
この記事のまとめ
- 介護福祉士の退職理由は、出産や育児による生活の変化や、職場環境への不満
- 介護福祉士が円満に退職するためには、手順を理解しておくと良い
- 効率良く転職活動を進めるためには、自分に合う仕事を考えておくことが大切
介護福祉士は、日常生活で介護が必要な方がスムーズに生活を送れるよう、食事や移動などの身体介護や、炊事洗濯などの生活援助のほか、幅広いサポートに従事。とてもやりがいのある仕事ですが、介護福祉士のなかには、生活環境の変化や人間関係のストレスなど、さまざまな事情で退職を考える人もいます。
当記事では、介護福祉士の退職理由や、スムーズな転職のためのポイントなどを詳しくご紹介します。
介護福祉士の退職理由
介護福祉士の退職理由には、個人的な事情や職場環境など、さまざまなものがあります。詳しく見ていきましょう。
結婚・出産・育児
介護福祉士は、女性の割合が多い職業です。そのため、結婚や出産などのライフイベントや、育児などの生活の変化に伴い、働き方を変える人が増えています。
職場環境
介護福祉士は、夜勤のある職場がほとんどです。労働環境や勤務時間が自分の生活リズムと合わず、深く疲労を感じてしまうことも。入浴介助やレクリエーションの実施、散歩の付添いなど、体力を要する業務が多く、体力面でついていけずに辞めてしまう人が多いようです。
人間関係
介護福祉士の仕事は、ご家族や近隣住民など、介護の必要の方の周囲の人との関わりも必要になってきます。その中で良好な対人関係を維持し続けることに、精神的な負担やストレスを感じてしまう人も少なくありません。
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円満に退職するための手順
次に、現在の職場を円満に退職するために押さえておきたい手順を確認していきましょう。
1.就業規則を確認しておく
法律上、退職の2周間前に退職の意思表示をする必要があります。ただし、企業によって退職届の期限が異なるので、よく就業規則を確認しておきましょう。
2.上司に退職の意思を伝える
退職の意思は、同僚や先輩などに話す前に、まずは直属の上司に伝えるようにします。また、伝えるタイミングは、忙しい朝や夕方ではなく、ゆっくり話す時間がとれる昼休みが良いでしょう。
退職理由の伝え方
上司に退職理由を伝える場合、会社に関係するネガティブな発言は避けるようにしましょう。たとえば、過酷な労働環境や賃金の安さ、同僚や上司とのトラブルなど、「今の環境に対しての不満」と捉えられるようなものは、口に出さないのが賢明です。それよりも、「今後のキャリアアップのため」や、「他にもっとやりたいことができた」など、前向きな理由を述べ、礼儀として現在の会社で得た学びや経験を感謝する旨を伝えましょう。
3.転職先への出社日を報告する
正式に退職が決まると、仕事の引き継ぎ期間と退職日が設けられます。転職先が決まっている場合、退職日が決まったらすぐに連絡しましょう。内定が通知された日から2ヶ月以内に出社しない場合、内定を取り消されてしまう可能性もあるので注意してください。
4.引継ぎは抜かりなく行う
退職の前は、通常業務のほかに引継ぎ業務も平行して行うので、多忙にはなりますが、会社に迷惑をかけないためにもしっかりと引継ぎましょう。何日あれば退職日に間に合うように引継ぎ事項をこなせるか、確認して綿密にスケジュールを立てるとスムーズです。余裕を持ち、退職日から2~3日前には引継ぎが全て終わっていると良いでしょう。
5.会社からの返却物と受け取るものを確認する
退職する前に、「健康保険被保険者証」や社員証、会社から支給されたIT機器など、返却物をしっかり確認し、必ず退職日に返却しましょう。また、会社から「雇用保険被保険者証」「年金手帳」「源泉徴収票」や、失業給付金の手続きで必要な「離職票」などを受取ります。
手続き上、退職日当日に受けることができない書類もあるので、自分が会社から何を受け取る必要があるのか事前によく確認しておきましょう。
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転職活動をはじめる前にやっておきたいこと
スムーズで効率の良い転職活動を実行するために、事前に自分ができることを準備しておきましょう。以下、転職活動をはじめる前にやっておいた方が良いことの一例です。ぜひご参考にしてください。
自分に合った仕事を考える
