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この記事のまとめ
- 実務者研修は誰でも挑戦でき、内容も基礎的なので難易度は低い資格である
- 実務者研修のカリキュラムは、20科目(450時間)ある
- 実務者研修を取得するとキャリアアップや給与アップなどのメリットがある
「介護福祉士実務者研修の学習内容って何をするの?」「実務者研修って難しいの?」と不安に思う方もいるでしょう。介護福祉士実務者研修を取得するには、20科目のカリキュラムを受講しなければなりません。この記事では、実務者研修の取得難易度やカリキュラム内容、取得するメリットを解説しています。実務者研修を取得しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
介護福祉士実務者研修とは?資格取得のメリットや初任者研修との違いを解説
介護福祉士実務者研修とは
介護福祉士実務者研修とは、介護に必要な基礎的な知識や技術について学ぶことができる介護資格です。介護福祉士実務者研修を取得することで、より適切な介護サービスを提供できるようになるでしょう。実務者研修は、スクールに通学して講座を受講することで、資格を取得できます。
介護福祉士実務者研修の取得難易度
介護福祉士実務者研修の取得難易度は低いといえます。介護福祉士実務者研修は、受講資格が定められておらず、誰でも挑戦可能です。また、修了試験の実施は義務ではありません。スクールによっては、理解度の確認のために修了試験を行う場合があるので、スクールを選ぶ際は事前に確認しておくと良いでしょう。
なお、修了試験がある場合も、しっかりと学習しておけば合格できるレベルです。不合格になったとしても、追試を受けられるスクールが多いので安心してください。
介護福祉士実務者研修のカリキュラム
介護福祉士実務者研修は、20科目450時間のカリキュラムを受ける必要があります。
科目と学習時間の目安を簡単にまとめているので、ご覧ください。
科目 | 学習時間 |
人間の尊厳と自立 | 5時間 |
社会の理解l | 5時間 |
社会の理解ll | 30時間 |
介護の基本l | 10時間 |
介護の基本ll | 20時間 |
コミュニケーション技術 | 20時間 |
生活支援技術l | 20時間 |
生活支援技術ll | 30時間 |
介護過程l | 20時間 |
介護過程ll | 25時間 |
介護過程lll(スクーリング) | 45時間 |
発達と老化の理解l | 10時間 |
発達と老化の理解ll | 20時間 |
認知症の理解l | 10時間 |
認知症の理解ll | 20時間 |
障害の理解l | 10時間 |
障害の理解ll | 20時間 |
こころとからだのしくみl | 20時間 |
こころとからだのしくみll | 60時間 |
医療的ケア | 50時間 |
合計 | 450時間 |
参考:厚生労働省「実務者研修の指定基準について(p.8)」
介護福祉士実務者研修の学習内容の多くは通信講座で学ぶことができます。しかし、介護過程IIIと医療的ケア演習のみ、通学が必須なので留意しておきましょう。通信講座を活用できるので、スキマ時間に勉強を進めることも可能。自分のスケジュールに合わせて資格の勉強ができるので、働きながら資格取得を目指す方も取得しやすいでしょう。
出典
厚生労働省「介護福祉士養成施設等における「医療的ケアの教育及び実務者研修関係」」(2024年7月30日)
介護福祉士実務者研修と介護職員初任者研修の違い
介護福祉士実務者研修と介護職員初任者研修は、カリキュラムの総時間と専門性の高さに違いがあります。初任者研修のカリキュラムは130時間。実務者研修は450時間と、カリキュラム総時間は3倍以上になります。実務者研修は学習時間が多い分、医療ケアなども勉強できるので、より専門性の高い介護の知識や技術を身につけられるでしょう。
2つの資格の共通点は、誰でも挑戦できるところです。段階的に学習したい方は、初任者研修から取得するのも良いでしょう。
なお、実務者研修の内容は初任者研修と重複しているところがあるため、すでに初任者研修を取得している方は実務者研修の一部科目(130時間)が免除されます。詳しくは、「保有資格によっては科目が免除される」で後述するので、最後までご覧ください。
