
この記事のまとめ
- 精神科看護助手に向いている人は、コミュニケーション能力が高い人など
- 精神科看護助手の仕事内容は、患者さんの生活のお世話や環境整備
- 精神科看護助手への転職を成功させるには、転職エージェントを活用しよう
「精神科看護助手に向いている人の特徴が知りたい」という方もいるでしょう。精神科看護助手に向いている人は、コミュニケーション能力が高い人や精神的にタフな人などです。この記事では、精神科看護助手に向いている人の特徴や仕事内容、仕事で楽しい・きついと感じる場面などを解説します。精神科看護助手への転職を成功させる方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
看護助手の働く精神科とはどのような職場?
精神科は、精神疾患がある患者さんを専門的に治療する診療科です。精神科では、うつ病や統合失調症、強迫性障害、アルコール依存症、パニック障害、認知症など、さまざまな精神疾患のある方に対応しています。
精神科では、病気や障がいと上手に付き合いながら社会生活を送れる状態を目指して、薬物療法や面談、心理療法などを実施。ほかにも、集団精神療法や家族療法などによる治療も行います。
精神科で働く看護助手の役割は、入院患者さんの身の回りのお世話や、病院の環境整備を行うことです。看護師の指示に従い、看護師の業務をサポートします。詳しくは、「精神科看護助手の仕事内容」で後述するので、あわせてご一読ください。
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精神科看護助手に向いている人の特徴
ここでは、精神科看護助手に向いている人の特徴を解説します。「精神科での仕事に興味があるけど、自分に向いているか分からない…」という方は、ぜひチェックしてみてください。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力が高い人は、精神科看護助手に向いています。意思疎通が困難な患者さんにも根気よく向き合い、要望を汲み取る能力は、精神科で働くうえで重要なスキルです。精神科で看護助手として働く場合、患者さん一人ひとりと接しながら、適切なコミュニケーション方法を見つけていくと良いでしょう。
チーム意識があり職種間で協力・連携できる
看護助手は、看護師の指示に従って業務を進める必要があり、職種の垣根を越えたチームプレーが求められます。看護師へ患者さんの様子を報告したり、ケアの方法を確認したりと、職種間の連携が大切です。精神科の看護助手は、チームの意識をもって周りと協力しながら仕事ができる人に向いているでしょう。
適切な距離感で患者さんと関われる
精神科では、適切な距離感で患者さんと関わることも必要なスキルです。看護助手は、患者さんと接する機会が多くあります。患者さんとコミュニケーションを取ることは大切ですが、一方的に話し掛ける必要はありません。気分に波がある患者さんだと、タイミングによっては対応が困難なこともあるかもしれません。また、患者さんによっては、看護助手に依存してしまう可能性があります。
精神科で看護助手として働く際は、患者さんと適切な距離感を保ちながら、ケアを行うようにしましょう。
精神的にタフ
精神科の患者さんは、疾患の症状により気分に波が生じ、スタッフに暴言を吐いたり暴力を振るってしまったりする場合があります。ほかにも、ネガティブな言葉を受け止めることもあるため、精神的なストレスを感じてしまう可能性も。精神的にタフで気持ちの切り替えが上手な人は、必要以上に思い悩まず、患者さんに対応できるでしょう。
患者さんの様子を細かく観察できる
患者さんに異変が見られた場合は、看護師にすぐ報告する必要があります。そのため、観察力があり、小さな変化に気づける人は、精神科の看護助手の仕事に向いているでしょう。病院やクリニックでは、突発的なトラブルが起こり、迅速な対応が求められることがあります。日ごろから患者さんの様子をしっかりと観察しておくことで、変化に気づけるため、早急な対応を行えるようになるでしょう。
長期的に患者さんをケアすることにやりがいを感じられる
