
この記事のまとめ
- 社会福祉士国家試験に合格するには自分に合う勉強方法を見つけることが大切
- 社会福祉士試験の特徴は、出題範囲が広いことや全科目群で得点が必要なこと
- 試験勉強で何から始めたら良いか分からないときは、参考書を活用しよう
社会福祉士国家試験は出題範囲が広く、難易度も高めとなっています。そのため、「どんな勉強方法を行えば合格できるの?」「働きながらや独学でも資格取得を目指せるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。この記事では、社会福祉士国家試験に合格するための勉強方法を7つご紹介。ほかにも、勉強の始め方や流れ、独学で行うメリット・デメリットについて解説しています。資格取得を検討している方は、ぜひご一読ください。
社会福祉士とは
社会福祉士とは、「社会福祉士及び介護福祉士法」によって定められた国家資格で、医療・福祉に関する相談援助業務を行うことが可能です。活躍する分野は、高齢者福祉や児童福祉、障がい者支援、生活保護など多岐にわたります。働く現場によっては「ソーシャルワーカー」と呼ばれることも。相談援助業務以外には、関連機関への連絡・調整、利用できる制度やサービスの紹介などを行います。
社会福祉士は、医療・福祉における専門的な知識や技術を有し、さまざまな分野でサポートが必要な方への相談援助を行うという重要な役割を担っています。
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アドバイザーに相談する(無料)社会福祉士国家試験に合格するための勉強方法7選
「社会福祉士国家試験に合格するための勉強方法が知りたい」「どんな勉強方法があるの?」とお悩みの方のために、ここでは、社会福祉士国家試験に合格するための勉強方法7選をご紹介します。ぜひ、試験対策にお役立てください。
スケジュールをしっかり立てて計画的に学習を進める
社会福祉士国家試験に合格するために必要な勉強時間は、一般的に300時間ほどといわれています。受験する方の中には、社会人や学生の方が多く、仕事やほかの勉強と両立させながら学習を進めなければならないこともあるでしょう。
「忙しくてなかなか勉強時間が確保できなかった」「もっとしっかりスケジュールを立てておけばよかった」という状況にならないためにも、試験日から逆算した勉強のスケジュールをしっかり立てて、計画的に学習を進めることが大切です。スケジュールを立てる際は、「基本をいつまでに覚えれば良いか」「解くのにどのくらいの時間が必要か」などを確認しておくと良いかもしれません。
過去問を解く
試験で合格を勝ち取るためには、実際の試験問題に慣れることが重要です。過去問を解くことで、出題傾向や頻出問題が把握できるだけではなく、実際の出題形式に慣れることもできます。また、自身の苦手分野や時間配分などが把握できるのもメリットといえるでしょう。
過去問を解く際には、最新のテキストや参考書を使うようにしましょう。古いテキストや参考書のままだと、法改正された部分や最新の情報が記載されていないことがあり、対応しきれないことも。スムーズに学習を進めるためにも、最新版を準備して取り組むことが大切です。
インプットとアウトプットをバランス良く行う
社会福祉士の試験範囲はとても広いため、インプットとアウトプットのバランスをうまく取りながら学習を進めましょう。インプットすることばかりに集中してしまうと、覚えきれない部分ができてしまったり、時間がかかってしまったりすることもあります。
インプットしたら、一度アウトプットして知識が定着しているか確認し、理解できていないと感じる部分は復習するようにしましょう。この作業をバランス良く行うことで、少しずつ知識が定着していくはずです。
苦手科目の復習をしっかり行う
社会福祉士国家試験では、すべての科目群において1点以上の得点を取る必要があります。そのため、苦手科目がある場合は復習をしっかり行い、確実に得点を取れるようにしておくことが大切です。
また、苦手科目を復習するために、問題を解く際に分からなかった部分にチェックマークを付けたり、ふせんを貼っておいたりするのもおすすめです。次に同じ問題を解くときや苦手な問題を集中的に勉強したいときに、間違えた部分だとすぐに分かるので、苦手な問題を復習しやすくなります。
