
この記事のまとめ
- 就労継続支援B型の職員を辞めたい理由は、コミュニケーションが難しいこと
- 退職を決める前に、辞めたい理由を考えたり周囲に相談したりしよう
- 退職する際は、まずは直属の上司に辞めたい旨を伝える
「就労継続支援B型の職員を辞めたい」とお悩みの人もいるのではないでしょうか?就労継続支援B型事業所の職員によくある悩みは、「利用者さんとのコミュニケーションが難しい」「人間関係が大変」などです。この記事では、就労継続支援B型事業所の職員が「仕事を辞めたい」と考える理由や、転職する前にできること、退職時の流れを解説。就労継続支援B型からの転職におすすめの職場も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
就労継続支援B型の職員が仕事を辞めたいと考える理由
就労継続支援B型の職員はさまざまな悩みを抱えており、なかには「辞めたい」と考える人もいるでしょう。ここでは、就労継続支援B型の職員が「仕事を辞めたい」と考える理由を紹介します。
利用者さんとのコミュニケーションが難しい
就労継続支援B型の職員が辞めたいと考える理由の一つが、利用者さんとのコミュニケーションが難しいことです。就労継続支援B型事業所では、障がいによる特性や利用者さんの個性を理解し、一人ひとりに合わせた対応をすることが求められます。利用者さんによっては、自分の意思を伝えるのが苦手な方もいるため、言葉だけではなく行動の理由も考えながらコミュニケーションを取る必要があるでしょう。
また、利用者さんのためと思って指導した結果、利用者さんに嫌われてしまうことも。頑張っても利用者さんの成長に貢献できないと、自分が空回りしていると感じることがあるようです。
就労継続支援B型には大勢の利用者さんがいるため、全員に意識を向けるのを大変に感じる人もいます。さまざまな利用者さんに対し、同時に適切な支援を提供するのが難しく、仕事を辞めたいと思うことがあるのかもしれません。
人間関係のトラブルに悩む
就労継続支援B型の職員のなかには、人間関係のトラブルに悩んで「辞めたい」と考える人もいます。不機嫌な態度を取ったり、陰口や悪口を言ったりするスタッフがいると、仕事に前向きに取り組めなくても無理はありません。威圧的な態度を取るスタッフがいる場合、萎縮して思うようにコミュニケーションが取れなくなってしまうことも考えられます。
また、ほかのスタッフのミスの後始末をさせられたり、厄介な仕事を押し付けられたりするなど、不公平な状況も「辞めたい」と感じる要因になり得ます。
業務量が多く職場環境が悪い
事業所が狭かったり必要な設備が整っていなかったりする場合、職場環境が悪いことにストレスを感じてしまうことがあります。また、人員不足で長時間労働が続いていることや、十分な休憩が取れないことで、心身ともに疲労して「辞めたい」と感じることもあるようです。
仕事内容に対して給料が低い
厚生労働省の「令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果(p.80)」によると、就労継続支援B型事業所の福祉・介護職員(常勤)の平均給与は、27万9,990円でした。障害福祉サービス全体の福祉・介護職員の平均給与である31万2,310円と比較すると、3万円以上低いことが分かります。
ただし、障害福祉サービス全体では、入所系の施設が平均値を上げています。就労継続支援B型事業所には夜勤がないため、夜勤のある入所系の施設を含む平均と比べ、低くなっていると考えられるでしょう。
出典
厚生労働省「令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」(2024年10月3日)
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対応する業務の種類が多く負担に感じる
就労継続支援B型事業所で働く職員の仕事内容は、利用者さんの生産活動のサポート以外にも、日常生活の支援やレクリエーションの企画・運営など多岐にわたります。また、営業活動を担当する場合もあり、業務の範囲が広いことを負担に感じる人もいます。
業務の種類が多いと、仕事を覚えるのを大変に感じたり、ミスをしないか不安になったりして、精神的にきついと感じることもあるでしょう。
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職場の方針と自分の考えが合わない
以下のように、職場の方針と自分の価値観が合わないことが、「辞めたい」という考えにつながることもあります。
- 利益重視の経営方針で、利用者さんに丁寧な対応ができない
- マニュアルで仕事の流れが決められており、窮屈に感じる
- 専門知識や自分の得意分野を正しく評価してもらえず、能力を発揮できない
自分のやりたい支援とかけ離れていたり、スキルを正当に評価してもらえなかったりする場合、退職したいと思う可能性があるでしょう。
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アドバイザーに相談する(無料)就労継続支援B型の職員が退職を決める前にしておきたいこと
「就労継続支援B型の仕事を辞めたい」と考えている職員は、退職を決断する前に、本当に辞める必要があるかを考えてみましょう。今の状況を変えたい一心で焦って退職してしまうと、転職先でも同じような悩みを抱えてしまうおそれがあります。
退職を決める前にすべきことを以下にまとめたので、転職してから後悔しないためにチェックしておきましょう。
