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この記事のまとめ
- 超高齢社会とは、高齢者人口の割合が総人口の21%を占めている社会のこと
- 超高齢社会の問題点は、医療・福祉業界の人材不足や経済活動の鈍化など
- 日本は高齢者の人口が増加しており、今後も介護職員の需要が高い
「超高齢社会って何?」「超高齢社会の問題はどんなものがあるの?」と気になる方もいるでしょう。超高齢社会とは、65歳以上の高齢者割合が一定の数値を超えた社会のことです。この記事では、日本の高齢化率の推移や世界の高齢者人口の割合、超高齢社会が抱える課題について詳しく解説しています。超高齢社会について興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
超高齢社会とは
超高齢社会とは、65歳以上の高齢者人口の割合(高齢化率)が総人口の21%を占めている社会のことです。日本は2007年に超高齢社会に突入しました。なお、高齢化率が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」というように定義されています。また、高齢化率は、「老年人口(高齢者人口)÷総人口×100」の式で求めることが可能です。
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日本の高齢化率の推移
総務省統計局「高齢者人口」によると、日本における65歳以上の高齢者人口は約3,627万人。総人口に占める割合は29.1%です(2022年9月15日推計)。下記で、同資料から抜粋した高齢者人口と割合の推移を見ていきましょう。
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引用:総務省統計局「高齢者人口」
データによると、第一次ベビーブーム期(1947年〜1949年)に誕生したいわゆる「団塊世代」が65歳を迎える2010年から2015年の間に高齢者の割合が増加しました。また、第二次ベビーブーム(1971年〜1974年)に生まれた方が65歳を迎える2040年代には、さらに高齢者の割合が高まると予想されており、およそ35.3%まで増加する見込みです。
出典
総務省統計局「高齢者人口」(2023年2月8日)
世界の高齢者人口の割合
世界で高齢者人口の割合がもっとも高い国は日本です。以下で、総務省統計局「高齢者人口」をもとに世界の高齢者割合のランキングを紹介しているので、ぜひご覧ください。
国名 | 65歳以上の人口割合 | |
1位 | 日本 | 29.1% |
2位 | イタリア | 24.1% |
3位 | フィンランド | 23.3% |
4位 | プエルトリコ | 22.9% |
5位 | ポルトガル | 22.9% |
引用:総務省統計局「高齢者人口」
日本の高齢者人口の割合は、2位のイタリアと5%も差があります。ほかの国と比較しても高齢者の割合が高い国といえるでしょう。
出典
総務省統計局「高齢者人口」(2023年2月8日)
超高齢社会が抱える問題
超高齢社会には、医療・福祉の人材不足や社会保障制度の財政不足、経済活動の鈍化などさまざまな問題があります。以下で超高齢社会の問題を詳しく解説しているので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
医療・福祉の人材不足
高齢化にともなう要介護者の増加により、医療・福祉業界の人材が不足しています。医療・福祉に関わる人材が不足すると、高齢者が高齢者の介護をする老々介護や、認知症の方が認知症の方の介護をする認認介護になる可能性も。人材が不足することで介護難民が生まれ、適切なケアを受けられず困る方も増えてしまうでしょう。
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社会保障制度の財政不足
高齢者の医療や福祉にかかる費用の増加により、社会保障制度の財政が不足しています。社会保障制度の財政が不足すると、保険料が値上がりしたり、自己負担額が増加したりする可能性も。超高齢社会では、ヤング・オールド・バランスの実現が大きな課題といえるでしょう。
経済活動の鈍化
少子高齢化により、労働力人口が減少すると経済活動の鈍化が懸念されます。経済が鈍化すると、新たなサービスやモノを創造しにくい社会になり、成長率が低下することも。労働力人口が減少して成長率が低下することを「人口オーナス」といいます。
高齢者のQOL低下
