
この記事のまとめ
- 介護職に向いていない人と思われる傾向にあるのは、協調性に欠ける人など
- 介護職に向いていないと悩みやすい時期は、入社して間もないときなど
- 介護職に向いていないと悩んだときの対処法は、その理由を書き出してみる
介護職の方のなかには、「介護職を辞めたい」「自分には向いていない」とお悩みの方もいるでしょう。仕事がうまくいかない、人間関係がつらいなど、辞めたい原因は人それぞれです。この記事では、介護職員が向いていないと感じやすいタイミングや、退職を決める前に試してほしい対処法を解説。介護職を続けるメリット、転職のポイントについてもご紹介しているので、ぜひご覧ください。
→レバウェル介護の資格スクールはこちら現役介護職が思う介護職に向いていない人とは?
介護職に向いていない人の特徴が気になる方もいるでしょう。介護業界に特化した転職エージェントであるレバウェル介護(旧 きらケア)は、現役の介護職員を対象に独自にアンケート調査を実施しています(2023年11月12日~2023年12月31日に実施 回答数:247)。
ここでは、アンケート結果をもとに、介護職に向いていないと言われる人の特徴をまとめました。
- 協調性がない人
- 潔癖症な人
- メンタルが弱過ぎる人
- 感情的になりやすい人
- コミュニケーションを取るのが苦手な人
- 誠実さに欠ける人
- 1人で仕事を抱え込んでしまう人
- 体力がない人
- 融通が利かない人
下記では、現役介護職員の声と介護職に向いていない傾向のある人の特徴を解説します。
協調性がない人
施設のルールを守れなかったり、周囲と協力しながら仕事ができない協調性に欠ける人は向いていないと感じます。
介護職は、介護職員だけでなくケアマネジャーやリハビリスタッフ、生活相談員などとの多職種連携が求められます。自分と違う意見を受け入れられない、周囲と協力できないなど、協調性に欠ける場合は働きにくさを感じるかもしれません。また、自分勝手な行動は、事故やトラブルにつながるおそれも。安心かつ安全な介護を提供するには、協調性が必要です。
潔癖症な人
潔癖症で、便臭や尿臭が苦手な人や、吐しゃ物や排泄物を処理するのが苦手な人は仕事がきついと感じることがあります。
介護職員は入浴や排泄の介助に入ることがあるため、潔癖症の方は「苦手」や「避けたい」と思うことがあるようです。同時に、介護職員にも関わらず介助業務に嫌悪感を抱いてしまったことに、「自分には向いていないのでは?」と葛藤するケースもあるでしょう。
メンタルが弱過ぎる人
人の言葉や態度をストレートに受け止め過ぎてしまう人は、心配になります。
介護職は、利用者さんやご家族、職員など多くの人と関わります。そのため、人間関係のストレスをためやすい人は、「向いていない」と感じることがあるようです。なかには、人の気持ちを考えない言動をする方がいることも。利用者さんや職員から無神経なことを言われたときに、自分に落ち度のないことまで責任を感じる傾向にある方は、ストレスをため込んでしまうかもしれません。
なお、労働環境を変えることで解決する可能性があるため、部署異動やシフトの変更を打診したり転職を検討したりすることをおすすめします。
感情的になりやすい人
感情のコントロールができず短気な方は、介護職には向いていないかもしれません。
感情的で怒りっぽい人は、利用者さんや周囲の職員と良好な関係が築きにくく、介護職に向いていないと感じやすいでしょう。利用者さんのなかには、病気や後遺症などで意思疎通がスムーズにできない方や、歩行や動作が遅い方がいるため、思うように業務が進まないことがあります。また、利用者さんから理不尽な要求を受けたり暴言をはかれたりすることもあり、イライラする要因になるかもしれません。
人手不足や職場環境が要因になっている場合もありますが、介護職は感情のコントロールが必要です。介護職で働く際は、周囲に対してきつい対応をしていないか気をつけてみましょう。介護現場で活かせる感情のコントロールの方法は、「介護の現場で役に立つアンガーマネジメントとは?トレーニング方法を解説!」を参考にしてみてください。
コミュニケーションを取るのが苦手な人
人の話を聞けない人や1人で仕事をしたい人には、介護職は不向きだと思います。
介護職は、日常的に利用者さんとコミュニケーションを取り、利用者さんの意思や体調の変化を確認します。人との会話が苦手だと、「介護職に向いていない」と思う場合があるようです。
