
この記事では、視覚障がい者と晴眼者が一緒に遊べるボードゲーム、高齢者のための室内用サポートシューズ、介護に活かせるタッチセラピスト講座を提供している団体や会社を紹介します。
レクリエーションの充実、歩行のサポート、心身の癒やしなどを図りたい介護士さん、事業所の方々は、ぜひご参照ください。
一般社団法人ビーラインドプロジェクト
一般社団法人ビーラインドプロジェクトは、個々人の視覚の状態に関わらず、多くの方が共に楽しめるひとときを創出することを目的に活動しています。
団体を構成するのは、8名の大学院生と大学生。「『#見ても見なくても見えなくても楽しめる』を増やして、一緒にもっとワクワクする世界へ」をビジョンとして掲げ、開発事業・イベント事業・ワークショップ事業などを展開しています。
見ても見なくても見えなくても一緒に楽しめるボードゲーム「グラマ」

ビーラインドプロジェクトが開発した「グラマ」は、「見ても見なくても見えなくても」楽しめるボードゲームです。
人が情報を知覚する際、その大部分は視覚に拠るといいます。なかでも、スポーツやゲームのように状況を判断して体を動かしたり、操作したりするものは「見る」ことに大きく頼っている面があるでしょう。そのため、視覚障がい者と晴眼者が等しくスポーツやゲームを行うのは難しいという状況がありました。
同団体では、これらの実状を課題としてピックアップ。大人はもちろん、未来を担う子どもたちが、互いの視覚の状態に関わらず一緒に遊び、友達になることを目指し「グラマ」を開発しました。

グラマは、重さの感覚と参加者同士のコミュニケーション、想像力を使うゲームで、遊び方はいたってシンプルです。お題に沿って、プレイヤーは手元の袋の中にあるおもりを出し入れし、手の感覚で重量を調節します。その袋を4人チームで一斉に天秤に乗せ、バランスを量るというゲームです。天秤が釣り合うと成功なので、プレイヤーは互いにおもりの重さを言葉で説明し合うことが求められます。
ある体験会では「小学校にあったもの」というお題に沿って、各チームで筆箱や文鎮を目安に重さを調節していたとのこと。その際「蛍光ペンが5~6本入った筆箱かな」「文鎮は1本タイプ?2本タイプ?」といったやり取りがされていたといいます。
天秤の安定を感じると、みんなが笑顔で拍手喝采。重さが揃わなくても、目標に向けて心をひとつにコミュニケーションを図ることは豊かなひとときとなるでしょう。
施設内でのレクリエーション、外部の方を招くイベントでの活用も期待できる「グラマ」。同団体のHPには、ゲームの設定シチュエーション、基本の遊び方、発展編などが掲載されています。施設への導入に向け、目を通してみてはいかがでしょう。
お知らせ:「Moonloop Cafe」がオープン

視覚障害のある大学生が働く「Moonloop Cafe」が2025年2月17日にオープン。
月の満ち欠けをコンセプトにしたカフェで、スタッフの視覚の状態に合わせて“今日の月“が決まり、その満ち欠けに沿った体験ができるカフェです。視覚障害のあるスタッフと来店者が自然に交流できるのが魅力です。気になる方は一度来店してみてはいかがでしょうか。
■店舗情報
場所:東京都杉並区久我山5-24-1(京王井の頭線 富士見ヶ丘駅から徒歩3分)
営業時間:毎週月曜日 17:30〜21:30(ラストオーダー 21:00)
席数:12席
ご予約:可能(事前予約推奨)
備考:事前連絡で富士見ヶ丘駅までお迎え可能です
詳細情報
株式会社ホンシュ
株式会社ホンシュは、1964年の創業以来、スリッパの専門メーカーとしてOEM製品を数多く製造・販売してきました。そこで永らく磨いてきたスキルを以って、近年はオリジナルブランドの展開にも注力。「〝スリッパにできること〟をテーマに、日本だけでなく世界に発信していこう」という志のもと、暮らしの移り変わりに合わせた商品を提供しています。ユーザーのニーズに応えるのはもちろん、スリッパ業界の活性化にも貢献している会社です。
「歩く」を科学したWalkLabシリーズ『Rakudesu』

