
介護職員の給料が良い施設はどこか知りたい方は多いでしょう。この記事では月給や時給を介護施設別のランキング形式でご紹介。そのほか介護福祉士などの資格別、勤続年数別、職種別の給料平均なども解説しています。「介護職員の給料は今後上がっていくのか?」という疑問についても説明しているので、気になる方は参考にしてください。
→レバウェル介護の資格スクールはこちら今の職場に満足していますか?
介護職員の月給が高い介護施設・事業所ランキング
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、給料平均、給与平均ともに1位にランクインしたのは、介護老人福祉施設(特養)です。ここでは、介護施設別の「平均給料ランキング」と「平均給与ランキング」の比較・解説をします。
【平均給料ランキング】
施設名・事業所名 | 平均給料(常勤) | |
---|---|---|
1位 | 介護老人福祉施設(特養) | 193,480円 |
2位 | 訪問介護事業所 | 191,780円 |
3位 | 特定施設入居者生活介護事業所 | 187,270円 |
4位 | 小規模多機能型居宅介護事業所 | 182,130円 |
5位 | 通所介護事業所 | 181,740円 |
【平均給与ランキング】
施設名・事業所名 | 平均給与(常勤) | |
---|---|---|
1位 | 介護老人福祉施設(特養) | 348,040円 |
2位 | 介護老人保健施設(老健) | 339,040円 |
3位 | 介護医療院 | 320,700円 |
4位 | 訪問介護事業所 | 315,170円 |
5位 | 特定施設入居者生活介護事業所 | 313,920円 |
「給料」と「給与」は、混同されがちですが、手当などを含まない基本的な報酬を「給料」。残業代や夜勤手当、資格手当といった手当や賞与などが含まれた金額は「給与」です。
基本的に夜勤がある特養や老健、介護医療院は夜勤手当が支給されるため、平均給料が低くても平均給与は高い傾向にあります。
一方、平均給料ランキングの5位にランクインしている、デイサービスは日勤がメインなので、夜勤手当の支給はありません。その結果、平均給与は低くなっているといえます。とはいえ、基本的に夜勤がないデイサービスは、家庭や身体的な事情で夜勤ができないという方に向いている職種だといえるでしょう。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p122)(p175)」(2024年11月13日)
▼関連記事
介護職の給料が安すぎるといわれる理由とは?年収をアップする方法も解説
今の職場に満足していますか?
パート職員の時給が高い介護施設・事業所ランキング
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、パートの平均時給が1番高いのは訪問介護です。ここでは、非常勤で働く介護職員の給料平均をご紹介します。(施設や事業所が定める正規職員の1週間の労働時間を満たしている場合は「常勤」、満たしていない場合は「非常勤」です。)
施設名・事業所名 | 時給(非常勤) | |
---|---|---|
1位 | 訪問介護事業所 | 1,290円 |
2位 | 特定施設入居者生活介護事業所 | 1,070円 |
3位 | 介護老人福祉施設(特養) | 1,060円 |
4位 | 介護老人保健施設(老健) | 1,050円 |
5位 | 通所介護事業所、通所リハビリテーション事業所、介護療養型医療施設 | 1,040円 |
訪問介護員は基本的に1人で利用者さまの居宅を訪問し、身体介護などの介護サービスの提供を行うため、初任者研修以上の資格や介護スキル、経験が求められます。また、業務中のトラブルや急変などにも1人で対応しなければならないリスクが伴うため、高時給に設定されているようです。
老健や介護療養型医療施設、特養は、医療的ケアやリハビリなど専門的な知識が求められる介護施設のため、時給が高いと考えられます。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p177)」(2024年11月13日)
▼関連記事
介護職の平均時給はどれくらい?給与を上げる方法もご紹介!
今の職場に満足していますか?
