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この記事のまとめ
- 介護福祉士試験に落ちる人の特徴は、勉強時間を確保できていないなど
- 介護福祉士試験の平均合格率は約76%と高いが、落ちる人もいるのが実情
- 介護福祉士試験に合格するには、3ヶ月~半年を目安に勉強の計画を立てよう
介護福祉士国家試験は、合格率が70%以上と高めです。そのため、「介護福祉士は誰でも受かる」と思っている方もいるかもしれません。しかし、実際は介護福祉士国家試験に落ちる人もいます。この記事では、介護福祉士に落ちる人の特徴と合格するための勉強方法を紹介します。受験前の方は、自分が落ちる人の特徴に当てはまっていないか、確認してみてください。
介護福祉士とは?仕事内容や資格の取得方法、試験概要をわかりやすく解説!介護福祉士国家試験に落ちる人の特徴
介護福祉士国家試験に落ちる人の特徴には、「勉強時間を十分に確保していない」「間違った勉強法で学習している」「試験の難易度を甘く見て油断している」などがあります。
ここでは、介護福祉士国家試験に落ちる人の特徴を解説。これから試験を受ける予定の方は、チェックしてみてください。
勉強時間を十分に確保していない
勉強時間を十分に確保できていないと、必要な知識が身につかず、試験に落ちるリスクが高まります。介護福祉士国家試験の出題範囲は広いため、十分な勉強時間の確保が必要です。人によって差はありますが、合計250時間を目安に勉強時間を確保しておいたほうが良いでしょう。
介護福祉士国家試験は、介護職として働きながら受験する方も少なくありません。仕事をしながら試験勉強の時間を確保するのは大変ですが、「忙しいから」「疲れているから」と勉強を後回しにしていると、十分に対策しきれずに試験当日を迎えてしまう可能性も。早めに計画を立てることが重要です。
誤った勉強方法で学習している
介護福祉士国家試験に落ちる人は、誤った勉強方法を行っていることがあります。学習時間を確保しても、誤った勉強方法では不合格になることもあるでしょう。
ここでは、見直したほうが良い勉強方法を紹介します。
用語や解説内容を正しく理解していない
一概に、丸暗記が駄目だとははいえませんが、答えをそのまま暗記する勉強法は、注意が必要です。丸暗記だけでは問題の本質を理解できず、違う形式で出題された際に答えられなくなってしまう場合があります。間違えた箇所は、正答を覚えるだけでなく、問題の本質や用語の理解を深めることが大切です。
苦手な科目や分野を対策していない
仕事で扱わない分野や苦手な科目など、特定の領域の対策を怠ると、試験に落ちるリスクが高くなります。介護福祉士国家試験は、全科目で得点が必要です。試験科目11科目すべてに得点がないと、合格点を超えていても不合格になってしまうので、まんべんなく対策するようにしましょう。
過去問や模擬問題を解かない
過去問や模擬問題へ取り組まないと、実際の試験内容をイメージするのは難しいといえます。試験内容がイメージできていなければ、「出題数が少ない分野に勉強時間を割いてしまった」など、対策の方向性を誤ってしまうことがあり、効率的ではありません。効率的に試験対策を進めるには、過去問から出題傾向や出題形式を知ることも大切です。
また、過去問で実際の出題数や試験時間に慣れておかないと、試験当日に「時間が足りない」という失敗の要因になってしまうこともあります。
「効果的な学習方法を知りたい」という方は、この記事の「介護福祉士国家試験に合格するコツ」も、参考にしてみてください。
試験の難易度を甘く見て油断している
介護福祉士国家試験に落ちる人は、「誰でも受かるだろう」と試験を甘く考えていることがあります。ここでは、介護福祉士試験に落ちてしまう失敗ケースを紹介します。
合格率が高いからと油断してしまった
介護福祉士国家試験の合格率は、8割ほどです。合格率が高いため、難易度が低いと思われることがありますが、十分に対策をしていないと試験には合格できません。実際に2~3割の人は毎年落ちているため、油断は禁物です。
実務経験だけでは解けない問題があった
介護職としての経験が長いと、「実務経験でカバーできるのでは?」と油断してしまう方もいるでしょう。実務経験でカバーできる分野はありますが、介護保険制度や法律、医療知識など、介護現場だけでは習得が難しい内容も出題されます。実務経験が豊富でも、計画的に試験対策をすることが大切です。
選択式問題で間違えることがあった
介護福祉士国家試験の試験形式は、5つの選択肢から1つを選ぶ五肢択一式です。記述式ではないので、「少し対策すれば正解できるのでは?」と気が緩んでしまう方もいるかもしれません。しかし、5つの選択肢から正解を1つに絞るには正しい知識が求められ、十分に対策をしていないと間違えてしまいます。
なお、1問あたりに割ける解答時間は約1分46秒です。本番の試験で答えに悩んでいると、時間切れになってしまう可能性があるため、素早く的確に解答するために知識を深めておく必要があります。
試験本番で実力を発揮できない
十分に対策をしていても、緊張などからケアレスミスや時間配分ミスをしてしまい、試験に落ちる人もいます。「試験本番に弱い」という方は、自分に合ったプレッシャーへの対策をしておくと良いでしょう。
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介護福祉士国家試験の難易度は?
