
この記事のまとめ
- 介護福祉士試験に落ちる人の特徴は、「勉強時間を確保できていない」など
- 介護福祉士試験の近年の平均合格率は約78%と高いが、落ちる人もいる
- 介護福祉士試験に合格するには、3ヶ月~半年を目安に勉強の計画を立てよう
「介護福祉士国家試験に介護福祉士落ちる人はどんな人?」気になっている方もいるのではないでしょうか。勉強時間が不十分だったり、誤った勉強方法で学習していたりすると、不合格になってしまう可能性があります。この記事では、介護福祉士国家試験に落ちる人の特徴と、合格するための勉強方法を紹介。試験に落ちないためにも、勉強方法を見直すのにぜひお役立てください。
介護福祉士とはわかりやすくいうとどんな資格?取得方法や試験概要を解説!介護福祉士国家試験に落ちる人の特徴
介護福祉士国家試験に落ちる人の特徴には、「勉強時間を十分に確保していない」「間違った勉強法で学習している」「試験の難易度を甘く見て油断している」などがあります。
ここでは、介護福祉士国家試験に落ちる人の特徴を解説。これから試験を受ける予定の方は、チェックしてみてください。
勉強時間を十分に確保していない
勉強時間を十分に確保できていないと、必要な知識が身につかず、試験に落ちる可能性が高まります。介護福祉士国家試験の出題範囲は広いため、十分な勉強時間の確保が必要です。人によって差はありますが、合計250時間を目安に勉強時間を確保すると良いでしょう。
介護福祉士国家試験は、介護職として働きながら受験する方も少なくありません。仕事をしながら試験勉強の時間を確保するのは大変ですが、「忙しいから」「疲れているから」と勉強を後回しにしていると、十分に対策しきれずに試験当日を迎えてしまう可能性も。早めに計画を立てて学習に取り組むことが重要です。
誤った勉強方法で学習している
介護福祉士国家試験に落ちる人は、誤った勉強方法を行っていることがあります。学習時間を確保しても、誤った勉強方法では不合格になる場合があるでしょう。
ここでは、見直したほうが良い勉強方法を紹介します。
用語や解説内容を正しく理解していない
一概に、丸暗記が駄目とははいえませんが、答えをそのまま暗記する勉強法は注意が必要です。丸暗記だけでは問題の本質を理解できず、違う形式で出題された際に答えられなくなってしまう場合があります。間違えた箇所は、正答を覚えるだけでなく、問題の本質や用語の理解を深めることが大切です。
苦手な科目や分野を対策していない
仕事で扱わない分野や苦手な科目など、特定の領域の対策を怠ると、試験に落ちるリスクが高くなります。介護福祉士国家試験に合格するには、全科目での得点が必要です。11科目すべてで得点がないと、合格点を超えていても不合格になってしまうので、まんべんなく対策しましょう。
過去問や模擬問題を解かない
過去問や模擬問題へ取り組まないと、実際の試験内容をイメージするのは難しいといえます。試験内容がイメージできていなければ、「出題数が少ない分野に勉強時間を割いてしまった」など、対策の方向性を誤ってしまうことがあり、効率的ではありません。効率良く試験対策を進めるには、過去問から出題傾向や出題形式を知ることが大切です。
また、過去問で出題数や解答時間に慣れておかないと、試験当日に「時間が足りない」という失敗をする要因になってしまうこともあります。
「効果的な学習方法を知りたい」という方は、この記事の「介護福祉士国家試験に合格するコツ」も参考にしてみてください。
試験の難易度を甘く見て油断している
介護福祉士国家試験に落ちる人は、「誰でも受かるだろう」と試験を甘く考えていることがあります。ここでは、介護福祉士試験に落ちてしまう失敗例を紹介します。
合格率が高いから油断してしまった
介護福祉士国家試験の近年の合格率は、7~8割ほどです。合格率が高いため、試験の難易度が低いと思われることがありますが、十分に対策をしていないと合格できません。実際に2~3割の人は毎年落ちているため、油断は禁物です。
実務経験だけでは解けない問題があった
介護職としての経験が長いと、「実務経験でカバーできるのでは?」と油断してしまう方もいるかもしれません。実務経験で知識をカバーできる分野もありますが、介護保険制度や法律、医療知識など、介護現場で働いているだけでは習得が難しい内容も出題されます。そのため、実務経験が豊富でも、計画的に試験対策をすることが大切です。
選択問題で間違えることがあった
介護福祉士国家試験の試験形式は、5つの選択肢から1つを選ぶ五肢択一式です。記述式ではないので、「少し対策すれば正解できるのでは?」と気が緩んでしまう方もいるかもしれません。しかし、5つの選択肢から正解を1つに絞るには正しい知識が求められるため、十分に対策をしていないと間違えてしまう可能性があります。
なお、1問あたりに割ける解答時間は約1分46秒です。本番の試験で長時間悩むと時間切れになってしまうため、素早く的確に解答するために知識を深めておく必要があります。
試験本番で実力を発揮できない
十分に対策をしていても、緊張や焦りからケアレスミスや時間配分ミスをしてしまい、試験に落ちる人もいます。「試験本番に弱い」という方は、自分に合ったプレッシャーへの対策をしておくと良いでしょう。
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介護福祉士国家試験の難易度
これから介護福祉士国家試験を受ける方のなかには、試験の難易度が気になる方もいるでしょう。ここでは、介護福祉士国家試験の合格率と難易度を解説します。
介護福祉士国家試験の合格率