介護福祉士の給与が高い介護施設・事業所ランキング
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所において介護福祉士の平均給与が高い介護施設は特養です。
施設名・事業所名 | 平均給与(常勤) | |
---|---|---|
1位 | 介護老人福祉施設(特養) | 360,840円 |
2位 | 介護老人保健施設(老健) | 349,850円 |
3位 | 介護医療院 | 332,230円 |
4位 | 特定施設入居者生活介護事業所 | 330,650円 |
5位 | 訪問介護事業所 | 323,470円 |
医療的ケアやリハビリが必要な利用者さまが多い傾向にある介護施設では、介護スキルや知識を持つ介護福祉士が求められます。そのため特養や老健などでは、ほかの介護施設と比べて介護福祉士の給料が高く設定されているようです。
また、介護福祉士資格は高い介護スキルを持っていることの証明となるため、仕事の幅が広がり、充実感をもって業務に取り組めるようになるでしょう。介護福祉士に興味のある方は「介護福祉士とは?資格の取得方法や試験の概要について解説!」をご覧ください。介護福祉士の仕事内容や資格取得方法などを分かりやすく説明しています。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p232,233)」(2024年11月13日)
今の職場に満足していますか?
勤続年数1年目の介護職員の給与が高い介護施設・事業所ランキング
厚生労働省の「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所において、1年目の介護職員の平均給与が高い施設は特養です。
施設名・事業所名 | 平均給与(常勤) | |
---|---|---|
1位 | 介護老人福祉施設(特養) | 308,030円 |
2位 | 介護老人保健施設(老健) | 300,470円 |
3位 | 介護医療院 | 292,600円 |
4位 | 通所リハビリテーション事業所 | 283,520円 |
5位 | 特定施設入居者生活介護事業所 | 275,690円 |
上記のランキングと同様、特養と老健で働く1年目の介護職員の給料平均は高い水準にあります。
5位の特定施設入居者生活介護事業所は一般的に「特定施設」と呼ばれており、「介護付き有料老人ホーム」や「ケアハウス」「養護老人ホーム」などが含まれます。施設や事業所によって提供している介護サービスや設備基準はさまざま。給料も施設によって差があるため、一概に給料が高いとは言い切れません。特定施設入居者生活介護事業所に限ったことではありませんが、給料だけで判断するのではなく「自分がやりたい介護ができるか」「雰囲気が自分と合っているか」を含めて判断するのがおすすめです。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p139~144)」(2024年11月13日)
厚生労働省「特定施設入居者生活介護」(2024年11月13日)
今の職場に満足していますか?
勤続年数10年以上の介護職員で給与が高い介護施設・事業所ランキング
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、勤続年数10年以上の介護職員で給与が高いのは特養でした。
施設名・事業所名 | 平均給与(常勤) | |
---|---|---|
1位 | 介護老人福祉施設(特養) | 378,520円 |
2位 | 介護老人保健施設(老健) | 359,940円 |
3位 | 特定施設入居者生活介護事業所 | 348,080円 |
4位 | 介護医療院 | 337,280円 |
5位 | 訪問介護事業所 | 335,810円 |
上記の表にある特養の1年目の介護職員の給料は 308,030円だったので、10年以上勤めることで7万円ほどアップしています。
上記以外の介護施設も、勤続年数が増すごとに平均給与は高くなる傾向にあります。資格取得や役職への就任など、給料アップの要因はさまざまですが、一つの施設で長く勤めて経験を積むのも給料アップの方法として有効です。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p139~144)」(2024年11月13日)
今の職場に満足していますか?
管理職の給料が高い介護施設・事業所ランキング
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、管理職の給料が高い介護施設は特養です。
施設名・事業所名 | 平均給与(常勤) | |
---|---|---|
1位 | 介護老人福祉施設(特養) | 427,140円 |
2位 | 介護老人保健施設(老健) | 402,080円 |
3位 | 特定施設入居者生活介護事業所 | 389,550円 |
4位 | 介護医療院 | 384,510円 |
5位 | 通所リハビリテーション事業所 | 384,160円 |
介護施設における管理職は、介護施設や事業所によって「施設長」「管理者」「ホーム長」などと呼ばれており、施設の運営やスタッフの育成、利用者さまの管理などが主な仕事です
。また、施設や事業所の種類によっては、管理職になるための要件が定められており、管理職に就くには条件を満たす必要があります。特養であれば、「社会福祉主事の要件を満たす者」「社会福祉事業に2年以上従事した者」など。詳しくは「特養の施設長の年収はどれくらい?仕事内容や求められるスキルも解説」もご覧ください。
管理職は、責任が重く大変なことも多い立場です。その一方で、スタッフの成長を見られたり自分の目指す介護ができたりするなど、大きなやりがいを感じられる仕事でもあります。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p136)」(2024年11月13日)
厚生労働省「施設長の資格要件等」(2024年11月13日)
今の職場に満足していますか?