精神科の患者さんは治療が長期化する可能性があり、長期的にケアを行うことがあります。精神科の職員が長い期間をかけて患者さんと接していくことで、症状が改善されれば、感じられるやりがいもひとしおでしょう。看護助手の仕事は根気がいる部分もあるため、患者さんとじっくり向き合いたい人に向いています。
臨機応変に対応できる
精神科の場合、患者さんのメンタルが不安定になったり、パニック発作を起こしたりすることがあります。看護助手は、患者さんの変化に冷静に対応しなければなりません。また、救急患者を受け入れる病院では、突発的に入院準備の業務が入ることもあるでしょう。そのため、精神科看護助手は、予定していた業務が変更になっても柔軟に対応できる人に向いています。
体力がある
精神科には、幻覚や妄想などの症状で精神が不安定になる患者さんもいます。患者さんが自傷や他害などの危険な行動を取った場合、制止する必要があるため、体力があると重宝されるようです。ただし、精神科病院は男性職員が比較的多い職場なので、自分の力で対応しきれない場合は周囲を頼るようにしましょう。
また、看護助手が夜勤を行う精神科病院もあります。夜勤があると生活リズムが乱れ、体調を崩しやすくなることも。体力があれば、夜勤による体調への影響は少なくできるでしょう。
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精神科看護助手の仕事内容
精神科看護助手は、看護師の指示のもとで業務を行います。具体的な仕事内容を以下で紹介するので、ぜひご一読ください。
環境整備と衛生管理
看護助手は、リネン交換や病室・院内の清掃などを行います。ほかにも、患者さんの検査・治療で使用した医療機器の消毒も業務の一つです。
患者さんの生活のお世話
排泄介助や入浴介助、食事介助など、患者さんが自分でできない部分の生活のお世話をするのも、看護助手の役割です。車椅子への移乗介助や検査・リハビリの際の移動介助、入院患者さんの案内も実施します。
精神科の患者さんは、精神疾患によって意欲が低下し、自身で清潔を保つのが難しい場合も。看護助手は、必要に応じて声掛けや介助を行うことで、患者さんの日常生活を支援します。
物品の管理
検査や治療で使う物品の在庫管理や発注業務も、精神科看護助手の仕事です。備品の在庫を管理し、少なくなれば発注し、常に備品を切らさないようにします。
記録業務
患者さんのケアの記録を残します。なお、看護師が記載することもあるので、現場の状況に応じて臨機応変に対応しましょう。また、病院やクリニックによっては、カルテの整理や書類整理などの事務作業が看護助手の業務に含まれることもあります。
看護助手の仕事内容は、職場によっても異なるので、求人情報で事前に確認しておくようにしましょう。
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精神科看護助手の仕事を楽しいと感じるとき
ここでは、精神科看護助手の仕事を楽しいと感じるのはどのようなときなのか、やりがいを紹介します。
患者さんの症状が改善したとき
看護助手は、治療の成果が出て患者さんの状態が良くなったときに、仕事をしていて楽しいと感じるようです。精神科では、コミュニケーションを取りながらメンタルをケアします。看護助手は、会話の中で見つけた患者さんの変化が、治療に役立ったときなどに、チームの一員として活躍できた実感を得られるでしょう。
また、心を閉ざしていた患者さんが、自分に心を開いてくれたり笑顔になってくれたりした瞬間も、やりがいを感じられます。
患者さんから感謝されたとき
看護助手は、患者さんを身近で支える仕事なので、ご本人やご家族から直接感謝の言葉をもらうことがあります。患者さんやご家族に喜んでもらえると、人の役に立っていると実感でき、仕事が楽しいと感じられるでしょう。
無理のない職場環境で働けているとき
精神科は、患者さんの急変が少なく、一般的な病棟と比べて時間に追われる感覚が少ないため、働きやすいと感じる方もいるようです。緊急入院も比較的少ないので、残業も少ない傾向にあります。そのため、無理なく働ける職場環境が自分に向いていると感じて、働き続ける人もいるようです。看護助手の求人一覧はこちら
精神科看護助手の仕事できついと感じること
ここでは、精神科看護助手の仕事できついと感じることを紹介します。入職後にギャップを感じないためにも、仕事の大変な部分を把握しておきましょう。
患者さんとのコミュニケーション