仕事を辞めたい理由を書き出してみる
まず、今の仕事を辞めたい理由を書き出し、整理してみましょう。業務そのものが理由なのか、人間関係なのか、職場環境なのか、きっかけは何だったか客観的に考えてみてください。現在の職場で改善できることもあれば、転職しないと解決が難しいこともあるため、自分の不満や悩みがどちらに該当するのか判断する必要があります。
転職してから後悔しないためには、一時的な感情で退職を決断していないかチェックすることが大切です。結果的に転職をする場合もしない場合も、書き出した理由は、自身の仕事に対する価値観の軸として役立ちます。
家族・友人や職場のスタッフに相談する
悩みを周囲の人に相談することで、気持ちが落ち着くこともあります。人間関係が理由の場合、解決策となるアドバイスをもらえることもあるかもしれません。一人で悩んでいるのなら、身近な人に相談してみると良いでしょう。
上司に悩みを話してみる
辞めたい理由が給料や職場環境なら、上司に相談したり交渉してみたりすることで、具体的な解決案が見つかる可能性があります。給与交渉の際は、評価制度などを確認し、自分のスキルや成長をアピールできる状態で臨むと良いでしょう。
また、ほかの職員や利用者さんとの関わり方といった悩みがある場合、相談することで配慮してもらえるかもしれません。
業務を効率化できないか考えてみる
残業時間が長い場合や、休憩する余裕がない場合は、業務の進め方を見直してみましょう。周りに残業時間の短いスタッフがいるなら、その人を参考にしたり意見を聞いたりして改善するのがおすすめです。
また、仕事を一人で抱え込み過ぎないようにすることも大切です。人に割り振れる仕事がないかや優先順位を考えて行動してみましょう。
求人をチェックしてみる
仕事を辞める前に求人をチェックし、ほかの事業所の条件と今の環境を比較してみることをおすすめします。今よりも自分にとって良い条件の職場があれば、転職を視野に入れても良いでしょう。働きながら仕事を探せば、収入が途切れないため、焦らず余裕をもって転職活動ができます。
転職エージェントに相談する
退職するか迷っている場合、転職エージェントに相談し、自分の望む条件で転職ができそうか確認するのもおすすめです。転職エージェントを利用すると、無料で求人の紹介や転職活動のサポートを受けられます。
「希望の働き方ができる職場で働きたい」という方は、介護業界に特化した転職エージェントの「レバウェル介護(旧 きらケア)」にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)では、担当の転職アドバイザーが丁寧に希望条件をヒアリングしたうえで、1件1件の求人条件を確認。事業所の採用担当者に実態を確認できるため、ミスマッチを減らすことができます。
履歴書の添削や面接対策、応募先とのやり取りの代行など、転職を総合的にサポートするので、「転職活動の時間が取れない」とお悩みの方も、ぜひお気軽にご利用ください。
就労継続支援B型の職員が退職する流れ
ここでは、就労継続支援B型の職員を退職する流れを紹介します。円満退職のためにも目を通しておきましょう。
直属の上司に辞めたい旨を伝える
退職を決めたら、まずは直属の上司に辞めたい旨を伝える必要があるので、2人で話せる時間を作ってもらいます。退職を伝えるのは、余裕をもって退職日の1〜3ヶ月前が望ましいでしょう。
民法第627条には、雇用の解約を申し入れてから2週間経過すると退職できることが記載されています。しかし、2週間前だと業務の引き継ぎや職員の補充が間に合わない可能性があるため、少なくとも1ヶ月前には伝えるようにしましょう。一般的に、就業規則にいつまでに退職の申し出が必要か記載してあるため、退職を決めたらチェックしておくことをおすすめします。
「辞めたい」と伝える際は、感情的にならないように注意しましょう。理由を聞かれたり引き止められたりする可能性もあるので、辞める意志を貫けるように気持ちを固めてから伝えるのがポイントです。
退職のタイミングについては「介護職を半年で退職するのはアリ?離職理由や転職のタイミング・準備を紹介」の記事でも紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
出典
e-GOV法令検索「民法」(2024年10月3日)
業務の引き継ぎをする
退職が決まったら、後任者が困らないよう、口頭での説明だけでなく引き継ぎ資料やマニュアルの作成も行います。退職前に引き継ぎが完了できるよう、逆算してスケジュールを立てておくことが大切です。
退職時は職場から借りていたものを返却する
制服や名刺、社員証、健康保険証など、職場から借りている備品は退職時に返却します。使用しているロッカーやデスクがある場合、退職日に向けて少しずつ片付けておきましょう。なお、利用者さんへの退職の挨拶は、利用者さんを不安にさせるため、しなくて良い場合があります。利用者さんへの挨拶が必要かは事業所によって異なるので、事前に確認しておくと安心です。
退職の手続きに関しては、「【介護の転職】円満退職の方法や退職意思の伝え方のポイント」の記事で解説しているので、合わせてご確認ください。
就労継続支援B型の職員におすすめの転職先
ここでは、就労継続支援B型の職員に向いている転職先を紹介します。それぞれどのような人におすすめかも解説するので、自分に合った転職先を探すためにお役立てください。
障害者施設
ここでは、障害者施設として「別の就労継続支援B型事業所」と「入所施設」を紹介します。いずれも、経験を活かして働きたい方におすすめです。