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介護福祉士実務者研修のカリキュラム内容
ここでは、厚生労働省の「介護福祉士養成施設における医療的ケアの教育及び実務者研修関係(p.25)」をもとに、介護福祉士実務者研修のカリキュラム内容を解説しています。「どんな勉強をするのか知りたい」という方は、ぜひご一読ください。
人間の尊厳と自立(5時間)
人間の尊厳と自立では、障がいのある方や高齢の方、健康な方が平等な立場で共存できる社会のあり方について考えます。
学習内容
学習内容は、「人間の尊厳と自立」です。人間や生活に必要な行動、利用者さんの多様性への理解について学習します。介護業務に携わるには、人権の尊厳や歴史について理解を深めることも大切です。自立支援の必要性や目的、尊厳を遵守するための介護の課題、個人情報保護法を学びます。
到達目標
- 尊厳の保持や自立・自律の支援、ノーマライゼーション、利用者さんのプライバシーの保護、権利擁護など介護の基本的な理念を理解すること
社会の理解l(5時間)
社会の理解lでは、介護を必要とする方への社会の理解や介護保険制度について学びます。
学習内容
社会の理解lで学習するのは、「介護保険制度」に関する内容です。介護保険の目的や基本理念、サービス内容、要介護認定から介護サービスの利用までのプロセスを学習。介護保険制度における介護職員の役割や職種との連携について理解を深めます。
到達目標
- 介護保険制度の体系と目的、介護サービスの種類と内容、サービス利用までの流れ、専門職の役割などを理解し、利用者さんにアドバイスできるようになること
社会の理解ll(30時間)
社会の理解llでは、「要介護者の家族や地域、社会などが連携して生活支援を行うことが重要である」という理解を深めます。
学習内容
社会の理解llの学習内容は、「生活と福祉」「社会保障制度」「障害者自立支援制度」「介護実践に関連する諸制度」です。生活と福祉の観点から、家族の構造やライフスタイルの変化、集団での生活について学習。社会保障制度や障害者自立支援制度の目的、サービス内容、財源に対する理解をさらに深めるとともに、成年後見制度や高齢者虐待防止法、児童虐待防止法、医療に関する制度についても学びます。
到達目標
- 家族や地域、社会との関連から生活と福祉をとらえることができるようになること
- 社会保障制度の発達や体系、財源などについての基本的な知識を修得していること
- 障害者自立支援制度の体系や目的、サービスの種類と内容、利用までの流れ、利用者負担、専門職の役割などを理解し、利用者さんに助言できるようになること
- 成年後見制度や生活保護制度、保健医療サービスなど介護実践に関連する制度の概要を理解していること
介護の基本l(10時間)
介護の基本lでは、介護福祉士制度の歴史や虐待防止に関する法制度、介護福祉士の職業倫理について学びます。
学習内容
介護の基本lの学習内容は、「介護福祉士制度」「尊厳の保持、自立に向けた介護の考え方と展開」「介護福祉士の倫理」です。介護福祉士の歴史や業務範囲、役割、キャリアパスへの理解を深め、利用者さんの尊厳を保持して自立した介護を行う方法を学習します。介護福祉士の職業倫理や行動規範についての学びも欠かせません。
到達目標
- 介護福祉士制度の沿革、法的な定義・業務範囲・義務などを理解していること
- 個別ケアやICF(国際生活機能分類)、リハビリテーションなどの考え方を踏まえ、尊厳の保持、自立に向けた介護を展開するプロセスなどを理解していること
- 介護福祉士の職業倫理、身体拘束禁止・虐待防止に関する法制度などを理解し、倫理を遵守していること
介護の基本ll(20 時間)
介護の基本llでは、介護を必要とする方の生活状況を把握して、適切な介護サービスを提供するための知識や技術を学びます。
学習内容
介護の基本llの学習内容は、「介護を必要とする人の生活の理解と支援」「介護実践における連携」「介護における安全の確保とリスクマネジメント」「介護福祉士の安全」です。