▼関連記事
介護職で年収500万円を目指せる?高給与の施設へ転職した事例も紹介
介護職員の月給が高い運営母体ランキング
厚生労働省の「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員の月給が高い運営母体は地方公共団体です。介護施設の運営方針や規模によって、業務内容や給料は異なりますが、それぞれの特徴をご紹介します。
施設名・事業所名 | 平均給与(常勤) | |
---|---|---|
1位 | 地方公共団体 | 334,730円 |
2位 | 社会福祉法人 | 304,140円 |
3位 | 社会福祉協議会 | 291,750円 |
4位 | 医療法人 | 290,060円 |
5位 | その他 | 288,420円 |
地方公共団体や社会福祉法人が運営しているのは公的施設、医療法人や社会福祉協議会が運営しているのは民間施設です。厚生労働省の調査では、地方公共団体や社会福祉法人といった公的組織の方が、民間組織より高い給料になっています。
地方公共団体や社会福祉法人といった公的施設を運営する組織は、各都道府県や国から優遇措置が受けられるため、比較的経営状態が安定しており、介護職員への報酬が多いことがあるようです。倒産やリストラの可能性が低く、安定した労働環境を求める方に向いているでしょう。
一方で医療法人が運営する施設は、医療やリハビリに注力している傾向にあるため、医療的ケアやリハビリに関する経験を積みたい方に向いています。
上記はあくまでも傾向なので、それぞれの施設の経営方針や業務内容などをしっかり調べることが大切です。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p130)」(2024年11月13日)
今の職場に満足していますか?
▼関連記事
社会福祉法人・医療法人・株式会社の違いとは?働くメリットも解説
介護系の仕事で給料が高い職種ランキング
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護系の仕事で給料が高いのは看護職員です。
職種名 | 平均給与(常勤) | |
---|---|---|
1位 | 看護職員 | 373,750円 |
2位 | ケアマネジャー | 361,770円 |
3位 | リハビリ職員 | 354,770円 |
4位 | 生活相談員・支援相談員 | 342,330円 |
5位 | 介護職員 | 317,540円 |
看護やリハビリなど、医療に関わる職種や、資格や専門的な知識を必要とされる職種は給与が高い傾向にあります。
もし、介護職員からキャリアアップを目指す場合、介護の知識を活かしながら活躍できる「ケアマネージャー」や「生活相談員・支援相談員」がおすすめです。ケアマネジャーになるには、「5年以上の介護福祉士などの国家資格に関する業務経験」「介護支援専門員実務研修受講試験への合格」「研修の修了」が必要です。詳しくは「介護福祉士からケアマネになるには?受験要件やステップを解説」を参考にしてください。
さらに、生活相談員や支援相談員になるには一般的に「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」のいずれかの資格が必要です。興味のある方は「生活相談員の資格要件は?無資格や介護福祉士でもなれる?」で解説しています。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p119)」(2024年11月13日)
今の職場に満足していますか?
介護職の給料は今後上がる?
物価上昇や介護職員の確保を見据え、今後も介護職員の給料は上がっていく見込みです。
厚生労働省の「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」によると、2024年6月の介護報酬改定で、改定率は+1.59%でした。介護業界以外での賃上げの流れや物価の上昇を考慮し、介護職員の処遇改善が進められています。
これまで介護職員の処遇改善は、「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」の3つの加算に分かれていましたが、今回の改定で「介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。報酬請求の事務手続きが簡素化し、加算を取得する事業所が増えることが期待されています。
介護サービスのニーズに対し介護職員が不足する状況は続いており、介護人材の確保や定着は急務です。厚生労働省は、介護従事者のベースアップ目標が2024年度に2.5%、2025年度に2.0%と設定しています。こうした流れから、今後も介護職員の給料が増えるような政策や制度設計を進めていくと考えられるでしょう。
出典
厚生労働省「介護職員の処遇改善:TOP・制度概要」(2024年11月13日)
今の職場に満足していますか?
