
この記事のまとめ
- 特養の生活相談員の主な仕事は、利用者さんの相談対応や入退所の手続き
- 生活相談員の要件は自治体で異なり、介護・福祉系の資格や実務経験が必要
- 特養で働く生活相談員のやりがいは、スキルアップできることなど
特養で働く生活相談員の仕事が気になる方もいるでしょう。生活相談員の主な仕事は、利用者さんの相談対応や入退所の手続き、多職種や関係機関との連携などです。この記事では、生活相談員の仕事内容や資格要件、必要なスキル・経験をご紹介します。仕事の大変さややりがい、メリットも解説するので、特養の生活相談員への転職を考えている方は、ご一読ください。
生活相談員とはどんな仕事?必要資格や給料、やりがいをご紹介!特養における生活相談員の役割とは?
特養の生活相談員の役割は、介護職員やケアマネジャー、外部機関と連携し、利用者さんや入所希望者の悩みを解決することです。施設と利用者さんの架け橋として、調整を行います。
そもそも特養とは
特養とは、特別養護老人ホームの略称です。自宅で生活するのが難しい方に対し、手厚い介護サービスで日常生活のサポートを行います。原則として、要介護3以上の認定を受けた、65歳以上の方が入所可能です。
特養(特別養護老人ホーム)については、「特別養護老人ホーム(特養)とは?分かりやすく施設や入居者の特徴を解説!」の記事で解説しています。
特養の生活相談員が解決する課題
特養の生活相談員は、入所している利用者さんの生活の困りごとの解決する仕事です。多職種や外部機関と連携して、利用者さんが質の高い生活を送れるようサポートすることが求められます。
また、入所希望者やそのご家族の、介護サービスに対する不安を解消することも、生活相談員が対応する課題の一つです。特養の入所を希望する方は、介護度が上がり、今後の生活に不安を感じている方も少なくありません。利用者さんが安心して介護サービスを利用できるよう、生活相談員は多職種連携しながら、しっかりと悩みや要望を汲み取り、入所の調整を行う必要があります。
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特養で働く生活相談員の仕事内容
特養で働く生活相談員の仕事内容は、利用者さんやご家族の相談対応や、入所・退所の手続きなどです。以下で、詳しくご紹介します。
1.利用者さんやご家族からの相談対応
特養で働く生活相談員の仕事として、利用者さんやそのご家族の相談対応が挙げられます。介護施設の窓口として、入所生活や介護保険に関する相談に対応することは、生活相談員の重要な仕事です。
利用者さんからの相談内容は、必要に応じて、施設の職員や外部の関係機関に共有します。多職種連携の中心となり、困りごとを解決に導くのが、特養の生活相談員の役割です。
2.施設への入所・退所の契約手続き
特養への入所や退所に必要な手続きをサポートするのも、生活相談員の仕事です。入所希望者との面談や施設見学の案内を実施。入所までの流れや料金の説明なども、幅広く対応します。なかでも、複雑な介護保険制度は、利用者さんやご家族にとって理解が難しいこともあるため、分かりやすく伝える工夫が必要です。
また、新規の利用者さんを受け入れる際は、施設に空室が出ないように現場との調整も行います。利用者さんが退所する際も、スムーズに移行できるよう、医療機関やほかの介護施設事業所と円滑に連携する必要があるでしょう。
3.医療機関や行政への連絡
生活相談員は、医療機関や行政機関といった外部の関係機関と連携をとり、利用者さんが適切なサービスを受けられるよう、情報交換や調整を行います。たとえば、「利用者さんの体調に変化があった場合、主治医やご家族へ連絡する」「行政機関に施設の空き状況や取り組みを伝えて連携する」などが業務です。
4.サービス担当者会議への参加
特養の生活相談員は、利用者さんのサービス担当者会議に参加します。サービス担当者会議とは、利用者さんとそのご家族、ケアマネジャー、医療職、生活相談員などが集まり、利用者さんの介護方針や提供するサービスを話し合う場のことです。
生活相談員は、普段の利用者さんの様子や、ケアプランに沿ったサービスの実施状況、今後のケアに関する意見などを伝えます。現状を正確に伝えるためには、普段から利用者さんの様子を観察することや、介護職員とコミュニケーションをとることが大切です。
5.苦情の対応
生活相談員は、利用者さんやそのご家族からのクレーム対応を行うこともあります。受けたクレームを施設の職員と共有し、改善できるよう働きかけることも、仕事の一つです。
