
この記事のまとめ
- サ高住とは、バリアフリー構造で高齢者が安心して暮らせる賃貸住宅のこと
- サ高住の仕事内容は安否確認や生活相談が基本だが、職場によって異なる
- サ高住の求人を探すときは、応募条件や仕事内容を確認することが大切
「サ高住の仕事内容が知りたい」という方もいるでしょう。サ高住で働く介護職の主な仕事は、安否確認と生活相談です。ただし、サ高住は2つの種類があり、職場によって仕事内容が異なります。この記事では、サ高住の仕事内容や働くメリット・デメリットを解説。1日の仕事の流れや、やりがい、実際に働く介護職員の声も紹介しています。サ高住の仕事に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?有料老人ホームとの違いを解説サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?
サ高住とは、高齢者の単身・夫婦世帯が安心して暮らすことができる賃貸住宅のことです。正式名称は「サービス付き高齢者向け住宅」といいます。
サ高住は、バリアフリー構造で、安否確認や生活相談のサービスがついているところが、一般的な賃貸住宅にはない特徴です。サ高住は、2011年に制定された「高齢者住まい法」に基づいて創設されました。
出典
国土交通省「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(2024年12月6日)
サ高住の入居対象者
サ高住の入居対象は、60歳以上の高齢者、または40歳以上で要支援・要介護認定を受けている人です。自立した方が多いので、介護サービスを利用していない方も入居しています。
一般的な介護施設は、ある程度提供サービスが決まっていますが、サ高住は入居者さんが自身に必要なサービスを選んで利用するのが特徴です。最近は介護ニーズの高まりもあり、介護サービスを充実させているサ高住も見られます。
サ高住の種類(介護型・一般型)
サ高住には、一般型と介護型の2種類があります。一般型は、介護サービスを提供しないサ高住で、介護が必要であれば別途で介護サービスの契約をする決まりです。
一方、介護型のサ高住は、介護保険法の「特定施設入居者生活介護」に分類され、介護サービスの提供があります。介護型のサ高住には介護職員が常駐しており、要介護度が高い方も入所が可能です。ただし、介護型の施設は、サ高住全体の1割ほどと少ない傾向にあります。
今の職場に満足していますか?
▼関連記事
サービス付き高齢者向け住宅の人員基準は?どんな職種があるの?
サ高住で働く職員の基本の仕事内容
サ高住には、必ず生活相談と安否確認サービスがついています。以下で、それぞれの業務内容を解説するので、ぜひご一読ください。
安否確認(状況把握)
利用者さんの状況把握は、すべてのサ高住で働く介護職に義務付けられているサービスです。状況把握とは、定期的な安否確認や、救急時の医療機関への連絡などを指します。少なくとも1日1回は、居室への訪問や見守りセンサーなどによる安否確認が必要です。共用スペースや食堂で、会話をしながら体調確認を行うこともあります。
生活相談
生活相談では、日常生活の相談や、医療・介護を利用するための相談などに乗ります。家族やほかの入居者さんとの人間関係についてなどの悩みを聞くこともあるでしょう。
「1人で出掛けるのが難しくなったから介護を受けたい」「最近めまいが気になっている」などの相談を受けた場合は、介護サービス利用のサポートや医療機関との連携を行い、問題の解決を図ります。サ高住の職員は、利用者さんのさまざまな相談に答えられるよう、柔軟に対応する必要があるでしょう。
サ高住によっては対応がある介護職の仕事内容
基本サービス以外のサービスを充実させているサ高住や、介護職がほかの事業所と兼務で働くサ高住もあります。ここでは、サ高住で介護職が携わる可能性がある仕事内容を紹介します。
食事の提供
食事の提供は義務付けられているサービスではありませんが、多くのサ高住がオプションとして対応しています。配食弁当を利用している場合や、厨房が備え付けられている場合があるようです。食事の用意や配膳を行うため、調理師を配置しているサ高住もあります。
洗濯や買い物などの家事