また、介護職の仕事はコミュニケーションによる職員同士の連携も大切です。「1人で黙々と仕事をしたい」という方は、介護職はやりがいを感じにくいかもしれません。
誠実さに欠ける人
弱い立場の人に攻撃的な言動をしたり、接遇が悪い人には向かないように感じます。
相手への思いやりをもって接することができない人は、周囲から「介護職に向いていない」と思われるかもしれません。誠実さに欠けた対応は、利用者さんに不快な思いをさせたり、尊厳を傷つけたりします。介護職として働く際は、なれなれしい態度や威圧的な態度などをとらないように気をつけましょう。
1人で仕事を抱え込んでしまう人
真面目で仕事を抱え込む人は、働いていてつらいと感じることがあるかもしれません。
真面目な性格で人に仕事を任せるのが苦手な方は、1人で仕事を抱え込んでしまう傾向にあり、仕事に疲弊してしまう可能性があります。介護職は多職種連携が求められる仕事の特性上、チームワークが重要。新人教育では、ある程度仕事を任せることも必要です。つい仕事を抱え込んでしまう方は、チームで協力して業務をこなす意識を持つと良いでしょう。
体力がない人
夜勤業務では少ない人数の職員で起床介助などを行うため、一定の体力が必要です。
身体介護などの力仕事を行う介護職は一定の体力が求められ、体力がないと身体的なつらさを感じるかもしれません。特に要介護度の高い利用者さんがメインの施設では、自分よりも重い利用者さんを支えたり抱え上げたりすることがあります。体力に自信がない方は、「介護職は向いていない」と感じやすいでしょう。
融通が利かない人
マニュアルにこだわって臨機応変に対応できない人は困りますね…。
「自分の予定に沿って仕事を進めたい」「マニュアルどおりの対応しかできない」という方の場合、介護職は働きにくさを感じるかもしれません。介護の仕事は、利用者さんの状況により想定外の出来事が発生することがあるため、臨機応変な対応が必要です。業務効率やマニュアルも大切ですが、介護現場では臨機応変に対応できる人が求められます。
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アドバイザーに相談する(無料)先輩介護職は向いていないと思ったことがある?
レバウェル介護(旧 きらケア)では、現役の介護職員を対象に「自分が介護職に向いていないと思ったことはありますか」というアンケートを行いました(2023年11月12日~2023年12月31日に実施 回答数:247)。アンケートの結果、「何度もある」が52.6%。半数以上が、「介護職に向いていないと何度も思ったことがある」と回答しました。続いて、「思ったことはない」が37.7%、「1回ある」が9.7%です。
介護職に向いていないかも…という悩みは多くの先輩介護職が経験していることであることが分かります。そのため、「介護職を辞めたい」と思うことがあっても、負い目を感じる必要はありません。
介護職に向いていないと感じやすいタイミング
ここでは、介護職員が「介護職に向いていない」と感じるタイミングを紹介します。介護職への転職を検討している方で、「どんなときに向いていないと思うの?」と気になる方は、チェックしてみてください。
入社して間もないとき
入社して間もない時期は、慣れない仕事へのストレスや仕事を覚えられない焦りから「向いていない」「辞めたい」と悩む方はいます。特に、未経験からの転職で、想像していた介護現場と実際の仕事内容にギャップがあった場合、「自分に介護職は向いていない」と感じてしまうようです。一度合わないと思ってしまうと、その後も介護にやりがいを感じられず、早期退職してしまう方もいます。
人間関係に悩みを抱えているとき
Leverages MedicalCareの「きらケア介護白書2022(p.30)」によると、2回以上の転職経験がある方の「転職をした理由」の第1位は「職場の人間関係が悪かった」でした。介護施設には職員、利用者さんを合わせて多くの人がいます。関わる人の多さから性格の不一致やすれ違いなどが発生しやすく、いじめやハラスメントが起こってしまうことも。その結果、人間関係のさまざまな悩みに耐えられず、介護職を辞めたいと思うようです。
出典
Leverages MedicalCare「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2024年10月28日)