ときには、利用者さん同士のトラブルが起こることもあるので、適切に状況を把握しておく必要があります。生活相談員としてスムーズに業務をこなすためには、定期的に利用者さんの居室を訪問してコミュニケーションをとったり、人間関係をチェックしたりすることも重要です。
6.ケアプランに沿った介護サービスの調整
施設内でケアプランに沿って介護サービスを提供できているかチェックするのも、生活相談員の役割です。ケアマネジャーが立てたケアプランの実行に責任を持ち、対応が不十分な場合は、生活相談員から介護職員や看護職員に働きかけます。
また、介護職員や利用者さんから、介護サービスの内容について相談や苦情を受けた場合は、ケアマネジャーに報告し、ケアプランの見直しを依頼することもあるでしょう。
7.介護保険請求(レセプト)業務
生活相談員は、介護保険報酬請求(レセプト)業務や物品発注などの事務を行うこともあります。レセプト作成は、介護保険の知識が必要なため、生活相談員のスキルや経験を活かせる業務です。
8.介護職員に対する研修会の企画・実施
施設の介護職員に向けて、介護福祉や介護保険制度に関する研修会を企画することも、生活相談員の仕事です。生活相談員には、介護職員の勉強の場を設け、職場の現状や今後の課題を共有する役割もあります。
9.施設と地域が交流する機会の創出
生活相談員は、地域交流の窓口として、施設と地域が交流する場を作ることもあります。地元中学生の福祉ボランティアの受け入れや、小学生に高齢者や福祉について知ってもらうための出張授業、地域住民を招いたイベントなどを行うこともあるようです。
介護へのなじみが薄い地域住民にも広く門戸を開き、地域に根ざした施設になるよう広報活動を行っています。地域と施設の交流の機会を確保することは、利用者さんの社会参加にもつながるため、生活相談員の取り組みは重要です。
特養で働く生活相談員に兼務はあるの?
特養で生活相談員として働く場合、ほかの職種を兼任する可能性があります。以下で、特養の生活相談員の配置基準を詳しく説明するので、気になる方はチェックしてみてください。
特養の生活相談員の人員配置基準
特養は、利用者さん100名に対し、常勤の生活相談員を1名以上配置する必要があると定められています。規模が大きく、生活相談員を2名配置している施設では、業務で困ったときにほかの生活相談員に相談できるでしょう。
特養の配置基準について詳しく知りたい方は、「特別養護老人ホーム(特養)で働く職種は?それぞれの業務内容を詳しく解説」の記事をご覧ください。
生活相談員と兼務できる仕事
生活相談員は、ケアマネジャーや介護職員を兼任する可能性があります。以下では、それぞれの配置基準や兼務の条件をまとめました。
ケアマネジャー
厚生労働省の「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の報酬・基準について(検討の方向性)(p.5)」によると、特養のケアマネジャーの配置基準は、利用者さん100名に対して常勤1名以上です。生活相談員を2名以上配置する施設では、利用者さんの処遇に差し支えない場合に限り、生活相談員とケアマネを兼任できます。
介護職員
特養の介護職員の配置基準は、利用者さん3名に対して1名以上です(常勤換算)。専従配置を原則としていますが、援助に支障がない範囲であれば、ほかの職種を兼任できます。
機能訓練指導員
特養の機能訓練指導員の配置基準は、1つの施設につき1名以上で、ほかの職種と兼任することもできます。機能訓練指導員には、理学療法士や作業療法士などの資格が必要です。しかし、レクリエーションなどを通じて行う機能訓練は、介護職員や生活相談員も行えます。
出典
厚生労働省「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準について」(2024年11月1日)
厚生労働省「第190回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」(2024年11月1日)
特養で働く生活相談員の1日の流れ
ここでは、特養で働く生活相談員の1日の流れをご紹介します。施設の方針によって業務範囲は異なるので、大まかな流れとしてチェックしてみてください。
時間 | 仕事内容 |
午前9時 | 出勤。利用者さんの情報共有を行う |
午前10時 | 入所希望者の施設案内や面談をする |
午前11時 | 外部の事業所や行政など、関係機関との連絡・調整を行う |
正午 | 休憩 |
午後1時 | 利用者さんやご家族と面談を行う |
