
この記事のまとめ
- 福祉に関する仕事は、介護分野・障がい分野・医療分野など、種類が豊富
- 介護職員や看護助手などの福祉の仕事は、無資格・未経験から挑戦できる
- 福祉の仕事に就くには、要件を満たして求人に応募する必要がある
福祉に関心があり、「どんな種類の仕事があるのか知りたい」という方もいるでしょう。福祉系の仕事としては、介護職員、生活支援員、ソーシャルワーカーなどが挙げられます。介護分野や障がい分野など、支援の対象者もさまざまです。この記事では、福祉の仕事の種類を分野別に解説。32職種の仕事内容と資格要件をまとめました。福祉業界で働く魅力や、就職までの流れもご紹介するので、転職を考えている方は参考にしてください。
→レバウェル介護の資格スクールはこちら今の職場に満足していますか?
福祉に関する仕事にはどんな種類があるの?

ひと口に福祉系の仕事といっても、介護分野・障がい分野・児童分野・医療分野などのさまざまな職種があります。以下では、福祉に関する仕事の種類を分野ごとに紹介するので、ぜひ参考にしてください。
高齢者福祉・介護に関する8つのお仕事
高齢者の日常生活を支える仕事には、以下のようなものがあります。
利用者さんに直接介護を行う介護職員・訪問介護員のほかにも、介護支援専門員や生活相談員など、介護業界で活躍する職種はさまざまです。多職種が意見を出し合ってサービスを提供することで、高齢者の生活を支えています。
▼関連記事
介護業界で働く職種一覧!仕事内容から必要な資格までご紹介!
障がい福祉に関する8つのお仕事
障がいを抱える方の支援を行う職種を、以下にまとめました。
障がいを抱える方の日常生活の支援だけではなく、就業に関するサポートを行う職種もあります。身体障がい、精神障がい、知的障がいなどがある方を支援するのが、障がい福祉の仕事です。
▼関連記事
障害者支援施設とは?仕事内容や一日の流れ、高齢者介護との違いを解説!
児童福祉に関する7つのお仕事
児童福祉に関する仕事には、次のようなものがあります。
児童福祉に関わる職種の役割は、子どもやその家族の支援を行うことです。生活に課題を抱える家庭の支援を行う際は、心理的なケアも必要になります。
幅広い方の相談援助を行う3つのお仕事
幅広い方を対象に相談援助を行う職種には、以下のようなものがあります。
相談に乗り、悩みや問題が解決に向かうよう、関係機関と連携してサポートするのが、相談援助の仕事です。ソーシャルワーカーは社会福祉の観点から支援を行い、心理カウンセラーは心理面からのアプローチを行うなど、職種によって専門とする領域が異なります。
▼関連記事
ソーシャルワーカーの仕事内容とは?役割や必要な資格、年収を解説
医療福祉に関する6つのお仕事
保健医療に関わる福祉の仕事を下記にまとめたので、確認してみましょう。
医療福祉に関する仕事は、患者さんの看護やリハビリテーションを行う職種などです。医療機関に入院している方だけではなく、自宅や介護施設で生活する方の支援をする場合もあります。
今の職場に満足していますか?
高齢者福祉に携わる職種の仕事内容や資格要件は?
ここでは、高齢者福祉に携わる職種について解説します。「介護業界で働いてみたい」という方は、仕事内容や要件をチェックしてみましょう。
介護職員
介護職員は、要支援や要介護の認定を受けた利用者さんに対し、日常生活のサポートを行います。具体的な仕事内容は、食事の提供、入浴介助、季節行事やレクリエーションの実施などです。介護職員の仕事内容や働き方を詳しく知りたい方は、「介護士ってどんなお仕事?仕事内容や働き方、必要な資格、給与などを解説」をご覧ください。
介護職員は、デイサービス・デイケアといった通所型の介護施設や、特別養護老人ホーム・グループホームといった入居型の施設など、さまざまな職場で活躍しています。介護職員として働きながら、介護福祉士(国家資格)を取得する人も多いようです。
無資格でも介護職に就職できますが、入職から1年以内に「認知症介護基礎研修」またはその上位資格の取得が必要になります。ただ、認知症介護基礎研修は、在宅で1日で修了できる資格なので、あまり心配しなくても大丈夫です。
▼関連記事
介護の資格はどんな順番で取ればいい?取得方法やメリットも解説!
