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認知症介護指導者養成研修とは?受講資格や開催日程を解説

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この記事のまとめ

認知症介護指導者養成研修は、認知症介護指導者になるために必要な研修です。「認知症介護指導者養成研修ってどうやって受講するの?」と気になる方もいるかもしれません。認知症介護指導者養成研修を受講するには特定の要件を満たす必要があります。この記事では、認知症介護指導者養成研修の概要や受講資格、受講スケジュールを解説。認知症指導者養成研修を取得するメリットも紹介するので、興味がある方はぜひご一読ください。

認知症介護指導者養成研修とは

認知症介護指導者養成研修とは、「認知症介護指導者」になるために修了する必要がある研修のことです。
「認知症介護指導者」とは、介護保険施設・事業所で働く介護職を対象に、認知症介護実践研修などの企画・立案をし、講師として指導する職種のこと。地域全体の認知症ケアの質の向上のために、アドバイスや指導を行います。

認知症介護指導者は最上位資格

認知症介護指導者は、認知症介護に関わる資格の中で、最上位の資格です。認知症介護系の資格は、「認知症介護基礎研修」「認知症介護実践者研修」「認知症介護実践リーダー研修」「認知症介護指導者研修」という順番で、専門的な認知症介護の知識やスキルを段階的に身につけられます。認知症介護指導者になれば、認知症ケアのプロフェッショナルとして活躍できるようになるでしょう。

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認知症介護指導者養成研修が活かせる職場

認知症介護指導者養成研修は、グループホームや特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)など、認知症ケアを行うさまざまな介護施設や事業所で役立てられる資格です。施設内で実施される認知症に関する研修の企画を行ったり、ほかの介護職員への指導やアドバイスをしたり、認知症ケアをチームで実施する際の進行役を担ったりすることができます。

また、介護施設以外では、認知症介護実践研修などの講師や地域の認知症ケアに関する相談員として活躍することが可能。高齢者介護において、認知症ケアへの知識やスキルを求められることが多く、認知症介護指導者養成研修が役立てられる職場は豊富にあるでしょう。

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認知症介護指導者養成研修の概要

ここでは、認知症介護指導者養成研修の受講要件や学習内容をご紹介します。

認知症介護指導者養成研修の受講要件

認知症介護指導者養成研修は、都道府県が管轄し、認知症介護研究・研修センターが実施するため、都道府県によって募集要項が異なります。
厚生労働省の「介護保険最新情報Vol.1224(p.11)」の示す基準によると、認知症介護指導者養成研修の対象者は、下記の5つの要件をすべて満たす方です。

1.医師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士のいずれかの資格を保有しているもしくは、それに準ずると認められる

2.以下のいずれかに該当し、相当の介護実務経験があるある

・介護保険施設・事業所等で働いているもしくは、過去に働いていた
・福祉系大学や養成学校等の指導的立場にある
・民間企業で認知症介護の教育に携わっている

3.認知症介護実践研修を修了しているまたは、同等のスキルがあると都道府県が認めている

4.認知症介護実践研修の企画や立案に参画するもしくは、講師として従事する予定がある

5.地域ケアを推進する役割を担う見込みがある

認知症介護指導者養成研修の期間

認知症介護指導者養成研修の受講期間は9週間程度です。厚生労働省の「介護保険最新情報Vol.1224(p.35)」によると、認知症介護指導者養成研修の標準カリキュラムは、講義・演習112時間、職場実習5週間(25日)、他施設・事業所実習21時間で構成されます。最後に、修了考査を受けて合格することで、資格を取得可能です。

認知症介護指導者養成研修の学習内容

厚生労働省の「介護保険最新情報Vol.1224(p.35)」をもとに、認知症介護指導者養成研修の標準カリキュラムを下記にまとめました。

認知症介護研修総論

認知症介護研修総論は、認知症介護指導者の役割や、認知症ケアに関する施策について理解することを目的としています。

  • 認知症介護実践者等養成事業の実施(1時間)
  • 認知症ケアに関する施策と行政との連携(1時間)
  • 研修の目標設定と研修総括(9時間)

「研修の目標設定と研修総括」の科目で一部演習があるものの、3科目すべてオンラインでの受講が可能です。

認知症ケアにおける教育の理論と実践

認知症ケアにおける教育の理論と実践では、認知症ケアに関する授業・研修を行う際に必要な知識や技能を学びます。

  • 教育方法論(14時間)
  • 授業設計法(28時間)
  • 模擬授業(14時間)
  • 研修企画と評価(5時間)