隙間時間を有効活用する
働きながら勉強している社会人や、ほかの勉強と両立しながら取り組んでいる学生の方の中には、「なかなか勉強する時間が取れない…」と悩んでいる方もいるでしょう。お伝えしているように、社会福祉士の試験問題の出題範囲は広いため、普段の学習だけではなく、隙間時間を有効活用することも合格に近づくための大きなポイントといえます。休憩時間や通勤・通学時に参考書や専用のアプリなどを使って勉強するのがおすすめです。
模擬試験を受けてみる
合格を勝ち取るためには、しっかり勉強することも大切ですが、本番の雰囲気に慣れることも大切です。模擬試験を受けることで、本番と同じ出題形式で問題を解いたり、時間配分を確認したりすることができます。
また、模擬試験を受けた時点での自分の実力が把握できるのもメリットといえるでしょう。集中的に勉強するべき部分が明確になれば、苦手科目も克服できるはずです。
自分に合った勉強方法で取り組む
社会福祉士の勉強方法には、「独学で勉強する」「スクールに通う」「通信講座を利用する」といった方法があります。しかし、それぞれメリット・デメリットがあるので、自分に合った勉強方法で取り組むのが良いでしょう。独学で勉強するメリット・デメリットについては、「社会福祉士国家試験の勉強を独学で行うメリット・デメリット」の項目で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
また、勉強を始める際は、苦手科目からではなく、得意科目から取り組むのがおすすめです。最初に苦手科目から勉強し始めてしまうと、内容を理解できなかったり、モチベーションが維持しづらくなったりすることも。得意科目から始めて少しずつ自信をつけながら、苦手科目を克服していきましょう。
社会福祉士国家試験の4つの特徴
ここでは、社会福祉士国家試験の4つの特徴についてご紹介します。「どんな特徴があるの?」と気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
出題される問題が広範囲にわたる
社会福祉士国家試験は、社会保障や介護保険制度、生活保護制度、保健医療サービスなどの科目を含めた全19科目から出題されます。ほかの福祉系資格に比べると、出題される問題が広範囲にわたるのが特徴です。また、試験の難易度も高い傾向にあるため、相応の学習時間が必要とされています。
出題形式が問題ごとに異なる
出題形式が問題ごとに異なるのも社会福祉士国家試験の特徴です。問題は、五肢択一式を基本とした多肢選択式で出題され、マークシート方式で解答します。問題ごとに「正しいものを1つ選びなさい」「適切なものを 2つ選びなさい」と指示される内容が異なるため、しっかりと問題文を読むことが大切です。
合格基準点が問題の60%程度
社会福祉士国家試験は、1問1点の129点満点となっています。合格基準点が問題の60%程度とされているため、78問程度の正答が合格の目安です。しかし、試験の難易度によって合格点が補正されるため、注意しましょう。
難易度が高めで合格率が低い
合格の目安が正答率60%程度と聞くと、「そこまで難しくないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。厚生労働省の「第36回社会福祉士国家試験合格発表」によると、例年の合格率は30%程度となっています。社会福祉士国家試験に合格するハードルがいかに高いものかが分かるでしょう。
出典
厚生労働省「第36回社会福祉士国家試験合格発表」(2024年7月30日)
すべての科目群で点数を取らなければならない
すべての科目群で点数を1点以上取らなければならないことも、社会福祉士国家試験の特徴です。1つでも点数が取れていない科目群があれば、不合格となってしまいます。苦手科目がある場合は、最低でも1問以上は必ず正解できるように学習することが大切です。
出典
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験」(2024年7月30日)
社会福祉士の資格は働きながらでも取得を目指せる?
