率的にキャリアアップを目指せます。資格取得支援制度とは、資格取得のための費用を職場が負担したり、研修日を出勤扱いにしたりするなど、職員の資格取得をサポートする制度のこと。資格取得支援が充実していれば、業務経験を積みながら勉強して、資格取得を目指せるので、介護の知識やスキルを着実に身につけられます。
職場によって、資格取得支援制度の内容や利用条件は異なるため、応募前にチェックしておくことが大切です。
人間関係が良好な職場
介護職として経験を積むためには、人間関係が良好な職場を選ぶことも大切です。人間関係が悪ければ、仕事で困ったときに相談しにくいほか、ストレスの要因になるリスクがあります。
「仕事を始める前にどうやって現場の雰囲気を知ればいいの?」と思うかもしれませんが、職場見学をすればある程度チェックすることが可能です。面接の際には、応募先の施設で見学を実施することが多いので、利用者さんや介護スタッフの様子を確認してみましょう。「笑顔が多い」「職場の雰囲気が良さそう」というざっくりとした情報でも、意外と参考になるはずです。
看護師が24時間配置されている職場
「利用者さんに何かあったときに対応できるか不安…」という未経験の方には、看護師が24時間配置されている介護施設がおすすめです。看護師は医療の知識・資格があるため、利用者さんの急変やケガといった緊急時に適切な処置ができます。医療的な判断が必要なときに看護師を頼れる環境で働けば、介護職がプレッシャーを感じることは少ないでしょう。
また、「利用者さんの様子がいつもと違う」といった不安があるときも、看護師がいればすぐに相談が可能です。対処法を教えてもらえるので、安心して対応できます。
24時間看護師がいる職場は、病院や介護老人保健施設、一部の有料老人ホームなどです。いずれも夜勤がありますが、看護師がいることで、精神的な負担は比較的軽くなるでしょう。
規模の小さい職場
落ち着いて仕事を覚えたり、利用者さんとゆっくり関わりたいという方は、規模の小さい施設で働くことを検討してみるのも良いでしょう。
介護職員は、利用者さんの性格や特性を理解したうえで、一人ひとりに合わせたケアを行う必要があります。利用者さんの人数が多い施設を選ぶと、「顔と名前が一致しない」「対応の注意点を覚えられない」といった悩みを抱えてしまうこともあるかもしれません。規模の小さい施設を選べば、一人ひとりの利用者さんのことをしっかりと把握できるので、落ち着いて対応できるでしょう。
未経験の方が働くのにおすすめの施設は、5~9人の入居者さんのケアに集中できる環境のグループホームなどです。小規模の施設は、1回の勤務で対応する人数が少ないので、体力的な不安がある方も無理なく働けます。
日勤中心で働ける職場
「生活リズムが乱れるから夜勤を避けたい」「家庭の事情で夜勤には入れない」という方は、日勤中心で働ける介護の職場を選択肢に入れてみましょう。夜勤なしで正社員として働きたい方には、デイサービスや訪問介護の仕事がおすすめです。
デイサービスは、利用者さんが日帰りで利用する介護施設で、介護度が低い方が多く、介助を行う身体的な負担が小さい傾向にあります。意思表示ができてコミュニケーションを取りやすい利用者さんも少なくないので、介護初心者に優しい職場といえるでしょう。
訪問介護では、利用者さんのご自宅に伺って1対1で介護サービスを提供します。夜間対応を行わない一般的な訪問介護事業所なら、夜勤はありません。1人で介護をすることにハードルを感じる方もいるかもしれませんが、教育体制が整っている職場に転職すれば、未経験からでも就業可能です。前述したように、訪問介護で働く場合は、介護職員初任者研修といった介護の資格が必要になるので、転職前に取得しておくと良いでしょう。
夜勤ができない場合は事前に相談する
24時間対応の介護施設では、夜勤が可能な介護スタッフを求めていることが多いため、面接時に夜勤の可否を確認されます。子育てや介護といった事情で夜勤が難しい方は、あらかじめ相談しておきましょう。
24時間体制の施設のなかには、夜勤ができない場合、一律でパートとして雇用すると決めている施設もあるようです。夜勤なしで24時間体制の施設に応募する際は、雇用形態にこだわらない方が、内定をもらえる確率が上がるでしょう。
▼関連記事
夜勤ができないと介護の仕事は難しい?自分に合った働き方ができる職場の種類
介護施設の種類一覧!自分に合う職場を見つけよう!
介護職が未経験でも大丈夫!転職活動の6つのコツ
ここでは、未経験から介護職に挑戦する際の不安を少しでも軽減するために、転職活動のコツを6つご紹介します。転職活動前に、チェックしておきましょう。
1.介護職の「未経験者歓迎」の求人に注目する
介護職の求人をチェックする際は、「未経験者歓迎」「未経験者OK」「無資格可」などと記載された求人に注目してみましょう。
介護求人によっては、即戦力を期待していたり、特定の資格の保有者を募集していたりするものもあります。無資格・未経験者が、即戦力や有資格者を募集する求人に応募しても、採用に繋げるのは難しいかもしれません。あらかじめ未経験者歓迎の求人に絞って応募すれば、採用される可能性が上がるでしょう。
2.希望条件に優先順位を付ける
転職活動では、希望条件に優先順位を付けることで、自分に合った求人を効率的に絞り込めます。希望条件がすべて揃った求人があれば理想ですが、見つけるのはなかなか難しいものです。勤務時間や給与、職場環境などの希望条件から、「優先したい条件」「妥協できる条件」を明らかにして、優先順位を決めましょう。
3.働きながら資格取得を目指せる職場を探す
未経験で無資格であることに不安を感じているなら、働きながら資格取得を目指せる職場を探してみるのもおすすめです。介護職は、資格を取得することで一定のスキルがあることを証明できるほか、携われる業務の範囲が広がっていきます。
まずは、介護職の入門資格といわれる介護職員初任者研修課程の修了を目指してみましょう。介護の基礎知識と介護技術を学べるので、次第に業務に対する不安はなくなっていくはずです。
初任者研修を取りたい方必見!