午後2時 | サービス担当者会議へ参加する |
午後4時 | 必要書類や記録の作成などを行う |
午後6時 | 退勤 |
介護業務の兼務がなければ、生活相談員が夜勤に出ることは基本的にありません。生活相談員のシフトはある程度固定されているため、家庭の事情などで日勤のみで働きたい方にとって、働きやすい職種といえます。
特養の生活相談員の資格要件
生活相談員は職種の名称で、「生活相談員」という資格はありません。生活相談員の資格要件は自治体によって異なりますが、下記のいずれかの資格を保有していれば、どの自治体でも生活相談員として従事できます。
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 社会福祉主事任用資格
次項で、それぞれの資格の詳細についてご紹介します。
社会福祉士
社会福祉士とは、身体に障がいのある方・精神に障がいのある方など、日常生活に課題がある方に、適切な支援ができるようになるための国家資格です。
社会福祉士になるには、「社会福祉士国家試験」に合格する必要があります。社会福祉士国家試験の受験要件を満たす方法は、「福祉系大学で指定科目を履修する」「相談実務経験を積んだのちに、養成施設に通う」などです。
精神保健福祉士
精神保健福祉士とは、精神障がいのある方の社会復帰や生活を、相談援助を行って支援する際に活かせる国家資格です。取得する過程で、社会福祉全般に関する知識も学びます。
精神保健福祉士になるには、「精神保健福祉国家試験」への合格が必要です。精神保健福祉士国家試験を受験するには、「保健福祉系の大学で指定科目を修了する」「相談援助の実務を積んだのちに、一般養成施設に通う」などの要件を満たさなくてはいけません。
社会福祉主事任用資格
「社会福祉主事」とは、自治体の福祉事務所において、社会福祉に関する支援業務を行う役職のことです。「社会福祉主事任用資格」は、社会福祉主事として配属されるために必要な資格ですが、生活相談員の要件としても採用されています。
社会福祉主事任用資格を取得するには、「大学などで指定された科目を履修する」「自治体の講習会を受講する」などの条件を満たすことが必要です。
社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格の詳しい取得方法は、「生活相談員の資格要件は?未経験から目指せる?仕事内容や職場もご紹介」で解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
無資格で生活相談員になれる自治体もある
上記の資格以外にも「同等の能力がある」として、生活相談員の要件を自治体が独自に定めていることがあります。そのため、働く自治体によっては、無資格でも実務経験があれば、特養の生活相談員になれることがあるようです。
下記に、無資格で生活相談員として働ける地域の例を挙げたので、確認してみましょう(2024年11月時点)。
【宮城県仙台市】
社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)第7条第4号に規定する指定施設において通算して3年以上相談援助、看護又は介護の業務に従事した経験のある者
引用:仙台市「生活相談員の資格要件について」
【和歌山県和歌山市】
介護業務の実務経験が1年以上ある者
引用:和歌山市「生活相談員の資格要件について(p.1)」
【神奈川県川崎市】
介護施設又は通所系サービス事業所において、常勤で2年以上(勤務日数360日以上)介護等の業務に従事した者(直接処遇職員に限る)
引用:川崎市「指定介護老人福祉施設及び指定通所介護事業所における生活相談員の資格要件について(p.1)」
実務経験のみで生活相談員になれる場合も、条件は都道府県ごとに異なります。自分が応募したい自治体の要件を、事前に確認しておきましょう。
「自分の持っている資格や実務経験で、生活相談員になれるのか知りたい」という方は、レバウェル介護(旧 きらケア)のキャリアアドバイザーに相談すると、スムーズに要件を確認できるので、ぜひご活用ください。
出典
仙台市「生活相談員の資格要件について」(2024年11月1日)
和歌山市「介護サービス事業者の方へ」(2024年11月1日)
川崎市「生活相談員の資格要件について」(2024年11月1日)
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アドバイザーに相談する(無料)特養の生活相談員に必要なスキル・経験