定年退職後に「働きたくても働けない…」と活躍意欲が満たされない場合、高齢者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)が低下する恐れがあります。また、定年を迎えることで社会とのつながりが薄れ、生活にやりがいを感じられなくなってしまうことも。また、収入が年金のみになってしまう場合、経済的な不安を抱え、生活の質が低下する可能性があります。高齢者の労働意欲を満たせる社会環境の整備が超高齢社会の課題の一つです。
高齢者の孤立化
世帯の核家族化にともなう高齢者の孤立化も重要な課題です。高齢者が孤立してしまうと、孤独死のリスクが高まります。また、地域の人との交流がなくなると認知症の発見が遅れることも。認知症の方が1人で暮らしていると、火災や怪我などの危険性も高まります。
高齢者の格差拡大
高齢者の所得格差も超高齢社会の課題の一つ。年金のみで生活している高齢者や高齢者の単身世帯が増えています。
世帯人数が多いほど光熱費や家賃が分散され、一人あたりの生活費が少なくなる傾向があるようです。一方で、単身で暮らしている高齢者は光熱費や家賃全額が一人あたりの費用となるため、生活費が高くなっています。そのような状態で限られた年金で暮らしていると経済的な負担を感じる方が多いでしょう。
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日本の超高齢社会対策・課題
内閣府「高齢社会対策大綱(平成30年2月16日閣議決定)」によると、超高齢社会対策の基本的な考え方として以下の3つの考えを掲げています。
- 年齢による画一化を見直し、すべての年代の人々が希望に応じて意欲・能力をいかして活躍できるエイジレス社会を目指す。
- 地域における生活基盤を整備し、人生のどの段階でも高齢期の暮らしを具体的に描ける地域コミュニティを作る。
- 技術革新の成果が可能にする新しい高齢社会対策を志向する。
引用元:内閣府「高齢社会対策大綱(平成30年2月16日閣議決定)」
65歳以上の方を一律に高齢者として見るのは現実的ではないとし、意欲のある65歳以上の方が能力を活かせる社会環境を整えることが重要としています。
出典
内閣府「3 高齢社会対策大綱」(2023年2月8日)
内閣府「高齢社会対策大綱(平成30年2月16日閣議決定)」(2023年2月8日)
6つの分野の基本的施策
内閣府「3 高齢社会対策大綱」によると、政府は超高齢社会対策への3つの考えをもとに、「就業・所得」「健康・福祉」「学習・社会参加」「生活環境」「研究開発・国際社会への貢献」「すべての世代の活躍推進」の分野への基本施策に対する指針を定めました。
就業・所得
年齢による格差や壁のない働ける環境の整備や公的年金制の安定した運営、資産形成の支援などの計画を進めています。70歳まで働ける環境を整備するための法改正や高齢者の雇用、定年の延長を行っている企業への支援を実施。「もっと働きたい!」と考えている高齢者の要望が叶えられるようにサポートをしています。
健康・福祉
健康づくりの総合的推進や介護サービスの充実、持続可能な介護保険制度・高齢者医療制度の運営、認知症高齢者支援施策の推進などを行っています。ほかにも、終末期医療のあり方や地域で高齢者をサポートする仕組みの促進を実施。地域で継続的・一体的な介護サービスを提供するために介護サービスの充実や人材の育成を推進しています。
学習・社会参加
高齢者の学習活動や社会活動への参加を促しています。公民館などの社会教育施設で幅広い年齢層を対象とした多様な学習機会の充実を促進し、高齢者が学習できる環境を整備。社会活動への参加を促すことで、高齢者の生きがいの獲得や健康な身体づくりをサポートしています。
生活環境
豊かで安定した住生活の確保や高齢社会に適したまちづくり、交通安全の確保、犯罪・災害などからの保護、成年後見制度の利用の促進を行っています。住居や地域のバリアフリー化や交通安全教室の開催、警察官の巡回や訪問による注意喚起を実施。成年後見人を利用することで高齢者の財産を守ることにつなげています。
研究開発・国際社会への貢献
先進技術の活用や高齢者向け市場の活性化、研究開発の推進、基盤整備、諸外国との知見や課題の共有を行っています。高齢者の死因割合の高いがんの研究や介護ロボットの開発・普及も推進。医療や介護に関する問題を世界の国々と共有し、研究を進めています。
すべての世代の活躍推進
すべての世代の人々が高齢社会での役割を担い、積極的に参加する社会の実現を目指しています。「ニッポン一億総活躍プラン」に基づき、働き方改革実行計画の推進や、少子化対策、女性の社会進出のサポートなど、高齢社会においてさまざまな年代の方が活躍するための施策を実施。社会全体で高齢社会対策に取り組む環境を整えています。
