
この記事のまとめ
- 独学で取れる介護の資格には、介護福祉士や介護支援専門員などがある
- 介護の資格を取得するためにおすすめの勉強法は、過去問や模擬試験の活用
- 介護の資格を独学で取得するコツは、自分に合った学習ペースを見つけること
「独学で取れる介護の資格はある?」と気になる方もいるでしょう。独学で取得を目指せる介護の資格として、介護福祉士や介護支援専門員などが挙げられます。この記事では、独学で取れる介護の資格の詳細や勉強方法、取得のコツをまとめました。独学のメリットとデメリットも解説します。独学以外で取得する場合におすすめの介護の資格もご紹介するので、興味のある方はご一読ください。
介護資格の種類31選!取得方法やメリットを解説します →レバウェル介護の資格スクールはこちら介護の資格は独学で取れる?
介護の資格には、独学で取得できるものもあります。独学で取得する場合、参考書や問題集、過去問などを活用して学習するのが一般的です。働きながら取得を目指せる資格も多くあるので、スキルアップしたい方はチャレンジすると良いでしょう。
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独学で取れる介護・福祉の資格4選
ここでは、独学で取れる介護・福祉の資格を4つご紹介します。資格の概要や受験要件、合格率などもまとめたので、チェックしてみてください。
介護福祉士
介護福祉士は、介護分野の資格のなかで唯一の国家資格です。取得する過程で、専門的な知識やスキルを身につけられるため、介護業務や職員の指導に活かせます。年に1回行われる介護福祉士国家試験に合格し、資格登録を行うことで、介護福祉士を取得することが可能です。
受験要件
日本国籍の人が介護福祉士の受験資格を得るルートは、「養成施設ルート」「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」の3つあります。働きながら取得を目指す場合は、「実務経験ルート」での受験が一般的です。
介護福祉士の要件については、「介護福祉士の受験資格を得るルートを解説!必要な実務経験や試験概要は?」で解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。
合格率
厚生労働省の「第36回介護福祉士国家試験合格発表」によると、2024年に実施された介護福祉士国家試験の合格率は、82.8%でした。国家資格のなかでは合格率が高いため、しっかり学習時間を確保すれば、十分に合格を目指せる難易度といえます。
出典
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」(2024年11月7日)
厚生労働省「第36回介護福祉士国家試験合格発表」(2024年11月7日)
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介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護支援専門員(ケアマネジャー)とは、介護サービスの利用者さんが適切なケアを受けられるよう、サポートを行うための資格です。介護支援専門員の資格を取得することで、ケアマネジャーとしてケアプラン作成などの業務に携われます。
ケアマネジャーの資格を取得するには、介護支援専門員実務者研修受講試験に合格し、介護支援専門員実務研修(87時間)を修了しなければなりません。
受験要件
介護支援専門員実務者研修受講試験の受験要件は、「指定の国家資格等に基づく業務に通算5年かつ900日以上従事」もしくは「施設などで相談援助の業務に通算5年かつ900日以上従事」のいずれかを満たすことです。介護福祉士として介護業務に従事した場合や、生活相談員として相談援助に従事した場合に、実務経験の要件を満たせます。
合格率
厚生労働省の「第26回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」によると、2023年に行われたケアマネジャー試験の合格率は21%でした。より専門的な知識や技術が求められるので、介護福祉士など福祉に関するほかの資格と比べ、難易度は高めです。
介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格について詳しく知りたい方は、「ケアマネジャーになるには最短で何年?介護支援専門員の受験資格を解説」の記事をチェックしてみてください。
出典
厚生労働省「第26回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」(2024年11月7日)
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターの資格を取得すると、高齢者の方や障がいのある方に対して、暮らしやすい住環境を提案するのに活かせます。
1~3級に分かれており、どの級も福祉住環境コーディネーター検定試験(R)に合格することで取得可能です。なお、2、3級は選択式、1級は選択式と記述式を組み合わせた試験となっています。
受験要件
福祉住環境コーディネーター検定試験(R)を受験するための要件はなく、誰でも受験が可能です。どの級からでも受験できるので、自分のスキルに合った試験に挑戦できます。
合格率
2024年度に実施された福祉住環境コーディネーター検定試験(R)の合格率は、2級が41.8%、3級が40.8%となっており、どちらも合格者は半数以下でした。また、2023年度に実施された1級試験の合格率は14.5%と低く、難易度の高さがうかがえます。
※福祉住環境コーディネーター検定試験(R)は東京商工会議所の登録商標です
出典
東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験」(2024年11月7日)
ケア クラーク(R)