洗濯や日用品の買い物など、生活援助に対応しているサ高住もあります。サービスの対応範囲や料金は、施設によってさまざまです。転職の際は、事前に介護職員の業務範囲をチェックしておきましょう。
介護型サ高住での身体介護業務
介護型サ高住は、「特定施設入居者生活介護」に該当するため、介護付き有料老人ホームのように介護サービスを提供しています。介護型サ高住で働く介護職は、要介護認定を受けている利用者さんに対して、入浴介助や排泄介助、食事介助といった基本的な身体介護業務を任されるでしょう。
デイサービス業務
通所介護事業所(デイサービス)を併設するサ高住では、デイサービスの職員としての業務を担当する場合もあるでしょう。デイサービスは、利用者さんが食事や入浴などをして日中を過ごすための介護施設です。利用者さんがコミュニケーションを楽しみながら機能訓練ができるよう、レクリエーションの企画・運営も行います。
訪問介護業務
訪問介護事業所を併設しているサ高住のスタッフは、ホームヘルパーとして介護業務を担当する可能性があるでしょう。訪問介護では、食事の準備や介護業務に加え、入居者さんと一緒に買い物に行ったり、洗濯をサポートしたりといった援助を行います。
訪問介護の業務については、「サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)での訪問介護の仕事内容を解説」の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
看取り介護
介護度の高い方が入居できるサ高住では、看取りに対応していることもあります。看取り介護は、訪問診療などの医療機関と連携して行うのが基本です。看護師が常駐している施設もあります。
ただし、サ高住は看取りに対応していないことが多いため、「看取り介護に関わりたい」という方は、転職前に自分の介護観に仕事内容が合っているかを調べておきましょう。
夜勤・宿直の業務
一般社団法人高齢者住宅協会の「サービス付き高齢者向け住宅の現状と分析(p.7)」によると、サ高住の約3/4は、夜間もスタッフが常駐しています。夜間の業務内容は、施設によって異なるため、事前の確認が大切です。
あまり労働の必要がない職場では、宿直として勤務する場合があるでしょう。宿直の場合、給与は、「通常の勤務の1/3以上」が最低ラインです。
夜間に介護業務などを行うサ高住の場合、夜勤として勤務することになります。夜勤の業務は、排泄介助や見回り、入居者さんが徘徊してしまった際の対応、体調不良などの緊急事態の対応などです。夜勤に入ると、通常の給与のほかに深夜割増賃金や夜勤手当が支払われるため、効率的に収入を得られます。
夜勤の実態については、「サ高住の夜勤ってどうなの?仕事内容は大変?給料や働くメリットを解説」の記事で解説しているのであわせてご覧ください。
出典
一般社団法人高齢者住宅協会「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」(2024年12月6日)
サ高住のほかの職種の仕事内容
介護型のサ高住は、「特定施設入居者生活介護」の配置基準に従って専門職が配置されます。ここでは、介護型サ高住で働く職種の仕事内容について紹介するのでチェックしてみてください。
看護師の仕事内容
サ高住で働く看護師は、入居者さんの健康管理や医療行為を担当します。バイタルチェックや血圧測定などを通して入居者さんの体調に異変がないかチェックするのが仕事です。医療行為としては、怪我の初期対応や褥瘡ケアなど。サ高住によっては経管栄養や胃ろう、インスリン注射などにも対応することがあります。
また、施設によっては、介護職員と一緒に介護業務や生活相談、安否確認を行うこともあるようです。
管理者の仕事内容
管理者は、サ高住の運営全般に対して責任を負う職種です。財務管理や労務管理、運営管理、スタッフの採用・教育など、幅広く施設運営のために動きます。サ高住の管理者は、職員や入居者さんが抱えている問題を組織的に解決する方法を考え、実行することが求められるでしょう。
生活相談員の仕事内容
生活相談員は、入居者さんやそのご家族の生活や介護の相談に乗り、多職種連携しながら問題を解決する役割を担います。入居希望者の見学対応や契約業務、退去時の手続きなどを行うこともあるようです。生活相談員は、サ高住で利用者さんが過ごしやすく暮らせるようにサポートする役割があります。
ケアマネジャーの仕事内容