訪問介護員(ホームヘルパー)
訪問介護員(ホームヘルパー)は、介護が必要な利用者さんの自宅に訪問して、排泄介助などの身体的なケアや、掃除・買い物といった生活の援助を行います。訪問介護員として働くためには、「介護職員初任者研修」といった介護の資格が必要です。基本的に1人で利用者さんのケアにあたるため、資格要件が定められています。
訪問介護の仕事に興味がある方は、「訪問介護に必要な資格とは?仕事内容や働くメリット・デメリットを解説」の記事も参考にしてください。
▼関連記事
ホームヘルパーの仕事内容を解説!訪問介護員の仕事範囲や必要な資格を紹介
首都圏限定!資格取得が無料!
転職活動しながら資格を取る資格取得のみでもOK!
レバウェル介護の資格スクールサービス提供責任者
サービス提供責任者は、訪問介護事業所に勤務する職種です。介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成するケアプランに基づいて、訪問介護計画を立てるのが仕事内容。適切にサービスを提供するために、訪問介護員の指導などを行います。
サービス提供責任者になるには、「介護福祉士実務者研修」もしくは「介護福祉士」などの資格が必要です。詳しくは、「サービス提供責任者(サ責)とはどんな職種?仕事内容や必要な資格、お給料」の記事にまとめています。
介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護や支援が必要な方が、適切に介護保険サービスなどを利用できるようサポートする職種です。利用者さんやご家族の意向を聞いてケアプランを立て、サービス内容を決定します。ケアマネジャーは、関係者と連携してサービスの利用につなげる、介護事業所と利用者さんの橋渡しとなるような存在です。
ケアマネジャーとして働くためには、介護支援専門員の資格取得が必要になります。詳しく知りたい方は、「ケアマネジャーになるには?最短で何年?試験の受験資格や取得の流れを解説」をチェックしてみてください。
生活相談員・支援相談員
生活相談員と支援相談員は、介護施設の利用者さんやご家族の相談に乗る職種です。生活相談員は、デイサービスや特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどに勤務しています。支援相談員とは、介護老人保健施設で相談援助を行う職種。支援の対象者や目的が生活相談員とは異なるため、区別して呼ばれます。
生活相談員や支援相談員になるには、「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事」のいずれかの資格が必要な場合が多いようです。ただし、具体的な要件は自治体ごとに異なります。一定の経験を積んだ介護福祉士やケアマネジャーも、生活相談員として働ける場合があるので、目指したい方は自治体のWebサイトなどで要件を確認しておきましょう。
▼関連記事
生活相談員とは?仕事内容や必要な資格、給料、やりがいを分かりやすく解説
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員は、車いす・スロープ・介護ベッドといった福祉用具の選定やメンテナンスを行う職種です。高齢者や障がいのある方が安全に過ごすために重要な役割を担っています。福祉用具専門相談員の主な職場は、福祉用具のレンタルや販売をする事業所です。
福祉用具専門相談員になるには、50時間の「福祉用具専門相談員指定講習」を修了する必要があります。なお、保健師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・義肢装具士のいずれかの資格を保有する方は、講習を受講しなくても福祉用具専門相談員として働くことが可能です。
▼関連記事
福祉用具専門相談員とはどんな職種?仕事内容や必要な資格、年収を解説!
