
この記事のまとめ
- 介護職の仕事内容は、身体介護や生活のサポート、記録業務などさまざま
- 介護職の仕事内容は、介護事業所の種類によって異なる
- 介護職は無資格から挑戦できるが、資格を保有していると業務に活かせる
「介護業界に転職したいけど、仕事内容が分からない…」「自分にも介護の仕事ができる?」と不安な方もいるでしょう。介護職員の仕事は、食事介助や入浴介助、排泄介助といった身体介護や、日常生活のサポート、レクリエーションの企画・実施などです。本記事では、介護職の具体的な仕事内容や給料事情、活かせる資格を解説しています。スケジュール例や介護職の体験談もまとめているので、ぜひご覧ください。
介護士ってどんなお仕事?仕事内容や働き方、必要な資格、給与などを解説 →レバウェル介護の資格スクールはこちら介護職の仕事内容とは
介護職の仕事は、介護サービスの利用者さんの生活を手助けすることです。介護をする際は、単に利用者さんのお世話をするのではなく、相手の立場に立って支援することがポイントになります。また、レクリエーションの企画・実施や記録も重要な仕事です。
下記では、介護職の仕事内容を解説するので、ぜひご一読ください。
身体介護
身体介護は、利用者さんの身体に直接触れるケアのことです。寝たきりの方や車いすの方、1人で移動や入浴を行うのが難しい方などの介助を行います。主な身体介護は、食事介助や入浴介助、排泄介助、移動・移乗介助などです。無資格の方が身体介護を行う場合は、有資格者の監督が必要になります。
身体介護の仕事内容を、詳しく見ていきましょう。
食事介助
食事介助とは、1人で食事をすることが難しい方へのサポートを指します。食事を口まで運ぶ介助だけでなく、利用者さんが誤嚥しないように、適切な姿勢を保てているか見守りや声掛けをするのも重要な仕事です。
食事介助は、利用者さんによって、テーブルやリクライニング車いす、ベッド上で行う場合などがあります。利用者さんに一人ひとり合わせて、適切な介助を行うことが必要になります。
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入浴介助
入浴介助では、1人で入浴するのが難しい利用者さんのお手伝いをします。入浴介助には、一般浴や機械浴、ストレッチャー浴などさまざまな入浴方法があるため、利用者さんに合った方法を選ぶことが大切です。また、入浴には、転倒事故や体調悪化、ヒートショックなどの危険性があります。そのため、入浴前後に体調確認や水温・室温の調整をしっかり行うことが重要です。体調不良などで入浴が難しい場合は、清拭や部分浴などを行うこともあります。
入浴はプライバシーに関わる行為なので、介助に抵抗を感じる方もいるでしょう。利用者さんが安心して入浴するためには、信頼関係を築くことが大切です。
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排泄介助
排泄介助は、1人でトイレへ行くことや、排泄の動作が難しい方をサポートする仕事です。トイレへの誘導や清拭、オムツ交換などを行い、排泄物の状態から健康観察を行います。衛生面に配慮しながら、できるだけ自力で排泄できるようにケアを行うことがポイントです。利用者さん一人ひとりの排泄の回数やタイミングを把握しておく必要もあり、適切な声掛けと対応が求められます。
介助をされることを「恥ずかしい」と感じる利用者さんも多く、排泄を我慢してしまう方もいるかもしれません。利用者さんの自尊心に配慮し、寄り添ったケアを行うことが必要です。
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移動・移乗介助
介護職は、立ったり座ったりといった動作や、1人で移動するのが難しい方をサポートします。移動・移乗介助は、利用者さんの寝たきりを防ぐためにも欠かせない介助です。利用者さんが移動中に転倒する危険がないか、無理な姿勢になっていないかなどに気を配る必要があります。また、安全に介助をするためには、ベッドや車椅子などの備品の管理や定期メンテナンスも欠かせません。
