
利用者さんのQOL向上やレクリエーションの充実、介護職の負担軽減など、介護現場が抱える課題は多岐にわたります。高齢者と接する機会の多い介護士さんにとって、専門性を高め、質の高いケアを提供することは重要な課題です。本記事では、それぞれの課題解決に役立つ講座やツールをご紹介します。
株式会社ヒャクネンミライ
株式会社ヒャクネンミライは、「介護予防美容」という新たな分野で人生100年時代の健康寿命と美容寿命の延伸に注力する企業です。 代表を務める阪上明子氏は、長年の美容部員経験からメイクの持つ力を実感し、脳科学に基づいた独自の「全脳活性メイク®」と指導者育成のための「介護メイク士®」を開発。メイクとスキンケアをとおして脳を活性化し、認知症予防や介護予防に貢献することで、高齢者の笑顔と活力を支え、イキイキと暮らせる社会の実現を目指しています。

全脳活性メイクをお客様に伝える「介護メイク士®︎」
「利用者さんのQOL向上に繋がるスキルを身につけたい」という介護士さんは多いのではないでしょうか。同社が提供する「介護メイク士®︎資格講座」は、単なるメイク技術ではなく、脳機能や身体機能の向上に特化した日本初の「全脳活性メイク®︎」を指導できる専門家介護メイク士®︎の育成を目的とした講座です。

講座では、脳とメイクの関連性といった専門知識からメイクアップの基礎知識と実践、パーソナルカラー診断、礼法まで、多岐にわたる実践的なスキルを学ぶことができます。資格取得後に美容のレクリエーションやレッスンなどの活動をとおして、利用者さんの生活の質を向上させ、より豊かな日々を送るためのサポートができるでしょう。
「全脳活性メイク®︎」とは
「全脳活性メイク®︎」とは、前向きな人生を歩みたい、自立した生活を営みたい、美しく歳を重ねたいという40代以降の方を対象に、介護メイク士®が指導するメイクのことです。認知症予防にも効果が期待できる画期的な手法で、メイク専門家とリハビリ専門医の監修による確かな技術に基づくものです。指導後、利用者さん自身が毎日行うことで、さまざまな神経を刺激し脳の活性化を促します。
詳細情報
一般社団法人 グラヴィティヨガ協会
一般社団法人グラヴィティヨガ協会は、日本発祥のグラヴィティヨガの普及を通じて、誰もがヨガの恩恵を受けられる社会づくりを目指す法人です。大阪本部の「ザ・ヨガラウンジ」でのレッスン提供に加え、子どもから高齢者まで幅広い層を対象としたイベントへインストラクターを派遣するなど、エビデンスに基づくプログラムで健康増進とQOL向上を支援。また、日本臨床運動療法学会(EIMJ)のサポート団体として、医療専門家と連携し「薬になるヨガ療法」の研究開発にも取り組んでいます。
グラヴィティヨガとは
グラヴィティヨガは、日本で考案された独自のヨガプログラムです。「頑張らずにできるヨガ」をコンセプトに、体力や柔軟性に自信のない方、高齢者でも無理なく実践できるよう設計されています。深い呼吸と胸を開く動きを取り入れながら、日常生活に組み込みやすい内容で構成されているのが特長です。心身相関療法としての側面をもち、自律神経系への働きかけや内臓機能の回復、免疫機能の向上などの効果が報告されています。
椅子ヨガ指導者養成講習

介護職の仕事は、肉体的に大きな負担を伴います。長時間同じ姿勢での作業は、腰痛や肩こり、むくみといった身体の不調を招くことも。そんな介護士さんの健康維持や業務効率向上に役立つのが「椅子ヨガ指導法習得コース」です。同コースでは、解剖学に基づいたポーズから呼吸法、効果的なアナウンス、挨拶方法まで、指導に必要なスキルを丁寧に解説。施設で行う集団リハビリや、個別レッスンにも対応できる実践的な内容です。
椅子ヨガは座ったまま行えるため、身体への負担が少なく、高齢者や車椅子を利用している方にも安全に実施できます。習得したスキルは、介護士さん自身の健康管理だけでなく、利用者へのケアの質向上にも役立てられるでしょう。
車椅子ヨガ指導者養成講習

「車椅子ヨガ指導者講習」は、車椅子ユーザーへの適切なヨガ指導法を身につけるプログラムです。長期の車椅子使用による身体的課題や脳卒中、脊髄損傷、整形疾患など、さまざまな疾患に関する医学的知識を深めていきます。
これらの知識を基に、各疾患の特性に応じたポーズの調整方法や安全性を重視したヨガプログラムの構築技術を習得。介護現場での実践を想定した内容で、車椅子ユーザーへの効果的なヨガ指導に必要なスキルを体系的に学ぶことができる講習会です。
詳細情報
くるんば
くるんばは、介護に関する研修事業と出版事業を展開する企業として2020年に設立された組織です。主な事業として、介護セミナーの企画・運営を手がけるほか、高齢者向け紙芝居の普及活動や編集、制作、出版を行っています。
「町に、介護をひらく」をモットーに掲げ、地域に根ざした介護支援の実現を目指す同組織。生活リハビリ講座やリーダ育成講座をはじめとする介護セミナー・オンデマンド配信をとおして、介護に関する知識や情報を広く社会に提供しています。介護の分野において、研修と出版という2つのアプローチで支援を行っているのが特長です。

参加型介護紙芝居「おさるクイズ」
レクリエーションをより楽しく、活気あるものにしたいと考えている介護士さんは多いのではないでしょうか。本多ちかこ氏脚本・絵による介護紙芝居シリーズ「おさるクイズ」は、馴染み深い「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿を主人公に、クイズや歌を取り入れた参加型の紙芝居です。

クイズをとおして、高齢者の記憶・思考力を刺激するだけでなく、豊臣秀吉や桃太郎といった歴史上の人物や昔話が登場することで、より親しみやすく、思い出話に花を咲かせるきっかけとなります。また「猿股」にまつわる話題では、ももひきやステテコといった、今ではあまり聞かなくなった言葉が飛び出すことも。これらの話題をきっかけに、高齢者が持つ貴重な思い出話や生活の知恵を引き出すことができるでしょう。
みんなで創る「おさるクイズ」の効果
利用者さんの声や反応があってこそ成立する「おさるクイズ」。思い出を共有したり、感想を述べたり、みんなで歌ったりと、―参加者の自由な関わりが温かな交流と一体感を育みます。介護士さんにとっても、準備の手間を最小限に抑えつつ利用者さんの心身の活力向上とコミュニケーションの活性化を同時に実現できる、実践的なレクリエーションツールといえるでしょう。
詳細情報
登録は1分で終わります!