サ高住のケアマネジャーは、入居者さん一人ひとりに対してケアプランを作成します。介護サービス計画の原案ができたら、サービス担当者会議を開催。関係各所との連携やサービス提供に向けた調整、入居者さんの状況の変化に応じたケアプランの見直しなどを行い、適切な介護サービスを提供できるように対応します。
サ高住で働くケアマネの詳しい業務内容については、「サ高住のケアマネの仕事内容とは。兼務は可能?」の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
コンシェルジュ・事務の仕事内容
サ高住によっては、コンシェルジュや事務員が配置されている場合があります。介護職員と同様、資格がなくてもできる安否確認や生活相談などを担当するほか、来客対応や電話対応、入居者さんの郵便物や宅配の管理も行うようです。
ホテルのフロントスタッフのような立場から、入居者さんと来客者の両方がストレスなくサ高住で過ごせるように支えています。
▼関連記事
サ高住で働く職種は?夜勤はある?仕事内容や役立つ資格をご紹介
サ高住職員の1日の仕事の流れ
ここでは、サ高住で働く職員の1日の仕事の流れを紹介します。どのように業務に取り組んでいるのかイメージする参考にしてみてください。
時間 | 仕事内容 |
午前8時 | 出勤後、夜間のスタッフからの申し送り |
午前9時 | 見回り・共有スペースの清掃 |
午前10時 | 介護業務・事務作業 |
午前11時 | 生活相談 |
正午 | 食事の配膳・服薬介助 |
午後1時 | 休憩 |
午後2時 | 介護業務・事務作業 |
午後3時 | 生活相談 |
午後4時30分 | 業務の記録作成と夜間のスタッフへの申し送り |
午後5時 | 退勤 |
介護業務は、入居者さんとの契約内容や必要性に応じて行います。外部の訪問介護サービスを利用している方がいる場合、入居者さんの体調の変化といった情報を共有することも大切です。なお、サ高住の業務スケジュールは職場や日によって異なるので、上記のスケジュールは、あくまで参考としてご覧ください。
今の職場に満足していますか?
サ高住職員の働き方
ここでは、サ高住で働くスタッフの雇用形態や勤務時間などをご紹介します。サ高住への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
サ高住の雇用形態
サ高住の雇用形態は、正社員・パート・派遣社員などがあります。雇用の安定性を求めるなら正社員、自由度の高い働き方がしたいならパートや派遣社員というように、自身に合った雇用形態で働けるのが魅力です。施設ごとに出ている求人は違うので、雇用形態もチェックするようにしましょう。
サ高住の勤務時間
サ高住の日勤は、実働8時間が一般的です。夜勤・宿直は、午後5時〜翌朝の午前9時までなど、長時間の勤務の場合もあります。夜勤の有無や勤務時間は生活リズムに大きく影響するので、あらかじめ確認しておきましょう。
サ高住の待遇・福利厚生
サ高住で働くスタッフの待遇や福利厚生は、職場によってさまざまです。サ高住は、民間企業や医療法人、社会福祉法人などが運営しています。規模が大きい民間企業は、福利厚生が充実している傾向にあるのが特徴です。また、医療法人や社会福祉法人は、経営が安定している傾向があるので、安心して働けるでしょう。総合的な視点から待遇や福利厚生をチェックすることが大切です。
今の職場に満足していますか?
サ高住で働く介護職員の平均給与
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.122)」によると、介護型のサ高住が含まれる「特定施設入居者生活介護事業所」で働く介護職員の平均給与は、313,920円です。介護職員全体の平均給与である317,540円と大きな差はないといえます。
ただし、データはあくまで介護職員の平均給与なので、介護サービスを提供しないサ高住で働く職員の給与は、これより低くなる可能性が高いでしょう。
サ高住の職員の給与は、仕事内容や併設する事業所の種類、夜勤の有無、働く地域などによって変わるため、参考程度にご覧ください。
出典
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(2024年12月6日)
今の職場に満足していますか?