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起床・就寝介助
起床・就寝介助では、起床と就寝にともなう一連の流れをサポートします。朝は利用者さんが起床するための声掛けや着替え、排泄などの介助、健康管理を実施。夜は口腔ケアやパジャマへの着替え、排泄など寝る準備を整える手伝いをします。
服薬介助
利用者さんに服薬の声掛けをしたり、薬を飲み忘れていないか確認したりするのが、服薬介助です。高齢になると複数の薬を飲んでいることが多く、利用者さんが薬を飲むタイミングや種類を管理できないことも。介護職は誤薬や誤嚥が起こらないように服薬のサポートをします。シートから薬を出して渡すことはできませんが、声掛けや一包化されている薬を渡して介助することは可能です。
整容介助
利用者さんの身だしなみを整えるのが整容介助です。整容介助は、整髪や爪切り、洗顔などを行います。身だしなみを整えることは、利用者さんの気持ちが明るくなったり、リフレッシュしたりすることに繋がるでしょう。整容を行えば、利用者さんの衛生の維持にもなります。
更衣介助
更衣介助は、就寝時や入浴時、外出時などに利用者さんの着替えをサポートします。更衣介助も基本的に、利用者さんの身体機能維持や尊厳を守るためにできる限り自立支援を促し、介護職員は着替えを見守ることが大切です。更衣介助時は、利用者さんの転倒やケガに注意し、皮膚トラブルがないか確認しておきましょう。
口腔ケア
口腔ケアは、利用者さんの歯磨きや入れ歯の洗浄などをサポートする仕事です。歯磨きは手指のトレーニングになるため、できる限り利用者さんに行ってもらいましょう。磨き残しがないかはもちろん、歯や舌の色、口臭などの状態も確認。口腔ケアは、虫歯や歯周病を予防するだけでなく、口腔機能の低下を防ぐ役割もあります。利用者さんがいつまでもおいしく食事を取れるよう、口の中の健康を保つ支援を行うのも、介護職の仕事の一つです。
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体位変換
体位変換は、寝たきりで自分の体の向きを変えることができない方の、身体の位置や向きを変えるケアです。長時間同じ姿勢でいると、床ずれができてしまうリスクがあります。床ずれを予防するためには、定期的に利用者さんの体位を変えることが大切です。
生活援助
生活援助は、利用者さんの身体に触れず、生活をサポートする業務のことです。具体的には、以下のような業務があります。
- 掃除・ゴミ出し
- 調理・配膳・後片付け
- 洗濯・衣類の整理
- 買い物代行・薬の受け取り
- ベッドメイキング
介護職は、掃除や調理、洗濯、ベッドメイキングなど、生活するうえで必要な支援を行います。薬の受け取りや買い物を代行することもあるようです。生活援助は、介護経験や資格のない方も、家事のスキルや人生経験を活かせる業務です。
レクリエーションの企画・運営
レクリエーションの企画・実施も、重要な仕事です。レクリエーションの目的には、利用者さんの気分転換に加えて、身体機能の維持・向上も含まれます。体操のように体を動かすものや、クイズ大会やクロスワードといった頭を働かせるものなど、内容はさまざまです。介護職は、利用者さんの機能回復を考慮しつつ、楽しめるレクリエーションを考える必要があります。
介護記録の作成
利用者さんの体温や血圧、食事量、活動の様子などを記録に残すのも、介護職の大事な仕事です。利用者さんの情報は、職員間で仕事を引き継ぐ際や、利用者さんの体調が急変した際に必要になります。利用者さんがどのような様子だったのか、どのようなケアを行ったのかを細かく記録することで、質の高いケアの提供に繋がるでしょう。また、ご家族に利用者さんの普段の様子を伝えるときにも、記録が役立ちます。
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今の職場に満足していますか?
