
この記事のまとめ
「就職先の仕事が求人票と違うから辞めたい」「聞いていた話と実際の仕事内容が違う」とお悩みの方もいるのではないでしょうか?求人票に記載されていた内容と実際の労働条件がかけ離れている場合、仕事を続けたくないと思うのも無理はありません。この記事では、求人票と違う仕事が存在する理由や、辞めたいと感じたときの注意点をご紹介します。また、今後転職で失敗しないために行うべきポイントもまとめました。
求人票と違う仕事が存在する理由
求人票と違う仕事が存在するのには、下記のような理由があるようです。
- 企業側の採用方法が確立されていない
- 応募者に対する説明が足りていない
- 求人広告のキャッチフレーズだけが強い
以下でそれぞれの理由を深掘りしてみましょう。
企業側の採用方法が確立されていない
企業側の採用方法が確立されていない場合、仕事内容や待遇が求人票と違うことがあるようです。求める人物像が明確でなかったり、採用の方向性が定まっていなかったりすると、求人票と実際の職場環境が異なる可能性があります。
また、人事側と現場側で意思疎通が図れていないと、求める人物像の記載そのものに誤りが生じる場合もあるでしょう。人手不足の業界では、人材を確保することを優先し、無難な募集内容を求人票に書く企業もあるようです。
応募者に対する説明が足りていない
応募者に対する説明が足りていないと、入社後のミスマッチにつながる恐れがあります。求人票にすべての情報を記載するのは難しいため、仕事内容や待遇面に齟齬が生じることもあるでしょう。
e-Gov法令検索の「労働基準法第15条」によると、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と定められています。応募者にとって必要な説明が不十分な場合、求人票と違うから辞めたいというトラブルにつながってしまうことがあるようです。
出典
e-GOV法令検索「労働基準法」(2025年2月5日)
求人広告のキャッチフレーズだけが強い
応募者を勧誘するために、求人広告には印象的なキャッチフレーズが使用される傾向があります。求人広告のキャッチフレーズだけに強く惹かれてしまうと、「求人票と違う」と感じてしまうこともあるようです。
企業によっては、「正直に記載すると応募者が集まらない」といった理由から、不利になる内容を伏せてアプローチすることも考えられます。仕事の詳細がぼやかされ、キャッチフレーズだけが目立っている求人には注意が必要です。
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アドバイザーに相談する(無料)求人票と違うから辞めたいときの注意点
以下では、求人票と違うから辞めたいときの注意点をご紹介します。退職を決意する前に確認しましょう。
試用期間中で条件が異なる場合もある
求人によっては、下記のように試用期間中の待遇が異なる場合もあります。
- フレックスタイム制度を取り入れているが、試用期間中は固定の勤務時間に定めている
- 試用期間中は時給制だったり、通常時よりも給料が低めに設定されていたりする
試用期間が経過し、本格的に採用となれば、求人票に記載されていた通りの条件に変更される可能性があります。現在、試用期間として働いている場合は、労働条件がどのように設定されているのか確認しておきましょう。
求人票と違うだけでは違法といえない可能性がある
求人票の情報と実際の仕事内容・給与・福利厚生などが違うとしても、違法とはいえません。厚生労働省の「労働基準法に関するQ&A」では、下記のような見解が述べられています。
労働基準法第15条には、労働条件の明示が定められていますが、この条文で言う労働条件の明示とは労働者個々人に対して書面で明示される労働条件のことです。つまり、求人誌やハローワークに掲載されている求人票はあくまでも募集の際に提示する労働条件の目安であり、労働基準法第15条で定める労働条件の明示には該当しません。
引用:厚生労働省「求人誌を見て就職しましたが、求人誌に書いてあった給料や勤務時間などの条件と実際の条件が違っていました。これは労働基準法違反ではないのですか。」
求人票に掲載されている情報は、あくまでも見込みの労働条件であるのが現状です。給与は、社内の規定により経験やスキルが加味されて決定されるため、求人票と違うケースが発生しやすい項目といえます。
出典
厚生労働省「労働基準法に関するQ&A」(2025年2月5日)
労働条件通知書の内容と異なる場合は違法
求人票と違うだけで違法とは言えませんが、労働条件通知書の内容と雇用条件が異なる場合は違法です。
雇用主は職員に対して正しい労働条件を伝える義務があります。そのため、「あなたをこの条件で雇用します」という確認を行わずに入社させるのは違法です。入社時に労働条件を通知されていない方は、すぐ職場に事実確認をしましょう。
なお、労働条件通知書と実際の雇用条件が異なる場合、職員は即時に労働契約を解除することができます。
出典
e-GOV法令検索「労働基準法」(2025年2月5日)
求人票と違うから辞めたいと思ったときの対応方法
ここでは、求人票や労働条件通知書と実際の雇用条件が異なっていたときの対処法を紹介します。「誰に相談して良いか分からない…」とお悩みの方は、チェックしてみてください。