サ高住の仕事に役立つ資格
サ高住は、無資格・未経験でも働くことが可能です。ただし、介護職員として働く場合は、下記の資格を持っていると転職時に有利になるでしょう。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
最も基礎的な介護の知識やスキルが学べる資格は「介護職員初任者研修」です。介護職員初任者研修は、最短1ヶ月、働きながらでも3ヶ月程度で取得できるので、無資格の方はぜひ取得を目指してみてください。
「介護福祉士実務者研修」は、初任者研修の上位資格で誰でも挑戦できますが、初任者研修を取得した方は130時間分の講座が免除されます。
働きながら介護福祉士を取得するには、実務経験と介護福祉士実務者研修の取得が必要なので、ある程度キャリアを積んでから挑戦してみましょう。
それぞれの資格については、「サ高住は資格なしでも働ける?応募要件や求人例、転職成功のコツを解説!」の記事で詳しく紹介しています。資格を取得しようと考えている方は、ぜひご覧ください。
介護職員初任者研修の求人一覧はこちら
未経験可の求人一覧はこちら
サ高住で働くメリット
サ高住で働くメリットとしては、「身体的な負担が少ない」「仕事が明確で分かりやすい」「ほかの職員と協力しながら仕事を進められる」などがあります。下記で、サ高住で働くメリットを解説するので、興味がある方はチェックしてみてください。
身体的な負担が少ない
「サ高住の入居対象者」で解説したように、多くのサ高住はある程度自立している方が入居することを前提としています。そのため、介護施設と比較すると、身体介護の業務が少なく、職員の身体的な負担が軽いというメリットがあります。
要介護度が低い方が多く入居しているサ高住は、「身体的負担を少なくして働きたい」「未経験でいきなり身体介護を行うのは不安」という方に向いているでしょう。
仕事が明確で分かりやすい
前述したように、介護が必要な入居者さんに対して、訪問介護サービスを提供するサ高住もあります。サ高住で訪問介護を行う場合、サ高住職員としての業務と訪問介護員としての業務を行う時間がそれぞれ決められているようです。援助内容や所要時間が明確になっているため、気持ちを切り替えて働きやすいのがメリットといえるでしょう。
ほかの職員と協力しながら仕事を進められる
サ高住では、周囲にほかの職員がいるので、困ったときや分からないことがあったときに頼りやすい環境が整っています。介護職員同士や、看護師、生活相談員などの他職種と連携して仕事を進められる点がメリットです。介護職以外ならではの視点から入居者さんのサポートについてアドバイスがもらえるかもしれません。ほかの職員が同じ建物内にいるため、安心して働けるという声もあります。
未経験・無資格でも働ける
利用者さんの身体介護の必要性が低いサ高住では、無資格・未経験から応募できる求人が豊富にあります。施設によっては、介護スキルよりも接遇スキルを重視していることもあるでしょう。接遇スキルを求める職場なら、介護業界での経験がなくても、接客や営業などで培ったコミュニケーション能力をアピール材料にすることもできます。
手厚い介護・支援を提供するため、職員の教育制度を整えているサ高住も少なくありません。教育制度が整っている職場であれば、未経験からでも着実にスキルや知識を身につけていけるでしょう。
▼関連記事
サ高住で働くメリットややりがいは?仕事内容やデメリット、働き方も解説
サ高住で働くデメリット
サ高住には、「給与が下がる可能性がある」「介護スキルを磨きにくい」というデメリットがあります。以下で、サ高住で働くデメリットを解説するので、メリットとあわせて参考にしてみてください。
給与が下がることがある
介護職で夜勤に入ると、夜勤手当や深夜割増賃金が支払われますが、夜勤がないサ高住の場合はそれらの支給がありません。そのため、夜勤ありの職場で働いていた介護職の方は、転職によって給与が下がる可能性があります。
前述したように、宿直の場合の給与は「通常の1/3以上」となるため、夜間の業務が宿直のみのサ高住では、夜勤を行う施設より給与が低くなる可能性もあるでしょう。
介護スキルを磨きにくい
サ高住の仕事は、身体介護による身体的・体力的な負担が軽いというメリットがある一方で、介護の実務経験を積みにくいというデメリットもあります。
介護業務にやりがいを感じる人や介護技術や専門知識を習得したい人は、仕事へのモチベーションが下がったり、もどかしさを感じたりするかもしれません。身体介護に携わりたい方は、介護型サ高住への転職も視野に入れると良いでしょう。
サ高住の仕事に向いている人の特徴
ここでは、サ高住の仕事に向いている人の特徴を紹介します。当てはまる方は、サ高住でやりがいを感じながら働けるでしょう。
- 高齢者と接するのが好き
- 接客業・サービス業の経験がある
- 介護職の経験がある
- 家事が得意
- 事務作業が苦ではない
高齢者と話すのが好きな方や、接客業の経験がある方は、入居者さんとコミュニケーションをうまく取って、信頼関係を築けるでしょう。介護職の経験があれば、介護業務に役立つだけではなく、入居者さんの心身の変化に敏感に気づくこともできます。
また、掃除や洗濯などのサービスを提供するサ高住では、家事のスキルを活かすことも可能です。サ高住によっては、窓口業務や電話対応などもあるので、事務作業が苦にならない方も働きやすいでしょう。
なお、上記の特徴に当てはまらなくても、「サ高住の仕事に向いていない」とは限りません。慣れない仕事が多いと、最初は大変に感じるかもしれませんが、働きながらスキルを身につけていくこともできるでしょう。
今の職場に満足していますか?