介護事務員
介護事務員の主な仕事内容は、介護報酬の請求業務です。来客対応といった一般的な事務作業も行います。介護事務の仕事を行うために必須の資格はありません。無資格や未経験で就職する場合、働きながら必要な知識を習得することになるでしょう。
介護事務員は、幅広い介護事業所で活躍しています。小規模な介護施設では、介護業務と事務の仕事を兼務することもあるようです。介護事務員になる際は、自身の希望に合った仕事内容なのか、確認しておきましょう。
介護事務の仕事について詳しく知りたい方は、「介護事務の仕事内容を解説!働く上で役立つ資格やスキルを紹介」の記事もご参照ください。
介護ドライバー
介護ドライバーとは、介護タクシーの運転手や、通所型の介護施設の送迎ドライバーのことです。通所型の介護施設は、専任のドライバーを配置する場合と、介護職員がドライバー業務も兼務する場合があります。
介護タクシーの運転手には第2種運転免許が必要ですが、介護施設の送迎ドライバーは、普通免許があればなることができます。ただし、大型の車両を運転する場合は、車両に応じた免許が求められるでしょう。また、送迎時に介護を行う場合は、介護職員初任者研修などの介護系の資格も必要です。介護ドライバーの資格要件は職場によって異なるので、応募の際は求人の募集要項をしっかりチェックしましょう。
▼関連記事
介護タクシー運転手に必要な資格は?未経験でもなれる?開業の流れもご紹介
障がい福祉に携わる職種の仕事内容や資格要件は?
続いて、障がい福祉に携わる職種をご紹介します。「障がいのある方の支援がしたい」と考えている方は、どのような仕事があるのかを確認してみましょう。
生活支援員・障がい者支援施設職員
障がいのある方の日常生活をサポートする職種を、生活支援員や障がい者支援施設職員といいます。通所型の施設や入所型の施設において、食事・排泄のサポートや健康管理などを行うのが、仕事内容です。
具体的な職場としては、障がい者グループホーム、就労継続支援(A型・B型)事業所、就労移行支援事業所などがあります。生活支援員になるために必須の要件はないので、無資格や未経験から働ける職場もあるでしょう。
▼関連記事
障害者施設で働くにはどんな資格が必要?仕事内容や働くメリットも紹介
職業指導員
職業指導員は、障がいのある方が仕事を行うための訓練を行う職種です。就労移行支援や就労継続支援A型・B型、就労定着支援事業といった障がいのある方の就労支援を行う事業所で働いています。食品加工や農作業、木工作業など、事業所や利用者さんによって作業内容は異なるため、職業指導員に求められる支援や指導はさまざまです。
職業指導員として働くために必須の資格はありません。ただし、介護や福祉に関する資格や、パソコンスキル、製造業の実務経験など、職業指導に活かせるスキルを重視する求人もあるようです。
就労支援員
就労支援員は、就労に困難がある就職希望者をサポートする仕事です。障がいのある方や母子世帯の方、生活保護を受給している方などを対象に、職場探しから入職後まで、総合的な支援を実施。長期的に働き続けられるようにサポートする役割を担っています。
就労支援員の職場は、就労支援を行っている障がい者福祉施設や児童福祉施設、福祉事務所などです。必須の要件はないので、求人の募集要項をクリアしていれば、就労支援員の仕事に応募できるでしょう。
出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「障害者福祉施設指導専門員(生活支援員、就労支援員等)」(2024年4月3日)
サービス管理責任者
サービス管理責任者は、利用者さんが障害福祉サービスを利用する際に必要な「個別支援計画書」の作成を行います。施設スタッフの指導や、医療機関・行政機関などとの連携も仕事内容です。障がい者グループホームや就労移行支援、就労継続支援A型・B型などで働いています。
サービス管理責任者になるには、実務経験と研修の修了が必要です。この実務経験とは、「相談支援業務3年以上」または「直接支援業務8年以上」のこと。サービス管理責任者を目指す場合、福祉業界で実務経験を積んでキャリアアップすると良いでしょう。
出典
厚生労働省「社会保障審議会障害者部会(第135回)の資料について」(2024年4月3日)
障がい者居宅介護従事者
障がい者居宅介護従事者は、障がいのある利用者さんの自宅に訪問し、日常生活の支援を行います。具体的な仕事内容は、入浴介助や家事援助、通院介助などです。「居宅介護職員初任者研修」「介護職員初任者研修」「介護福祉士」などの資格があれば、居宅介護従事者として働けます。