介護施設・介護サービスごとの仕事内容
ここでは、介護施設・サービスごとの仕事内容を解説します。施設によって対象者や仕事内容が異なるので、介護職に興味がある方は確認しておきましょう。
特別養護老人ホーム(特養)の仕事内容
特別養護老人ホーム(特養)は、原則として65歳以上の要介護3以上の方を対象とした、入居型の介護施設のこと。終の棲家とも呼ばれており、終身利用も可能です。
特養は、利用者さんの介護度が高く、入浴介助や排泄介助、移動介助などの身体介護を行うことが多い傾向にあります。看取りまで行っているため、長期的なケアを行いたい人や、専門性の高い介護スキルを身に着けたい人におすすめの職場です。詳しくは、「特養の仕事内容は?施設の特徴や一日のスケジュール」の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
介護老人保健施設(老健)の仕事内容
介護老人保健施設(老健)は、病気やケガなどで入院していた方が在宅復帰できるようにサポートする施設です。65歳以上で要介護1以上の方が利用でき、入所期間は3ヶ月~6ヶ月ほどと定められています。
老健は、身体機能の回復を重視したサービスを提供している施設です。医療職やリハビリ専門職が在籍しており、介護職は多職種との連携が求められます。老健で働くと、基本的な介護技術に加えて、リハビリに関する知識も身につけやすいでしょう。詳しくは、「老健の仕事内容を解説!1日の流れや働くメリット・デメリット」で解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
グループホームの仕事内容
グループホームは、要支援2または要介護1以上の方で、認知症を患っている高齢者を対象とした施設です。利用者さんの認知症の進行の緩和や、身体機能の維持を目的としてサービスを提供しています。
介護職員の仕事は、利用者さんが自立した暮らしを送れるようサポートすることです。利用者さんができない部分を手伝うというスタンスで、見守りながらケアを行います。グループホームで働くと、認知症に関する専門的な知識やアプローチ方法を学べるので、認知症ケアに興味がある方におすすめの職場といえるでしょう。
グループホームについて詳しく知りたい方は、「グループホームの仕事内容とは?役立つ介護の資格や給料事情を解説」の記事も参考にしてください。
有料老人ホームの仕事内容
有料老人ホームとは、高齢者を対象とした居住施設で、「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類に分かれています。施設によって入居対象者が異なり、自立している方から介護度が高い方まで入居が可能です。
有料老人ホームでは、24時間体制で利用者さんの生活を支援します。スタッフの仕事は生活援助や身体介護、見守りなど幅広く、利用者さんに合わせたケアが必要です。働く有料老人ホームによって、仕事内容や運営方針、利用者さんの介護度は違うので、転職前に確認しておきましょう。詳しくは、「有料老人ホームの仕事内容は何?介護職員の1日や働くメリット、給料を解説」で解説しているので、あわせてご一読ください。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の仕事内容
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、高齢者が暮らしやすい環境が整っている賃貸住宅です。バリアフリーになっており、居宅介護支援事業所やクリニックが併設されている施設もあります。介護サービスは基本的に個別契約となっており、すべての利用者さんに提供するわけではありません。
介護職の仕事は生活援助が中心で、身体介護を行うことは少ない傾向にあります。また、利用者さんの悩みを聞く相談対応や、安否確認もサ高住の介護職の重要な仕事です。詳しくは、「サ高住の仕事内容とは?働くために必要な資格や向いている人などもご紹介!」の記事をご覧ください。
デイサービスの仕事内容
デイサービスとは、利用者さんが日帰りで通う介護施設で、高齢者の認知症予防や社会的孤立を解消することがサービス提供の目的です。利用時間は数時間から1日までと幅広く、施設の方針や利用者さんの希望によって異なります。