歩行を科学したオリジナルブランド、WalkLabシリーズでは、高齢者のための室内用サポートシューズ『Rakudesu』を提供しています。
膝・腰・股関節に不安を抱える高齢者にとって、歩くという動作はときに困難なものです。また、痛みや動かしづらさによる歩行の遅れ、転倒への恐れは、身体への負担のみならず心にも影を落とすことがあるでしょう。これらの懸念を解消するために考案されたのが、『Rakudesu』です。
早稲田大学スポーツ科学学術院 非常勤講師 荒木邦子博士の監修のもと開発された同製品は、安定して歩けることを重視し、歩行感覚に働きかける機能を搭載しました。
そのひとつが、歩き出しをスムーズにする前重心ヒールです。かかとをつま先より高くすることで高齢者に多い後傾重心を整え、足の蹴り出しをサポートしています。
母趾球が当たる部分には膨らみを設け、しっかりと床を掴んで前に進みやすいよう工夫。かかとにも、足裏を刺激し体幹を安定させる膨らみや、ずり落ちを防止するカップなどが施されています。

また、同社ではこれらの機能を測るため、株式会社早稲田エルダリーヘルス事業団の協力のもと、介護施設利用者を被験者とした測定を実施。その結果、推進力や歩行速度において優れた数値が見られ、同製品の機能の高さが実証されました。
被験者からも「かかとが高く、歩きやすい」「足にフィットしていて歩きやすい」といった声があがったとのこと。施設内を歩きやすいという安全・安心はもちろん、日々の活動の幅を広げてくれるといったメリットも期待できそうですね。
なお、『Rakudesu』は、使用する方々が明るい気持ちになれるよう、豊富なビビットカラーを用意しています。選ぶ楽しさ、足を踏み出す軽快さは、きっと多くの施設利用者のQOLを向上させてくれることでしょう。
高齢者の歩きも自信もサポートしてくれる同製品。施設での導入や推奨、入居準備に際してのアドバイスなどに、お役立てください。
詳細情報
ATAJ 日本アロマタッチケア協会
ATAJ 日本アロマタッチケア協会は、「アロマタッチケアを通じて、たくさんの方に笑顔と安らぎを提供します。」という理念のもと、アロマを用いたセラピーや身体に触れるタッチセラピーの普及を推進しています。セミナー・イベント・スクールなどを開催し、セラピーの知識と手技を提供。心と身体の両面から健康支援のできるセラピストの育成、健康推進に活発な地域環境づくりに貢献している団体です。
介護タッチセラピスト講座

同協会が認定する「介護タッチセラピスト」とは、タッチセラピーをとおしてクライアントの心と身体の両面をケアし、ストレス緩和とリラクゼーション効果を図る人材を指します。
同協会では、この資格を取得できる通信講座「介護タッチセラピスト講座」を提供しています。タッチケアの基本理念・カウンセリングマインド・解剖生理学とメディカルマッサージ・メディカルタッチケアなどをテキストと動画にて学習。課題提出やビデオ実技審査を経て、資格を取得するカリキュラムです。
学習するなかで大切にしているのは、高齢者の認知能力の変化、身体的特徴、生理的特徴、パーソナリティなどの理解に努めること。介護を必要とする人は、高齢者のみならず長期療養中の方、意思の表現が困難な方など、実にさまざまです。もちろん、介護を要する理由や状態、年齢、性格なども十人十色。
介護タッチセラピーでは、そのような方々を「高齢者」「認知症」といったカテゴリーだけで判断およびケアするのではなく、基礎知識を持ったうえで個々人の存在を敬い対応することを心がけています。その一環として、傾聴スキルを磨くことも重視。この真摯な姿勢と確かな手技が、心身の苦痛の緩和やストレス軽減に期待できるそうです。
また、動画は繰り返し視聴できるうえ、課題提出の際は細やかな添削がもらえるなどサポートも充実。通信講座でありながら、スクールで授業を受けるように学べるのが魅力といえるでしょう。

なお、「介護タッチセラピスト」の資格取得後は、介護施設や在宅訪問などで活かしたり、地域でタッチケア教室などを開催したりすることが可能です。介護士としてプラスアルファのスキルを身につけたいという方、施設の特色としてスタッフに学習の機会を与えたいという事業者の方は、ぜひご注目ください。
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