「模擬授業」では、作成した授業計画をもとに実際に模擬授業を行います。オンラインでの受講は一部のみ可能です。

認知症ケア対応力向上のための人材育成

認知症ケア対応力向上のための人材育成では、認知症ケアにおける人材育成や成人教育学を学んだのち、職場実習を行います。

  • 人材育成論(3時間)
  • 成人教育論(3時間)
  • 認知症ケアに関する研究法の概論(2時間)
  • 職場研修企画(14時間)
  • 職場実習(5週間)
  • 職場実習(振り返り)(3時間)
  • 職場研修報告(14時間)

職場実習は5週間(25日)行われます。研修で学んだことを活かして企画書を作成・実践する内容です。成人教育論や職場実習はオンラインでは受講できません。

地域における認知症対応力向上の推進

地域における認知症対応力向上の推進では、認知症の方に対する地域支援の考え方などを学びます。

  • 共生のために地域で支え合う体制づくり(1時間)
  • 他施設・事業所実習(21時間)

「共生のために地域で支えあう体制づくり」に関してはオンラインでの受講が可能ですが、実習をオンラインで受講することはできません。

認知症介護指導者養成研修の費用

認知症介護指導者養成研修の受講料は、230,000円です。教材費・災害傷害保険料で5,000~8,000円程度。また、センターの宿泊施設を利用する場合は、素泊まりで1人1泊2,000円かかります。

なお、東京都福祉局の「令和7年度 東京都認知症介護指導者養成研修のお知らせ」によると、東京都推薦者の場合は、受講料を東京都が全額負担してくれるようです。地域によって、費用負担の金額や選考の有無などが異なる場合があるため、自治体のホームページをよく確認しましょう。

認知症介護指導者養成研修の受講方法

東京都福祉局の「令和7年度 東京都認知症介護指導者養成研修のお知らせ」によると、東京都における認知症介護指導者養成研修の受講方法は、次のとおりです。

申込み書類を用意する

東京都の場合、申込みには主に以下の書類が必要なため、すべてそろえて必要事項を記入しましょう。

  • 受講申込書
  • 受講者選抜考査のための実践事例報告に関する提出書類
  • 推薦書・承諾書
  • 認知症介護実践リーダー研修または認知症介護実務研修(専門課程)修了書の写し

受講申込書や推薦書・承諾書は、東京都福祉局のWebサイトの研修情報のページからダウンロードできます。保有資格や実務経験のほか、受講を希望する理由も記入が必要です。

必要書類を郵送する

必要書類がそろったら、締め切りに間に合うよう郵送しましょう。応募時期は毎年異なりますが、年に1回程度募集されます。提出先住所は、研修情報のページで確認できるでしょう。

研修を受講する

申込みが完了すると研修受講の準備は完了です。前期研修・後期研修は研修センターで行われ、職場における研修はオンラインの講義や職場での実習という形で行われます。締め切りや必要書類、受講場所は、都道府県によって異なるため、必ず受講予定の自治体に確認しましょう。

認知症介護指導者養成研修を受講するメリット

認知症介護指導者養成研修を修了すると、認知症ケアに関するさまざまな業務に携われるようになります。具体的には、次のようなメリットがあるでしょう。

認知症ケアの講師として指導できるようになる

認知症介護指導者は、認知症介護に関する研修を監修し、講師を務めることができます。研修を受けることで、認知症ケアに関する自身の理解が深まるのはもちろんのこと、講義を行うためのスキルも身につくでしょう。働ける場所・できる業務が増えるため、活躍の場が広がるというのも大きなメリットの一つです。

そのため、職員として実際に介護をするだけではなく、質の高いケア方法を多くの人に広めたい・指導したいと考えている方におすすめの資格です。

地域での介護サービス向上に貢献できる

資格を取得することで、地域施策に関わることができるようになるメリットもあります。認知症介護指導者は、各都道府県、市町村の委員会と連携を取り、地域の課題解決などに携わることができる存在です。そのため、介護施設だけに留まらず、行政とも関わりながら認知症ケアに関する取り組みを行えるでしょう。

認知症ケアの知識を有している人とのつながりができる

認知症介護指導者養成研修を通じて、同じ認知症ケアに特化した知識やスキルを有している人とのつながりができます。認知症ケアを学ぶ者として周囲から刺激を受け、新たな視点から認知症ケアに向き合えるようになるかもしれません。

転職・キャリアップに有利になる

認知症介護指導者養成研修は、専門性の高い資格のため、取得によって転職活動やキャリアアップを目指す際に有利に働く可能性があります。理由は、認知症介護指導者養成研修を受講する時点で一定の実務経験があることに加え、受講によって十分な知識を身につけていると判断されるためです。