障がい者居宅介護従事者の職場は、「障がいがある方の支援を専門に行う訪問介護事業所」「高齢者介護と障がい者支援を両方行う訪問介護事業所」の2パターン。転職の際は、自分のやりたい支援ができる職場か、チェックしておくと良いでしょう。
出典
厚生労働省「第36回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料」(2024年4月3日)
相談支援専門員
相談支援専門員は、障がいのある方が公的なサービスを利用するための支援を行う職種です。主な仕事内容は、サービス等利用計画を作成すること。実際にサービスを使うための手続きや関係者との連携も業務の一環です。
相談支援専門員になるには、相談支援業務や介護等業務の実務経験を3~5年積んだうえで、研修を修了する必要があります。
出典
厚生労働省「第41回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料」(2024年4月3日)
手話通訳者
手話通訳者の役割は、聴覚に障がいがあり、音声言語による意思の疎通が困難な方のコミュニケーションを、手話通訳で支援することです。具体的には、聴覚に障がいがある方の外出時の手話通訳や、講演の手話通訳などを行います。非常勤の仕事が多く、手話通訳だけで生計を立てている人は少ないようです。
手話のスキルがあれば手話通訳者を目指せますが、「手話通訳士」を名乗るには、手話通訳技能認定試験に合格して資格登録をする必要があります。
出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「手話通訳者」(2024年4月3日)
社会福祉法人聴力障害者情報文化センター「手話通訳士 登録関係手続き」(2024年4月3日)
ガイドヘルパー
ガイドヘルパーは、障がいがある方の外出を支援します。主なサービスは、「同行援護」と「行動援護」の2つです。
同行援護では、視覚障がいがあり、1人で移動するのが困難な方の外出に必要な援助を行います。同行援護に携わるには、「同行援護従業者養成研修一般課程修了」「居宅介護職員初任者研修修了+1年以上の直接処遇経験」などの要件を満たさなければいけません。
行動援護におけるガイドヘルパーの役割は、知的障がいや精神障がいがあり、行動に困難を抱える方が安全に外出できるように支援することです。また、外出以外の日常生活上の援助も行動援護に含まれます。行動援護に携わるには、「行動援護従業者養成研修修了」または「強度行動障害支援者養成研修(実践研修)」に加え、1年以上の直接処遇経験(知的障がい、精神障がい等)が必要です。
ガイドヘルパーについては、「ガイドヘルパー(移動介護従事者)とは?必要な資格や仕事内容を解説」で説明しているので、興味がある方はこちらの記事もお読みください。
出典
厚生労働省「第36回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料」(2024年4月3日)
▼関連記事
【障がい者支援に役立つ資格一覧】取得方法や難易度、習得できるスキルは?
今の職場に満足していますか?
児童福祉に携わる職種の仕事内容や資格要件は?
ここでは、児童福祉に携わる職種について解説します。子どもや保護者の支援に興味がある方は、ぜひご一読ください。
保育士
乳幼児の保育や、保護者に対して育児の助言を行うのが、保育士の業務内容です。保育士になるには、「指定の養成施設に2~4年通う」もしくは「保育士試験への合格」により、保育士資格を取得しなければいけません。保育士試験には受験資格が定められているので、受けたい方は事前に確認しておきましょう。
出典
厚生労働省「保育士になるには?」(2024年4月3日)
保育補助者
保育補助者は、保育士の業務をサポートする職種。無資格の方も保育補助者になることが可能です。最終学歴が高校卒業の方は、保育補助者として実務経験を積み、保育士試験を受けるルートもあります。
出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「保育補助者」(2024年4月3日)
児童指導員
児童指導員は、児童養護施設や乳児院、児童心理治療施設などの入所施設において、子どもの育成や生活指導を行います。
児童指導員になるには、指導員任用資格が必要です。指定の学校を卒業したり、児童福祉事業における実務経験を積んだりすることで、指導員の任用要件を満たせます。また、自治体が運営する施設で働く場合は、公務員試験への合格も求められるでしょう。
