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廃止される介護療養型と医療療養型の違いは?新設の介護医療院の特徴も解説

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医療に対する記事のメイン画像療養型 介護療養型 違い

この記事のまとめ

「介護療養型医療施設と医療療養型病院の違いがよく分からない…」という方もいるでしょう。介護療養型医療施設と医療療養型病院の違いは、適用される保険の種類や人員配置基準などです。なお、介護療養型医療施設は2024年3月に廃止されました。この記事では、介護療養型医療施設と医療療養型病院の特徴や、新たに新設された「介護医療院」について解説します。介護業界に興味がある方はぜひご一読ください。

介護療養型と医療療養型の違い

療養型の施設(療養病床)には、「介護療養型医療施設(介護療養病床)」と「医療療養型病院(医療療養病床)」があります。以下で、それぞれの特徴をまとめました。

介護療養型医療施設医療療養型病院
適用される保険の種類介護保険医療保険
医師の配置基準3名以上(利用者さん48名につき1名)3名以上(利用者さん48名につき1名)
看護師・准看護師の配置基準利用者さん6名に対して1名以上利用者さん4名に対して1名以上
看護補助者の配置基準なし利用者さん4名に対して1名以上
介護職員の配置基準利用者さん6名に対して1名以上なし
利用の対象となる人医学的管理のもとの介護が必要で、長期療養を行う人入院して長期療養を行う人

参考:厚生労働省「医療療養病床(20対1・25対1)と介護療養病床との比較(p.1)

医療療養型病院は、看護職員1人当たりの利用者さんの人数が少なく、より手厚い医療ケアを行うことができます。また、介護職員の配置基準が定められていません。一方で、介護療養型医療施設は、看護職員1人当たりの利用者さんの人数が医療療養型病院より多く、介護職員の配置が必須です。

介護療養型医療施設とは?

介護療養型医療施設とは、病状が安定期に入っているものの、医療処置が必要な要介護1以上の人に対して、医療ケアや介護を行う長期療養型の介護施設です。介護療養型医療施設には「介護保険」が適用されるので、介護サービスが充実しています。

介護療養型医療施設の人員配置

介護療養型医療施設の人員配置は、医師が3名以上(48:1)、看護師と介護職員はそれぞれ利用者さん1名につき6名です

なお、医療ケアが充実している介護老人保健施設(老健)の人員配置は、医師1名、看護師と介護職員合わせて利用者さん3名につき1名(※そのうち看護師を2/7程度が標準)となっています。比較すると、介護療養型医療施設のほうが医師の配置人数が多く、医療ケアの手厚さがうかがえます。

介護療養型医療施設の利用対象者

先述のとおり、介護療養型医療施設の利用対象となるのは、要介護1以上の高齢者です。
厚生労働省の「医療療養病床(20対1・25対1)と介護療養病床との比較(p.5)」によると、介護療養型医療施設の利用者さんの介護度は、要介護度5が53.6%、要介護度4が31.8%となっています。要介護度4以上の利用者さんが8割を超えているので、介護療養型医療施設の利用者さんの介護度は高いといえるでしょう。

医療療養型病院とは?

医療療養型病院とは、慢性期の患者さんに対して、医療ケアやリハビリといったサポートを行う長期療養型の医療機関です。医療療養型病院で適用される保険は「医療保険」なので、介護保険が適用される介護療養型医療施設と比べて、医療ケアが手厚いのが特徴です。

医療療養型病院の人員配置

医療療養型病院の人員配置は、医師3名以上(48:1)、看護師と看護補助者は利用者さん4名につきそれぞれ1名必要です。前述のとおり、介護療養型医療施設には介護職員の配置基準がありますが、医療療養型病院にはありません。

なお、一般病棟の人員配置は、医師3名以上(16:1)、看護職員は患者さん3名につき1名です。一般病棟に比べると医師や看護師の配置が少ないものの、介護療養型医療施設よりも医療ケアが充実していることが分かります。

医療療養型病院の利用対象者

医療療養型病院の利用対象となるのは、長期療養が必要な患者さんです。
厚生労働省の「医療療養病床(20対1・25対1)と介護療養病床との比較(p.5)」によると、医療療養型病院の患者さんの介護度は要介護度5が20%台、要介護度4が10%台で、介護保険の申請をしていない方も多くいます。医療療養型病院の患者さんは、介護療養型医療院の利用者さんより要介護度が低く、医療区分が高い傾向にあるのが特徴です。

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介護療養型医療施設は廃止されるって本当?