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2025年の認知症介護指導者養成研修の受講スケジュール

ここでは、2025年に実施される認知症介護指導者養成研修の受講日程を紹介します。

東京センター大府センター仙台センター
・前期研修
2025年6月2日(月)~2025年6月13日(金)
・職場における研修
2025年6月16日(月)~2025年7月25日(金)
・後期研修
2025年7月28日(月)~2025年8月1日(金)
・前期研修
2025年6月9日(月)~2025年6月20日(金)
・職場における研修
2025年6月23日(月)~2025年8月1日(金)
・後期研修
2025年8月4日(月)~2025年8月8日(金)
・前期研修
2025年6月24日(月)~2025年7月5日(金)
・職場における研修
2025年7月8日(月)~2025年8月23日(金)
・後期研修
2025年8月26日(月)~2025年8月30日(金)
・前期研修
2025年9月1日(月)~2025年9月12日(金)
・職場における研修
2025年9月15日(月)~2025年10月24日(金)
・後期研修
2025年10月27日(月)~2025年10月31日(金)
・前期研修
2025年9月8日(月)~2025年9月19日(金)
・職場における研修
2025年9月22日(月)~
2025年10月31日(金)
・後期研修
2025年10月27日(月)~2025年10月31日(金)
・前期研修
2025年9月30日(月)~2025年10月11日(金)
・職場における研修
2025年10月14日(月)~2025年11月29日(金)
・後期研修
2025年12月2日(月)~2025年12月6日(金)
・前期研修
2025年12月1日(月)~2025年12月12日(金)
・職場における研修
2025年12月15日(月)~2026年1月30日(金)
・後期研修
2026年2月2日(月)~2026年2月6日(金)
・前期研修
2025年12月8日(月)~2025年12月19日(金)
・職場における研修
2025年12月22日(月)~2026年2月6日(金)
・後期研修
2026年2月9日(月)~2026年2月13日(金)

参照:認知症介護情報ネットワーク「認知症介護指導者養成研修/東京センター」「認知症介護指導者養成研修/大府センター」「認知症介護指導者養成研修/仙台センター

2025年度の場合、東京センターが一番早く研修が始まります。また、仙台センターでは、認知症介護指導者養成研修は2025年度に2回しか実施されません。
すべての研修を受講するのに、9週間程度かかるので、自身のスケジュールと照らし合わせて調整しておくと良いでしょう。

認知症介護指導者に関してよくある質問

ここでは、認知症介護指導者に関してよくある質問に回答します。

認知症介護指導者とはどのような職業ですか?

認知症介護指導者は、認知症介護に関する指導や教育を行う職業です。認知症介護実践研修などの企画・立案や講師を務めることができます。認知症介護に対する理解を深め、良質なケアができる人材を育成するのが、認知症介護指導者の役割です。認知症介護指導者になるには、既定の受講条件を満たし、認知症介護指導者養成研修を修了することが求められます。

認知症介護指導者養成研修で給料は上がりますか?

認知症介護指導者養成研修を取得することで、必ずしも昇給などにつながるとは言い切れません。保有資格がどの程度給料に反映されるかは事業所によって異なります。ただ、認知症介護指導者養成研修が認知症専門ケア加算の対象になっていることから考えても、需要が高い資格といえるでしょう。認知症介護指導者養成研修を修了していることで、給与の高い職場への転職や、職場内での昇給を図れる可能性は十分にあり得ます。
介護職の平均給与額や年収アップ方法について知りたい方は、「介護職の給料はいくら?平均給与額や年収アップ方法、処遇改善の状況を解説」の記事もご参照ください。

まとめ

認知症介護指導者養成研修は、認知症介護指導者を養成するための研修です。修了して資格を取得すると、認知症介護実践研修の企画・立案をしたり、講師として指導したりすることができます。研修を受講するためには、既定の資格や実務経験、認知症介護実践研修の修了といった要件を満たさなければなりません。

認知症介護指導者養成研修を受講することで、認知症ケアについての理解が深まり、講義を行うことができるようになります。また、行政の活動に参加したり、地域の課題解決に携わったりするなど、地域施策に関わることも可能です。研修で得たスキルがあることで、転職やキャリアアップに有利に働くメリットもあるでしょう。

認知症介護指導者養成研修など、介護の資格を活かして転職したい方は、ぜひレバウェル介護(旧 きらケア)をご利用ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、介護業界に特化した転職エージェントです。業界に詳しいキャリアアドバイザーが丁寧にヒアリングをしたうえで、「保有資格が活かせる企業に転職したい」「資格取得支援制度のある職場で働きたい」など、ご希望の条件に合った求人をご紹介いたします。サービスは無料なので、ぜひ気軽にご相談ください。

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