出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「児童指導員」(2024年4月3日)
母子支援員
母子支援員は、生活に困窮する母子が住む施設である「母子生活支援施設」で働きます。母親に対して、家庭生活や子育て、就労に関する支援などを行うのが仕事内容です。
母子支援員になるには、「厚生労働省の指定する特定の養成学校か養成施設を卒業すること」「保育士資格を有すること」「社会福祉士資格を有すること」「精神保健福祉士資格を有すること」「高校卒業後、2年以上児童福祉事業に従事すること」といった任用条件のいずれかを満たす必要があります。
出典
厚生労働省「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(2024年4月3日)
少年指導員
少年指導員の仕事は、母子生活支援施設において、子どもに対する支援を行うことです。具体的には、放課後活動や学習、日常生活などをサポートします。少年指導員として働くために必須の資格はありませんが、児童指導員任用資格が求められる場合が多いようです。
出典
東京都福祉局ふくむすび「少年指導員」(2024年4月3日)
児童相談所相談員
児童相談所相談員は、専門的な立場から、子どもや家庭の問題の相談に乗り、課題解決のための支援を行います。社会福祉の視点で相談に乗るのが「児童福祉司」、心理学の視点で対応するのが「児童心理司」です。
児童福祉司もしくは児童心理司の任用要件を満たし、地方公務員試験に合格すれば、児童相談所相談員として働けます。
出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「児童相談所相談員」(2024年4月3日)
児童発達支援管理責任者
児童発達支援管理責任者とは、障がい児支援施設のサービスを管理する職種です。児童発達支援センターや放課後等デイサービス、障がい児入所施設などに勤務しています。児童発達支援管理責任者の仕事内容は、子どもの成長に合わせて個別支援計画書を作成したり、計画書に基づいたケアを実施できているかをチェックしたりすることです。なお、児童発達支援管理責任者になるには、3~8年の実務経験と研修の修了が必要になります。
出典
厚生労働省「社会保障審議会障害者部会(第135回)の資料について」(2024年4月4日)
今の職場に満足していますか?
相談援助に携わる職種の仕事内容や資格要件は?
ここでは、相談援助に携わる「ソーシャルワーカー」「ケースワーカー」「心理カウンセラー」の仕事について解説します。
ソーシャルワーカー(SW)
ソーシャルワーカーは、相談援助に携わる人全般を指す言葉で、ソーシャルワーカーと呼ばれるさまざまな職業があります。たとえば、医療機関で相談対応をする「医療ソーシャルワーカー」や、地域における福祉の課題解決に取り組む「コミュニティソーシャルワーカー」などです。
ソーシャルワーカーとして働くためには、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格が求められることが多いでしょう。詳しく知りたい方は、「ソーシャルワーカーになるには?資格の取得ルート」の記事を参考にしてください。
ケースワーカー(CW)
ケースワーカーは、生活に困りごとがある方の相談に乗り、適切な支援を受けられるようサポートします。具体的な業務内容は、生活保護の受給に関する手続きなどです。ケースワーカーは、自治体の福祉事務所に地方公務員として勤務します。
ケースワーカーになるには、社会福祉主事の任用要件を満たすことと、地方公務員試験への合格が必要です。
▼関連記事
ケースワーカーとは?資格・年収・ソーシャルワーカーとの違いも解説
心理カウンセラー
心理カウンセラーは、対人関係や心理的な悩みを抱える方へのカウンセリングを通じて、助言・支援を行う職種です。心理カウンセラーに必須の要件はありませんが、就職にあたっては、公認心理師や臨床心理士といった専門的な資格が求められる場合が多いでしょう。公認心理師と臨床心理士は、いずれも大学院の修了や実務経験が要件となっており、受験資格を満たすには6年以上かかります。
なお、心理カウンセラーの呼び方は職場によってさまざま。「スクールソーシャルワーカー」といった職種名や、「公認心理師」などの資格名などで求人が出されています。
出典
厚生労働省「公認心理師」(2024年4月3日)
厚生労働省「第2回公認心理師カリキュラム等検討会」(2024年4月3日)
今の職場に満足していますか?
医療福祉に携わる職種の仕事内容や資格要件は?