ここでは、特養の生活相談員に必要なスキル・経験をご紹介します。「自分に生活相談員の仕事ができるか不安…」という方は、参考にしてみてください。
多様な業務を調整しながら進める力
生活相談員は、利用者さんやそのご家族の相談対応、行政・医療機関といった関係機関とのやり取りなど、多様な業務を同時に進める力が求められます。施設によっては、ケアマネジャーや介護職員と兼任することもあるでしょう。
業務が滞ると、利用者さんやほかの職員に迷惑をかけてしまうため、それぞれの業務の期限と進捗を管理するスキルが必要です。
多職種と連携するスキル
生活相談員には、介護職員やケアマネジャー、医療職、施設長などの多職種と連携するスキルが必要です。それぞれの職種の仕事内容や現状を把握しておくことで、連携しやすくなるでしょう。また、生活相談員は、多職種や利用者さんとの板挟みにあっても、中立な姿勢で対応する必要があります。
利用者さんやご家族に寄り添う傾聴力
生活相談員には、傾聴力が求められます。生活相談員と、入居希望者や入居したばかりの利用者さんとの間には、まだ信頼関係が十分に構築されていません。そのため、利用者さんやそのご家族に寄り添う傾聴力・共感力を活用し、悩みや要望を話しやすい雰囲気を作ることが大切です。
「相談して良かった」と思ってもらえれば、利用者さんやご家族が安心して施設を利用できることにつながります。
介護保険制度の知識と介護現場の理解
生活相談員は、自施設の特色や行っているケア、介護保険制度に関する知識を十分に理解する必要があります。入所希望者やご家族に説明したり、質問に答えたりするために、正しい情報を把握しておくことが大切です。
定期的に介護報酬改定が行われ、制度の変更も生じるため、常に最新情報にアップデートできるよう、アンテナを張ることが求められます。
生活相談員に必要なスキルについては、「生活相談員に必要なスキル8選!活かせる資格や働くメリットもご紹介」で解説しているので、あわせてご一読ください。
特養で働く生活相談員の給与
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.194)」によると、生活相談員・支援員の平均給与(賞与・手当などを含む)は、常勤が342,810円、非常勤が256,310円でした(介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所)。一方、介護職員全体の平均給与は、常勤が318,230円、非常勤が196,660円です。
年収ベースで考えると、生活相談員と介護職員の平均給与額の差は、常勤で約30万円、非常勤で約70万円になり、賞与によりさらに差が開くこともあります。転職して給与アップを狙う方は、生活相談員をキャリアの選択肢に入れるのも良いでしょう。
生活相談員は介護職員と違って夜勤がないものの、専門的な資格や知識などが求められるため、給与が高い傾向にあります。
なお、上記の生活相談員の平均給与額は、特養以外の介護施設も含むデータなので、あくまで参考程度にご覧ください。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2024年11月1日)
特養の生活相談員のキャリアパス
「特養の生活相談員には、どのようなキャリアパスがあるの?」と気になる方もいるでしょう。ここでは、特養の生活相談員を経てキャリアアップできる職種をご紹介します。
介護支援専門員(ケアマネジャー)
特養の生活相談員を経て、ケアマネジャーへのキャリアアップを目指すことが可能です。ケアマネジャー試験の受験資格は、生活相談員として5年かつ900日以上の実務経験があれば、介護福祉士のような国家資格がなくても満たせます。
ケアマネジャーの取得方法を詳しく知りたい方は、「ケアマネジャーになるには最短で何年?介護支援専門員の受験資格を解説」をご覧ください。
施設長
厚生労働省の「施設長の資格要件等」によると、特養の施設長の資格要件は、「社会福祉主事の要件を満たす者」「社会福祉事業に2年以上従事した者」「社会福祉施設長資格認定講習会を受講した者」のうち、いずれかを満たすことです。特養の生活相談員は、実務経験や保有する資格を活かし、施設長へのキャリアアップも目指せます。
特養の施設長になる方法については、「特養の施設長に必要な資格は?仕事内容や管理者との違い、必須スキルも解説」の記事もチェックしてみてください。
出典
厚生労働省「施設長の資格要件等」(2024年11月1日)
特養とデイサービスの生活相談員の違い