その人らしい介護や障がいのある方に対する介護、介護が必要な方の生活環境への理解を深めます。関係部署と連携するための調整能力の重要性や事故防止、感染管理など安全を確保するための知識も習得。また、介護職員が身体の安全を確保するために労働環境について学びます。
到達目標
- 介護を必要とする高齢者や障がいのある方などの生活を理解し、ニーズや支援の課題を把握することができること
- チームアプローチに関わる職種や関係機関の役割、連携方法に関する知識を修得していること
- リスクの分析と事故防止、感染管理など介護における安全確保に関する知識を修得していること
- 介護福祉士の心身の健康管理や労働安全対策に関する知識を修得している
コミュニケーション技術(20時間)
コミュニケーション技術では、介護を必要とする方やそのご家族とのコミュニケーションについて学びます。
学習内容
コミュニケーション技術の学習内容は、「介護におけるコミュニケーション技術」「介護場面における利用者さん・ご家族とのコミュニケーション」「介護におけるチームのコミュニケーション」です。利用者さんとの話し方や感情の読み取り方、悩みや意見の引き出し方など、ケアを行ううえで必要なコミュニケーション方法を学習します。利用者さんやご家族だけではなく、職員間の情報の管理や共有についても学ぶことも必須です。
到達目標
- 利用者さんやご家族とのコミュニケーション、相談援助の技術を修得していること
- 援助関係を構築し、ニーズや意欲を引き出せること
- 利用者さんの感覚、運動、認知等などの機能に応じたコミュニケーションの技法を選択し、活用できるようになること
- 状況や目的に応じた記録、報告、会議などで情報の共有化ができること
生活支援技術l(20時間)
生活支援技術lでは、身体介護の基礎や福祉用具の活用などについて学習します。
学習内容
生活支援技術lの学習内容は、「生活支援とICF」「ボディメカニクスの活用」「介護技術の基本」「環境整備や福祉用具活用などの視点」です。基本的な介護技術や生活支援、利用者さんの居住環境の整備への理解を深めるとともに、福祉用具を活用して利用者さんの生活環境を改善していく技術を養います。介護技術の基本として求められるものは、移動・移乗や食事、入浴、清潔保持、排泄、着脱、整容、 口腔清潔、家事援助などの技術です。
到達目標
- 生活支援における ICF の意義と枠組みを理解していること
- ボディメカニクスを活用した介護の原則を理解し、実施できること
- 介護技術の基本(移動・移乗、食事、入浴・清潔保持、排泄、着脱、整容、口腔清潔、家事援助など)を修得していること
- 居住環境の整備や福祉用具の活用などにより、利用者さんの環境を整備する視点・留意点を理解していること
生活支援技術ll(30時間)
生活支援技術llでは、移動や移乗の介護、食事や入浴、排泄の介助技術・清潔保持の介護など、利用者さんの心身の状態に合わせた介護技術を学びます。
学習内容
生活支援技術llの学習内容は、「利用者さんの心身の状況に 合わせた介護や福祉用具などの活用」です。環境整備 や移動・移乗 、食事 、入浴、清潔保持 、排泄などの基本的な介護を利用者さん一人ひとりに合わせてケアを行えるように知識や技術を学習します。
到達目標
- 移動・移乗や食事、入浴・清潔保持、排泄、着脱、整容、口腔清潔、睡眠、終末期の介護において利用者さんの心身の状態に合わせた介護、福祉用具などの活用、環境整備を行うことができること
介護過程l(20時間)
介護過程lでは、「利用者さんがその人らしい生活が送れるようになる」ことを目標に、介護計画を組み立てる知識と技術を学びます。
学習内容
介護過程lの学習内容は、「介護過程の基礎的知識」「介護過程の展開」「介護過程とチームアプローチ」です。介護の本質や課程への理解を深め、利用者さん一人ひとりに適切なケアを提供できるように介護計画の立て方や実施、評価方法について学習します。ケアマネジメントの意味や、チームケアの必要性について理解を深めることも欠かせないでしょう。
到達目標
- 介護過程の目的や意義、展開などを理解していること
- 介護過程を踏まえ、目標に沿って計画的に介護を行うこと
- チームで介護過程を展開するための情報共有の方法や各職種の役割を理解していること