以下では、医療福祉に携わる職種の仕事内容や資格要件をご紹介します。療養の支援やリハビリテーションを行いたい方は、参考にしてみてください。
看護師・准看護師
看護師・准看護師は、病院やクリニックで、医師の診察のサポートを行います。患者さんの生活を支援する役割があり、介護施設や在宅において医師の指示に基づく医療行為を行うことも少なくありません。
看護職員として医療行為に関わるためには、看護師もしくは准看護師の資格が必要です。看護系の学校に3~5年通って所定の課程を修了したのち、看護師国家試験に合格すれば、看護師になれます。また、准看護師になるには、指定の学校に2~3年通って准看護師試験に合格する必要があるようです。
出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「看護師」(2024年4月3日)
看護助手
看護師の補助的な業務を行う看護助手の仕事は、無資格でもできます。看護師の指示を受けながら、患者さんの生活に必要な介助をしたり、環境整備をしたりするのが業務です。看護助手は、医療の資格を持つ看護職員とは異なり、医療行為を行えません。
看護助手に興味がある方は、「看護助手と看護師の違いとは?仕事内容や資格を解説」の記事もチェックしてみてください。
理学療法士(PT)
理学療法士は、身体に障がいがある方のリハビリテーションを行う専門職です。患者さん一人ひとりに合ったリハビリテーション計画を立てて実施します。「立つ」「座る」「歩く」「寝る」など、基本的な動作を行うための機能回復を支援するのが役割です。なお、理学療法士になるには、養成学校で3年以上学び、理学療法士国家試験に合格する必要があります。
出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「理学療法士(PT)」(2024年4月3日)
作業療法士(OT)
作業療法士は、身体障がいや精神障がいがある方のリハビリテーションを行う専門職です。障がいのある方が、食事や入浴、排泄などに関する動作を行えるよう、機能訓練や指導を行います。作業療法士になるには、養成施設で3年以上学んだうえで、作業療法士国家試験への合格が必要です。
出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「作業療法士(OT)」(2024年4月3日)
言語聴覚士(ST)
言語聴覚士は、ことばによるコミュニケーションや、摂食・嚥下などに関する問題を抱える方に対し、訓練や指導を行う専門職です。支援の対象となる方の状態に合わせたコミュニケーションの方法を考えて実践します。具体的な仕事内容は、言語機能を評価し、訓練プログラムを立てることなどです。言語聴覚士になるには、指定の学校で3~4年学び、言語聴覚士国家試験に合格する必要があります。
出典
職業情報提供サイト(日本版O-NET)「言語聴覚士」(2024年4月3日)
医療事務員
医療事務員は、診療報酬の請求事務や、受付・会計などを行います。主な職場は、病院やクリニックです。医療事務の仕事をするために必須資格はありませんが、診療報酬請求業務に関する知識や経験が求められる傾向にあります。
▼関連記事
【福祉系のおすすめ資格一覧】20種類を紹介!取得方法や難易度も解説
今の職場に満足していますか?
福祉系の仕事にはどんな魅力があるの?
福祉の仕事には、支援の対象者と直接関わり、より良い生活を送れるようにサポートできるやりがいがあります。仕事を通じて社会貢献ができ、人の役に立っていることを実感して働けるところが魅力です。また、需要が高く、職が安定しているのも、福祉の仕事に就くメリットといえます。
▼関連記事
福祉の仕事のやりがいや魅力とは?長く働くためのポイントをご紹介!
無資格・未経験でも福祉の仕事はできる?
資格要件のない職種を選べば、無資格や未経験でも福祉に関わる仕事ができます。無資格や未経験から、介護職員や看護助手、保育補助者などに転職する人は少なくありません。新たな仕事にチャレンジするのが不安な方は、「介護職は資格なしでも働ける?未経験だと大変?仕事内容や転職事情を解説」の記事もチェックしてみてくださいね。
資格や経験がなくても、「無資格OKの求人」や「未経験可の求人」なら、教育体制が整っている可能性が高いでしょう。また、福祉業界で働きながら資格を取得できる「資格取得支援のある介護事業所」もおすすめです。
▼関連記事
看護助手は資格なしで働ける?主な職場や求人の探し方のコツを紹介
今の職場に満足していますか?
福祉の仕事に就くまでの流れは?