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仕事で精神的なストレスを感じたとき
利用者さんに介護を拒否された、上司や同僚に心無い言葉を言われたなど、仕事でつらいことがあったとき、介護職に向いていないと感じてしまうこともあるようです。相手には悪気がなかったとしても過剰に自分を責めてしまい、精神的な辛さから辞めたいと考えてしまう方もいます。
利用者さんに不適切な対応をしてしまったとき
忙しさなどから、利用者さんにイライラしてしまったときや丁寧に話を聞いてあげられなかったとき、利用者さんから嫌がられてしまったときなどに、介護職に向いていないと感じる方もいるようです。先述したように、人手不足が原因の一つになっていることもあり、職場内での働き方の改善が必要なケースがあるのも事実。しかし、不適切な対応をしてしまった際には、「気持ちに余裕をもって働きたい」と、転職を考えるきっかけになることもあります。
体力的に限界を感じたとき
加齢とともに体力が低下すると、ハードな仕事である介護職は向いていないと感じるようになる方もいます。Leverages MedicalCareの「きらケア介護白書2022(p.11)」の「介護の仕事で大変だと感じること」は、58.7%もの方が「腰痛になりやすいなど身体的負担が大きい」と回答。利用者さんの体を支えるのには力が求められ、介助業務によって肩や腰を痛めてしまうケースもあるようです。夜勤シフトがある場合は、生活リズムが安定せず体調を崩しやすくなることも。こういった身体的な問題から、介護職を辞める方もいます。
出典
Leverages MedicalCare「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート「きらケア介護白書2022」を公開しました」(2024年10月28日)
マネジメントがうまくいかないとき
管理職員の場合、マネジメント業務がうまくいかないと悩んだときに、辞めたいと思うこともあるようです。勤続年数が3~5年程度になると、介護主任やリーダーといった管理職に昇格するなど、マネジメントの仕事を任せられることがあります。管理職になると、介護の仕事だけを行っていたときとは勝手が変わってしまうため、現場職員の指導や人材管理などがうまくいかないと悩む方もいるようです。
また、管理職を任されるようなベテランの介護職員になると、将来のキャリアについて悩み「介護職を続けても先が見えない…」と考えてしまうこともあるでしょう。
介護職に向いていないと感じたときの対処法
ここでは、介護職に向いていないと感じたときの対処法を解説します。また、現役介護職員の方の声も紹介。介護職に向いていないと悩んでいる方は、参考にしてみてください。
向いていないと思う理由を書き出してみる
介護職に向いていないと悩んでいる方は、「なぜ向いていないと思うのか」を紙に書き出してみましょう。客観的な視点から自分の現在の状況を理解することで、悩みの要因が見えてくることがあります。そのうえで、ご自身の悩みに対する対策や解決方法を検討するのが効果的です。
スキル面で悩んでいる場合は焦らず経験を積む
悩みの根底が「介護がうまくいかないから辞めたい」「仕事に時間が掛かって迷惑をかけてしまう」などのスキル面にある場合、じっくりと経験を積むことに集中することが大切です。仕事や勉強の習熟度は人によって異なるので、とにかく場数を踏んでいくと良いでしょう。ほかにも、勉強会へ参加したり、資格を取得したりするなどして専門知識を身につければ、自信をもってケアに当たれるようになります。
先輩介護職員の声
・動画サイトにアップロードされている介護系の動画を見て、自分の行動を分析しています。
・今の自分に足りないことと、利用者さんとの距離の置き方について振り返りました。
家族や職場の上司の意見を聞いてみる
介護職を辞めたいときは、家族や友人、職場で仲の良い同僚、上司など、信頼できる身近な人の意見を聞いてみるのも良いでしょう。周りに相談すると、自分にはなかった視点に気づけたり、客観的な意見をもらえたりすることもあります。具体的なアドバイスがなくても、人に話して悩みを言語化することで気持ちが整理され、不安が軽くなることもあるでしょう。
先輩介護職員の声
・向いてないと感じたとき、同僚や上司に相談したり愚痴を聞いてもらったりしました。