介護過程ll(25時間)
介護過程llでは、「利用者さんがその人らしい生活が送れること」を目標とした介護過程lをさらに発展させて、段階的に介護を提供するための知識や技術を学びます。
学習内容
介護過程llの学習内容は、「利用者さんの状態(障がいや要介護度、医療依存度、居住の場、家の状況など)について事例を設定し、介護過程を展開させること」「観察のポイントや安全確保・事故防止、家族支援、他機関との連携などについて考察させること」です。介護過程の展開を具体的な実例とともに学習。介護過程lをさらに発展させて、その人らしい生活が送れることを目標にした段階的介護提供のために、「情報収集→生活の質の評価→介護計画の立案→実施→モニタリング」の知識と技術について学びます。
到達目標
- 情報収集やアセスメント、介護計画立案、実施、モニタリング、介護計画の見直しを行うことができるようになること
介護過程lll(45時間)
介護過程lllでは、介護過程l・介護過程llで学んだ内容を確実に習得し、活用していくための実践能力を養います。
学習内容
介護過程lllの学習内容は、「介護過程の展開の実際」「介護技術の評価」です。さまざまな利用者さんの事例を設定し、介護過程を展開させるとともに、知識や技術を総合的に活用し分析力・応用力を評価します。介護技術の原理原則の修得・実践とともに、知識・技術を総合的に活用した判断力や応用力評価について学習。介護過程l、介護過程llで学んだ内容を確実に習得し活用していくために、実際に介護を行い実践能力を養うスクーリングのカリキュラムです。
到達目標
- 実務者研修課程で学んだ知識・技術を確実に修得し、活用できること
- 知識・技術を総合的に活用し、利用者さんの心身の状況などに応じて介護過程を展開し、系統的な介護(アセスメント、介護計画立案、実施、モニタリング、介護計画の見直しなど)を提供できるようになること
- 介護計画を踏まえ、安全確保や事故防止、ご家族との連携と支援、他職種・他機関との連携を行うことができること
- 知識・技術を総合的に活用し、利用者さんの心身の状況などに応じた介護を行えるようになること
発達と老化の理解l(10時間)
発達と老化の理解lでは、老化がおよぼす心理的・身体的な影響について学びます。
学習内容
発達と老化の理解lの学習内容は、「老化にともなう心の変化と日常生活への影響」「老化にともなうからだの変化と日常生活への影響」です。老化が及ぼす心理的な影響や利用者さんの生きがいへの影響について理解するとともに、「姿勢の変化」「皮膚の変化」「免疫機能の変化」など、老化がおよぼす身体的な影響について学習します。
到達目標
- 老化にともなう心理的な変化の特徴と日常生活への影響を理解していること
- 老化にともなう身体的機能の変化の特徴と日常生活への影響を理解していること
発達と老化の理解ll(20時間)
発達と老化の理解llでは、利用者さんがその人らしい納得のいく最期を迎えることが出来るよう、「発達の定義」について学習します。
学習内容
発達と老化の理解llの学習内容は、「人間の成長・発達」「老年期の発達・成熟と心理」「高齢者に多い症状・疾病などと留意点」です。発達の定義や発達過程の理解を深め、老化による心理的な問題やストレスの緩和、高齢者によくある症状と支援する際の注意点について学びます。
到達目標
- 発達の定義や発達段階、発達課題について理解していること
- 老年期の発達課題、心理的な課題と支援の留意点について理解していること
- 高齢者に多い症状・疾病などと支援の留意点について理解していること
認知症の理解l(10時間)
認知症の理解lでは、認知症が生活におよぼす障がいや心理状態、認知症を患っている方やその家族への関わり方を学びます。
学習内容
認知症の理解lの学習内容は、「認知症ケアの理念」「認知症による生活障がい、心理・行動の特徴」「認知症の人とのかかわり・支援の基本」です。認知症ケアの理念や認知症の心理的・行動的な症状、認知症を患っている方との接し方について学習します。
到達目標
- 認知症ケアの取組の経過を踏まえ、今日的な認知症ケアの理念を理解していること
- 認知症による生活上の障がい、心理・行動の特徴を理解していること
