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介護記録で使ってはいけない言葉とは?言い換え表現も解説

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車いすのある部屋で介護記録を記入している介護士のイメージ

この記事のまとめ

「介護記録の言葉遣いがバラバラで正しい言葉遣いが分からない」
職場で、複数の介護職員が書いた介護記録をみて、そう感じている方もいるのではないでしょうか?本記事では、介護記録で使ってはいけない言葉と介護記録を書くときにおさえておくべきポイントについて解説。例文や言い換え表現、すぐに使える表現をいくつかご紹介しているので、本記事を読み、介護記録で使ってはいけない表現や言葉使いをしっかりと理解しましょう。

介護記録に使う言葉には注意を払うべき理由

介護記録は、介護職員にとって毎日の慣れた業務の1つに過ぎないと感じている方もいるかもしれませんが、非常に重要度の高い記録の1つです。介護記録は、ただ利用者さんの生活の様子を記録しておくだけのものではありません。
他職種との情報共有や事故等が発生した際の証明に使うなど、より良い介護サービスの提供のために読み返したり、利用者さんのご家族とのコミュニケーションのために使用したりすることもあります。介護記録は、現場で働く職種がさまざまな目的で使用するツールの1つなのです。

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そのため、どのような立場の人が読んでも分かりやすく、簡潔に伝わる言葉を選んで記録を残しておく必要があります。

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介護記録で使ってはいけない言葉や表現

介護記録で使ってはいけない言葉や表現は、「侮辱表現や命令を連想するような表現」「介護の専門用語」「診断のない医療用語」などが挙げられます。主観的な表現は避け、客観的に誰が見ても理解できるように記載しましょう。

  • 利用者さんを侮辱・見下す表現や命令を連想する表現
  • 専門用語
  • 診断のない医療用語
  • 主観的な表現

それぞれどのような言葉が「介護記録で使ってはいけない言葉や表現」に該当するのか、言い換え表現と合わせて解説します。普段、無意識に使ってしまっていないか、ご自身の記録の書き方を思い出しながら読み進めてみてください。

利用者さんを侮辱したり見下したりする表現

利用者さんを侮辱したり、見下したりする表現や上下関係を感じさせる記載には十分に気をつけましょう。侮辱表現は、ご家族など第三者から見て不快に思われる可能性があるため、特に注意が必要です。

認知症を「認知」と略したり、「徘徊」「しつこく」「不潔行為」といった単語を使用したりすることは、侮辱表現とみなされることがあります。また、「促す」という表現も上下関係を感じさせる表現として扱われることも。ではどのように言い換えるべきなのか、下記の表に具体例を記載したので、チェックしてみましょう。

使ってはいけない表現

言い換え

認知

認知症

しつこく

何度も

不潔行為

オムツを外されていた(など、利用者さんの状況を客観的に書く)

促す

おすすめする

勝手に

自発的に

侮辱や見下す気持ちがなくても、無意識に使っている表現がある場合は、今後注意が必要です。これらの表現は、使っても問題ないのか判断が難しいと感じる場合もあるかもしれません。しかし、「これは侮辱に当たるの?」と疑問に思ったり、迷ったりした表現に関しては、より柔らかい印象の表現に言い換えて記載することを心がけましょう。、そうすることで、無意識にNG表現を使ってしまうリスクを軽減できるのでおすすめです。

介護業界にいない人が理解できない表現や専門用語

介護の知識がない人の目に触れる可能性も考慮して、専門用語はなるべく避け、専門知識のない人でも理解しやすい表現を心がけましょう。

たとえば、以下のような表現が該当します。

専門用語

言い換え

徘徊

フロア内を歩き回る

傾眠

ウトウトされる

嚥下

飲み込み

Ns

ナース/看護師

診断のない医療用語

利用者さんの体調が悪化した際や事故の記録などでありがちです。状態や状況をあらわす表現(「腰痛」「頭痛」など)は使用可能ですが、診断名に関しては、医師の診断が確定するまで、介護職員の独断で介護記録に使用することは避けましょう。

例文を以下に記載します。

NG表現

言い換え

右腕が腫れ、骨折している様子

右腕が腫れ、紫色を呈している。痛みの訴えあり、腕があがらない様子あり。

診断がおりるまで骨の状態は外から判断が難しいため、断定は避け、客観的に様子だけを記録しましょう。

主観的な表現

主観的な表現も避けるのが無難です。たとえば、レクリエーションで楽しまれている様子を記録に残したい場合でも「楽しまれている様子」と記載するのはNG。楽しそうに見えただけで、実際に楽しいと感じたかどうかは利用者さん本人にしか分かりません。そのため、この場合は「笑顔がみられた」「穏やかに談笑され、いいわねとの発言があった」など、客観的な事実のみを書くように心がけましょう。

介護記録をの書き方でおさえておくべきポイント

使ってはいけない表現、気を付けるべきポイントを理解したうえで、分かりやすく活用しやすい記録にするためには、おさえておくべき介護記録の書き方があります。
今からご紹介するポイントをおさえて記録を書けるようになれば、他職種から見ても非常に分かりやすく、カンファレンスや事故対策、ケアプランの作成などに活かしやすい記録が書けるようになるはずです。ぜひチェックしてみてください。

5W1Hを明確にする

5W1Hとは「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」を簡潔に書くことを指します。
以下に例文を記載したので、チェックしてみましょう。

夜中の3時ごろナースコールがあり、訪室する。「トイレに行きたい」との訴えがあり、ベッドに腰かけていた。歩行時にふらつきが見られたため、車いすを使用しトイレ誘導実施。トイレ内排尿確認する。居室に戻られ、すぐに再入眠される。