これから介護福祉士国家試験を受ける方のなかには、試験の難易度が気になる方もいるでしょう。ここでは、介護福祉士国家試験の合格率と難易度について解説します。
介護福祉士国家試験の合格率
下記では、厚生労働省の「介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移」をもとに、過去5年の合格率をまとめました。
第32回 | 第33回 | 第34回 | 第35回 | 第36回 | |
受験者数 | 84,032人 | 84,483人 | 83,082人 | 79,151人 | 74,595人 |
合格者数 | 58,745人 | 59,975人 | 60,099人 | 66,711人 | 61,747人 |
合格率 | 69.9% | 71.0% | 72.3% | 84.3% | 82.8% |
参考:厚生労働省「介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移」
2024年1月に実施された第36回試験の合格率は、82.8%でした。また、過去5年の平均合格率は約76%です。
一方、2024年の社会福祉士試験の合格率は、58.1%、2023年のケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)の合格率は21.0%でした。介護福祉士国家試験の合格率は、社会福祉士やケアマネより高い傾向にあります。このことから、「介護福祉士国家試験の難易度は低い」と言われることがあるようです。
出典
厚生労働省「第36回介護福祉士国家試験合格発表」(2024年11月22日)
厚生労働省「第36回社会福祉士国家試験合格発表」(2024年11月22日)
厚生労働省「第26回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」(2024年11月22日)
難易度の感じ方は人による
レバウェル介護(旧 きらケア)で、「資格取得の難易度はどのように感じましたか?」というアンケートを行ったところ、「そこそこ難しかった」が20.1%、「どちらともいえない」が34.6%、「簡単だった」が11.7%でした(回答数:179名、実施時期:2023年10月10日~11月12日)。
人によって難易度の感じ方は違うことが分かります。前項で述べたとおり、介護福祉士国家試験の合格率は、ほかの介護系資格より高い傾向にあるものの、試験に落ちる人は一定数います。「簡単過ぎる」「誰でも受かる」という声はありますが、主観的な意見なので真に受け過ぎず、自分に合った対策を行うことが大切です。
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介護福祉士国家試験に合格するコツ
ここでは、介護福祉士国家試験に合格するコツを紹介します。「試験に落ちたくない」という方は、チェックしてみてください。
最初に試験勉強の計画を立てる
先述したとおり、介護福祉士国家試験の出題範囲は広範囲にわたり、試験対策にはある程度の時間が必要です。介護福祉士国家試験に落ちる人は、勉強のスケジュール管理ができていない傾向にあります。試験範囲の勉強を本番までに終えられるよう、早めに試験勉強の計画を立てましょう。
いつまでにどの分野の学習が終わっていれば良いか逆算し、計画通りに勉強が進んでいるか定期的にチェックするのがポイント。3ヶ月~半年の勉強期間を確保すると余裕をもって学習を進められます。休みの日にガッツリ進めるのが向いている人もいれば、毎日コツコツ勉強するのが向いている人もいるので、自分にあった方法で試験勉強に取り組みましょう。
効果的な勉強方法で学習する
介護福祉士国家試験に落ちる人は、無意識に非効率的な勉強法をしていることがあります。試験に合格するには、効率的に効果が得られる勉強方法を選択することが大切です。下記で、効果が得やすい勉強方法の例を紹介します。
通信講座やスクールを利用して対策する
「1人で試験勉強できるか不安」「スケジュール管理が苦手」という方は、通信講座やスクールの活用がおすすめです。費用は掛かりますが、出題範囲や重要なポイントを効率良く学べます。受講形式は通学や通信などがあり、自分に合った方法を選べるのもポイント。スクールによっては、分からないところを講師に質問できるので、不明点を放置することなく、安心して試験対策を進められます。
過去問や予想問題を繰り返し解いて勉強する
試験対策として、過去問や予想問題を繰り返し解くのも効果的です。「間違えた問題を見直す」を繰り返すことで、試験に関する知識を深めていけます。
また、過去問に取り組むことで、出題問題の傾向や出題形式を把握できます。「対策に時間を掛けるべき分野」と「掛けなくても良い分野」を明確にできるので、効率良く試験対策を進められるでしょう。
実務で扱わない科目を重点的に勉強する
試験に合格するには、実務で扱わない科目を重点的に勉強しましょう。介護福祉士国家試験では高齢者介護や障がい者介護、施設介護、訪問介護など幅広く出題されるのが基本です。「社会への理解」では、法律や制度に関する知識についても問われます。現場だけでは、すべての知識を身につけるのが難しいため、勤務先で扱わない分野は、時間を掛けて対策することが大切です。
模擬試験で問題を解く練習をする