- 認知症の人やその家族に対する関わり方の基本を理解していること
認知症の理解ll(20時間)
認知症の理解llでは、認知症に関する医学的な知識や地域の支援体制を活用するためのノウハウを学びます。
学習内容
認知症の理解llの学習内容は、「医学的側面から見た認知症の理解」「認知症の人や家族への支援の実際」です。認知症にともない、どのような障がいがあるのか、進行にともなう変化、治療に関する医学的知識を学習。また、認知症を患っている方やそのご家族が暮らす住環境についての評価を行い、状況に合わせたサポートを提供する能力や地域の支援体制を活用するためのノウハウを学びます。
到達目標
- 代表的な認知症(若年性認知症を含む)の原因疾患や症状、障がい、認知症の進行による変化、検査・治療などの医学的知識を理解していること
- 認知症を患う方の生活歴や疾患、ご家族・社会関係、居住環境などについて調査し、その況に合わせた支援ができること
- 地域におけるサポート体制を理解し、支援に活用できること
障害の理解l(10時間)
障害の理解lでは、障がいについての概念やこれまでの障がい者福祉の歴史をふまえ、先進的な障がい者福祉の理念を学びます。
学習内容
障害の理解lの学習内容は、「障がい者福祉の理念」「障がいによる生活障がいや心理・行動の特徴」「障がい児者や家族へのかかわり・支援の基本」です。障がい者福祉や障がいがある方の心理・行動に対する理解を深め、支援方法を学習します。
到達目標
- 障がいの概念の変遷や障がい者福祉の歴史を踏まえ、今日的な障がい者福祉の理念を理解していること
- 障がい(身体・知的・精神・発達障がい・難病など)による生活上の障がい、心理・行動の特徴を理解していること
- 障がい児者やその家族に対する関わり・支援の基本を理解していること
障害の理解ll(20時間)
障害の理解llでは、障がいの理解lで学んだ内容をさらに深掘りします。
学習内容
障害の理解llの学習内容は、「医学的側面からみた障がいの理解」「障がい児者への支援の実際」です。障がいの種類や原因、身体機能面の医学的な知識を習得します。また、障がいのある方やその家族が暮らす住環境についての評価を行い、どのような生活上の問題があるのか把握し、状況に合わせたサポートを提供するスキルを習得。地域のサポート体制を活用するためのノウハウを学びます。
到達目標
- 多様な障がいの種類・原因・特性、障がいにともなう機能の変化などの医学的知識を修得していること
- 障がい児者の障がい、家族・社会関係、居住環境などについてアセスメントし、その状況に合わせた支援ができること
- 地域におけるサポート体制を理解し、支援に活用できること
こころとからだのしくみl(20時間)
こころとからだのしくみlでは、介護に役立つ精神と身体の機能に関する基本的なことを学びます。
学習内容
こころとからだのしくみlの学習内容は、「介護に関係した身体の仕組みの基礎的な理解」です。移乗や食事、入浴、排泄、清掃保持など基本的な介護を行ううえで必要な人体の構造や仕組みについて学習します。
到達目標
- 介護に関係した身体の構造や機能に関する基本的な知識を修得していること
こころとからだのしくみll(60時間)
こころとからだのしくみllでは、人間の基本的な欲求や心理、人体の構造と機能についての基本知識などを学習します。
学習内容
こころとからだのしくみllの学習内容は、「人間の心理」「人体の構造と機能」「身体の仕組み、心理・認知機能などを踏まえた介護におけるアセスメント・観察のポイント、介護・連携などの留意点」です。人の基本的欲求や記憶など心理や生命の維持、人体の仕組み、ボディメカニクスなどを学びます。心理面や認知機能についての知識をもとに、要介護者の生活評価と観察介護、他業種と連携した対応力を養うためのカリキュラムです。
到達目標
- 人間の基本的欲求や学習・記憶などに関する基礎的知識を修得していること
- 生命の維持・恒常や人体の部位、骨格・関節・筋肉・神経、ボディメカニクスなど人体の構造と機能についての基本的な知識を修得していること
- 身体の仕組みや心理・認知機能などの知識を活用し、アセスメントや観察、介護、他職種との連携が行えること