デイサービスは、ほかの介護施設に比べて利用者さんの自立度が高いため、レクリエーションを行う頻度が高いでしょう。また、施設によっては、利用者さんの送迎が介護職の業務に含まれる場合もあります。デイサービスは、「人と話すのが好き」「楽しみを通じて利用者さんを支援したい」という方におすすめの職場です。詳しくは、「デイサービスの仕事内容は?それぞれの役割と1日の流れを紹介」で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
訪問介護の仕事内容
訪問介護は、利用者さんの自宅を訪問して行う介護サービスです。介護スタッフは訪問介護事業所に勤務しており、ホームヘルパー(訪問介護員)と呼ばれます。
身体介護や生活援助に加えて、通院介助も仕事の一つです。基本的に、ホームヘルパーは1人でケアを行うため、マンツーマンで利用者さんのケアに集中できます。なお、ホームヘルパーとして1人で業務を行うためには、介護職員初任者研修といった資格が必要です。詳しくは、「ホームヘルパーの仕事内容を解説!訪問介護員の仕事範囲や必要な資格を紹介」の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
病院で働く介護職の仕事内容
病院で働く介護職の仕事は、患者さんの食事・入浴介助や着替えのお手伝いなど、身の回りのお世話が中心です。加えて、医療機器の準備やカルテの整理といった看護師のサポートも行います。清掃やシーツ交換のような、病室の環境整備を行うこともあるようです。
病院で勤務することのメリットは、医療知識が身につきやすいこと。介護職員は原則として医療行為を行えませんが、喀痰吸引等研修を修了すれば喀痰吸引や経管栄養の処置が可能になります。詳しくは、「病院で働く介護職の仕事内容とは?介護施設との違いやスケジュールをご紹介」の記事で解説しているので、ぜひご一読ください。
介護職員の1日のスケジュール
介護職の仕事の流れは、施設や勤務時間帯によって異なります。ここでは、介護職員の1日のスケジュールの例を、施設形態別にご紹介するので、参考にしてみてください。
入居施設のスケジュール
入居施設は、24時間体制で利用者さんのサポートを行います。そのため、介護職員のシフトは日勤と夜勤に分かれる二交代制が多いようです。
日勤のスケジュール
ここでは、入居施設の日勤のスケジュール例をご紹介します。
時間 | 仕事内容 |
午前8時 | 出勤夜勤 スタッフから引き継ぎ |
午前9時 | 入浴介助 |
午後10時 | 排泄介助、事務作業など |
正午 | 昼食準備、食事介助 |
午後1時 | 休憩 |
午後2時 | レクリエーション |
午後3時 | おやつの準備、食事介助 |
午後4時 | コミュニケーションタイム |
午後5時 | 夜勤への引き継ぎ 退勤 |
日勤の仕事は、食事介助や入浴介助といった身体介護が中心です。排泄介助や水分補給の支援などは、利用者さんの状況を見て適宜行います。
夜勤のスケジュール
入居型施設の夜勤スタッフの仕事内容を確認してみましょう。
時間 | 仕事内容 |
午後5時 | 出勤 日勤スタッフから引き継ぎ |
午後6時 | 夕食の介助・片付け |
午後7時 | 着替えや排泄の介助 |
午後8時 | 消灯 巡回、事務作業 交代で仮眠 |
翌午前5時 | 起床介助の準備 |
午前6時 | 起床介助 |
午前8時 | 朝食準備、食事介助 |
午前8時30分 | 朝礼 日勤への引き継ぎ |
午前9時 | 退勤 |
入居型施設の夜勤スタッフの主な仕事は、夜間の見守り業務や起床介助です。二交代制の場合、夜勤は夕方から翌朝までの長時間の勤務になります。職員が複数配置されていれば、消灯後に交代で仮眠を取ることも可能です。
デイサービスのスケジュール
デイサービスで働く介護職の1日のスケジュール例は以下のとおりです。
時間 | 仕事内容 |
午前8時30分 | 出勤 利用者さんの情報の確認 |
午前9時 | 送迎 |
午前10時 | 入浴介助 |
正午 | 昼食準備、食事介助 |
午後1時 | 休憩 |
午後2時 | レクリエーション |
午後3時 | おやつの準備、食事介助 |
午後4時 | 送迎 |
午後5時 | 報告書の作成 レクリエーションの企画・準備 |
午後5時30分 | 退勤 |
デイサービスは、サービスの提供時間が決まっており、時間内にすべてのケアを実施する必要があります。そのため、複数の利用者さんの対応をテキパキとできる人に向いているでしょう。なお、一般的なデイサービスは日中のみ営業しているため、夜勤がありません。