労働条件について上司や採用担当者と話し合う
求人票に書かれていた労働条件が実際と異なるときは、退職意思を示す前に上司や採用担当者と話し合いましょう。場合によっては、待遇面の認識が企業側とズレている可能性も考えられます。
労働条件通知書があれば、求人票の内容と違うことを確認してもらいましょう。話し合いにより、労働条件の変更を行ってくれる可能性があります。相談や交渉で解決できれば、退職しなくて済むでしょう。
労働基準監督署に相談する
職場に提示された労働条件で働けるよう説得しても、動いてもらえない場合は、労働基準監督署や専門家に相談するのも一つの手です。不当な雇用契約を結んでいる場合、外部から適切な指導・改善に取り組んでもらえる可能性があります。
退職する前に転職活動を始める
「求人票と違う条件だから今の職場はもう信用できない」という方には、転職するという解決方法もあります。転職活動を行う場合は、退職の準備と同時に進めるのがおすすめです。
給料を受け取りながら転職活動をすることで、自分の希望条件とマッチした環境を冷静に見極める余裕が生まれます。再び「求人票と違う」といった理由で退職しないためにも、企業情報や仕事内容をしっかりと調べながら転職活動を行いましょう。
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アドバイザーに相談する(無料)今後転職で失敗しないためにするべきこと
「求人票と違うから辞めたい」という事態を防ぐためにも、転職時には面接で質問をしたり、労働条件通知書を確認したりすることが大切です。転職で失敗しないためのポイントを、以下にまとめました。
面接で仕事内容に関する質問を行う
転職の失敗を防ぐには、面接で仕事内容に関する質問を行いましょう。企業のWebサイトや採用ページを網羅したうえで、足りていないと感じる情報を確認します。以下に質問の例を記載するので、参考にしてみてください。
求人票の内容:食事、入浴、排泄介助など身の回りのお世話をお任せします
質問例:入浴介助は1日何名程度対応しますか?機械浴はありますか?
ただし、調べれば分かる情報を質問してしまうと、企業研究が足りていないと判断される場合があるので注意しましょう。
労働条件通知書を細部まで確認する
次の転職先が決定したら、労働条件通知書をしっかり確認しましょう。労働条件通知書には、就業場所や業務内容、勤務時間、休日、賃金に関する内容などが記載されています。
「研修期間はどれくらいなのか」「給料はどのような計算方法で支給されるのか」「引っ越しを伴う異動はあるか」など、求人票に記されていた内容と相違がないかチェックしましょう。
求人票と違う部分があることを想定する
転職するときは、実際の仕事と求人票の記載内容に違いがあることを想定することも重要です。必要事項をまとめていても、すべての要素を求人票に書くことはできません。そのため、多少の齟齬が生じる可能性は考慮しておいたほうが良いでしょう。理想が高過ぎると、入社後に不満を抱えやすくなってしまいます。
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求人票と違うというトラブルについてよくある質問
ここでは、「求人票と違う」というトラブルについてよくある質問にお答えします。「求人票と実際の労働条件が違うことに困っている」という方は、ご一読ください。
仕事内容が求人内容と違う場合は違法ですか?
求人広告と実際の仕事内容が異なることは、違法ではありません。しかし、入職前に明示された労働条件と仕事内容が違う場合は違法です。詳しくは、「求人票と違うから辞めたいときの注意点」で解説しているので、チェックしてみてください。
賞与が求人票と違うのはどうしてですか?
賞与は年間の業績と連動して決まるため、年によって変動する可能性があります。毎年固定ではない事業所は、求人票に昨年度の実績を記載している場合が多いので、参考程度に捉えておくのがおすすめです。
まとめ
企業側の採用方法が確立されていなかったり、応募者に対して説明不足だったりすると、求人票と実際の仕事が異なる場合があります。もしも、労働条件通知書と実際の労働条件が異なる場合は違法になるので、職場への相談が必要です。
「求人票と違うから辞めたい」と感じたら、まずは上司や採用担当者と相談しましょう。それでも解決が難しい場合は、労働基準監督署に相談したり、転職したりする選択肢もあります。
転職を検討する場合は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。「企業情報に納得したうえで入社したい」と考えている方は、介護業界の転職エージェントのレバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。入職した人の口コミなど、豊富な施設情報を取りそろえているので、事前にしっかり情報を確認できます。ミスマッチがなく、自分らしい働き方ができる職場をご提案するので、ぜひご相談くださいね!
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