患者さんと信頼関係を築くのが難しく、「コミュニケーションを取るのがきつい」と感じてしまうことがあります。患者さんによって求めている対応が異なり、自身の考えを上手に伝えられない方もいるので、要望を汲み取るのにはスキルが必要です。精神科看護助手は、相手に合わせて言葉遣いや伝え方に気を遣う必要があるので、それを大変に感じることがあるようです。
ほかにも、共感力が高く患者さんのネガティブな言動の影響を受けやすい人は、メンタルが不安定になり、つらいと感じるかもしれません。精神疾患のある患者さんと接する際は、病気の症状への正しい理解や、セルフケアを行うことが求められます。
患者さんの暴言・暴力への対応
病気の影響で暴力や暴言が強く出る患者さんの対応がきついと感じる看護助手もいます。心理的な治療には長期的なケアが必要なので、落ち着くまで時間がかかることもあり、日々の対応に疲れてしまうこともあるでしょう。
症状が強く、1人で対処できない場合は、ほかの職員に相談したり協力してもらったりして、チームで対策を考えることが大切です。患者さんの対応に関する悩みは、1人で抱え込まないようにしましょう。
多くの業務を覚えること
「精神科看護助手の仕事内容」でご説明したとおり、看護助手の業務は多岐にわたるので、慣れないうちは、仕事を覚えることを大変に感じるかもしれません。しかし、一度覚えれば業務内容が大きく変わることはないので、楽だと感じる人もいるようです。
まずは、一通りの業務を覚えられるように頑張ってみましょう。仕事を覚えるには、メモを取ったり分からないことを先輩スタッフに聞いてみたりするのが効果的です。
介助業務の体力的な負担
入浴介助や排泄介助などの身体介護や夜勤業務などに、体力的な負担を感じて、きついと思う人もいるでしょう。業務量に対してスタッフの人員が足りず、1人当たりの業務量が多くなってしまうこともあるようです。
また、高齢者が多く入院している精神科病院の場合、必要な介助量が多くなる場合があります。介護経験がないと、最初は体力的にきついと感じるかもしれません。しかし、介助スキルが身につくと、家族の介護に役立ったり、精神科以外の病院や介護施設などの仕事にも活かしたりできるというメリットがあります。
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精神科看護助手になるには
精神科看護助手には、求人に応募して内定をもらうことで、誰でもなることができます。看護助手は、無資格でも携わることができ、年齢制限もないため、思い立ったタイミングで目指すことができる職種です。
働くために必要な資格・経験
看護助手として働くうえで必要な資格はありません。未経験でも働けるので、ほかの業界からも転職しやすいでしょう。
必須の資格はありませんが、看護助手として働く際に役立つ資格はあります。「看護助手認定実務者試験」「メディカルケアワーカー(R)」などの民間資格を取得すると、看護助手の仕事に求められる知識やスキルを身につけることが可能です。
精神科看護助手が働く職場
精神科看護助手が働く職場は、精神科の専門病院や総合病院の精神科、精神科クリニックなどです。病院では、入院患者さんの対応するので、看護助手も夜勤を行う可能性があります。外来のみの精神科クリニックは夜勤なしで働けます。職場によって、働き方や仕事内容は異なるので、自分に合った職場を選ぶことが重要です。
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精神科看護助手への転職を成功させる方法
精神科看護助手への転職を成功させるには、求人の条件をしっかりと確認し、応募先の情報収集をすることが大切です。
求人の条件はしっかり確認する
転職を成功させるためには、求人の条件をしっかりと確認することが大切です。夜勤の有無や任される業務の範囲、勤務時間のパターンなどから、長く働ける条件の求人か確認しましょう。転職活動の際は、自分が優先する条件は何か明確にすることも重要です。複数の求人を比較することで、より自分の希望にマッチした求人を探せるでしょう。
求人を探す際にチェックする条件は、「介護業界で転職する際に重視する条件とは?働きやすい職場を見つけるコツ」の記事も参考にしながら、確認してみてください。