このように、誰が見てもその時の状況がすぐにイメージできるよう、5W1Hを意識した書き方をすることが大切です。

ですます調は使わず簡潔に書く

介護記録は基本的に、「ですます調」は使用しません。「だ・である調」で簡潔に記載しましょう。また、会話などの場合は「だ・である調」には変えず、発言どおりに記載するのがポイントです。

分かりやすい介護記録の例文

上記を踏まえ、状況別に分かりやすい介護記録の例文を3つご紹介します。ぜひチェックしてみてください。

  • 食事に関する介護記録
  • 排泄に関する介護記録
  • 夜勤時の介護記録

よくある場面の記録を厳選したので、言葉遣い等そのまま現場で使用することが可能です。それぞれ3文ほど、例文をご紹介します。

食事に関する介護記録の例文

記録に残したい利用者さんの様子

実際介護記録に残す例文

傾眠が強く食事が進まないとき

ウトウトされており、声かけにて時折目を開けるが、しばらくすると再び目を閉じてしまう。声かけし、食事をおすすめするが口を開けるのも難しい様子であるため、食事の提供を中止する。看護師に様子報告を行う。

食事のスピードが早すぎるとき

全量召し上がったが、召し上がるスピードが非常に早く、かき込むように召し上がっていたため、時々むせ込む様子あり。途中で小鉢での提供に切り替え、少量ずつ提供した。

口腔内での溜め込みがあり、食事が進まないとき

介助にて食事提供を行うが、口の中に溜めこんでしまう様子あり、飲み込みにとても時間がかかってしまっている。30分程かけて3割程度召し上がり、終了とさせていただく。水分はスムーズに飲まれ、昼食時200ml飲まれる。

排泄に関する介護記録の例文

記録に残したい利用者さんの様子

実際に介護記録に残す例文

トイレ誘導するが、トイレでの排尿がなかったとき

車いすからの立ち上がりが何度も見られたため、トイレ誘導実施。パット内排尿あり。トイレ内での排尿は見られなかった。

便が緩く、何度も排便があるとき

ベッド上にてオムツ交換実施。パット交換時、泥状便多量にみられる。衣類まで汚れてしまっていたため、更衣を行う。本日3度目の排便。いずれも泥状・多量。でん部に赤みがあり、看護師に報告行う。

オムツ外しがあるとき

居室内、ベッド上にてオムツを外されていた。パット交換実施。シーツ交換も行う。

夜勤時の介護記録の例文

記録に残したい利用者さんの様子

実際に介護記録に残す例文

何もなく休まれている様子

21時頃に入眠確認する。ベッド上で休まれている。

不眠・不安な様子

何度も居室から出てこられ「息子はどこ?」と不安な様子あり。本日はお泊りであり、明日帰宅予定である旨を都度お伝えする。白湯100ml提供し、10分程で落ち着かれる。再度居室に誘導し、ベッドに横になることをおすすめした。

独語あり、一睡もしない様子

ベッド上で横になっているが、誰かと会話されているような独り言を話されている。声かけし、眠るよう勧めるがしっかりと開眼され、眠気がある様子はない。不眠時の頓服薬を服用していただき、様子観察とする。

状況に応じて、分かりやすく・客観的に記録することを心がけると良い介護記録が書けるようになります。また、介護記録の例文や効率的に書くコツについては、「介護記録の上手な書き方のコツとは。基本や例文を解説!」の記事でも解説しているので、ぜひご一読ください。

介護記録はご家族にも開示するもの

介護記録は介護職以外にも、相談員・看護師・医師・理学療法士・管理栄養士などさまざまな職種が目を通す記録です。それだけでなく、介護記録は利用者さんのご家族や行政の担当者に開示することもあります。

たとえば、ご家族から「最近の様子を知りたいから記録をみたい」と要望があれば、開示しなければなりません。ほかにも、重大事故が起きた際に、行政に提出をすることもあります。

誰が見ても分かる言葉で、不快感を与えにくい表現を心がけ、客観的事実を分かりやすく記載するように努めましょう。

まとめ

本記事では、介護記録の書き方のポイントや使ってはいけない言葉について解説しました。介護記録は、他職種との情報共有、事故の際の証明、ケアの質の向上などに使われる非常に重要な記録の1つです。くわえて、利用者さんの家族など、職場外の人に開示することもあります。そのため、利用者さんの尊厳や人格を傷つけるような侮辱表現、見下すような言葉遣いには十分注意しましょう。
また、専門用語を使わず、客観的な事実を記録することを心がけて記録が書けるようになると、より利用者さんの状態が伝わりやすい「良い介護記録」になるはずです。職場のほかの介護職員の記録も参考にしながら、適切な言葉づかい・言い回しのストックをためていきましょう。

正しい介護記録の書き方など、基礎的なことから実践の場で教わりたいと強く感じている場合は、新人の教育に力を入れている介護施設に転職するのも1つの方法です。人手不足が深刻化している介護業界では、新人教育に十分な時間を割けていないのが現状。そのため、基礎をしっかりと身につけられずに独り立ちする事も珍しくありません。しかし「わからない」を放っておくと、重大な事故につながったり、「今更聞けない」疑問を抱えたりしてしまいがち。

このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひきらケアにご相談ください!きらケアでは、介護専門の就職・転職支援を行っています。介護業界に精通したアドバイザーがおり、施設側とのやり取りも代行。「基礎的なことからしっかり教わることができる職場に行きたい」などの希望も叶えやすいシステムです。利用は全て無料ですので、お気軽に登録してみてくださいね。必要情報を登録後、こちらからお電話させていただきますので、まずは、お仕事のご希望に関して簡単にお聞かせください。

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