・素直に先輩に話して客観的な意見を聞き、アドバイスをもらいながら一日一日を乗り切りました。
・不穏が続く利用者さんにきつい言い方をしてしまい、落ち込むことがありました。同僚に話をして共感してもらうことで、気持ちが楽になったことがあります。
仕事で小さな目標を決める
仕事がマンネリ化したことで辞めたいと悩んでいる場合は、仕事の目標を決めてみると良いでしょう。目標をクリアして自分の成長を実感できれば、仕事にやりがいを感じられるようになります。ただし、目標の達成まで時間が掛かるような、自分のスキルに見合わない大きな目標は、仕事へのモチベーションが下がってしまうので注意が必要です。まずは、自分の介護技術の習熟度にあった目標を設定するのがポイント。少しずつ目標のレベルを上げていけば、着実に成長していけるでしょう。
先輩介護職員の声
・勉強不足、スキル不足を補うためにまずは資格の取得を目指しました。勉強を始めることで、自分に自信をつけようと思いました。
休日は気分転換する
休日は、自分の好きなことをして気分転換をするようにしてみましょう。適度に息抜きをすることで仕事への集中力が増し、問題解決に向けて動けるようになります。疲れがたまってしまうと、ネガティブな思考になってしまうもの。ショッピングやアウトドア、映画鑑賞、アロマなど、自分に合った気分転換の方法をみつけてみましょう。
先輩介護職員の声
・落ち着いて疲れをお風呂で癒やしています。そして、心を切り替えてお客様に対応しました。
・日々、業務で手を抜かずに働いていたため、疲れ切ってしまいました。とにかく休養し、良い睡眠を取ることを重視してリセットしました。
・テレビや雑誌などを見て気分転換をしています。
仕事だと割り切って切り替える
介護職は、「仕事は仕事」と割り切ることが大切です。退勤した後は、仕事のことを長時間考え過ぎないようにしましょう。プライベートに仕事の悩みを持ち込んでしまうと、なかなか疲れが取れません。プライベートでは趣味に没頭したり、睡眠をとったりして、自分なりの方法で気持ちを切り替えることを意識することが大切です。
先輩介護職員の声
・お金のためと割り切りました。
・あまり深く考えないようにしています。「そもそも向いている人なんていないのでは」と思っています。
・利用者さんに真面目に向き合わなければならないと思いますが、自分なりの許容範囲を認識するよう努めました。
・許容範囲を超えて自分が疲れてしまうと、良い介護ができなくなってしまいます。どこかで「ここまで」と割り切る術を身につけました。
無理せず周りの職員に助けを求める
解決できないときは、無理せず周りの職員に助けを求めましょう。上司や先輩に相談することで、シフトの調整をしてくれたり人員配置などを変えてくれたりするなどの対応をしてくれる場合があります。同じ系列で別の職場があれば、異動するのも一つの選択肢です。職場環境が変われば、介護の仕事にやりがいを感じられるようになるかもしれません。
先輩介護職員の声
・腰を痛めないよう同僚に助けを求めています。無理をせず、やり方を工夫して乗り切っています。
・不適切な声掛けや介助を行う職員を見て精神的にきつくなったことがありました。不適切な介助はあってはならないことなので、相談できる方と一緒に対応策を考えて改善を進めています。
その他の対処法
レバウェル介護(旧 きらケア)では、「介護職に向いていない」と悩んだことがある介護職員さんに、対処法を聞いてみました。
・「できることを一生懸命にやろう」と思うようにしています
・自分の中の向いている面を探し、メンタルを維持しています。
・悩んでも「結局利用者さんが好き」に戻ってくるので、介護の仕事を続けています。
・誰もが正しい介護をしているわけではないので、自分の信念を貫いています。
・時間が解決してくれることもあると思います。
・利用者さんがどんな介護をされたら喜ぶか考えて乗り切っています。
・自分で限度を決めずに楽しみを探してください。
悩んだときの対処法は、人によってさまざまです。自分に合った方法や考え方をみつけてみましょう。
介護職に必要なスキル・適性
「スキル面で悩んでいる場合は焦らず経験を積む」でも触れたように、場数を踏んだり経験を積んだりするなどして、必要なスキルを身につければ、「向いていない」という悩みを解決できる場合があります。