福祉関係の職場は、民間企業が運営する事業所と、公的機関の2つに分けられます。以下では、福祉の仕事を始めるまでの流れを解説するので、就職・転職を検討している方は確認してみてください。
民間企業の場合
民間企業は、さまざまな種類の福祉関係の事業所を運営しています。福祉の仕事に興味がある方は、まずは自分に向いている福祉の職種を考えることから始めましょう。就職先を決めるためには、自治体のWebサイトや求人情報などを見て、必須の資格や実務経験はあるのかチェックすることも大切です。必要な資格がある場合、取得にかかる期間や難易度を調べて、その職種を目指すかどうか検討してみてくださいね。
やりたい仕事が決まったら、ハローワークや転職エージェントなどを活用して企業に応募します。書類選考や面接などの採用試験に受かれば、就業開始です。
介護・福祉業界の転職エージェント「レバウェル介護」TOPページ
公的機関の場合
公的機関に勤務する場合、地方公務員や国家公務員の試験を受けることになります。公務員として就職するためには、年齢制限があることも多いので、事前の確認が重要です。
地方公務員試験の内容は、書類選考や口述試験などが一般的。勤務先や自治体によって試験の内容は異なるので、事前にリサーチしておくと安心です。地方公務員には、会計年度任用職員という非常勤の働き方もあります。
国家公務員として福祉に携わる仕事をしたい場合、書類選考・面接・筆記試験などを受けるのが一般的です。ただし、任期付きの国家公務員の場合は、筆記試験がないことも少なくありません。
今の職場に満足していますか?
福祉の仕事の種類に関するよくある質問
ここでは、福祉の仕事に関するよくある質問に回答します。福祉の仕事をするか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
福祉の仕事に向いている人の特徴を教えて!
福祉の仕事は、相手の気持ちを考えてコミュニケーションを取れる方や、誰かの役に立つ仕事がしたい方に向いているでしょう。支援をしてもすぐに成果が出るとは限らないので、目標を掲げてコツコツと努力を続けるスキルも必要になります。もっと詳しく知りたい方は、「介護の仕事に向いている人の性格10選!職場別の適性や向いてない人の特徴」の記事もあわせてご覧ください。
社会福祉士ができる仕事の種類は?
社会福祉士の資格を活かせる仕事は、介護施設の生活相談員や、障がい者施設の就労支援員などです。介護分野や障がい福祉分野では、多くの社会福祉士が活躍しています。ほかにも、病院で働く「医療ソーシャルワーカー」、学校で働く「スクールソーシャルワーカー」など、社会福祉士の専門性が役立つ職業は豊富です。社会福祉士の資格や相談援助の仕事に興味がある方は、「ソーシャルワーカーに必要な資格の取り方や難易度は?職種別の要件も解説!」もチェックしてみてください。
介護以外にはどんな福祉の仕事がありますか?
介護分野以外の福祉の仕事として、医療福祉や障がい福祉、児童福祉に関わる職種があります。たとえば、障がいがある方のリハビリや就労の支援をする仕事や、子どもやその家族の相談に乗る仕事などがあるでしょう。この記事の「福祉に関する仕事にはどんな種類があるの?」では、福祉に関する32の職種を紹介しています。
まとめ
福祉に関する仕事には、介護分野、障がい分野、医療分野などのさまざまな種類があります。職種によって必要な資格や経験は異なるので、事前に調べて準備しておくとスムーズに転職できるでしょう。
福祉の仕事の魅力は、生活を送るうえで課題がある方を身近でサポートできるやりがいがあることです。介護職員や看護助手、保育補助者などの職種は、無資格から始めることもできます。
福祉の仕事に興味がある方は、まずは自分が目指す職種を決めて、求人を探してみると良いでしょう。なお、公的機関で働く場合は、公務員試験の受験が必要になるのが一般的です。
「福祉の仕事を始めたい」という方には、介護・福祉業界に特化した転職エージェントの「レバウェル介護(旧 きらケア)」がおすすめ。キャリアアドバイザーが、あなたの希望にあった求人をご紹介します。キャリアプランの相談もできるので、就職・転職に不安がある場合、じっくりと考えたうえでの進路決定が可能です。書類選考や面接のアドバイスも実施しています。「福祉の仕事について聞いてみたい」「どんな求人があるのか知りたい」という方は、ぜひ気軽にご利用くださいね。
今の職場に満足していますか?
先に資格を取りたい方へ
無料相談はこちら