ここでは、特養とデイサービスの生活相談員の違いをまとめました。生活相談員としての転職先に悩んでいる方は、チェックしてみてください。
送迎業務の有無
特養は入所施設のため、送迎業務を行わないのが一般的です。一方で、デイサービスでは、生活相談員が利用者さんの送迎を行う場合があります。デイサービスは、利用者さんが日中に通って利用する介護サービスです。専属のドライバーがいなかったり、人手が不足していたりする場合は、生活相談員が送迎をすることもあります。
営業活動の重要度
特養では、空きを待っている方がいれば、生活相談員が集客をする機会は少ないといえます。一方のデイサービスは、施設側が積極的に集客をする傾向にあるため、生活相談員が営業力を求められる場面も多いでしょう。施設によっては、営業職のようにノルマを課せられることもあるようです。
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デイサービスの生活相談員の仕事内容を紹介!必要な資格ややりがいも解説
特養の生活相談員の仕事の大変さ
特養の生活相談員が大変に感じることとして、「人の間に立つストレスがある」「業務が幅広く必要な知識が多い」などが挙げられます。以下で、それぞれについて解説します。
人の間に立つ仕事のストレスがある
生活相談員の仕事をしていると、利用者さんや多職種、関係機関など、さまざまな人の間に立つストレスを感じることもあるようです。生活相談員がやりとりを行うのは利用者さんだけでなく、介護職員やケアマネジャー、関係機関も対象になります。職員の意見がまとまらなかったり、関係機関に要望が通らなかったりすると、生活相談員が板挟みになる場合もあります。
スムーズに業務をこなすためには、職員や関係機関の担当者と、気軽に話ができる関係性を築くことが重要です。信頼関係があれば、頼みごとがあるときも協力してもらいやすくなるでしょう。
また、生活相談員は、利用者さんから難しい要望やクレームを申しつけられることもあるようです。利用者さんから話を聞くときは、どのような内容でも「施設の顔」として向き合わなければなりません。そのため、難しい要望やクレームに向き合うことを、ストレスと感じてしまうこともあるようです。
業務が幅広く必要な知識も多い
生活相談員の仕事は、契約手続きや相談対応、連絡など幅広いため、業務内容や知識を覚えるのが大変なこともあります。施設によっては、介護業務を兼務することもあるため、体力的な負担を感じる方もいるようです。
仕事を覚えるのが大変なときは、コミュニケーションの基本として、まずは利用者さんの顔と名前を覚えましょう。教わったことはメモにとり、自分専用の業務マニュアルやチェックリストを作成するのもおすすめです。
施設内にほかの生活相談員がいないこともある
定員が100名以下の特養では、配置基準の関係で生活相談員が1名しかいない場合があります。生活相談員が自分1人で、仕事で困ったことや相談したいことがあるときにすぐに聞けず、大変に感じる人もいるようです。
生活相談員の同僚や先輩がいない場合は、施設長などの上司や、仕事に共通点があるケアマネジャーに悩みを相談してみると良いでしょう。
登録は1分で終わります!
アドバイザーに相談する(無料)特養の生活相談員のやりがいとメリット
生活相談員のやりがいやメリットとして、「スキルアップできること」や「利用者さんやご家族から直接感謝される機会が多いこと」などが挙げられます。
ここでは、特養の生活相談員ならではの仕事のやりがいをご紹介します。生活相談員への転職を迷っている方は、参考にしてみてください。
スキルアップできる
生活相談員の業務をこなすうちに、スケジュール管理能力やコミュニケーションスキル、臨機応変に対応するスキルを身につけられます。生活相談員の仕事は、利用者さんや家族からの相談を受け、多方面と連携をとりながら調整や対応をすることです。利用者さんとご家族が抱える不安や悩み、クレームなど、多くの情報を収集し、対処する経験を積めます。
介護業務で得た介護スキルを活かし、さらにスキルアップを目指したい方にとって、生活相談員はやりがいのある職種といえるでしょう。
利用者さんやご家族から直接感謝される機会が多い
生活相談員のやりがいとして、「利用者さんやご家族から感謝の言葉がもらえること」も挙げられるでしょう。
利用者さんのなかには、特養を終の棲家として利用する方もいます。終末期ケアや看取りにも対応するため、特養ならではの大変さを感じることもあるようです。その分、長期的に信頼関係を築き、感謝の言葉をもらえたときには、大きなやりがいを感じられるでしょう。特養は、長期入所する利用者さんが多い傾向にあるのが特徴です。