厚生労働省の「介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移」をもとに、介護福祉士国家試験の過去5年の合格率をまとめました。
第33回 | 第34回 | 第35回 | 第36回 | 第37回 | |
受験者数 | 84,483人 | 83,082人 | 79,151人 | 74,595人 | 75,387人 |
合格者数 | 59,975人 | 60,099人 | 66,711人 | 61,747人 | 58,992人 |
合格率 | 71.0% | 72.3% | 84.3% | 82.8% | 78.3% |
参考:厚生労働省「介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移」
2025年1月に実施された第37回試験の合格率は78.3%でした。また、過去5年の平均合格率は約77.7%です。
一方、2025年の社会福祉士試験の合格率は、56.3%、2024年のケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)の合格率は32.1%でした。介護福祉士国家試験の合格率は、社会福祉士やケアマネの試験より高い傾向にあります。このことから、「介護福祉士国家試験の難易度は低い」と言われることがあるようです。
出典
厚生労働省「第37回介護福祉士国家試験合格発表について」(2025年3月27日)
厚生労働省「第37回社会福祉士国家試験合格発表」(2025年3月27日)
厚生労働省「第27回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」(2025年3月27日)
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難易度の感じ方は人による
レバウェル介護(旧 きらケア)で、「介護福祉士の取得難易度はどのように感じましたか?」というアンケートを行ったところ、「難しかった/そこそこ難しかった」が28.5%、「どちらともいえない」が34.6%、「簡単だった/そこそこ簡単だった」が36.8%でした(回答数:179名、調査時期:2023年11月)。
上記から、人によって資格取得の難易度の感じ方は違うことが分かります。介護福祉士国家試験の合格率は、ほかの介護系資格より高い傾向にあるものの、試験に落ちる人は一定数います。「簡単過ぎる」「誰でも受かる」という声もありますが、あくまで主観的な意見なので、真に受け過ぎずに自分に合った対策を行うことが大切です。
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介護福祉士国家試験に合格するコツ
ここでは、介護福祉士国家試験に合格するコツを紹介します。「試験に落ちたくない」という方は、チェックしてみてください。
最初に試験勉強の計画を立てる
先述したとおり、介護福祉士国家試験の出題範囲は広範囲にわたり、試験対策にはある程度の時間が必要です。介護福祉士国家試験に落ちる人は、勉強のスケジュール管理ができていない傾向にあります。試験範囲の勉強を本番までに終えられるよう、早めに試験勉強の計画を立てましょう。
いつまでにどの分野の学習が終わっていれば良いか逆算し、計画通りに勉強が進んでいるか定期的にチェックするのがポイント。3ヶ月~半年の勉強期間を確保すると余裕をもって学習を進められます。休みの日にガッツリ進めるのが向いている人もいれば、毎日コツコツ勉強するのが向いている人もいるので、自分にあった方法で試験勉強に取り組みましょう。
効果的な勉強方法で学習する
介護福祉士国家試験に落ちる人は、無意識に非効率的な勉強法をしていることがあります。試験に合格するには、効果を得られる勉強方法を選択することが大切です。下記で、効果を得やすい勉強方法の例を紹介します。
通信講座やスクールを利用して対策する
「1人で試験勉強できるか不安」「スケジュール管理が苦手」という方は、通信講座やスクールの活用がおすすめです。費用はかかりますが、出題範囲や重要なポイントを効率良く学べます。
受講形式は通学や通信などがあり、自分に合った方法を選べるのもポイント。スクールによっては、分からないところを講師に質問できるので、不明点を放置することなく安心して試験対策を進められます。
過去問や予想問題を繰り返し解いて勉強する
試験対策として、過去問や予想問題を繰り返し解くのも効果的です。「間違えた問題を見直す」を繰り返すことで、試験に必要な知識を深めていけます。
また、過去問に取り組むことで、問題の傾向や出題形式を把握できます。「対策に時間をかけるべき分野」と「時間をかけなくても良い分野」を明確にできるので、効率良く試験対策を進められるでしょう。
実務で扱わない科目を重点的に勉強する
試験に合格するには、実務で扱わない科目を重点的に勉強することも有効です。介護福祉士国家試験の問題は、高齢者介護や障がい者支援、施設介護、訪問介護などの幅広い分野から出題されます。「社会への理解」では、法律や制度に関する知識も問われます。
現場での経験だけでは、すべての知識を身につけることは難しいため、特に勤務先で扱わない分野は時間をかけて対策することが大切です。
模擬試験で問題を解く練習をする
模擬試験を受けて試験の時間配分や緊張感に慣れておけば、当日に実力を発揮しやすくなります。また、自分の実力を把握できるため、これからの勉強方法を見直す機会にもなるでしょう。試験に落ちる人は、模擬試験を受けていなかったり、結果を試験勉強に活かせていなかったりする場合があるようです。