下記では現役の介護職員の声をもとに、介護職員に求められるスキルや適性をまとめました。介護職に求められるスキルを知って、効率的にスキルアップを目指しましょう。

実施期間:2023年11月12日~2023年12月31日 回答数:247
下記で、それぞれ詳しく解説します。
こまめな報告・連絡・相談
介護現場では、利用者さんの安全やケアの質向上、緊急時の素早い対応、ほかの職員の仕事の進み具合の把握などのために、こまめな報告・連絡・相談が求められます。「相談が必要かどうかの線引きが分からない」という場合、まずは相談してみることが大切です。不安なことや不明点などを周囲と共有することで、ミスや介護事故を防げます。経験を積むことで、報告・連絡・相談が必要なケースが分かるようになるでしょう。
利用者さんへの思いやり
介護現場では、利用者さんの目線で物事を見ることも大切です。利用者さんのなかには、病気や後遺症などで意思疎通が難しい方、遠慮から自分の意思を伝えられない方がいます。そういった方の表情などのわずかな変化から、利用者さんの思いを汲み取らなければなりません。利用者さんの生活背景や性格などを考えたうえで、思いやりのあるケアができるようになれば、介護スキルの向上につなげられるでしょう。
前向きに仕事を覚える気持ち
介護職員の仕事は多岐にわたり、覚えることが多いため、前向きに仕事を覚える気持ちがなければ、介護職の仕事を続けるのがつらくなってしまいます。また、先輩や上司が仕事を教える際、教えてもらう側にやる気が感じられないと、「教えても無駄」と思われるおそれも。特に新人の介護職員は、前向きに仕事を覚える気持ちをもって、少しでも早く独り立ちすることを目指して頑張る姿勢が大切です。
素直さ
介護職員は、教わったことを素直に聞き入れて、改善する素直さも求められます。ほかの施設から転職した際、前の職場のやり方と転職先の職場の規則や介護方針が違うことがあるでしょう。前の職場のやり方に固執していると、職場内の業務がうまく回らなくなってしまいます。介護の仕事は、これまでのやり方や価値観に固執し過ぎないことも大切です。
コミュニケーション能力
先述のとおり、コミュニケーション能力は利用者さんとの関係構築や職員間の連携で重要です。コミュニケーション能力に欠けると「仕事に向いていない」と悩む可能性が高くなってしまいます。最初から話し上手である必要はないので、介護の仕事は利用者さんや職員と積極的にコミュニケーションを取るようにすることが大切。そうすることで、介護職員としてのコミュニケーション能力が身についていくでしょう。
体力やメンタルの強さ
先述したように、介護職員は身体介護で、自分よりも重い利用者さんを支えたり抱え上げたりするため一定の体力が必要です。また、夜勤と日勤の両方のシフトをこなすためにも、身体が健康でなければなりません。介護職員は、体力や健康づくりに対する意識も必要な要素だといえるでしょう。精神的ストレスがかかりやすい介護職員は、多少のことで折れないメンタルの強さや、自分に合ったストレス解消法を把握しておくことも大切です。
介護職の仕事に自信を持つためにできること
ここでは、介護職の仕事に自信を持つためにできることを紹介します。「介護職に向いていない」と悩んでいる方は、チェックしてみてください。
利用者さんの話を傾聴する
コミュニケーション能力に自信がない方は、傾聴スキルを学ぶと良いでしょう。傾聴スキルとは、相手の話に耳を傾け、相手の気持ちを引き出す能力のこと。「相手の話を受け止める」「否定しない」「最後まで話を聞くようにする」が基本です。傾聴スキルは、利用者さんとの信頼関係の構築に役立つでしょう。
傾聴スキルについて詳しく知りたい方は、「介護で役立つ傾聴スキルとは。共感を示すコミュニケーションの方法」をご覧ください。
事実と解釈を分けて伝える
報告・連絡・相談が苦手な方、先輩や上司から指摘を受ける方は、事実と解釈が混合している可能性があります。報告したり記録を書いたりする際は、事実と解釈を分けて伝えることを意識してみましょう。また、結論から述べたり、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」「どうした」の5W1Hの情報を整理したりすることで、内容が相手に伝わりやすくなります。記録や報告に自信が持てるようになると、「向いていない」と悩むことが少なくなるでしょう。