「社会福祉士の資格って働きながらでも取れるの?」と気になる方もいるかもしれません。結論から述べると、社会福祉士の資格は働きながらでも取得を目指すことが可能です。働きながら社会福祉士の取得を目指す際は、まず自分が受験資格を満たしているか確認しましょう。
社会福祉士の受験資格を得るためのルートは12パターンあり、大学や短大を卒業しているか、実務経験はあるか、など経歴によってルートが異なります。
受験資格の細かなルートについては、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターの「受験資格(資格取得ルート図)」に記載されているので、自分がどの部分に当てはまるかチェックしてみてください。
また、「受験資格は満たしているけど、働きながら勉強できるか不安…」という方は、通信講座や通学講座などを利用するのも一つの手です。通学講座では、分からないところを講師に直接質問できます。通信講座では、通学より受講費用が安い傾向があるのがメリットです。それぞれの講座には、異なるメリットがあるので、どちらが自分に合っているか考えてみましょう。特に、働きながら資格取得を目指す際は、費用面や自身の生活スタイルなどを考慮したうえで、無理のない方法を選んでくださいね。
出典
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「受験資格(資格取得ルート図)」(2024年7月30日)
社会福祉士国家試験の勉強は何から始めるべき?
まずは、参考書の内容に一通り目を通しましょう。何度か参考書を読み込むことで、勉強範囲が把握でき、基本的な知識をインプットすることができます。参考書を読み込んだあとは、過去問を解き、インプットした知識をアウトプットしましょう。分からない問題がある場合は、その都度、参考書などを使って調べることが大切です。過去問は最低でも3年分は解くようにすると、知識が定着し、問題の傾向なども掴めるでしょう。
国家試験の約3ヶ月前くらいからは、実力を把握するために、模擬試験を受けてみるのもおすすめ。苦手な分野があれば、時間を計りながら、今まで解いた過去問を再び解き直してみましょう。時間を計ることで、自分がどのくらいのペースで問題を解いているか把握できるため、対策がしやすくなります。
なお、上述した勉強の流れは、あくまでおすすめの方法なので、自分に合った勉強方法や流れで進めましょう。
社会福祉士国家試験の勉強を独学で行うメリット・デメリット
「社会福祉士国家試験の勉強って独学でもできるの?」「独学で勉強するメリット・デメリットって?」と気になる方もいるでしょう。ここでは、社会福祉士国家試験の勉強を独学で行うメリット・デメリットをまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
メリット
社会福祉士国家試験の勉強を独学で行うメリットには、以下のような点が挙げられます。
費用が抑えられる
社会福祉士国家試験の勉強にかかる費用を簡単にまとめました。
- 独学:約1万~1万5千円(教材費など)
- 通信講座:約5万~10万円
- 一般養成施設の夜間通学:約40万~60万円
- 大学や専門学校などに通学:約100万~400万円
上記の金額を見て分かるとおり、独学の場合、ほかの方法で勉強するよりも明らかに費用を抑えられます。しかし、金額はあくまで目安なので、スクールや施設、学び方によって異なることを覚えておきましょう。
時間や場所を選ばず自分のペースで学習を進められる
通学の場合、どうしても講師やほかの生徒のペースに合わせて授業が進みがちです。しかし、独学であれば、時間や場所を選ばず自分のペースで学習を進めることができます。
また、苦手科目に時間を割いたり、仕事やプライベートに合わせて勉強時間を調整したりできるのも、独学のメリットといえるでしょう。
デメリット
社会福祉士国家試験の勉強を独学で行うデメリットには、以下のような点が挙げられます。
最新の知識や情報を入手しづらい
社会福祉士国家試験では、最新の法改正や制度をもとに問題が出題されます。通学や通信講座であれば、最新の情報が記載されていたり、講師が教えてくれたりするかもしれません。しかし、独学の場合は、最新の知識や情報をキャッチしづらい可能性があります。書店に並ぶ参考書や問題集すべてに最新の情報が記載されているとは限らないため、判断しづらいのがデメリットといえるでしょう。
不明な点があっても質問することができない
通学講座では講師に直接分からない部分を質問することができ、通信講座では、メールや質問フォームなどで講師とのやり取りができるなど、サポート体制があります。しかし、独学の場合は、不明な点があっても質問することができません。すべて自分の力で解決する必要があるため、その分時間のロスにもつながってしまいます。
モチベーションを維持するのが難しい
前述のように、社会福祉士国家試験に合格するために必要な勉強時間は、一般的に300時間ほどといわれています。独学の場合は、周りに自分と同じ立場にある仲間や指導してくれる講師がいないため、長期間にわたってモチベーションを維持するのが難しいと感じることもあるようです。
モチベーションを維持し続けるためには、独学でも勉強を継続できる環境を自分なりに整える必要があります。
社会福祉士の勉強方法に関するよくある質問
ここでは、社会福祉士の勉強方法についてよくある質問に回答します。勉強や資格取得について気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
社会福祉士国家試験の合格に必要な平均勉強時間は?