訪問介護のスケジュール
訪問介護を行うホームヘルパーのスケジュール例は以下のとおりです。
時間 | 仕事内容 |
午前8時30分 | 出勤 |
午前9時~9時30分 | 1件目の利用者さんの自宅に訪問。トイレ介助・更衣介助 |
午前10時30分~11時 | 2件目の訪問。オムツ交換・水分補給の介助 |
午前11時30分~12時30分 | 3件目の訪問。食事介助・服薬介助・口腔ケア |
午後1時~2時 | 休憩 |
午後2時30分~3時30分 | 4件目の訪問。入浴介助 |
午後4時30分~午後5時 | 5件目の訪問。トイレ介助・更衣介助 |
午後5時30分 | 退勤 |
訪問介護は日勤のみが主流ですが、夜勤がある訪問介護事業所もあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。常勤のホームヘルパーとして働く場合、事務作業などの業務も行うことがあります。非常勤の場合、訪問のある時間のみ稼働する働き方も少なくありません。
介護職の平均給与
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p122)」によると、2024年の介護職員の平均給与(常勤・月給)は、317,540円でした。この値は賞与や手当、残業代を含む月収なので、月々の給与の平均はもう少し低い可能性があります
介護施設の形態別の平均給与
ここでは、同資料を参考に、介護職員(常勤・月給)の平均給与を施設形態別にまとめています。気になる介護施設の平均給与をチェックしてみましょう。
施設形態 | 平均給与 |
介護事業所全体 | 317,540円 |
介護老人福祉施設(特養) | 348,040円 |
介護老人保健施設(老健) | 339,040円 |
訪問介護事業所 | 315,170円 |
通所介護事業所(デイサービス) | 275,620円 |
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム) | 291,080円 |
参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p122)」
特養や老健のような入居型の介護施設では、平均給与が比較的高いことが分かります。この理由としては、入居型の介護施設では、夜勤手当が支給されることや、利用者さんの介護度が高くスキルがある職員が多いことが考えられるでしょう。
介護職の保有資格別の平均給与
同資料(p157)によると、介護職員(常勤・月給)の保有資格別の平均給与は、以下のとおりです。
保有資格 | 平均給与 |
保有資格なし | 268,680円 |
介護職員初任者研修 | 300,240円 |
介護福祉士実務者研修 | 302,430円 |
介護福祉士 | 331,080円 |
社会福祉士 | 350,120円 |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 376,770円 |
参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p157)」
介護職は、資格を取得することで給与が上がる傾向にあります。たとえば、無資格の方が、介護の入門資格である介護職員初任者研修を取得すると、3万円以上の給与アップが望めるようです。介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修には受講要件が設けられていないので、無資格・未経験から取得できます。介護職としてより高い給与を得たい方は、より専門性の高い資格の取得を目指すと良いでしょう。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2024年4月23日)
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【体験談】介護職員が感じた仕事の魅力と大変さ
ここでは、実際に介護職員として働く方の体験談を交えて、介護の仕事の魅力と大変さをご紹介します。
介護の仕事のやりがい・魅力
介護の仕事のやりがい・魅力としては、「利用者さんから感謝の言葉をもらえること」「社会貢献ができること」「段階的にキャリアアップができること」が挙げられます。
