
この記事のまとめ
- 実務者研修でできる仕事は、サ責業務やたん吸引・経管栄養など
- 実務者研修を取得するメリットは、キャリアアップにつながること
- 実務者研修を活かせる職場は、特養や老健、グループホームなど
「実務者研修でできる仕事はあるの?」と気になる方もいるでしょう。実務者研修を取得すると、サービス提供責任者の業務や、たん吸引・経管栄養の処置などができるようになります。この記事では、実務者研修の概要や取得のメリットをまとめました。実務者研修を活かせる職場もまとめたので、取得を考えている方はご一読ください。
実務者研修を取得するとできる仕事
実務者研修を取得するとできる仕事には、「サービス提供責任者(サ責)」「たん吸引・経管栄養」「訪問介護」があります。介護過程の展開や医療的ケア、介護技術などを学ぶことで、担当できる仕事が増えるようです。以下で、それぞれについて解説するので、チェックしてみてください。
サービス提供責任者(サ責)
サービス提供責任者(サ責)とは、訪問介護事業所において、介護計画の作成やホームヘルパーの指導を行う職種です。利用者さんの自宅に訪問してのモニタリングや、ご家族との面談といった幅広い業務を担当します。サービス提供責任者になるには、介護福祉士実務者研修か介護福祉士の資格が必要です。
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たん吸引・経管栄養
介護福祉士実務者研修に加えて、実地研修を受講すれば、たん吸引・経管栄養という医療的ケアを行えます。実務者研修では「医療的ケア」を演習で学びますが、実務者研修の修了だけでは、医療的ケアを行うことはできません。実際に介護現場で医療的ケアを行いたい場合は、実地研修の受講や従事するための登録も忘れないようにしましょう。
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訪問介護(ホームヘルパー)
無資格から実務者研修を取得すると、訪問介護(ホームヘルパー)の求人に応募できるようになります。訪問介護の業務は基本的に1人で行うので、初任者研修以上の資格が必要です。無資格から応募できる求人もありますが、介護の資格やスキルを求められる傾向にあるため、実務者研修を取得していると就職しやすいでしょう。
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そもそも実務者研修とは
実務者研修とは、介護福祉士になるために必要な知識やスキルを習得できる資格です。「介護福祉士実務者研修」の略称で、座学と演習講習を合わせて20科目・450時間のカリキュラムで構成されます。実務者研修に受講要件はなく、誰でも挑戦が可能です。
実務者研修の内容を詳しく知りたい方は、「介護福祉士実務者研修の学習内容は?資格取得にかかる時間や難易度も解説」の記事もチェックしてみてください。
取得にかかる期間
無資格から実務者研修を取得する場合、最短6ヶ月ほど必要です。初任者研修を保有している場合は、受講済みカリキュラムが免除されるため、2ヶ月ほどで実務者研修を取得できます。
取得にかかる費用
実務者研修の取得にかかる費用は、受講時の保有資格によって異なります。より上位の介護資格を保有しているほど、免除科目が多く、受講費用が安くなるようです。
保有資格 | 受講料の目安 |
無資格 | 10~25万円 |
介護職員初任者研修、ホームヘルパー2級 | 10~15万円 |
ホームヘルパー1級 | 5~10万円 |
介護職員基礎研修 | 3~5万円 |
無資格から実務者研修を取得する場合は10~25万円、初任者研修修了者の場合は10~15万円程度の受講料がかかります。なお、受講料は実施機関によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
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実務者研修におすすめのスクール
スクールによって、実務者研修の受講費用やオプション、試験の有無などは異なります。「なるべく安く受講したい」「サポート制度の整ったスクールが良い」など、自分の希望に合うスクールを選びましょう。
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実務者研修を取得するメリット
「実務者研修って役に立つ資格なの?」と気になる方もいるでしょう。ここでは、実務者研修を取得するメリットをご紹介します。自分のキャリアパスを考えながら、チェックしてみてください。
給与アップの可能性がある
実務者研修を取得することで、資格手当によって給与がアップする可能性があります。
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.157)」によると、実務者研修を修了した介護職員の平均給与額は302,430円、無資格の介護職員の平均給与額は268,680円でした。無資格の介護職員は、実務者研修を取得することで、3万円ほど給与が上がる可能性があります。
