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Channel: レバウェル介護 介護職向けお役立ち情報(旧 きらッコノート)
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老老介護とは?原因と対策方法を解説します!

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妻が車イスから高齢の夫を立ち上がらせようとしているイメージ

高齢化が進む日本では、介護する方とされる方の両方が高齢者という「老老介護」が増加し、深刻な社会問題となっています。老老介護は、介護者の負担が大きかったり、介護される側の安全性が確保しにくかったりするなど、さまざまなリスクがあるのが現状です。本記事では、老老介護の原因や問題点、対策について解説します。介護業界や介護職に興味のある方は、ぜひご一読ください。

老老介護とは?

老老介護とは「高齢者が高齢者を介護すること」を指す言葉です。内閣府の「令和3年版高齢社会白書 2 健康・福祉」によると、要介護者と同居している「60歳以上の介護者」の割合は、男性では72.4%、女性は73.8%。介護者の性別については全体の7割弱が女性で、配偶者である妻が夫を介護するケースが多いことが分かりました。

なぜ老老介護になるのか?

老老介護になる原因として、まず核家族化の進行が考えられます。現代では少子化や生活スタイルの変化により、親世代と子世代が別々に暮らすことは珍しくなくなりました。特に都心部ではその傾向が強く、老老介護に拍車がかかっているといわれています。

また、日本の平均寿命が延び長寿社会が進んでいることも、老老介護が増える要因の一つです。内閣府の同資料によると、日本人の平均寿命は男性が約81歳、女性が約87歳でした(2016年時点)。15年前と比べると、平均寿命が2~3年延びていることから、今後も高齢化にともなう介護需要は増えていくことが予想されます。しかし、要介護者のなかには、施設ではなく自宅で家族に介護されることを望む方も少なくありません。「他人に迷惑をかけたくない」「他人を家に入れたくない」と考える方も多いため、老老介護をせざるをえない状況を作り出しているのかもしれません。

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老老介護の問題点とは?

前述したとおり、老老介護は介護する側・される側ともに高齢者という状態です。今現在、介護者が健康でも、年齢を重ねるにつれて介護が必要になれば困ったことになってしまうかもしれません。このように、老老介護にはいろいろな問題が隠れています。この項では、老老介護の問題点について一つひとつ解説します。

1.介護者の身体的・精神的な負担が大きい

老老介護は、介護者自身の健康状態が良くなければ成り立ちません。介護をするには、第一に体力が必要です。入浴やトイレの介助、外出の付き添いなど、どれも体力を使います。介護の知識やテクニックのある現役の介護職員ならともかく、高齢の身で介護を行うのは身体的な負担が大きいといえるでしょう。

また、老老介護は、介護する側の精神的な負担も相当なものといえます。配偶者や子など、身内同士で介護をするため一見すると安心感があるように見えるかもしれませんが、身近な相手だからこその大変さもあるようです。高齢者世代には「他人の手を借りることは恥だ」「身内の介護は身内で行う」という意識を優先してしまい、ギリギリまで1人で頑張る方も少なくありません。介護者に過度なストレスや疲労が蓄積されていけば、介護にも支障をきたすようになり、いずれ老老介護は成り立たなくなってしまいます。

2.介護を代わってくれる人がいない

老老介護の状態は、「介護保険サービス」を利用していないということです。介護者が疲れていたり用事があって休みたかったりするときに、介護を代わってくれる人が見つからない事態になる恐れがあります。核家族が進んだ現代では、別居している子に介護を頼もうと思っても、それぞれの生活があるためなかなか難しい場合もあるでしょう。たとえ今は健康であったとしても、介護者が高齢であればいつ病に倒れてもおかしくはありません。そのため、老老介護を行う場合は、必要なときに介護を代わってくれる人の存在が必要不可欠といえるでしょう。

3.認認介護に進んでしまう可能性がある

老老介護は、認知症の方の介護をしている介護者も認知症になってしまうという、「認認介護」へと進んでしまうリスクも含んでいます。そもそも認知症とは、日常生活における判断力や認知機能が徐々に低下していく状態のことです。認知症のケアを行うには、周りの人が細かな変化に気づき、その人に合った適切なケアをしなければなりません。しかし、気付かないうちに介護者自身が認知症になってしまうと、日常生活に支障をきたすばかりか、適切な介護を行えなくなる可能性があり、介護する側・される側ともに危険が及びます。

老老介護のリスクを防ぐには?

老老介護で常に介護をしている場合は、自由に外出することが難しく、家に閉じこもりがちになる場合があるようです。外部との関わりが減れば、何かあったときにSOSを出しづらい状況を作ってしまう可能性もあり、あまり良い状態とはいえません。このような事態を防ぐために、どのような対処法があるのかを見ていきましょう。

地域包括センターのサポートを受ける

老老介護に関する悩みや不安を相談できるのは、「地域包括支援センター」です。住み慣れた地域を担当する保健師や社会福祉士、ケアマネージャーなどが、高齢者の方の自立支援をサポートします。介護保険サービスは、老人ホームのような入居型の施設だけではありません。デイサービスやショートステイなど、短時間・短期間だけ介護サービスを利用するという選択肢もあるので、まずはどのような選択肢があるのか知ることが重要です。

社会全体で介護者を孤立させない

前述した地域包括支援センターのように、高齢者の方を支援するシステムを活用することも大切ですが、家族や近所の方々がこまめに連絡をしたり声を掛け合ったりするだけでも、介護者の孤立を防ぐことは可能です。周囲が積極的に助け合い、地域全体で高齢者の方をサポートできる環境を作ることが大切といえるでしょう。

老老介護に関するよくある質問

ここでは、老々介護に関するよくある質問を紹介します。「老老介護の原因は?」「解決策はある?」と気になっている方は、参考にしてみてください。

老老介護になる原因は?

老老介護になる原因は、「核家族化が進行したこと」や「日本の平均寿命が延びたこと」があります。昔は3世代で暮らす世帯が多くありましたが、近年では親世代と子世代が別々に暮らすことは珍しくありません。高齢夫婦のみの世帯が増えたことに伴い、老老介護も増えたようです。また、医療の発達などにより介護が必要な期間が延びたことも、老老介護の原因といわれています。詳しく知りたい方は、この記事の「老老介護とは?」をご覧ください。

老老介護の解決策はある?

老老介護の問題を抱えている方は、地域包括支援センターへ相談しましょう。地域包括支援センターとは、地域の介護や福祉などのサポートを行っている機関で、相談内容に応じて福祉や介護サービスに繋げる役割などを担っています。地域包括支援センターへ相談することで、訪問介護やデイサービス、介護施設など、相談者に合ったサービスを提案してくれたり、必要な手続きをサポートしたりしてくれるはずです。詳しくは、「老老介護のリスクを防ぐには?」を参考にしてみてください。

まとめ

老老介護とは、介護する側も介護される側も高齢者という状態を指します。介護者が元気であればそれほど問題はないと思われがちですが、身体的・精神的な負担が大きいことは事実です。周りに頼れる存在がいたほうが安心といえるでしょう。
老老介護のリスクを減らすには、介護職員の存在が必要不可欠です。しかしながら、少子高齢化の進む日本では、介護人材が不足傾向にあります。介護職は「何となく大変そう」というイメージから、まだまだ人員がニーズに追いついていないのが現状。国として介護職員の処遇改善や、介護人材育成に力を入れて対策を講じているところです。そのため、今後介護職を取り巻く環境はさらに良くなることが期待できるので、少しでも介護に興味のある方は、介護職員として働くことを選択肢の一つに入れてみてください。
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