ケア クラーク(R)は、介護事務の業務に関する知識・技能を証明できる資格です。ケアクラーク技能認定試験に合格することで取得できます。学科50分、実技70分の試験です。
受験要件
ケアクラーク技能認定試験に受験要件は設けられていません。そのため、学歴や年齢を問わず、誰でも挑戦できます。
合格率
ケアクラーク技能認定試験の合格率は公開されていません。実技・学科で、それぞれ70%以上得点すれば合格です。〇×や択一で回答する形式なので、複択式や記述式と比べると解答しやすいでしょう。
出典
一般財団法人 日本医療教育財団「試験概要|ケアクラーク技能認定試験」(2024年11月7日)
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介護の資格を独学で取得するための勉強方法
ここでは、介護の資格を独学で取得するために効果的な学習方法をご紹介します。「どうやって勉強したら良いのか分からない…」とお悩みの方は、ご一読ください。
過去問で傾向を掴む
過去問を活用することで、問題の傾向を掴みやすくなります。よく出る問題や出題の傾向が分かれば、対策しやすくなるでしょう。また、過去問を解くことで、実際の試験問題に慣れることもできます。
模擬試験を受験する
模擬試験があれば、一度は受験しておくのがおすすめです。模擬試験では、会場や日程、持ち物など、本番と似た環境に慣れることができます。受験の緊張感を経験しておくことで、本番に過度なプレッシャーを感じるのを避けることができるでしょう。
介護福祉士や介護支援専門員の試験は年に1回しかなく、取得のチャンスが少ないので、できる限りの対策をしておくと安心です。
テキストや問題集を絞る
使用するテキストや問題集は1~2冊に絞るのがおすすめです。何冊も使用すると、学習内容がまとまりにくくなる可能性があります。また、介護や福祉に関する制度が変更されることもあるので、最新のテキストや問題集を使うのも、合格のためのポイントです。
テキストを選ぶ際は、「図解が多くて視覚的に理解しやすい」「用語の索引があって調べやすい」など、まとめ方が自分に合ったものを選びましょう。民間資格などで公式テキストが用意されている場合、活用すれば出題範囲を効率良く把握できます。
介護の資格を独学で取得するコツ
ここでは、介護の資格を独学で取得するコツとして、「自分に合った学習ペースを見つける」「勉強の期間をしっかり確保する」の2点を解説します。
自分に合った学習ペースを見つける
独学で資格を取得するには、自分に合った学習ペースを見つけることが重要です。休日にまとめて取り組む、毎日少しずつ進めるなど、適切な学習ペースは人それぞれ異なります。自分に合った学習スタイルを確立することで、勉強を効率的に進められるでしょう。
資格勉強の期間をしっかり確保する
資格の取得を目指すなら、しっかりと学習時間を確保しましょう。受験日から逆算して、いつから勉強を始めたら良いか計画を立てるのがおすすめ。介護福祉士国家試験を例に挙げると、半年~1年前くらいから勉強し始める方が多いようです。なお、資格によって学習期間の目安は異なるので注意しましょう。
資格取得支援のある職場なら、シフトの融通が利きやすかったり、試験日を勤務扱いにしてくれたりする場合があります。施設によっては、費用を一部負担してくれることもあるので、働きながら資格取得を目指しやすいでしょう。
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介護資格を独学で取得するメリット
介護の資格を独学で取得するメリットは、勉強の自由度が高いことです。独学の場合、自分のペースで勉強を進められたり、教材やテキストを選べたりします。どの科目から勉強するかも選べるので、自分が分かりやすい順に学習を進められるでしょう。
また、テキストや問題集の費用しかかからずコストを抑えられるのも、独学のメリットの一つです。
一方、スクールを利用して資格取得を目指す場合、講義の頻度や学習ペースが決められている傾向にあります。シフトやプライベートの予定を調整する必要があるので、「働きながら勉強するのは大変」と感じることもあるでしょう。また、スクールを受講するには、数万円程度の費用がかかるのが一般的です。
介護資格を独学で取得するデメリット
独学で資格取得を目指す場合、1人で学習を進めなくてはいけないというデメリットがあります。分からないことがあっても、基本的には自分で解決しなければなりません。テキストや問題集も自分で選ぶ必要があるため、「正しい勉強方法なのか分からない」と不安に感じる人もいるようです。テキストを読んで勉強するのが苦手な方や、1人ではモチベーションを保ちにくい方は、独学は難しいかもしれません。
資格スクールを受講する場合、分からないことがあれば講師に質問できます。テキストや学ぶ順番もある程度決められているので、自分で計画を立てる手間もかかりません。また、周囲に同じ目標を持つ仲間がいるため、独学よりもモチベーションを保ちやすい傾向にあります。
通学が必要だがキャリアアップに役立つ介護資格
研修の受講が必要な介護資格のなかには、キャリアアップに役立つものもあります。「どの資格が必要か分からない…」「介護職に興味がある」という方は、以下も参考にしてみてください。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の入門的な資格です。受験要件はないため、誰でも受講できます。取得することで1人で身体介護ができ、訪問介護にも携われるようになるため、就職先の選択肢が増えるでしょう。
介護職員初任者研修を取得するには、130時間のカリキュラムを受講し、修了試験に合格することが必要です。修了試験は到達度を図るために行うので、しっかりと講義を受講すれば、難易度は高くないでしょう。
介護職員初任者研修については、「介護職員初任者研修とはどんな資格?受講費用を抑える方法や取得のメリット」の記事もご参照ください。