介護職が給料を上げる方法は?
介護職員として給料を上げるには「資格を取得する」「夜勤に多く入る」「給料の高い職場に転職する」方法があります。下記で詳しく解説するので参考にしてみてください。
資格を取得する
多くの介護施設では資格手当が支給されるため、介護の現場で活かせる資格を取得することで給料アップが望めます。
下記は、介護職員全体における保有資格別の平均給与額です。
保有資格 | 平均給与額 |
---|---|
保有資格なし | 268,680円 |
介護職員初任者研修 | 300,240円 |
実務者研修 | 302,430円 |
介護福祉士 | 331,080円 |
介護支援専門員 | 376,770円 |
社会福祉士 | 350,120円 |
保有資格がない介護職員の給料平均と介護支援専門員の資格がある介護職員の給料平均の差は、おおよそ9万円です。資格を取得することで、着実に給料アップを目指せるでしょう。
「介護の資格は順番に取るべき?取得するメリットと方法を解説!」では介護資格を取得する際の、一般的な順番を説明しています。興味のある方は参考にしてみてください。
また、レバウェル介護(旧 きらケア)では、資格の勉強をしながら自分にぴったりの職場探しのサポートも受けられる資格取得の専門学校「レバウェルスクール介護(旧 きらケアステップアップスクール)」を運営しています。現役の福祉・医療職員の講師から現場で役立つ知識やスキルを学べるので、これから介護業界で活躍したいという方におすすめです。くわしくは「レバウェルスクール介護(旧 きらケアステップアップスクール)」をご確認ください。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p157)」(2024年11月13日)
先に資格を取りたい方へ
無料相談はこちら夜勤に多く入る
夜勤に入ると夜勤手当が支給され、日勤のみで働くよりも効率的に給料を上げられます。すぐにでも給料を上げたいという方におすすめです。
また、夜勤でメインに仕事をする「夜勤専従」という働き方も。日勤と比較すると少ない勤務日数で高収入が望めるので、効率的に給料を上げられます。
給料の高い職場に転職する
もし今の職場で資格を取得したり長期間働いたりしても給料が上がらない場合、待遇が充実している介護施設に転職するのも一つの手です。ただ、給料や待遇のみで転職を決めてしまうと、業務内容や介護方針の不一致から早期退職に繋がってしまう可能性も。転職の際は、自分の適性やスキルに合うかを確かめることも重要です。自分のスキルが活かせる職場であれば、長い期間働けるのでスキルアップや給料アップにも繋がっていくでしょう。
「求人を見るだけでは、自分に合った職場は分からない」という方はレバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。経験豊富なアドバイザーがカウンセリングを行い、給与などの条件はもちろん、施設の雰囲気や正社員の割合、施設長の人柄、人間関係などのリアルな情報も含めたマッチング提案をします。レバウェル介護(旧 きらケア)では、直接施設に行って求人情報などをヒアリングするので、よりリアルな職場の情報をお伝えできます。サービスのご利用はすべて無料ですので、転職をお考えの方はぜひレバウェル介護(旧 きらケア)をご利用ください。
まとめ
介護職員の給料が良い施設ランキングでは、特養がもっとも多くランクインしていました。ほかの介護施設と比べて要介護度が高い利用者さまが多い傾向のある特養では、高い介護スキルや経験が求められるため、給料も高く設定されているのでしょう。また、夜勤があるのも給料を上げている一つの要因です。
とはいえ、介護施設や事業所の規模や方針、運営母体によって、給料や待遇は大きく異なります。給料だけではなく、「介護に対する方針は自分の価値観と合っているか」「職場環境や人間環境は良好か」などしっかり把握することが大切です。レバウェル介護(旧 きらケア)なら、介護職員と事業所の介護観がマッチすることを重視した転職支援を行っているので、安心して転職活動が行えます。お気軽にご相談ください。
登録は1分で終わります!
先に資格を取りたい方へ
無料相談はこちら