日勤のみで生活リズムを保ちやすい
生活相談員は、日勤のみで働くのが一般的です。生活相談員の主な仕事は、利用者さんやそのご家族の相談対応なので、夜の時間帯に業務に入ることは基本的にはありません。
ただし、介護業務と兼務があれば、生活相談員が夜勤に出ることもあるので、事前に業務範囲を確認しておきましょう。
特養の生活相談員に向いている人の特徴
特養の生活相談員に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- コミュニケーション能力が高い
- 奉仕精神がある
- 責任感が強い
関わる相手や状況に合わせてうまくコミュニケーションを取れる人は、生活相談員として活躍できるでしょう。また、利用者さんの不安を解決したり、介護現場の課題に向き合ったりするためには、奉仕精神や責任感も必要です。
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生活相談員の仕事は大変?向いている人の特徴と辞めたいときの対処法を解説
特養の生活相談員の体験談
ここでは、実際に特養で生活相談員として働いている方の、やりがいを感じたエピソードをご紹介します。
生活相談員の仕事は初めてだったのでとても不安でした。しかし、業務の進め方が月ごと、1年ごとにしっかりマニュアル化されており、自分のなかで整理しながら覚えていけたので良かったです。
また、相談援助だけでなく、文書の作成や関係機関との各種調整など、さまざまな業務を担当させてもらえるので、幅広い知識が身につきます。日々の仕事から視野が広がり、生活相談員としてもレベルアップできました。
入居の相談やご家族との契約などの対応をしているときは、大きな責任感とやりがいを感じます。
また、フロアリーダーとして現場にいた際、全体的なユニットの把握や相談に対し、意見を聞きつつ解決への糸口が見つけられたときは、とてもうれしかったですね。
生活相談員は、業務が多岐にわたり、責任が大きい仕事のため、ときには大変に感じることもあります。しかし、業務を通して習得できるスキルや、利用者さんの役に立てるやりがいも大きい仕事です。
特養の生活相談員に関するよくある質問
ここでは、特養の生活相談員に関するよくある質問にお答えします。「特養の生活相談員の仕事について、もっと知りたい」という方は、ご一読ください。
特養の生活相談員は大変ですか?
特養の生活相談員の仕事を大変と感じるかは、人によって異なるため、一概に「大変だ」とは言い切れません。特養の生活相談員の仕事をきついと感じる人は、人の間に立つことへのストレスや、仕事の範囲が広いことを大変に思う傾向にあります。立場の違う人の間に立って調整を行ったり、幅広い仕事をこなすための多くの知識を求められたりすることから、心身への負担を感じる人もいるようです。
特養の生活相談員の大変さについては、この記事の「特養の生活相談員の仕事の大変さ」をご参照ください。
特養の生活相談員とケアマネジャーの違いは何?
特養の生活相談員とケアマネジャーの違いは、業務範囲や役割です。生活相談員は、介護サービスの窓口の役割を担います。利用者さんの入居手続きや相談対応を行い、生活に寄り添うことが仕事です。一方のケアマネジャーは、利用者さんが適切な介護を受けられるようにサポートする役割を担います。一人ひとりに合わせたケアプランを作成し、計画通りにサービスが提供されているかチェックするのが仕事です。
生活相談員とケアマネジャーの違いについては、「生活相談員とケアマネの違いを解説!仕事内容や職場、必要な資格、給与は?」の記事で解説しています。
まとめ
特養の生活相談員の主な仕事内容は、利用者さんに適切な介護サービスを提供できるよう、多職種や外部の事業所、関係機関に連絡・調整を行うことです。また、利用者さんの入居手続きや、ご家族からの相談対応も行います。施設によっては、介護業務を兼務することもあるようです。特養の生活相談員の仕事内容は多岐にわたるので、挑戦すればスキルアップや大きなやりがいにつながるでしょう。
特養の生活相談員に興味がある方は、介護業界に特化した就職・転職エージェントのレバウェル介護(旧 きらケア) をご利用ください。専任のアドバイザーが、あなたのご希望をヒアリングしたうえで、条件やスキルに合った生活相談員の求人をご紹介します。
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