利用者さんから感謝の言葉をもらえる
介護職は、利用者さん本人やご家族と接する機会が多い職種です。そのため、直接感謝の言葉をもらうことも多く、やりがいに繋がります。
利用者さまからの「ありがとう」の一言が仕事のやりがいです。些細なことでも感謝されると人の役に立っていると実感でき、働いていて良かったと思えます。人の役に立ちたい、お年寄りが好きなどの気持ちを持っている人に向いてる職場です。
利用者さんから感謝されると、「自分が誰かのためになった」という実感を持ちやすく、次も頑張ろうと思えるようです。
社会貢献ができる
介護の仕事は、「人の役に立ちたい」「社会に貢献したい」と考えている方にとって、魅力的な仕事といえるでしょう。ここでは、デイサービスで働く介護職の声をご紹介します。
デイサービスを利用していなかったら、利用者さんは1人で家にいて、誰とも話さずに過ごすことになります。デイサービスに来ることで、社会との接点を作れていることを、うれしく感じます。デイサービスは送迎の時間が決まっており、機能訓練やレクで身体を動かすこともあるため、利用者さんの生活リズムを整えることにも役立っています。利用者さんが楽しく過ごしている様子を見ると、自分の仕事に社会的な意義を感じてやりがいを感じますね。
高齢化が進む現在、介護職の需要は高まっています。介護施設では、高齢者の社会的な孤立感を減らしたり機能回復のケアをしたりなど、目的に合わせて多角的なサポートを実施可能です。理想の介護を実現できる職場を選ぶことが、大きなやりがいに繋がるでしょう。
段階的にキャリアアップができる
介護の仕事はキャリアパスが明確なため、段階的なキャリアアップが可能です。介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、介護福祉士の順で資格を取得することで、専門性の高い知識を着実に身につけられます。
私は無資格で派遣社員として入職し、正社員として雇用されてから、資格取得支援制度を利用して介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修・介護福祉士の資格を取得させていただきました。費用の負担少なく資格を取ることができて、とても助かりましたね。
介護事業所には、資格の取得費用を補助してくれる職場もあるようです。知識や技術が高まると、介護業務に反映できることが増えます。キャリアアップすると、利用者さんへの良質なケアや給与アップにも繋がるため、やりがいを感じられるでしょう。
介護の仕事の大変さ
介護職員が大変さを感じやすいのは、業務量の多さや身体的な負担、利用者さんとのコミュニケーションといったことが多いようです。
人手不足で業務量が多い
人手が足りない施設では、1人当たりの業務量が多くなることもあるようです。
私の職場は職員数が少なかったので、食事の準備から後片付けを介護職員が対応していました。夜勤は基本的に1人体制だったので、入居者さんの対応をしながら夕食の片付けや事務業務をこなすのは大変でした。
介護職の仕事内容や配置人数は、施設によって異なります。就職・転職の際は、事前に職場について確認することが大切です。
利用者さんとのコミュニケーションが難しい
利用者さんとのコミュニケーションについて悩む介護職もいます。
入居者さんの中には、職員に好意的でない方もいます。最初は信頼してもらえないこともあるので、その人の性格を理解する姿勢で、丁寧にコミュニケーションを取ることが重要だと感じました。大変に感じることもありましたが、時間をかけて関係性を構築することが必要だと思います。
介護をするうえで、利用者さんとのコミュニケーションは非常に重要です。1人ひとりの性格や状態を考えながら、丁寧に接する必要があります。信頼関係を構築するのは大変なことですが、利用者さんに心を開いてもらえたときには、大きなやりがいを感じるでしょう。
介護の仕事に向いている人の特徴
「介護職に興味があるけど、自分にできるか不安…」という方もいるでしょう。ここでは、介護の仕事に向いている人の特徴をご紹介します。自分に当てはまる特徴があるか、照らし合わせてみましょう。
人の役に立つことが好き