サ高住の仕事のやりがい
サ高住のやりがいとして、「入居者さまとのコミュニケーションを楽しめる」「直接感謝の言葉をもらえる」などが挙げられます。
サ高住は自立度が高い入居者さんが多く、コミュニケーションが取りやすいため、出勤時に声をかけてくれることがあります。楽しみながら入居者さんと会話を重ねていくことで、信頼関係が構築されたり、直接「ありがとう」と感謝の言葉をもらえることも。入居者さんから感謝の言葉をかけられることで、「人の役に立っている」とやりがいを感じる介護職員も多いでしょう。
サ高住の仕事できついと感じること
サ高住の仕事できついと感じることは、「接遇やマナーに厳しいこと」や「複数の業務を行う必要があること」です。
接遇やマナーに厳しい
サ高住は、介護施設というより住宅の面が強いため、接遇マナーを重視する傾向にあります。そのため、「細かい言動まで注意されてきつい」と感じることがあるようです。
接遇に力を入れているサ高住では、介護職員の言葉遣いや態度などに対するクレームが入ることも。介護スキル以外の面で指導されることも少なくないようです。接遇やマナーに厳しいと感じることもあるかもしれませんが、身につけば、自身の成長につながるでしょう。
複数の業務をこなす必要がある
サ高住は、兼務が発生したり、人によって提供するサービスの内容が異なったりする場合があるため、幅広い業務を覚えてこなしていく必要があります。また、明確なタイムスケジュールなしで運営している職場もあるので、業務の進め方に悩む方もいるようです。
「介護度が低いから落ち着いて働けると思って入職したが、多様な業務内容に困惑した」「思っていたよりも夜勤や身体介護の負担が大きかった」と感じる方もいるでしょう。
職場によって仕事内容は異なるので、事前にサ高住の実態を確認しておきたい方は、レバウェル介護(旧 きらケア)のアドバイザーに聞いてみてください。
サ高住で実際に働く介護職員の声
介護業界の転職支援サービス「レバウェル介護(旧 きらケア)」では、サ高住で勤務した経験がある介護職の方に、仕事で感じたことをヒアリングしました。リアルな現場の声をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
サ高住業務と訪問介護業務が両方あるので、気持ちを切り替えて業務を行うことが難しいと感じました。ただ、スケジュールや訪問先での介護内容などがすべて決まっているので、何をすれば良いのかが明確で動きやすいと感じています。(30代男性・介護福祉士)
入居者さんとの会話が楽しいです。特養で勤務していたときは寝たきりの方が多かったので、サ高住で入居者さんから声を掛けていただけたのが新鮮でした。自立に近い方だと、お手伝いが必要でも職員が忙しそうにしていると遠慮してしまう方もいるので、職員からの声掛けも大切だと感じます。ご本人が自分でできることと、手助けが必要なことをしっかり見極め、自立度を落とさない介護をすることが職員に求められていると思います。(30代男性・介護福祉士)
今の職場に満足していますか?
