
この記事のまとめ
- 看護助手と看護師の違いは、必要な資格や仕事内容、なるまでの教育課程など
- 看護助手は無資格や未経験から働けるので、医療業界で転職しやすい職種
- 看護助手の仕事内容は、看護師の指示のもとで行う患者さんのお世話など
「看護助手と看護師の違いとは?」と気になる方もいるかもしれません。看護助手と看護師の違いは、資格や仕事内容などです。国家資格である「看護師免許」がなければ看護師としての業務は行えませんが、看護助手は、無資格でも従事できます。この記事では「看護師」「准看護師」「看護助手」の違いを解説。看護助手の仕事に役立つ資格も紹介するので、医療業界への転職を検討している方は、参考にしてみてください。
看護助手の仕事内容とは?無資格から働ける!やりがいや給料事情もご紹介「看護助手」「准看護師」「看護師」の違い
「看護助手」「准看護師」「看護師」は、それぞれ求められる資格や仕事内容が大きく異なります。転職する前に各職種の違いを確認しておきましょう。
看護師 | 准看護師 | 看護助手 | |
必要な資格 | 国家資格の「看護師免許」 | 都道府県知事認定の「准看護師免許」 | 免許や資格の定めはなし |
仕事内容 | 傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話や診療の補助を行う。(保健師助産師看護師法第5条) | 医師、歯科医師または、看護師の指示を受けて、傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話や診療の補助を行う。(保健師助産師看護師法第6条) | 看護師の指導のもとで、看護の専門知識を必要としない業務を行う。 |
教育課程 | 大学や短期大学、専門学校など、看護の専門課程のある教育施設で3年〜5年学び、看護国家試験に合格する。 | 准看護衛生看護科のある高校、または准看護師養成所の課程で2~3年学び、准看護試験に合格する。 | 学歴や教育課程などの定めはない。 |
参考:e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」
「看護助手」「准看護師」「看護師」に必要な資格や仕事内容は、下記で解説します。医療機関への転職を考えている方は、参考にしてみてください。
出典
e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」(2025年4月2日)
必要とされる資格の違い
「看護助手」「准看護師」「看護師」の違いの一つに、必要な資格があります。看護助手として働く場合、資格や免許は求められませんが、准看護師には「准看護師免許」、看護師には「看護師免許」が必要です。看護師や准看護師の免許を取得するには、大学や養成所などで専門課程を修了することが求められます。すぐに取れる資格ではないので、長期的な視点でキャリアプランを立てましょう。
看護師になる主なルートは、高校卒業後、大学や短期大学、専門学校などで3~4年学んだのち、看護師国家試験に合格することとなります。准看護師は、中学または高校を卒業したのち、准看護師養成所に2年通い、各都道府県で実施される准看護師試験に合格するのが主なルートです。
看護助手は、未経験・無資格から従事できるので、医療業界のなかでも転職しやすい職種といえるでしょう。そのため、すぐに看護業界に転職したい方に向いています。また、准看護師養成所は全日制のほかにも半日制の学校もあるので、看護助手として働きながら准看護師の資格取得をして、キャリアアップすることも可能です。
仕事内容の違い
「看護助手」「准看護師」「看護師」は、それぞれ仕事内容も大きく異なります。看護師は自分の判断で療養上の世話ができますが、准看護師には医師や看護師の指示が必要。看護助手は看護師の指示を受けて働くのが基本です。
保健師助産師看護師法(第31条・第32条)では、看護師と看護助手の仕事内容について、次のように定められています。
- 看護師でない者は、傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話や診療の補助を行ってはならない(第31条)
- 准看護師でない者は、傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話や診療の補助を行ってはならない(第32条)
看護師や准看護師の免許を持たない看護助手は、患者さんの病状に直接影響のある業務は行えません。
看護助手の仕事内容に関しては、法律で定められていませんが、多くの現場では看護師のサポートをメインに業務を行っているようです。看護助手は、看護師の指導のもとで、患者さんの療養生活上のお世話やベッドメイキング、備品の準備や片付け、事務作業、院内の環境整備などを行います。
出典
e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」(2025年4月2日)
▼関連記事
看護助手に向いている人の特徴は?必要なスキルや仕事のやりがいを解説
今の職場に満足していますか?