社会福祉士国家試験の合格に必要な勉強時間は、一般的に300時間ほどといわれています。毎日2時間の勉強を行えば約5ヶ月、毎日1時間の勉強を行えば約10ヶ月程度の期間が必要です。しかし、これはあくまで目安なので、自分に合った無理のないスケジュールを立てましょう。その際は、試験日から逆算して計画を立てるのがポイントです。
社会福祉士の資格取得は難しいですか?
厚生労働省の「第36回社会福祉士国家試験合格発表」によると、歴代試験の平均合格率は約30%となっています。そのため、しっかり勉強したうえで試験に臨まないと資格取得は難しいかもしれません。
働きながら社会福祉士の資格取得を目指したいとお考えの方は、この記事の「社会福祉士の資格は働きながらでも取得を目指せる?」もご参照ください。
出典
厚生労働省「第36回社会福祉士国家試験合格発表」(2024年7月30日)
社会福祉士国家試験に向けておすすめの勉強方法はありますか?
まずは、参考書の内容に一通り目を通し、知識のインプットに努めましょう。その後、過去問を解き、知識をアウトプットします。過去問は、最低でも3年分は解くようにしましょう。そうすることで知識が定着し、問題の傾向なども掴みやすくなります。
また、苦手科目の復習や隙間時間の有効活用、模擬試験なども行うことで、合格へ一歩近づけるはずです。勉強を始める前にしっかりスケジュールを立て、自分に合った勉強方法で計画的に進めることが大切です。
この記事の「社会福祉士国家試験に合格するための勉強方法7選」でも詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
社会福祉士国家試験に合格するための勉強方法として、「スケジュールをしっかり立てて計画的に学習を進める」「過去問を解く」「インプットとアウトプットをバランス良く行う」といった内容が挙げられます。ほかにも、「苦手科目の復習」「隙間時間の有効活用」「模擬試験を受ける」といった方法がおすすめです。社会福祉士の勉強をするときは、自分に合った勉強方法を見つけて、取り組みましょう。
社会福祉士国家試験は、出題範囲が広く、難易度が高い傾向にあります。また、すべての科目群で点数を取らなければ不合格となってしまうため、苦手科目の克服が必須です。
働きながら社会福祉士の資格取得を目指す場合は、まず自分が受験資格を満たしているか確認します。勉強する際は、「独学」「通学」「通信」といった方法がありますが、費用面や自身の生活スタイルなどを考慮したうえで、無理のない方法を選ぶことが大切です。
社会福祉士国家試験に合格するためには300時間ほどの勉強時間が必要といわれていますが、独学ではモチベーションが維持しづらかったり、講師に質問ができなかったりといったデメリットがあります。しかし、通学や通信よりも費用を抑えられる点や、時間や場所を選ばずに自分のペースで学習を進められる点は、メリットといえるでしょう。
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