なお、給与額は職場によって異なるので、上記の値はあくまで参考としてにご覧ください。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2024年11月13日)
キャリアアップにつながる
介護福祉士を目指している方は、実務者研修の取得によって介護福祉士国家試験の受験資格を得られる場合があります。介護福祉士になると、管理職やケアマネジャーへのキャリアアップも目指せるでしょう。
介護福祉士国家試験を「実務経験ルート」で受講する場合、要件として「3年以上の実務経験」と「実務者研修の修了」が必要です。そのため、介護職としてのキャリアアップを考えている方は、実務者研修の取得を視野に入れると良いでしょう。
転職・就職で有利になりやすい
実務者研修の資格は、介護業界での転職や就職に活かせます。有資格者のみの求人に応募できるのはもちろん、「未経験歓迎」の求人でも、即戦力となる人材は採用されやすいでしょう。また、医療的ケアができれば、業務の幅も広がるので、選考の際にアピールできます。
実務者研修を取得する難しさ
ここでは、実務者研修を取得する難しさについて解説します。「介護資格の取得って難しそう…」と不安な方は、参考にしてみてください。
資格取得の難易度はそれほど高くない
実務者研修は、カリキュラムを修了すれば取得できる資格なので、難易度はそれほど高くないでしょう。スクールによっては、到達度を図る試験を実施することもありますが、しっかり受講していればクリアできる難易度のようです。
ただし、応用的な知識も学ぶため、初任者研修と比べると、内容が難しいと感じるかもしれません。
仕事との両立に難しさを感じる場合もある
仕事と資格取得を両立させるのが難しいと感じる方もいるようです。前述のとおり、実務者研修を修了するまでにはおよそ2ヶ月~6ヶ月かかります。すぐに取得できる資格ではなく、スクールに通う必要があるので、大変に感じることもあるでしょう。
資格取得支援のある職場なら、シフトの融通が利きやすかったり、試験日を出勤扱いにしてくれたりする可能性も。働きながら実務者研修を取得したい方は、職場の資格取得支援制度を確認しておきましょう。
実務者研修を活かせる就職先
実務者研修を取得すると、次のような職場で活躍できます。
- 訪問介護事業所
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- グループホーム
- デイサービス
- デイケア
- 障害者支援施設
実務者研修では実践的な介護技術やチームケアについて学べるので、特養や老健といった、利用者さんの介護度が高い傾向にある介護施設で、知識や技術を活かしやすいでしょう。認知症についても学習するので、グループホームでも活躍できます。また、医療的ケアや障害福祉も学ぶため、障がいのある方のケアにも幅広く対応できるでしょう。
介護職の職場について、詳しくは「介護職が働きやすい施設とは?仕事内容や未経験者が良い求人を見つける方法」の記事もチェックしてみてください。実務者研修(ヘルパー1級) の求人一覧はこちら
実務者研修を取得するとできる仕事についてよくある質問
ここでは、実務者研修を取得するとできる仕事について、よくある質問にお答えします。「実務者研修についてもっと知りたい」という方は、ご一読ください。
実務者研修を取得しても意味ないって本当?
実務者研修は、取得することで給与アップやキャリアアップにつながるメリットがあるため、意味のない資格ではありません。また、実務者研修を取得することで、訪問介護事業所でサービス提供責任者の仕事ができたり、介護福祉士国家試験を「実務経験ルート」で受験する場合の要件の1つを満たせたりします。そのため、キャリアアップを考えている方におすすめの資格です。詳しくはこの記事の「実務者研修を取得するメリット」をチェックしてみてください。
実務者研修は働きながら取得できる?
実務者研修は、働きながら取得できる資格です。通学と通信を併用できるので、働きながらでもスケジュールを調整しやすいといえます。スクールによっては、「週1回から可能」「夜間のみ」などのコースもあるので、自分に合ったスケジュールの講座を選びましょう。また、資格取得支援のある職場なら、費用を援助してもらえたり、シフトの融通が利きやすかったりします。
働きながら実務者研修を取得する方法については、「介護福祉士実務者研修は働きながら取れるの?資格を取得する方法を解説」の記事で詳しくご紹介しているので、気になる方はご一読ください。
まとめ
実務者研修を取得することでできる主な仕事は、「サービス提供責任者(サ責)」「たん吸引・経管栄養」「訪問介護」です。介護過程の展開や医療的ケア、介護技術などを学ぶことで、できる業務の幅が広がります。
また、実務者研修を取得することで、給与アップにつながる可能性があるでしょう。介護業界での就職・転職にも役立つので、介護職としてのキャリアアップを考えている方におすすめの資格です。資格取得支援のある職場なら、費用の一部を負担してくれたり、シフトの融通が利きやすかったりするので、実務者研修の取得を目指しやすいでしょう。
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