人の役に立つことが好きな人は、介護職に向いているでしょう。介護職は、多くの人と関わり、生活を支えていく仕事です。身体的なサポートだけではなく、精神面を支える必要もあります。そのためには、相手の立場に立って物事を考えたり、感情に寄り添ってケアを行ったりする力が必要です。奉仕精神が強い人は、介護職として活躍しやすいでしょう。
細やかな気配り・声掛けができる
きめ細やかな気配りができる人や小さな変化に気づける人は、介護職に向いています。介護サービスの利用者さんには、認知症を患っていたり障がいがあったりして、意思の疎通が難しい方もいるでしょう。どのような利用者さんにも快適なサービスを提供するには、小さな変化に気づき、配慮ある行動をする力が必要です。細やかな声掛けをすることは、利用者さんとの信頼関係の構築にも繋がります。
ほかのスタッフと協力して仕事ができる
介護の仕事は、職員同士で協力することが重要です。たとえば、入浴介助や移動・移乗介助といった身体介護では、利用者さんの体を支えるため、チームワークが必要になることもあるでしょう。また、施設によっては、多職種との連携が必要なこともあります。ほかの職員と協力して業務をこなせば、利用者さんにより良質なケアを提供することが可能です。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力が高い人は、介護職として活躍できます。介護をするうえで、利用者さんと親密な関係を構築することは非常に重要です。日頃から利用者さんと良好なコミュニケーションを取れていれば、小さな変化にもいち早く気づけるでしょう。また、前述のとおり、介護職はほかのスタッフとの連携が必要な職種です。そのため、人と接することが好きであれば、業務を進めやすいといえます。
気持ちの切り替えがうまい
気持ちの切り替えができる人は、介護職に向いているでしょう。介護職として働いていれば、利用者さんとうまく話せなかったり、ご家族からクレームが入ったりすることもあるかもしれません。しかし、仕事が大変と感じたときも、ネガティブな気持ちを引きずり過ぎず、次に繋げることが大切です。仕事のオンオフを切り替えられないと、休日もプレッシャーを感じながら過ごしてしまう場合があります。自分のストレス管理をして心身の調子を整えられる人は、介護職として長く活躍できるでしょう。
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介護の仕事に活かせる資格
介護職の求人には、無資格・未経験から応募できます。しかし、資格を取得すると、選考で有利に働いたり業務に役立ったりするでしょう。ここでは、介護の仕事に活かせる主な資格をご紹介します。
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
介護職員初任者研修は、介護の資格の中でも入門的な資格です。介護について基礎的な知識・技能を保証する資格で、取得すると1人で身体介護ができるようになります。要件は設けられておらず、無資格の方も受講が可能です。130時間の研修を受けて筆記試験に合格することで、介護職員初任者研修を取得できます。介護未経験の方は、まずはここから挑戦してみると良いでしょう。
働きながら資格取得を目指すなら、介護業界専門の転職エージェント「レバウェル介護(旧 きらケア)」が提供するレバウェルスクール介護(旧 きらケアSTEPUPスクール)がおすすめです。仕事と資格取得を両立できる職場に転職するためのサポートも受けられるので、ぜひご利用ください。
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介護職員初任者研修を取得するメリットとは?資格の取り方とあわせて解説
先に資格を取りたい方へ
無料相談はこちら介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護に関する専門性の高い知識・技術があることを証明する資格です。介護福祉士実務者研修にも受講要件はないため、誰でも受講可能。介護職員初任者研修を取得していれば、130時間分の研修が免除されます。上位資格である介護福祉士国家資格を取得する際に要件となる資格なので、キャリアアップを目指す方は取得しておくと良いでしょう。
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介護福祉士実務者研修とは?初任者研修との違いや取得するメリットを解説!