サ高住の求人に応募する前にチェックすべき項目
ここでは、サ高住の求人を見る際のチェックポイントを解説します。入職後にミスマッチを感じないよう、求人情報の下記の項目をしっかりとチェックしてから、転職先を選びましょう。
応募条件
サ高住の求人のなかには、介護の資格や経験などを応募要件とするものもあります。施設側が求める条件を満たしていない場合、採用される可能性は低いため、どのような人材を募集しているのか確認したうえで応募することが大切です。
必須要件以外にも「初心者歓迎」「未経験者歓迎」などの記載があるかチェックしておくのも良いでしょう。
仕事の範囲
前述したようにサ高住の職員の仕事内容は、安否確認や生活相談がメインですが、施設によって細かな内容は異なります。介護業務や生活援助(家事サービス)などをどの範囲まで行うのかを事前に調べておきましょう。併設する介護事業所がある場合、兼務することがあるのかも確認しておくことが大切です。
また、身体介護に関わりたい方は「介護型サ高住」、介護スキルに自信がない方は「一般型サ高住」を選ぶと良いかもしれません。施設による仕事内容の違いが大きいため、転職後に「イメージしていた仕事内容と違った…」と感じないよう、事前にしっかりとリサーチしておきましょう。
シフト体制
求人票のシフト体制を見て、夜間の勤務があるのかチェックしておきましょう。夜間の勤務がある場合、夜勤・宿直のどちらなのか、何時間勤務なのかも確認しておくと安心です。日勤のみの場合も、早番・遅番と分かれていることがあるので、自身の希望する働き方ができそうか確かめておきましょう。
また、シフトの人員配置も確認しておくことをおすすめします。介護型サ高住は人員配置が定められていますが、一般型のサ高住では、明確に何人以上という決まりはありません。人員が多いほど、職員に余裕が出るので、何人体制でシフトを組んでいるのかチェックしておきましょう。
「求人の見かたがよく分からない」という方は、転職エージェントを活用するのもおすすめです。レバウェル介護(旧 きらケア)では、転職支援実績のあるアドバイザーがサポートするので、働き方や仕事内容をしっかりとチェックして職場を選べます。複数の求人を比較して、自分に合った転職先を見つけましょう。職場見学で実際の業務をチェックしてから、応募するか決めることも可能です。
▼関連記事
サ高住の志望動機の書き方のコツは?履歴書で使える例文も紹介します!
今の職場に満足していますか?
サ高住の仕事内容についてよくある質問
ここでは、サ高住の仕事内容についてよくある質問に回答します。「サ高住に転職するか迷っている」という方は、ぜひ参考にしてください。
サ高住は資格なしでも働けますか?
サ高住で働くのに必須の資格はないので、無資格の方も就業できます。ただし、介護サービスを提供しているサ高住では、介護の資格が必要な場合があるため、求人票の募集要件を確認してから応募しましょう。必須要件ではない場合も、介護系の資格や看護師免許などがあれば、選考で有利になる可能性があります。
サ高住の仕事ってきつい?楽?
サ高住の仕事内容を理解せずに転職した場合、「サ高住で働くのはきつい」と感じることがあるかもしれません。たとえば、自立している方の安否確認がメインかと思っていた場合、介護業務もあったなどの不満を感じる可能性があります。反対に、介護業務に慣れている人は、スキルを活かせないことやデスクワークの多さに負担を感じる場合があるでしょう。
サ高住の仕事内容は職場ごとに異なります。その施設の入居者さんの特徴やサービス内容を調べることで、ミスマッチを防げるでしょう。
介護型サ高住と介護付き有料老人ホームの仕事内容の違いは?
介護型サ高住と介護付き有料老人ホームの仕事内容に、大きな違いはないといえるでしょう。介護型サ高住は、特定入居者生活介護に指定されており、介護付き有料老人ホームと同じ人員基準・設備基準・運営基準を満たしています。そのため、介護付き有料老人ホームと介護型サ高住は、ともに要介護認定を受けている方に向けて、身体介護や生活援助、レクリエーションの企画・運営などの業務を行っている点が同じです。利用者さんの契約形式は違いますが、仕事内容は似ているといえるでしょう。
まとめ
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは、主に高齢者の方が入居する賃貸住宅のことです。バリアフリー構造で高齢者が安心して暮らすことができます。サ高住は、一般型と介護型があり、一般型は直接介護サービスを提供しないのが特徴です。一方、介護型は職員が介護を提供します。一般型では、訪問介護事業所やデイサービスなどが併設されているサ高住も多くあるようです。
サ高住のスタッフの主な仕事内容は、状況把握と生活相談です。高齢の入居者さんが安心して暮らせるよう、安否確認を行ったり、相談に乗ったりします。希望する入居者さんに食事の提供を行うサ高住も多いようです。そのほか、施設によっては、家事サービスや身体介護、看取り介護などを行うこともあります。デイサービスや訪問介護事業所が併設されている場合は、サ高住以外の介護サービスを兼任する可能性も。サ高住の仕事内容は職場ごとに異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
サ高住での仕事に興味がある方は、「レバウェル介護(旧 きらケア)」にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、介護業界に特化した転職エージェントです。専任のキャリアアドバイザーがヒアリングをもとに条件に合った求人をご紹介いたします。選考対策や面接対策のアドバイスも実施。「介護未経験でも大丈夫?」「ほかの介護施設と迷っている」など、転職に不安がある方もお気軽にご相談ください。
今の職場に満足していますか?