介護記録の書き方については、「介護記録の上手な書き方のコツとは。基本や例文を解説!」の記事も参考にしてみてください。
業務の効率化を進める
時間に追われて「理想の介護ができない」と悩んでいる方は、効率化できる業務がないか探してみましょう。たとえば、「やることリストを作って優先順位を決めて対応する」「介助がしやすいように、あらかじめ物品や移動同線を考えておく」などです。自分だけでは難しい場合は、先輩に助言を求めるのも一つです。業務の効率化ができれば、一つひとつ仕事に自信を持って取り組めるようになるでしょう。
教わったことはメモを取る
新人のうちは、同じ質問を繰り返さないように、新しく教わったことはメモに取ることが大切です。メモに残しておくことで、メモを見ながら仕事を進められ、業務後の振り返りにも活かせます。これを繰り返すことで、介護の仕事に自信が持てるようになるでしょう。いつでもメモを取れるように、ペンとメモ帳を常に身につけておくと便利です。
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介護の新人職員は「使えない」と言われる?よくある悩みや対処法を解説
体力づくりをする
体力や力に自信がない方は、基礎体力や筋力をつけるためのトレーニングを習慣にするのがおすすめです。必要な筋力がつけば、安全な介護を行えたり腰痛などを予防できたりします。
介護職におすすめの筋トレ方法は、スクワットや腕立て伏せです。具体的なやり方を知りたい方は、「介護職も筋トレしよう!介護の仕事に筋肉が必要な理由とおすすめメニュー」をご覧ください。
介護資格を取得して知識をつける
介護経験の浅さから介護の仕事に自信が持てない場合は、資格取得を目指すのがおすすめです。資格取得に向けて介護の専門知識を身につければ、自分のケアに自信を持てるようになるでしょう。
無資格の方におすすめの資格は、介護職員初任者研修です。この資格は、仕事をしながらでも取得が可能です。初任者研修に興味のある方は、「介護職員初任者研修とはどんな資格?受講費用を抑える方法や取得のメリット」を参考にしてみてください。
首都圏限定!資格取得が無料!
転職活動しながら資格を取る資格取得のみでもOK!
レバウェル介護の資格スクール不向きを理由に介護職を辞めたい人が考えるべきこと
向いていないからといって、退職を急いでしまうと後悔してしまうかもしれません。介護職に向いていない、辞めたいと悩んでいる方は、退職を決断する前に以下の2つを確認してみましょう。
介護の仕事にやりがいはあるか
介護職を辞めるか悩んだときは、まず「自分にとって介護職としてのやりがいは何か」「なぜ介護職員として働こうと思ったのか」を改めて確認してみましょう。やりがいを明確にしたり、初心を思い出したりすることで、本当の自分の気持ちや今やるべきことが見えてきます。それを踏まえて、介護職を続けるか辞めるかを検討してみると良いでしょう。
介護職として活躍している将来の自分を想像できるか
介護職としてのビジョンが見えていないと、「向いていない」「辞めたい」と悩んでしまうことがあります。介護職を続けるか迷ったら、5年・10年後の自分の姿を想像してみましょう。将来の自分を想像することで、介護職を続けるかなどの自分が進むべき道が見えてくるかもしれません。
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「介護職はやめとけ」と言われるのはなぜ?理由ややりがいを解説
介護職を続けるメリット
ここでは、介護職を続けるメリットについてご紹介します。「介護職に向いていないから辞めたい」と悩んでいる方は、以下のメリットも参考にしてみてください。
雇用が安定している
日本では高齢化が進んでおり、今後、介護を必要とする人は増えていくでしょう。一方で、介護業界は人手不足の傾向があり、介護経験者は貴重な人材です。万が一、就職先が経営不振で倒産しても、介護経験を活かして再就職がしやすいというメリットがあります。また、介護施設は全国に多数あるため、家庭の事情などで引っ越しした場合でも、「求人がない」という可能性は比較的低いでしょう。
給与や待遇が改善する可能性がある
2012年から施行された介護職員処遇改善加算制度により、介護業界全体の給与改善が図られています。厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.39)」によると、94.5%の介護施設が介護職員処遇改善加算の届出をしていることが分かりました(令和4年度12月31日時点)。今後も介護職員の待遇が改善されることが予想されるため、将来的に給与がアップしていく可能性も大いに期待できます。