出典
内閣府「3 高齢社会対策大綱」(2023年2月8日)
内閣府「令和4年版高齢社会白書」(2023年2月8日)
超高齢社会を地域で支えることが重要
超高齢社会をサポートしていくには地域全体で高齢者の方々を支えることが重要です。地域全体で高齢者を支えるシステムを「地域包括システム」といいます。
地域包括ケアシステムとは
地域包括ケアシステムとは、介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らし続けられるように地域内でサポートするためのシステムのこと。第一次ベビーブーム(1947年~1949年)に産まれた団塊世代が75歳を迎える2025年を目処に構築されたシステムです。「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」の5つのサービスを一体的に提供しています。
地域包括支援センター
地域包括支援センターとは、介護や医療、保健、福祉に関する相談に対応し、高齢者を支援する施設です。「介護予防ケアマネジメント」「総合相談」「包括的・継続的ケアマネジメント」「権利擁護」を行っています。
地域包括ケアシステムにおいて地域包括支援センターは欠かせません。悩みや不安を抱える高齢者の方の相談に乗り、適切なサービスを受けられるようにサポートしたり、関連機関との連携を取ったりしています。
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介護の知識やスキルは今後ますます必要になる
高齢者の割合が高まり、介護が必要な方が増加しているため、今後ますます介護の知識やスキルが求められる場面が増えます。介護の知識やスキルを身につけておけば、家族に介護が必要になったときに役立つでしょう。
また、超高齢社会では、介護職員の需要が高まります。介護職は、未経験や無資格からはじめやすく、安定して働ける職種です。介護職は定年後も働き続けている人が多数おり、将来も安定した生活を送ることができるでしょう。65歳以降も働き続けることで、社会活動への参加ができ、やりがいを感じながら生活できます。
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超高齢社会に関するよくある質問
超高齢社会に関するよくある質問に回答します。「超高齢社会が抱える問題について知りたい」という方は、ぜひご覧ください。
日本はいつから超高齢社会に入ったの?
日本は2007年に超高齢社会に入りました。1970年に高齢化社会に、1994年に高齢社会に突入。高齢化社会から高齢社会になるまでに24年ほどかかりましたが、高齢社会から超高齢社会になるまでの期間は約13年。高齢者割合が高まる速度は加速しているといえます。高齢者割合の変化は、「日本の高齢化率の推移」で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
超高齢社会のデメリットにはどのようなものがあるの?
超高齢社会には、「医療・福祉業界の人材不足」「社会保障制度の財政不足」「労働力減少による経済活動の鈍化」「高齢者のQOLの低下」「孤立による孤独死や認知症の進行」「高齢者の経済格差」などのデメリットがあります。「超高齢社会が抱える問題」でそれぞれを詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
超高齢社会とは、総人口に対する65歳以上の高齢者の割合が21%を超える社会のことです。7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会といわれます。
日本の高齢化率は年々増加しており、団塊世代が65歳を迎えることで、さらに高まりました。第二次ベビーブームに誕生した世代が65歳を迎える2040年には高齢化の加速が見込まれています。日本は世界の高齢者割合ランキングで1位と、世界的にみても高齢者割合が高い国です。
超高齢社会は、医療・福祉の人材が不足して介護難民が生まれたり、保険料が値上がりしたりするなど、さまざまな問題・課題を抱えています。ほかにも、経済の低迷や高齢者のQOLの低下、孤立による孤独死、単身世帯による経済格差などの問題も。超高齢社会の対策としては、地域で高齢者を支援する地域包括ケアシステムが重要です。地域包括支援センターを中心に、住み慣れた地域で安心して暮らせる社会づくりが求められています。
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