模擬試験は、スクールなどに登録することで受けられます。会場受験だけでなく自宅での受験も可能なので、仕事の都合に合わせて、自分に合った方法で模擬試験を受けると良いでしょう。
介護福祉士の試験対策について詳しく知りたい方は、「介護福祉士国家試験の勉強方法とは?効率の良い受験対策と合格するコツ」の記事も参考にしてみてください。
受験後に介護福祉士試験に不合格かもと思ったら
介護福祉士試験を受験して、「落ちたかも」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。ここでは、試験の結果が出るまでの過ごし方を紹介します。
試験を頑張った自分を労う
結果はどうであれ、試験勉強を継続するのは大変なことです。仕事をしながら試験勉強をした方の場合、両立させる苦労があったことでしょう。まずは、頑張った自分を労うことが大切です。おいしいものを食べたり、趣味に没頭したりしてリフレッシュしましょう。
合否の連絡が来るまで結果を考えない
自己採点の結果が悪かった場合、「落ちたかもしれない」と不安になるかもしれませんが、結果が発表されるまで合否は分かりません。心配し過ぎると日常生活に支障をきたすおそれがあるので、あえて考えないようにするのも一つの手です。
介護福祉士国家試験の合格基準は、難易度によって補正されるため、合格点は毎年異なります。不合格だと思っていても合格している可能性があるため、前向きに結果を待ちましょう。
勉強不足の科目を復習する
不合格という確信がある場合や不安が大きい場合は、勉強不足に感じた科目を復習し、来年度の試験の対策を始めるのも選択肢の一つです。気持ちを切り替えて次の試験に備えることで、十分な学習時間を確保できます。
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介護福祉士の試験に関するよくある質問
ここでは、介護福祉士国家試験についてよくある質問を紹介します。受験を検討している方や試験を控えている方は、チェックしてみてください。
介護福祉士国家試験の受験資格を教えてください
介護職員から介護福祉士になる場合、「3年以上の介護職の実務経験+介護福祉士実務者研修の修了」で受験要件を満たす「実務経験ルート」で資格取得を目指す方が多いようです。そのほか、介護福祉士養成施設や福祉系高校を卒業するなどの方法で受験資格を得ることも可能です。
詳しくは、「介護福祉士の受験資格を得るルートを解説!必要な実務経験や試験概要は?」を参考にしてみてください。
出典
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「[介護福祉士国家試験]受験資格」(2025年3月27日)
介護福祉士国家試験に受かる気がしないです…
しっかり勉強をしていても、「介護福祉士国家試験に受かる気がしない…」と自信をなくしてしまう方は少なくありません。忙しくて十分な学習時間を確保できていないと、より強く不安を感じてしまうようです。合格できるか不安に感じたときは、試験までに残された時間を有効に使い、苦手な範囲の対策をしっかり行いましょう。時間を有効に使うには、問題集だけでなくアプリの活用も効果的です。
試験対策アプリについて知りたい方は、「介護福祉士アプリのおすすめ2選!活用するメリットと勉強方法のポイント」をチェックしてみてください。
介護福祉士試験が不合格の場合もハガキは届きますか?
介護福祉士試験に落ちた場合、普通郵便の封書またはハガキで不合格の通知が届きます。介護福祉士国家試験では、試験の合否に関わらず結果通知を発送しているようです。ただし、見込みで受験した方は、要件を満たしたことを証明する書類を提出しないと試験は無効となり、結果通知は発送されないので注意しましょう。試験の結果通知は3月下旬に発送され、同日に試験センターのWebサイトで合格者の受験番号が公開されます。
出典
社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験(合格発表について)」(2025年3月27日)
まとめ
介護福祉士国家試験に落ちる人の特徴には、「勉強時間を十分に確保していない」「誤った勉強方法で学習している」「試験の難易度を甘く見て油断している」などがあります。
介護福祉士国家試験の合格率は、7~8割程度と高い傾向にありますが、難易度が低いというわけではありません。毎年2割ほどの人は試験に落ちているため、試験対策は十分に行う必要があるでしょう。
介護福祉士国家試験に合格するコツは、「最初に試験勉強の計画を立てる」「効果的な勉強方法で学習する」「実務で扱わない科目を重点的に勉強する」などです。介護福祉士国家試験の出題範囲は広範囲にわたり、短期間しか勉強しなければ試験に落ちるリスクが高くなってしまいます。必要な知識を身につけるために、計画的に試験勉強を進めましょう。
「忙し過ぎて試験勉強ができない」「資格取得における費用負担が大きい」という方は、介護業界に特化した転職エージェントのレバウェル介護(旧 きらケア)に相談してみませんか?レバウェル介護(旧 きらケア)では、介護福祉士を取得するためにシフトを考慮してくれたり、資格取得にかかる費用を負担してくれたりなど、資格取得支援制度が整っている職場をご提案できます。サービスはすべて無料なので、お気軽にお問い合わせください。
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