処遇改善手当については、「処遇改善手当とは?介護職員はいくらもらえる?加算の支給対象や要件も解説」で説明しているので、興味のある方はご覧ください。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2024年10月28日)
実は離職率が低い
厚生労働省の「令和5年上半期雇用動向調査結果の概況(p.13)」によると、常用労働者全体の離職率は8.7%、介護職が該当する「医療、福祉」の離職率も8.7%でした。介護職を含む医療、福祉業界の離職率は平均的だといえます。
なお、「生活関連サービス業、娯楽業」は15.0%、「宿泊業・飲食サービス業」の離職率は14.8%です。介護職の離職率は、極端に高いわけではありません。長い視点を持って腹けるのも、介護職のメリットといえます。
出典
厚生労働省「令和5年上半期雇用動向調査結果の概要」(2024年10月28日)
介護職に向いていないと思うのは職場が理由のことも
人によっては、介護職を辞めなくても、ほかの職場へ転職することで解決することがあります。「辞めたい」と感じる理由別に転職の選び方のポイントを紹介するので、参考にしてみてください。
人間関係にストレスを感じているケース
人間関係にストレスを感じている場合は、職場環境を変えることで問題が解決するかもしれません。人手不足で時間に追われている施設では、職員の雰囲気もピリピリすることも。ゆとりのある人員配置を取っている施設を選ぶことで、人間関係のストレスが軽減されるでしょう。
利用者数や職員数などを確認したい場合は、厚生労働省が提供する「介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公開システム」の活用がおすすめです。
出典
厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公開システム」(2024年10月28日)
仕事内容が合っていないケース
介護職に向いていないと悩むのは、「仕事内容が向いていない」という可能性もあります。介護業界における転職では、「業務内容が自分に合っているか」を確認することが重要です。
たとえば、レクリエーションが苦手な方は、訪問介護などレクリエーションがない働き方に変えることで働きやすさを感じるでしょう。調理業務が苦手な方は、調理師を雇用している施設であれば、働きやすくなります。
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訪問介護に向いている人の特徴は?仕事内容や必要資格、やりがいもご紹介
マネジメントする職種に向いていないケース
管理職の方が転職で問題を解決する方法は、2パターンあります。転職して管理業務から離れるパターンと、マネジメントしやすい組織風土の施設に転職するパターンです。「管理業務に向いていない」という場合は、管理職から離れると気持ちが楽になるかもしれません。「管理業務自体はできるが、今の施設長と折り合いが悪い」という場合は、経営方針の合う施設に転職することで、キャリアを維持して働けるはずです。
介護職が向いている仕事に転職するためのポイント
介護職の方が向いている仕事に就くためには、納得のいく転職活動をすることが大切です。転職で失敗しないために気をつけたいポイントを紹介します。
自分の性格やスキルを正しく把握する
自分に合った職場に転職するためには、自分のことを理解する必要があります。「どんなことが好きなのか」「どんなことは許せないのか」「自分にできることは何か」など、自分の性格やスキルを改めて考えてみましょう。考えがまとまると、転職活動で重視したい条件の優先順位が明確になり、ミスマッチを防止できます。
求人で労働条件をしっかり確認する
求人に応募する前に、自分が求める条件とずれているところがないか、十分に確認しましょう。主に確認しておいたほうが良い条件は、下記のとおりです。
- 雇用形態
- 勤務時間と勤務帯
- 施設形態
- 給与の条件
- 休日の日数
- 業務内容
- 福利厚生