今の職場を退職するに至った原因を振り返り、自分にはどんな会社や仕事が合っているのかをよく考えてみましょう。ただ闇雲に求人を探しても、有意義な転職活動にはなりません。自分をよく知り、自分が長期間気持ちよく働けそうな会社、仕事を選びましょう。
資格を取得する
もし自分が希望する職種や会社の応募規定が、一定の資格を条件としているものだったとしたら、その資格を取得しておきましょう。退職をする前に、その資格を取得するためにどれくらい時間がかかるのか計算し、計画的に資格の勉強をしておくと良いです。
また、資格の保有が応募条件に無く「持っていると有利」という場合でも、念の為資格を取得しておくと、気持ちの面でも余裕をもって転職活動ができるでしょう。
求人情報を収集する
自分に合った条件の職場を見つけるためにも、求人活動を余念なくおこないましょう。インターネットや新聞、ハローワークを使って求人情報を集めることができます。その中で気になった会社は、自社のWebサイトや説明を通して、経営理念や業務内容などをしっかり把握しておきましょう。
また、転職エージェントでは、個別ヒアリングや求人紹介などさまざまなサービスを実施しています。自分一人で転職活動をすることが不安だという方は、ぜひエージェントを利用してみましょう。
履歴書や面接の準備をする
選考にそなえ、書類選考で使用する履歴書の準備や、面接対策は入念におこないましょう。履歴書は会社に自分自身の経歴や資質をアピールする大切な書類なので、自分の魅力が伝わるように工夫します。
転職活動の面接では、退職理由や前の職場での働きについて聞かれることがあるので、事前に質問を想定して答え方を準備しておきましょう。
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転職時の退職理由の答え方
それでは、転職活動時に面接で退職理由を答えられた際の答え方のコツをご紹介します。
前の職場について悪く言わない
大切なことは、面接官に自身のネガティブな印象を与えないことです。前の職場のことを悪く話すと、「普段から不満や文句の多い人なのか」と捉えられてしまう恐れもあります。また、人間関係のこじれなどを詳しく述べるのも、「この人の人格にも問題があるのかもしれない」と疑われてしまうので避けましょう。
退職理由はポジティブに変換する
退職理由は、なるべくポジティブに変換して伝えます。例えば、「職場の労働環境が合わずに転職を考えた」場合は、「新しいことに挑戦したかった」「キャリアアップを考えて転職を考えた」など、前向きに変換して表現しましょう。
退職理由を志望動機につなげる
また、自分が退職した理由が前向きなものでなかったとしても、それを志望動機につなげることで前向きに表現できる場合があります。どんな会社でも不満はつきもの。不満が出るたびに退職をしていては、同じことの繰り返しになってしまいます。
「またうちでも不満が出たらやめてしまうのでは」と思われないためにも、自分が「前職で不満を感じた理由」を振り返り、「本当はどんな働き方をしたかったのか」知るきっかけになった、というように繋げると、前向きで主体性のある印象になるでしょう。
まとめ
介護福祉士が退職する原因には、「結婚や出産に伴う家庭環境の変化」「職場の労働環境」「人間関係」などが挙げられます。退職する場合は、職場に迷惑をかけないよう、余裕をもって退職意思を伝え、引継ぎをしっかり行うようにしましょう。
転職を検討している方は、次の職場を探す前に自分の希望を分析し、しっかりと情報収集をした上で求人に応募すると良いでしょう。
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介護福祉士の退職に関する質問
ここでは、介護福祉士の退職に関する質問をQ&A形式でお答えします。
介護福祉士を辞めるときはどのように伝えれば良い?
退職の理由は、前向きな姿勢で伝えることが大切です。現職に不満があったとしても、ネガティブな理由をそのまま伝えるとトラブルにつながる恐れがあります。介護福祉士を退職するときは、「転職先で成し遂げたいことがある」というように、ポジティブな言葉を用いるようにしましょう。
介護福祉士の退職理由は嘘をついても大丈夫?
退職理由で嘘をつくのは避けるのが無難です。転職先が現職と関わりがないとは言い切れません。上司同士が知り合いだったり、通勤途中で姿を見られたりすると、嘘が発覚する可能性もあります。言い回しを工夫すれば、嘘をつかなくても退職理由を伝えられるでしょう。
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