レバウェル介護の資格スクールについて知る(新宿校)
4.複数の施設・事業所の情報を集めて比較する
初めから応募先を一つに絞り込むのではなく、複数の施設や事業所の情報を集めて比較することが大切です。複数の職場を調べて比較することで、転職後のミスマッチを防げます。志望する職場のWebサイトを見たり、職場見学に行ったりして、しっかり調べておきましょう。
また、複数の職場を比較することで、志望先の特徴や強みを把握できるため、面接時に志望動機を具体的に伝えられるようになるメリットもあります。
5.「なぜ介護職を志望するのか」を具体的に伝える
他業種からの転職の場合、採用担当者は「なぜ介護職を選んだのか」を知りたいと考えます。志望動機を伝える際は、介護職を目指すきっかけとなったエピソードや、これからの展望などを具体的に述べ、働く意欲をアピールすることが大切です。経営理念に触れるなど、応募先ならではの理由も明確に伝えられると、採用担当者の印象に残る志望動機になるでしょう。
6.介護業界のプロに転職を手伝ってもらう
介護職が未経験なら、介護業界の転職活動のプロに手伝ってもらうのもおすすめです。たとえば、介護業界専門の転職エージェント「レバウェル介護(旧 きらケア)」では、業界に詳しいキャリアアドバイザーから、未経験の方が働きやすい施設をご紹介することが可能です。
アドバイザーが希望を丁寧にヒアリングしたうえで、マッチする求人を多数ご提案するため、自分に合う職場を広い選択肢から選べます。また、転職した人へのアンケートをもとにした施設の内部事情を教えてくれたり、履歴書の作成や面接対策を手伝ってくれたりするのも魅力です。レバウェル介護(旧 きらケア)を活用すれば、1人で行うより効果的に転職活動を進められますよ。
登録は1分で終わります
未経験・無資格で介護職へ転職する際によくある疑問
未経験・無資格から介護職へ転職を検討している方のなかには、「転職できる?」「大変なの?」という疑問がある方もいるでしょう。ここでは、未経験から介護職へ転職する際によくある疑問をまとめたので、参考にしてみてください。
40歳・未経験から介護職に転職できますか?
未経験の40代の方も、介護職への転職は可能です。Leverages Medical Careの「きらケア介護白書2022(p.7)」で「介護委職員として働き始めたときの年齢」をアンケートしたところ、「50代」は40.2歳、「60代」は49.5歳という結果になりました。他業種で経験を積んでから未経験で介護職へ転職する人は少なくないため、40代未経験での転職は珍しくありません。40代・未経験での介護職に転職するのが不安な方は、「介護職未経験の40代が転職を成功させるには?仕事内容や志望動機例も紹介」の記事を参考にしてみてください。
出典
Leverages Medical Care「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2024年5月9日)
介護職を未経験から始めるのはつらい?
介護職に限らずどの仕事にもいえることですが、未経験から挑戦する場合は、仕事を覚えたり活躍したりするまでに一定の時間と労力が必要です。最初は、「つらい」「不安だ」と感じることがあるかもしれませんが、数ヶ月、数年と経験を重ねるうちに、慣れていけるでしょう。介護職は、長期的に続ける人も多い仕事なので、無理せず自分のペースで慣れていけば、安定して働けます。介護職に転職するか迷っている方は、「介護職への転職を考えている方に対して。業界の実情や失敗しないコツを解説」もあわせてご参照ください。
まとめ
介護職は未経験・無資格からでも挑戦することが可能です。初めての挑戦で不安に感じるかもしれませんが、未経験からでも段階を踏んで仕事を覚えていけるため、安心して始めてみましょう。未経験から介護職に挑戦する場合におすすめなのは、教育体制の整っている施設や、人間関係や雰囲気が自分に合っている施設です。仕事に慣れてから、夜勤に入ることや資格取得を目指せば、着実に業務範囲を広げていけるはずですよ。
「未経験から介護職を始めたい」「未経験向けの介護求人を探したい」という方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)では、経験豊富なアドバイザーが丁寧にヒアリングをしたうえで、希望や適性に沿った求人をご紹介しています。働く環境に不安がある方は、事前に職場見学を行うことも可能です。サービスはすべて無料なので、お気軽にお問い合わせください。
無資格はやっぱり不安…仕事を始める前に資格取得を目指したい方はこちら
レバウェル介護(旧 きらケア)では、資格の勉強をしながら職場探しのサポートも受けられる資格取得の専門学校「レバウェルスクール介護(旧 きらケアステップアップスクール)」を運営しています。現役の医療福祉職員が講師を務めるため、現場で役立つ知識や技術を学びながら資格を取得できます。これから介護業界で活躍したいという方におすすめです。
詳しくは、「レバウェルスクール介護(旧 きらケアステップアップスクール)のページ」をご確認ください。
登録は1分で終わります
先に資格を取りたい方へ
無料相談はこちら