医療的ケア(50時間)
医療的ケアでは、医療的ケアを安全に実施するための基本的知識や医療ケアに関する法律や倫理を学びます。
学習内容
医療的ケアの学習内容は、「医療的ケア実施の基礎」「喀痰吸引(基礎的知識・実施手順)」「経管栄養(基礎的知識・実施手順)」「演習」です。喀痰吸引や経管栄養の概要、実施方法を学習します。ほかにも、利用者さんの健康管理や緊急対応、感染予防などを習得。医療ケアは実技研修を行う必要がある科目です。
到達目標
- 医療的ケアを安全・適切に実施するために必要な知識・技術を修得すること
出典
厚生労働省「介護福祉士養成施設等における「医療的ケアの教育及び実務者研修関係」」(2024年7月30日)
介護福祉士実務者研修の取得にかかる期間
介護福祉士実務者研修の取得にかかる期間は2~6ヶ月程度です。スクールに通う頻度や保有資格によって取得までの期間が異なります。
無資格から取得する場合は6ヶ月程度
無資格から介護福祉士実務者研修を取得する場合、450時間のカリキュラムをすべて受講しなければならないので、6ヶ月ほどかかる傾向があります。スクールに通う頻度を増やすことで、期間を短縮することもできるでしょう。
保有資格によっては科目が免除される
介護職員初任者研修を取得している方は、130時間分の講座が免除されます。受講時間が320時間になるので、最短2ヶ月で取得することも可能です。ほかにも、旧ホームヘルパー1級は355時間、2級は130時間、介護職員基礎研修は400時間の講座が免除されます。
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実務者研修の費用はいくら必要?無料で介護資格を取得する方法はあるのか
介護福祉士実務者研修を取得するメリット
介護福祉士実務者研修を取得するとキャリアアップに繋がったり、給料がアップしたりするなどのメリットがあります。以下で、介護福祉士実務者研修を取得するメリットを詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
キャリアアップにつながる
サービス提供責任者(サ責)になるための要件の一つに、介護福祉士実務者研修資格の取得があります。実務者研修を取得することで、サービス提供責任者を目指せるようになり、キャリアアップにつながるでしょう。また、実務者研修の資格を取得しておくと、転職で有利になる可能性があります。
介護の知識やスキルが身につく
介護福祉士実務者研修を取得することで、介護の正しい知識やスキルを身につけられます。知識やスキルが身につくことで仕事の幅が広がったり、自分の仕事に自信をもって取り組めるようになったりします。さらに、適切な介助技術を身につけると介護者や利用者さんへの身体的な負担を軽減できるほか、利用者さんへ安全な介護を提供できるようになるでしょう。
経管栄養や喀痰吸引などの医療ケアに関する知識が身につく
実務者研修を取得すると経管栄養や喀痰吸引などの医療ケアに関する知識が身につくため、職場でも頼りにされるでしょう。経管栄養や喀痰吸引をするには、医療的な知識や技術が必要です。実務者研修を取得すれば医療的ケアに関する知識は身につきますが、実際に行うには実地研修が必須。喀痰吸引ができるようになるには、「喀痰吸引等研修」を受けるか、病院や施設に実地研修を申し込む必要があります。なお、実地研修後に社会福祉振興・試験センターへ登録するのを忘れないようにしましょう。
資格手当が支給される
資格手当が支給される職場であれば、実務者研修の取得により給料アップが狙えるでしょう。厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.157)」によると、介護職員(常勤・月給)の保有資格別の平均給与は以下のとおりです。
保有資格 | 平均給与 |
無資格 | 268,680円 |
介護職員初任者研修 | 300,240円 |
介護福祉士実務者研修 | 302,430円 |
介護福祉士 | 331,080円 |
社会福祉士 | 350,120円 |
介護支援専門員(ケアマネージャー) | 376,770円 |