別の就労継続支援B型事業所
職場環境や人間関係に不満がある場合、別の就労継続支援B型事業所への転職がおすすめです。今の職場での経験をそのまま活かせるため、転職先を見つけやすく、即戦力として活躍できるでしょう。
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障害者施設で働くにはどんな資格が必要?仕事内容や働くメリットも紹介
入所施設
給与に不満がある場合、入所施設への転職がおすすめです。入所施設には夜勤があり、高度なスキルを要する身体介護が多いので、給与が高い傾向があります。ただし、身体介護や夜勤には体力が必要なことに留意しておきましょう。
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介護施設
就労継続支援B型事業所から介護施設に転職する場合、コミュニケーション能力や介護技術を活かして働けます。また、転職先の選択肢が多いのもメリットです。以下では、介護業界が未経験の方にもおすすめの職場を2つ紹介します。
デイサービス
デイサービスは、介護度が低い利用者さんが多いため、無資格の方も働きやすい介護施設です。利用者さんが日帰りで通うのが特徴で、就労支援と同じく日勤のみで、夜勤はありません。レクリエーションやイベントなどがあるので、企画するのが好きな人はやりがいを感じながら働けるでしょう。利用者さんとの会話が多いので、コミュニケーション能力も活かせます。
なお、デイサービスには送迎業務が必須の場合があるので注意が必要です。運転免許があっても運転に自信のない方は、送迎の有無を事前に確認しておくと安心です。
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有料老人ホーム
有料老人ホームでは、利用者さんと長期的に関われるため、一人ひとりに寄り添ったケアをしたい人におすすめです。また、福利厚生が充実している傾向にあるので、求人を探す際は注目してみてください。
介護付き有料老人ホームの場合は、介護職員のほかに管理者や看護職員、ケアマネジャーなど、それぞれの人員基準が定められているため、職員の配置に余裕がある傾向があります。「人手不足で残業が続いてつらい…」という方は、人員に余裕のある介護付き有料老人ホームを選ぶと良いでしょう。
自立している人が利用する「健康型有料老人ホーム」なら、身体介護が必要ないので、腰痛があったり体力に不安があったりする人にもおすすめです。身体介護が必要な施設に比べると高度な介護スキルが求められる機会が少ないため、介護未経験OKの求人も見つけやすいでしょう。
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就労継続支援B型職員の転職に役立つ資格
障がい者支援や高齢者介護など、福祉の仕事に携わる場合は、下記の資格があると転職に有利になるでしょう。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
介護職員初任者研修は、約1~4ヶ月で取得できるので、無資格の方が取得するのにおすすめの資格です。上記のほか、転職先によっては「強度行動障害支援者養成研修」や「重度訪問介護従業者養成研修」などの資格が役立つこともあります。
福祉系の資格の種類や取得方法について詳しく知りたい方は、「【障がい者支援に役立つ資格一覧】取得方法や難易度、習得できるスキルは?」をご参照ください。
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就労継続支援B型の職員に資格は必要?仕事に役立つ研修や国家資格を解説!
就労継続支援B型の職員の退職に関するよくある質問
ここでは、就労継続支援B型の職員の退職に関するよくある質問に回答します。退職をお考えの就労継続支援B型の職員の方は、ぜひご一読ください。
就労継続支援B型の職員を辞めたいです…
就労継続支援B型の職員を辞める際は、まず上司や管理者に伝えましょう。退職には引き継ぎが必要なため、余裕をもって1~3ヶ月前に伝えるのが理想です。詳しい退職の流れは、この記事の「就労継続支援B型の職員が退職する流れ」で紹介しているので、ぜひご覧ください。
就労継続支援B型の職員の退職理由は何ですか?
就労継続支援B型の職員の退職理由としては、仕事量の多さや職場環境への不満などが挙げられます。また、業務の大変さに対して給料が見合っていないと感じる方もいるようです。詳しくは、この記事の「就労継続支援B型の職員が仕事を辞めたいと考える理由」で紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
まとめ
就労継続支援B型の職員が「仕事を辞めたい」と悩むのには、利用者さんとのコミュニケーションの難しさや業務の種類の多さ、給料への不満などの理由があるようです。
一時的な感情で退職の決断をして後悔しないためには、なぜ仕事を辞めたいのかを書き出してみたり、家族や上司に相談して続けられる解決策はないか探したりしてみましょう。今の職場では悩みの解決が難しく、転職を決意した場合、1~3ヶ月前に上司に辞める旨を伝えるのが、円満退職のポイントです。
また、転職活動は、退職前に進めておくと良いでしょう。別の就労継続支援B型事業所や、デイサービスや有料老人ホームといった介護施設なら、支援の経験を活かして働けます。
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