模擬試験で、時間配分や緊張感に慣れておけば、当日に実力を発揮しやすくなります。また、自分の実力を把握できるため、これからの勉強方法を見直す機会にもなるでしょう。試験に落ちる人は、模擬試験を受けていなかったり、結果を試験勉強に活かせていなかったりするようです。
模擬試験は、スクールなどに登録することで受けられます。会場受験だけでなく、自宅での受験も可能。仕事の都合に合わせて、自分に合った方法で模擬試験を受けると良いでしょう。
勉強方法を知りたい方は、「介護福祉士国家試験の勉強方法とは?効率の良い受験対策と合格するコツ」も参考にしてみてください。
受験後に介護福祉士試験が不合格かもと思ったら
受験後、「落ちたかも」と不安になることもあるでしょう。ここでは、試験の結果が出るまでの過ごし方を紹介します。
試験を頑張った自分を労う
結果はどうであれ、試験勉強を継続するのは大変なことです。仕事をしながら試験勉強をした方の場合、一定の苦労があったことでしょう。まずは、頑張った自分を労うことが大切です。美味しいものを食べたり、趣味に没頭したりしてリフレッシュしましょう。
合否の連絡が来るまで結果を考えない
自己採点の結果が悪かった場合、「落ちたかもしれない」と不安になるかもしれませんが、結果が発表されるまで合否は分かりません。心配し過ぎると日常生活に支障をきたす可能性もあるので、あえて考えないようにするのも一つの手です。
介護福祉士国家試験の合格基準は、難易度によって補正されるため、合格点は毎年異なります。不合格だと思っていても合格している可能性があるため、前向きに結果を待ちましょう。
勉強不足の科目を復習する
不合格という確信がある場合は、勉強不足に感じた科目を復習し、来年度の試験の対策を始めるのも選択肢の一つです。気持ちを切り替えて、次の試験に備えることで、十分な学習時間を確保できます。
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介護福祉士の試験に関してよくある質問
ここでは、介護福祉士国家試験について、よくある質問を紹介します。受験を検討している方、試験を控えている方はチェックしてみてください。
介護福祉士国家試験の受験資格を教えてください
介護職員から介護福祉士になる場合、「3年以上の介護職の実務経験+介護福祉士実務者研修の修了」によって受験要件を満たす実務経験ルートで資格取得を目指す方が多いようです。実務経験ルートは、3年以上介護職員として経験を積みながら実務研修を修了することで、受験資格を得られます。そのほか、介護福祉士養成施設や福祉系高校を卒業するなどの方法で受験資格を得ることも可能です。
詳しくは、「介護福祉士の受験資格を得るルートを解説!必要な実務経験や試験概要は?」を参考にしてみてください。
出典
社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」(2024年11月22日)
介護福祉士国家試験に受かる気がしないです…
どれだけ勉強をしていても、「介護福祉士国家試験に受かる気がしない…」と自信をなくしてしまう方は少なくありません。忙しくて十分な学習時間を確保できていないと、より強く不安を感じてしまうようです。合格できるか不安に感じたときは、試験までに残された時間を有効に使い、苦手な範囲の対策をしっかり行いましょう。時間を有効に使うには、問題集だけでなくアプリの活用も効果的です。
アプリについて知りたい方は、「介護福祉士アプリのおすすめ2選!活用するメリットと勉強方法のポイント」をチェックしてみてください。
介護福祉士試験が不合格の場合もハガキは届きますか?
試験に落ちた場合、普通郵便の封書またはハガキで不合格の通知が届きます。介護福祉士国家試験では、試験の合否に関わらず結果通知を発送しているようです。ただし、見込みで受験した方は、要件を満たしたことを証明する書類を提出しないと、試験は無効となり結果通知は発送されないので注意しましょう。なお、第37回の結果は、令和7年3月24日に発送されるそうです。
出典
社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験(合格発表について)」(2024年11月22日)
まとめ
介護福祉士国家試験に落ちる人の特徴は、「勉強時間を十分に確保していない」「誤った勉強方法で学習している」「試験の難易度を甘く見て油断している」などがあります。
介護福祉士国家試験の平均合格率は、約76%と高い傾向にありますが、難易度が低いというわけではありません。毎年、2割ほどの人は試験に落ちているため、試験対策は十分に行っておく必要があるでしょう。
介護福祉士国家試験に合格するコツは、「最初に試験勉強の計画を立てる」「効果的な勉強方法で学習する」「実務で扱わない科目を重点的に勉強する」などです。介護福祉士国家試験の出題範囲は広範囲にわたり、短期間での勉強では試験に落ちるリスクが高くなってしまいます。必要な知識を身につけるために、計画的に試験勉強を進めていきましょう。
「忙し過ぎて試験勉強ができない」「資格取得における費用負担が大きい」という方は、資格取得に理解がある職場への転職を検討するのも選択肢の一つです。資格取得への理解があり、手当が手厚い職場なら、少ない負担で資格取得を目指せます。
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