
この記事のまとめ
- 介護の派遣社員であっても妊娠したら産休・育休の取得が可能である
- 産休・育休を取得するメリットは、慣れた職場や仕事に戻れる安心感である
- デメリットは異なる職場に配属されたり勤務の融通が利かない場合もあること
介護派遣として働いているときに妊娠した場合、妊娠中でも働けるのか、産休や育休を取得できるのか、気になる人もいることでしょう。この記事では、介護派遣社員が妊娠したときの企業側の対応や、産休・育休の取得方法をご紹介。また、産休と育休のメリット・デメリット、妊娠中に行える介護業務についてもお伝えしています。妊娠を検討している方や、妊娠が分かった介護派遣社員の方は、ぜひチェックしてみてください。
介護派遣とは?メリット・デメリットや働くまでの流れ、実際に働いている方の声もご紹介妊娠しても介護派遣の仕事はできる?
妊娠中でも介護派遣として働くことは可能です。とはいえ、介護業務は身体的な負担がかかるので、無理をしないことが求められます。派遣先の介護施設の理解を得て、妊娠中はなるべく身体的なサポートに関する仕事量を減らしてもらいましょう。「妊娠中に行える介護業務」では、妊娠中でも携わりやすい仕事内容と妊娠中に働くときの注意点をまとめています。
「妊娠したから解雇」は違法
男女雇用機会均等法および育児・介護休業法では、妊娠・出産、育児休業などを「契機として」なされた不利益取扱いを、原則的に違法としています。妊娠によって「解雇された」「契約更新できなかった」「減給された」「パートになれと強要された」などの扱いを受けることは、法に違反しています。ただし、産休中に契約期間が満了する場合は、更新されないまま契約が終了する可能性もあるので注意が必要です。
出典
厚生労働省「「妊娠したから解雇」は違法です」(2021年12月24日)
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介護派遣社員が産休や育休を取得するメリット
介護派遣社員が産休・育休を取得するメリットには、「働き慣れた環境に復帰できる」「復帰後に勤務先がある」といった点があります。それぞれのメリットを詳しく見てみましょう。
働き慣れた環境で復帰できる
介護派遣社員が産休や育休を取得すれば、働き慣れた職場環境へ復帰が可能です。環境によっては職員や利用者さんが入れ代わっている場合もありますが、お世話になった人と気持ちを新たに働けます。戻りやすい雰囲気の職場であれば、フローを思い出しながら業務を再開できるでしょう。
復帰後に勤務先があることの安心を得られる
産休・育休を取得すれば雇用面の安心を得られるので、妊娠中や育児中のストレス軽減につながります。「復帰したらどこで働こう…」といった悩みを抱えなくて済むのは、産休・育休の大きな強みです。休暇制度を上手に活用し、出産と子育てに集中できるようにしましょう。
介護派遣社員が産休や育休を取得するデメリット
介護派遣社員が産休や育休を取得するときは、デメリットが生じる場合もあります。デメリットを踏まえたうえで、休暇の取得を心がけましょう。
産前とは異なる派遣先で働く可能性がある
介護派遣として復帰する際、産前とは異なる派遣先で働く可能性があります。産休中だけほかの派遣社員が契約するのは難しく、復帰した時点で産前働いていた求人がなくなっていることも考えられるでしょう。復帰後は派遣先が変わることを前提に考えておくと、心構えがしやすくなります。
復帰後の派遣先で育児の融通が利かない場合もある
育児を理由に勤務調整できるかは、派遣先によります。派遣先の労働環境や職員数によっては、自分の都合に合わせて働くことが難しいかもしれません。育児メインで介護派遣社員として勤務したい場合は、希望に合った求人を見つけづらくなる可能性もあります。
妊娠の報告は早めに行おう
派遣先で円滑に働くためにも、妊娠が発覚したら早めの報告が大切です。多くの介護現場では人手不足の状態にあり、身体的負担がかかる仕事の割合が高いため、妊娠後にできる範囲の業務が限られてきます。妊娠の報告を後回しにすると、仕事の身体的な負担が大きくなってしまうことも。派遣社員側から早めに報告してもらえれば、施設側も業務の調整をしやすくなるでしょう。