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レバウェル介護の資格スクール介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修では、初任者研修よりも応用的な知識や技術を習得可能です。受講要件が設けられていないため、実務経験や保有資格に関係なく挑戦できます。介護福祉士国家試験を「実務経験ルート」で受験する場合に必要な資格なので、介護・福祉業界でキャリアアップしたい方におすすめです。
介護福祉士実務者研修の修了には、無資格者は約450時間、初任者研修の保有者は約320時間かかります。修了試験は必須ではありませんが、到達度を図るために試験を行うスクールもあるようです。
介護福祉士実務者研修について、詳しくは「介護福祉士実務者研修とは?資格取得のメリットや初任者研修との違いを解説」の記事で解説しています。
介護の資格を取得する必要性
介護業界には無資格から働ける職場もあるので、「資格は取らなくても良い?」と思う方もいるかもしれません。しかし、介護の資格を取得すると以下のようなメリットがあり、仕事に活かせます。
- 介護の知識・スキルを身につけられる
- 転職に有利になる
- キャリアアップにつながる
- 給与アップが望める
資格を取得することで、自身の介護スキルを証明することが可能です。介護の知識や技術を習得することで、自信を持って業務に取り組めるようになったり、無資格より転職の選考に有利になったりするメリットを得られます。
また、資格を取得することで役職を任されることや、上位の資格の受験要件を満たせることもあり、キャリアアップにつながる場合もあるようです。職場によっては、資格手当によって給与がアップする可能性もあります。
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レバウェル介護の資格スクール【体験談】介護の資格を取得して良かったこと
ここでは、実際に介護の資格を取得した方がメリットを感じた体験談をご紹介します。資格を取得するか迷っている方は、参考にしてみてください。
介護福祉士の専門的な知識や技術を身につけることで、介護や支援の仕方に気持ち的な余裕や確信を持てました。やり甲斐を感じて仕事ができています。
ケアマネジャーの資格を取得したことで、給与が上がりました。60代ですが、条件の良い高時給で働けています。
介護福祉士の資格を取得しました。ケアマネジャーを目指しているので、資格を取得して良かったです。現場でもいろいろと技術を身につけたり、事務的なことも教わったりしたので、資格の強みで人の役に立てることがプラスだと思います。 また、転職するときにスムーズに仕事が見つかるようになりました。
介護の資格を取得して良かったこととして、身につけた知識を業務に活かせることや、給与がアップしたことが挙げられました。資格の強みを活かしてキャリアの幅を広げられる点も、魅力の一つです。「介護業界で長期的に活躍したい」という方は、資格を取得することで、さまざまなメリットを得られるでしょう。
独学で介護資格を取得することについてよくある質問
ここでは、独学で介護の資格を取得することについて、よくある質問にお答えします。「どの介護資格を取れば良い?」とお悩みの方は、ご一読ください。
実務経験なしで取れる介護資格はありますか?
実務経験なしで取れる介護の資格として、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修が挙げられます。これらの資格には、受験要件や年齢制限がないので、誰でも資格取得を目指すことが可能です。介護の基礎的な知識を身につけられるため、介護未経験の方にもおすすめの資格といえます。また、現場以外で活かせる介護に関する資格として、ケア クラークや福祉住環境コーディネーターもおすすめです。これらの資格にも受験要件がないため、実務経験なしで受験できます。
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レバウェル介護の資格スクールスキルアップに役立つ介護資格はありますか?
介護職としてスキルアップしたいなら、介護福祉士を目指すのがおすすめです。介護福祉士の資格を取得する過程で、介護の専門的な知識・技術を習得できます。また、介護福祉士の資格や経験は、キャリアアップにも活かすことが可能です。たとえば、介護支援専門員(ケアマネジャー)の試験の受験要件の一つとして、「介護福祉士としての実務経験が5年以上あること」が定められています。
スキルアップに役立つ介護資格について、詳しくは「介護職のスキルアップに役立つ資格|取得方法や現場で活躍する方法も解説!」の記事もチェックしてみてください。
まとめ
介護に関する独学で取れる資格として、介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)などが挙げられます。独学で資格取得を目指す場合、過去問や模擬試験などを活用し、試験の傾向を掴むのがおすすめです。勉強の期間をしっかり確保したり、自分に合った学習ペースを見つけたりすることで、合格に近づけるでしょう。
「資格取得支援のある職場で働きたい」「取得した資格を活かせる職場に転職したい」という方は、レバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。レバウェル介護(旧 きらケア)は、介護業界に精通した転職エージェント。専任のキャリアアドバイザーが、あなたの希望に合った職場探しをサポートいたします。「転職するか迷っている」という相談にも対応しているので、資格を取得する前の方や介護未経験の方も、まずは気軽にお問い合わせください。サービスはすべて無料です。
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