介護療養型医療施設は、2024年3月に廃止されました。ここでは、介護療養型医療施設が廃止されることになった経緯をまとめました。

医療療養型病院との大きな差が見られなかった

介護療養型医療施設が廃止される原因の一つは、厚生労働省が実施した実態調査(2006年)の結果、介護療養型医療施設と医療療養型病院を利用する方の状況に大きな差が見られなかったことです。

先述のとおり、介護療養型医療施設と医療療養型病院には、利用できる保険や看護師・介護職員の配置基準などが細かく定められています。しかし、蓋を開けてみると、利用者さんの医療依存度の高さは同程度となり、明確な棲み分けができていない実態がありました。

介護療養型医療施設を廃止し療養病床の棲み分けを促進

2006年の医療保険制度改革、診療報酬・介護報酬同時改定により、介護療養型医療施設の廃止が決定。主に医療を必要とする方は医療療養型病院へ、主に介護を必要とする方は介護老人保健施設(老健)や介護老人福祉施設(特養)へと棲み分けを行いました。2008年には、夜間対応のできる介護療養型老人保健施設を創設。それでも、介護療養型医療施設の転換は思うように進まず、経過措置として移行期間は2017年まで延長されました。

なお、2018年に「介護医療院」が新設されたことにともない、介護療養型医療施設の経過措置の期限は2024年3月までに。2024年4月以降、介護療養型医療施設以外は介護医療院に移行しました。

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介護療養型医療施設が廃止された理由

介護療養型医療施設から「介護医療院」へ

2018年に創設された「介護医療院」について、「まだ理解できていない」という介護職の方もいるでしょう。ここでは、介護医療院の特徴をご紹介するので、介護業界に興味のある方や介護職に従事する方は、確認しておきましょう。

介護医療院とは?

厚生労働省の「介護医療院(p.3)」によると、介護医療院は以下のように定義されています。

介護医療院とは、要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対し、

施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機

能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設。

引用:厚生労働省「介護医療院(p.3)

つまり、介護医療院は、医療ケアや介護を行う長期療養施設としてだけでなく、日常生活を送る生活の場としての役割も担っています

介護医療院の特徴

介護医療院で適用される保険は、介護療養型医療施設と同じ「介護保険」です。医療療養型病院で適用されるのは「医療保険」なので、この点が大きな違いといえるでしょう。

介護医療院は、大きく介護医療院I型と介護医療院II型に分けられます。介護医療院I型は、重篤な身体疾患を抱える利用者さん、介護医療院II型は比較的容態が安定している利用者さんが対象です。

介護医療院I型は介護療養病床相当のサービスを、介護医療院II型は介護老人保健施設相当以上のサービスを提供。介護医療院はI型のほうが医療ケアや人員配置が手厚く、その分介護サービス費が高めに設定されています。

なお、介護医療院には医師や看護師が常駐しているため、看取りやターミナルケアも可能です。医療と介護の幅広いサポートができるため、「慢性期の医療・介護ニーズ」に応える施設になることが期待されています。また、介護医療院は、「地域に貢献し、開かれた交流を行う」役割もある施設です。

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介護医療院とは?特養との違いや創設された経緯・サービス内容を解説

医療療養型と介護療養型に関するよくある質問

ここでは、医療療養型と介護療養型に関するよくある質問を紹介します。それぞれの特徴や違いを知りたい方は、ご一読ください。

医療療養型と介護療養型で介護職の役割は異なりますか?

介護職の役割は、医療療養型と介護療養型どちらにおいても、利用者さんや患者さんの身体介護・看護師のサポートなどです。この記事の「介護療養型と医療療養型の違い」で紹介したように、医療療養型病院には介護職がいない場合もあります。

介護療養型医療施設は今後廃止されるって本当ですか?

介護療養型医療施設は廃止されるって本当?」で前述したように、介護療養型医療施設は、2024年3月に廃止されました。医療療養型病院を利用する患者さんの状況と大きな差がなくなっていたことが、介護療養型医療施設が廃止された主な理由です。現在は、利用者さん一人ひとりが適切なサービスを受けられることを目的とした、介護医療院に移行しています。

医療療養型や介護療養型で働くやりがいを教えてください

医療療養型や介護療養型では、医師や看護師とともに働くため、医療知識が身につけられるでしょう。他職種とチームとなり、利用者さんをケアするというやりがいも感じられます。施設によっては長期的に利用者さんと関われるため、継続的な介護が行えるのもメリットです。

まとめ

介護療養型医療施設と医療療養型病院の違いは、適用される保険や看護師・介護職員の配置基準、利用対象者などです。介護療養型医療施設は、2024年3月に廃止されました。介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)、新設された「介護医療院」などが、代わりの役割を果たしています。

専門的な介護スキルを身につけるために、医療依存度の高い方に向けた介護の経験を積みたい方は、療養に力を入れている老健や特養、介護医療院へ転職してみるのもおすすめです。

介護医療院や老健などへの転職を考えている方は、「レバウェル介護(旧 きらケア)」にご相談ください。介護専門の転職エージェントのレバウェル介護(旧 きらケア)では、専任のアドバイザーが介護職の転職をサポートいたします。丁寧にヒアリングを行い、希望条件に沿った介護求人をご提案。応募書類の添削、面接対策など、充実したサービスを提供しています。
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