転職サイトによっては、細かく条件が記載されていない場合もあります。求人の詳しい情報を知ってから転職したい方は、レバウェル介護(旧 きらケア)までお問い合わせください。
求人票に書いていない情報も収集する
求人票の条件は、その職場のすべての情報を網羅しているわけではありません。そのため、応募前に、気になることがあれば必ず確認するようにします。転職先の公式Webサイトを確認する、面接で直接質問するなどして、不明点がないようにしましょう。
給与や残業など、応募先に直接聞きにくい場合は、転職エージェントを活用するのがおすすめ。アドバイザーが応募先へ問い合わせてくれるので、安心して応募先を決められます。
退職より先に転職活動を行う
納得のいく転職活動をするには、退職前に転職活動を行うことがポイントです。転職先を見つける前に退職する場合、転職活動が長引くと、焦りから情報収取が不十分なまま応募先を決めてしまうかもしれません。その結果、ミスマッチから早期退職を繰り返してしまう可能性があります。落ち着いて応募先を比較するために、働きながら転職活動を進めるようにしましょう。
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アドバイザーに相談する(無料)介護職に関するよくある質問
ここでは、介護職に関するよくある質問を紹介します。「介護職に向いていないかも」とお悩みの方は、参考にしてみてください。
介護職に向いている人の特徴にはどのようなものがあるの?
介護職が向いている人の特徴には、「人と関わることが好き」「細やかな気配りができる」「コミュニケーション能力が高い」「責任感がある」などが挙げられます。介護職は人との関わりが多い職種なので、人間関係にストレスを感じにくい方や周囲と協力して仕事を進められる方は、やりがいを感じやすいでしょう。
自分が介護職に向いているか気になっている方は、「介護の仕事に向いている人の性格10選!職場別の適性や向いてない人の特徴」をご覧ください。
介護職を辞めたいと思ったときの解決策を教えてください
「介護職に向いていない」と悩んだときは、向いていないと感じた理由を書き出してみましょう。紙などに書き出すことで、辞めたい理由を客観的な視点から見ることができます。悩みを客観的に見られれば、対応策も見えてくるはずです。
介護職を辞めたいと悩んでいる方は、「介護職に向いていないと感じたときの対処法」も参考にしてみてください。
介護職は優しい人に向いていないの?
優しい人は、利用者さんの気持ちや状況に寄り添ったサポートができるため、介護職に向いているといえます。ただし、優しさから利用者さんに感情移入し過ぎたり、1人で仕事を抱え込んだりする傾向があるため、ストレスをため込んでしまうかもしれません。優しい人が介護職で活躍するには、介護観が合う職場を見つけることが大切です。
自分が介護に向いているか不安という方は、「介護職は優しい人に向いていないと言われる理由は?悩んだときの対処法を紹介」の記事をチェックしてみてください。
まとめ
協調性がない人や潔癖症の人などは、「介護職に向いていない」と言われることがあるようです。また、入社して間もないときや人間関係にストレスを抱えているときなどは、「介護職に向いていない」という悩みを抱える人もいます。
「介護職に向いていない」と悩んだときは、悩みを書き出して整理してみたり、周りの人に相談したりといった方法をとることで、悩みを軽くできるでしょう。もし、悩みの要因が職場にある場合は、転職などで環境を変えるのも選択肢の一つです。自分の性格やスキルを把握したうえで、自分に合った職場を選びましょう。求人票以外の情報も集め、比較することも大切です。
「自分に合う求人が分からない」「応募先の情報の集め方が分からない」という方は、介護職の転職に特化した「レバウェル介護(旧 きらケア)」にご相談ください。専属のキャリアアドバイザーが経歴や適性、希望をヒアリングしたうえで、条件に合った求人をピックアップしてご提案いたします。
キャリアアドバイザーは求人先の情報収集をこまめに行っているため、求人票には記載されていない情報の提供も可能。分からないことがあれば、アドバイザーが応募先へ問い合わせをするので、仕事が忙しい方も効率的に転職活動を進められます。サービスはすべて無料なので、お気軽にお問い合わせください。
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