介護福祉士
介護福祉士は、介護資格の中で唯一の国家資格で、取得することで「介護福祉士」を名乗ることができます。高い専門性を証明できる資格なので、取得すれば転職に有利になったり給与アップを望めたりするでしょう。受験資格を得る方法は、主に「養成施設ルート」「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」の3通りです。「最短で介護福祉士になるには?知っておきたい3つのルート」で詳しく解説しています。
出典
社会福祉振興・試験センター「[介護福祉士国家試験]受験資格」(2024年4月24日)
無資格から介護職になる方法
前述のように、介護職は無資格・未経験から目指すことが可能です。転職後にスムーズに業務をこなすためには、「無資格・未経験可の求人に応募する」「資格を取得してから職場を探す」などの方法があります。
無資格・未経験可の求人に応募する
未経験から介護職を目指す場合は、「無資格・未経験可」の求人に応募するのがおすすめです。無資格・未経験歓迎の施設は、教育制度や資格取得支援制度が整っている可能性が高いといえます。「働きながら資格取得を目指したい」「少しずつ介護業務を覚えたい」という方には、適した環境でしょう。
未経験から転職しやすい施設の例として、デイサービスや有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅が挙げられます。これらの施設は、利用者さんの自立度が高い傾向にあり、専門的なスキルよりもコミュニケーション能力を重視する施設もあるようです。なお、介護サービスの対象者や仕事内容、運営方針などは施設ごとに異なるので、転職前に確認しておきましょう。
資格を取得してから職場を探す
「転職がうまくいくか不安…」「知識をつけてから仕事をしたい!」という方は、資格を取得してから介護の仕事を始めるのも、選択肢の一つです。資格を先に取得するメリットとしては、無資格で働くよりも給料が上がることや、転職先の選択肢が増えることが挙げられます。
レバウェルスクール介護(旧 きらケアSTEPUPスクール)では、現役の医療福祉職員が講師を務めており、実用的な知識を身につけることが可能です。求人探しのサポートも充実しているので、ぜひ気軽にご利用ください。
先に資格を取りたい方へ
無料相談はこちら介護の仕事についてよくある質問
ここでは、介護の仕事についてよくある質問にお答えします。「介護職について詳しく知りたい!」という方は、ぜひご覧ください。
介護職に向いてる人はどんな人?
奉仕精神があり、コミュニケーション能力が高い人は、介護職に向いているといえます。介護職員には、介助技術だけでなく利用者さんに寄り添う姿勢が必要です。丁寧な声掛けや気遣いが必要なので、「人の役に立ちたい」という気持ちがある人は活躍できるでしょう。また、コミュニケーション能力があると、利用者さんに心を開いてもらいやすくなります。施設によっては多職種との連携も必要になるため、チームワークを大事にして働けるとスムーズに業務をこなせるでしょう。詳しくは、「介護の仕事に向いている人の特徴」で解説していますので、参考にしてください。
介護職の仕事内容はきついの?
介護の仕事は、介助をするときに身体に負担がかかったり夜勤があったりすることから、体力的にきついと感じる人もいるようです。初めは大変に感じることが多いかもしれませんが、業務をこなすうちに慣れていくでしょう。また、利用者さんとの接し方が分からず、悩むこともあるかもしれません。しかし、利用者さんと信頼関係を築けたときや、感謝の言葉をもらえたときには、大きなやりがいを感じられます。介護職に転職するか迷っている方は、「介護職が未経験で不安…無資格でも仕事はできる?転職の悩みを解消しよう!」の記事もご参照ください。
まとめ
介護職の仕事内容は、食事介助や入浴介助、排泄介助といった身体介護と、掃除や洗濯、食事の準備などの生活援助が中心です。ほかにも、レクリエーションの企画・運営や介護記録の作成なども行います。
介護の仕事の魅力は、「利用者さんから感謝の言葉をもらえること」「社会貢献ができること」「段階的なキャリアアップができること」などです。「介護の仕事ができるか不安…」という方も、仕事をしていくうちに慣れていくので必要以上に悩まず、挑戦してみると良いでしょう。
「自分がどの施設に向いているのか分からない…」「介護職の働き方をさらに詳しく知りたい!」という方は、レバウェル介護(旧きらケア)にご相談ください。介護業界に詳しい転職アドバイザーが、あなたの希望に合う求人をお探しします。サービスはすべて無料なので、ぜひ気軽にご利用ください。
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