転職エージェントを活用して情報を集める
精神科病院の職場環境に関する情報は、自分の力だけでは集めるのが難しいかもしれません。転職エージェントを活用して情報を集めることで、自分だけでは分からない情報を集めることができるでしょう。転職エージェントは、採用担当者に直接気になることを確認してくれたり、選考のサポートをしてくれたりします。未公開求人を取り扱っている場合も多く、転職先の選択肢が増えるかもしれません。
レバウェル介護(旧 きらケア)は、過去の転職者の口コミを集めているので、より現場のリアルな情報をお伝えすることができます。「求人を探すのが面倒くさい」「転職活動の時間が取れない…」とお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
面接時に職場の雰囲気を見ておく
面接時に職場の雰囲気を見ておくことで、自分に合う職場かどうか判断する際に参考にできるでしょう。対応する患者さんの疾患の種類や重さによって、職場の雰囲気は変わります。入職後にギャップを感じないようにするためにも、面接時に見学できるようであれば、患者さんや職場の様子を確認しておくと良いでしょう。職場見学をするときは、患者さんやスタッフの表情や、院内の清潔感などをチェックするのがポイントです。
看護助手についてよくある質問
ここでは、看護助手についてよくある質問に回答します。看護助手の働き方に興味がある方は、ぜひご一読ください。
看護助手の一日の流れを教えてください
看護助手の一日の流れは、日勤と夜勤で異なります。日勤の仕事内容は、朝食・昼食の配膳や食事介助、入浴介助、シーツ交換、病室の清掃など。主に患者さんの身の回りのケアを実施します。夜勤の仕事内容は、夕食の配膳や食事介助、就寝準備、夜間の見守り、起床準備などです。日勤・夜勤ともに、排泄介助や事務作業、備品管理など、状況に応じてさまざまな業務があります。入院患者の受け入れなどがあれば、日によって一日の仕事の流れも異なるでしょう。
看護助手の詳しい仕事内容や一日のスケジュールは、「看護助手の仕事内容とは?無資格から働ける!やりがいや給料事情もご紹介」の記事をご覧ください。
看護助手の給料はどれくらい?
政府統計の総合窓口e-Statの「令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(表番号1)」によると、看護助手の平均月給は222,500円でした。年間ボーナスは、平均513,600円です。月給とボーナスをもとに年収を算出すると、看護助手の年収は約318万円となります。こちらの給与データはあくまで平均値なので、参考程度にご覧ください。
看護助手の給与アップのコツは「看護助手(ナースエイド)の給料の平均額は?年収・ボーナス・時給を解説!」の記事で解説しています。高給与を目指す方は、ぜひご一読ください。
出典
政府統計の総合窓口e-Stat「賃金構造基本統計調査 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」(2024年9月9日)
まとめ
精神科看護助手に向いている人は、コミュニケーション能力が高い人や、チーム意識をもって他職種と連携できる人、精神的にタフな人などです。
精神科看護助手の仕事内容は、患者さんの生活のお世話や院内の環境整備と衛生管理、備品管理など。看護助手は、患者さんの症状が改善したときや、感謝の言葉を掛けてもらったときに、仕事にやりがいや喜びを感じるようです。一方で、仕事に慣れないうちは、患者さんへの対応や覚えることの多さを「きつい」と感じることもあります。
「精神科看護助手の仕事はどのような感じか知りたい」と気になっている方は、「レバウェル介護(旧 きらケア)」にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、医療分野や介護分野の求人を取り扱っている転職エージェントです。専任のアドバイザーがヒアリングをもとに希望条件にあった求人をご提案。応募先について気になった点もアドバイザーに質問できます。「自分に向いている仕事が分からない…」とキャリアにお悩みの方も、お気軽にご相談ください。
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