妊娠が発覚したら、まず派遣会社に報告し、次に派遣先の介護施設へ報告します。派遣社員の上司にあたるのは所属している派遣会社の人です。そのため、派遣会社への報告を一番にしましょう。派遣会社と派遣先で業務の調整について話し合う形になるので、妊娠報告の際は現在の体調・今後の仕事内容・勤務時間などを相談します。
介護派遣社員の産休の取得方法
介護派遣社員が産休を取得するときは、派遣先の介護施設でなく、所属している派遣会社に申請します。派遣先と派遣社員は雇用関係にはないので、産休や育休の手続きを申し出できません。
産前休暇は出産予定日の6週間前から申請が可能です。派遣会社によっては申請時期を定めている場合があるので、その際は契約内容や就業規則に従いましょう。
なお、産後8週間は就業させられないと法律によって決められています。産前休暇は自身で期間を申請できますが、産後休暇は一定期間取得することになります。
出典
e-Gov法令検索「労働基準法 第六十五条」(2021年12月28日)
介護派遣社員の育休の取得方法
産休と同様、育休も所属している派遣会社に申し出をします。介護派遣社員の育休の取得条件は、一つの派遣会社で1年以上雇用されていることと、子どもが1歳6か月を迎えても雇用契約が満了しないこと。育休の場合は、休業開始予定の1か月前までに申請が必要です。
育休は基本的に子どもが満1歳になるまで取得できます。状況によっては1歳6か月まで、さらに休みが必要な場合は2歳まで延長が可能です。育休を取得してから半年間は、給料の67%を、半年以降は給料の50%を受け取れます。
出典
e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第五条」(2021年12月28日)
妊娠中に行える介護業務
先述したように、介護派遣など雇用形態に関わらず妊娠中は比較的身体負担の少ない業務を割り振ってもらいましょう。食事や着脱の介助、車椅子の移動介助、レクリエーションの実施、事務作業などは、妊娠中でも取り組みやすい傾向にあります。ただし、妊娠後の体調は人によって違いがあるので、無理なく仕事を進めることが重要です。自身の体調を最優先に考え、適宜業務内容の調整をお願いしましょう。
妊娠中に注意すべきこと
妊娠中に行える業務とは反対に、入浴・排泄・移動の介助や夜勤に携わるのは避けた方が良いでしょう。利用者さんの体重を支える業務は、身体的負担や転倒のリスクがあります。また、生活リズムが崩れると、妊娠中の身体に負荷がかかる場合も。心身へのストレスは胎児に影響する可能性があるので、周囲の理解を得ながら働きましょう。
介護派遣中の妊娠に関するよくある質問
ここでは、介護派遣中の妊娠について、想定される質問をまとめました。「介護派遣中に妊娠したらどうなるの?」「妊娠しても介護派遣を続けられる?」など、疑問や不安のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
派遣契約中に妊娠したらどうなりますか?
介護派遣中に妊娠した場合、身体的に問題がなければ働き続けることができます。法律により、妊娠したからといって契約の更新を拒否されることはありません。ただし、急な体調不良などで休む必要がでてくる可能性もあるため、派遣会社の担当者に報告して理解を得ておく必要はあるでしょう。業務量を調整してくれたり、契約更新のタイミングについて相談に乗ってくれたりする場合もありますよ。詳しくは、この記事の「妊娠しても介護派遣の仕事はできる?」をご覧ください。
介護職は妊娠しても仕事を続けられますか?
介護職は、妊娠しても仕事を続けられます。もちろん、身体的な不調が出れば休む必要はありますが、基本的には出産予定日の6週間前から取得する産前休暇まで、働き続けられるでしょう。また、出産後は産後休暇を8週間まで(本人が希望すれば6週間まで)取得できます。その後は、子育てと両立できるよう、職場や派遣会社などと相談しながら勤務時間を調整していくことになるでしょう。
詳しくは、「【介護職が妊娠したら】報告タイミングや出産までの仕事内容、注意点を解説」の記事をチェックしてみてください。
まとめ
介護派遣の仕事は身体的負担が多いため、妊娠が分かったら早めに申告しましょう。介護派遣社員であっても、産休・育休は取得可能です。産前と異なる職場で働く可能性もありますが、復帰後の勤務先があると妊娠中・育児中のストレスを軽減できます。
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