参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.157)」
無資格の方が実務者研修の資格を取得すると、3万円以上も給与がアップします。年収で計算すると40万円ほど収入が上がる見込みです。上位の資格を取得するほど給与が上がる可能性があります。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2024年7月30日)
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介護福祉士実務者研修は働きながら取れるの?資格を取得する方法を解説
実務者研修は介護福祉士を取得するのに欠かせない資格
介護福祉士実務者研修は、介護福祉士を取得するのに欠かせない資格です。介護福祉士を取得するルートはいくつかありますが、働きながら資格取得を目指す「実務経験ルート」では、介護福祉士実務者研修の取得と3年以上の実務経験が求められます。
介護福祉士の資格を持っていると、実務者研修よりも高い金額の資格手当がもらえたり、転職の際に有利に働いたりすることも。介護業界での長期的な活躍を考えている方は、介護福祉士資格の取得がおすすめです。前もって受験資格である実務者研修を取得しておけば、介護福祉士の試験勉強に集中できるでしょう。
出典
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「[介護福祉士国家試験]受験資格」(2024年7月30日)
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介護福祉士実務者研修についてよくある質問
介護士福祉士実務者研修についてよくある質問に回答します。実務者研修の取得を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
実務者研修の資格を取得するとできる仕事って何?
介護福祉士実務者研修を取得することで携われる仕事は、サービス提供責任者(サ責)です。実務者研修は、サービス提供責任者の要件になっているので、資格を取得することで挑戦が可能になります。サービス提供責任者の要件は、「サービス提供責任者に資格は必要!要件と取得方法、サ責の仕事内容を解説」の記事で解説しているのでご覧ください。
また、実務者研修は初任者研修と違い、医療的ケアがカリキュラムに含まれるので、仕事の幅が広がり介護職としてできる仕事も増えるでしょう。
介護福祉士実務者研修の実技試験の内容はどんなものなの?
介護福祉士実務者研修の実技試験は、グループワークやロールプレイを通じて、利用者さんのアセスメントや介護計画の作成、ケアの実践、モニタリング、他職種との連携などを理解できているかチェックされます。なお、個別で試験を受けることもあるようです。ほかにも、医療的ケアの実技試験では、シミュレーターで喀痰吸引や経管栄養、救急蘇生法の実践。実技試験はスクーリングの最終日に行われます。
まとめ
介護福祉士実務者研修は、誰でも挑戦できる資格で、基本的な介護の知識やスキルを身につけることができます。カリキュラムの内容は、「人間の尊厳と自立」「介護の基本l~ll」「介護過程l~lll」「医療的ケア」など、計450時間20科目です。介護職初心者向けの資格である介護職員初任者研修の130時間10科目と比べると、やや専門性が高い知識が身につくカリキュラムといえるでしょう。
介護福祉士実務者研修を取得すると、キャリアアップにつながったり、介護の知識やスキルが身についたりします。ほかにも、「医療ケアの知識が身につく」「給料がアップする」などメリットが豊富です。
介護福祉士実務者研修の取得を考えている方は、「レバウェル介護(旧きらケア)」にご登録ください。レバウェル介護(旧きらケア)は、介護業界に特化した転職エージェントです。プロのアドバイザーが資格取得支援制度のある求人やあなたの条件に合う求人をご紹介いたします。介護職のキャリアプランの相談も可能です。求人探しから入職後のフォローまで一貫したサポートを実施しているので、安心してご相談ください。
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