看護助手の仕事内容
上記でも述べたように、看護助手は看護師の指示のもと、病状に影響のない範囲で、患者さんの療養上の世話や環境整備、看護用品の整理整頓、書類の整理などを行うのが役割です。外来や入院病棟という診療形態や、整形外科や皮膚科、眼科といった診療科などの配属先によって、看護助手の具体的な仕事内容は異なります。
「療養型病棟」や「リハビリテーション病棟」の場合は、高齢の患者さんが多いため、移動介助や食事介助などの介護業務が多くなるでしょう。一方で、眼科や皮膚科、耳鼻科などは、介助が必要ない患者さんが多いため、介助業務は少なく、書類の整理や受付業務などの事務仕事が多い傾向があります。
また、病棟の場合は、看護助手も夜勤業務を行う可能性があるでしょう。看護助手の夜勤については、「病院勤務の介護士(看護助手)の夜勤とは?仕事内容やスケジュールをご紹介」の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。
看護助手の平均給料
政府統計の総合窓口e-Stat の「令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」をもとに、看護助手の給料事情を以下にまとめました。
企業規模10人以上職場で働く看護助手の、きまって支給する現金給与額(月給)は222,500円、年間賞与等の平均は513,600円でした。これらをもとに、看護助手の平均年収を算出すると、3,183,600円になります。
なお、「きまって支給する現金給与額」とは、就業規則で決められている基本給に通期手当や家族手当などを足した月給で、所得税や社会保険料が控除される前の金額です。
看護助手の企業規模別の平均給料
同資料を参考に、看護助手の企業規模別の平均月給や平均年収を表にまとめたので、チェックしてみてください。
企業規模 | 1000人以上 | 100~999人 | 10~99人 |
きまって支給する現金給与額(月給) | 229,700円 | 219,000円 | 223,700円 |
年間賞与等の平均 | 458,200円 | 412,800円 | 958,100円 |
平均年収(平均月給×12+平均賞与等) | 3,214,600円 | 3,040,800円 | 3,642,500円 |
参考:政府統計の総合窓口e-Stat「令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」
職員が1000人以上の医療機関は、看護助手の月給の設定が高い傾向があるようです。しかし、今回の調査では「企業規模10~99人」の医療機関で働く看護助手の賞与等が高かったため、「企業規模10~99人」の平均年収が最も高くなっています。業務内容や夜勤の有無、保有資格によって給料は上下するので、上記は参考程度にご覧ください。
また、給料の額だけで転職先を決めてしまうと、「自分の思っていた仕事と違う」「やりたい仕事ができない」などのミスマッチを感じてしまうことも。求職活動をする際は、「看護助手としてどのように働きたいか」に向き合うことが大切です。
出典
政府統計の総合窓口e-Stat 「令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」(2025年4月2日)
▼関連記事
看護助手(ナースエイド)の給料の平均額は?年収・ボーナス・時給を解説!
看護助手の仕事に活かせる資格
看護助手に必要な知識が得られる資格には「メディカルケアワーカー(R)」や「看護助手認定実務者試験」があります。
看護助手は無資格・未経験から従事できますが、スキルが経験がないことを不安に感じる方もいるかもしれません。知識や経験がないことを不安に感じる場合は、資格を取得を目指すと良いでしょう。看護助手に必要な知識を得ておけば、スムーズに仕事に慣れていけるはずです。
看護助手の資格に興味がある方は、「看護助手(ナースエイド)に資格はいる?業務に役立つ講座や取得方法を解説」の記事も参考にしてください。
未経験の看護助手におすすめの職場
未経験からの転職に不安を感じる場合は、教育制度の整っている病院に応募するのがおすすめです。教育制度が整っている病院であれば、丁寧に看護助手の仕事を教えてもらえるので、着実にスキルアップしていけるでしょう。
看護助手の求人に応募する際のポイントは、「看護助手は何歳まで働ける?仕事内容や未経験での転職のポイントを紹介」でも解説しているので、あわせてご覧ください。
とはいえ、求人票や求人サイトから、教育制度を把握するのは難しいかもしれません。「教育制度が自分に合っているか知りたい」「配属先の病棟の仕事内容を詳しく知ってから転職したい」という方は、転職エージェントのレバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。
レバウェル介護(旧 きらケア)は、求人先と連絡を取って情報収集をしているのが特徴です。看護助手の教育制度や業務内容はもちろん、人間関係などの詳しい情報もお伝えできるので、安心して転職活動を進められます。未経験からの転職が不安な方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。
看護助手と看護師の違いについてよくある質問
ここでは、看護助手と看護師の違いについてよくある質問に回答します。「看護助手としてやっていけるか不安」という方は、ぜひチェックしてみてください。
「看護師」「准看護師」「看護助手」の違いは何ですか?
「看護師」「准看護師」「看護助手」の違いは、資格や仕事内容などです。看護師や准看護師になるには、大学や専門学校、養成所などで一定期間学んだうえで、看護師免許・准看護師免許を取得する必要があります。医療系の資格がある看護師と准看護師は、医師の指示を受けて医療行為を実施可能です。一方、看護助手は資格がなくても従事でき、医療行為は行えません。3つの職種の違いは、「「看護助手」「准看護師」「看護師」の違い」で解説しているので、ぜひご一読ください。
看護助手と看護師は給料に差があるの?
政府統計の総合窓口e-Statの「令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」によると、看護助手の平均月給は222,500円、看護師の平均月給は352,100円でした。このデータから、看護師の月給は、看護助手よりも10万円以上高いことが分かります。差がある理由としては、保有資格や仕事内容の違いが考えられるでしょう。高給与を狙う看護助手の方は、働きながら准看護師を目指すのもおすすめです。
出典
政府統計の総合窓口e-Stat「令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」(2025年4月2日)
まとめ
「看護助手」と「准看護師」「看護師」の違いは、教育課程や資格、仕事内容などです。准看護師は都道府県知事認定の「准看護師免許」、看護師は国家資格の「看護師免許」がなければ、従事できません。
看護助手は、資格がなくても未経験から働けるため、医療業界のなかでも転職しやすい職種です。また、看護助手として働きながら、准看護師養成所に通い、准看護師へのキャリアアップを目指すこともできます。
看護助手の主な仕事内容は、看護師の指示のもとで行う患者さんの療養上の世話や環境整備、看護用品の整理整頓、書類の整理などです。ただし、配属先によって看護助手の仕事内容は異なるため、事前のリサーチが重要になります。
「自分に合った職場で働きたい」という方には、レバウェル介護(旧 きらケア)がおすすめです。レバウェル介護(旧 きらケア)では、アドバイザーがカウンセリングを行ってあなたに合った求人をご提案します。求職者と職場の価値観がマッチすることを重視しているため、きっと働きやすい職場が見つかるはずです。
「看護助手の仕事内容をもっと知りたい」「未経験からの転職が不安」という方もお気軽にご相談ください。
今の職場に満足していますか?