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訪問介護の移動時間は給料のカウント対象?労働時間の考え方と違法ケース

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訪問介護移動時間給料に対する記事のメイン画像

この記事のまとめ

「訪問介護の移動時間に給料は発生する?」と疑問をお持ちの方もいるでしょう。訪問介護では、事業所から利用者さん宅への移動には、労働時間として給料が発生します。ただし、出勤時間や自由に過ごせるスキマ時間には給料が支払われません。この記事では、訪問介護の移動時間に給料が発生するのかをケース別に紹介。給料支払いがない場合の対処法も解説するので、ぜひ参考にしてください。

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訪問介護の移動時間に給料が出ないのは違法?

訪問介護の移動時間が「労働時間」とみなされる場合、事業所が給料を支払わないのは違法です。労働時間とは、職員が仕事のために使う必要があり、自由に利用できない時間を指します。訪問介護では、移動時間の一部が労働時間にならないことがあるようです。以下で労働時間の定義を確認してみましょう。

給料が発生する労働時間の定義

厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、労働時間の定義は以下のとおりです。

労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たること

引用:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン

訪問介護事業所の指示で行動していて、労働者が完全に自由になれない時間はすべて労働時間となり、給与支給の対象です。労働時間の定義は、労働契約や就業規則などで決められるものではなく、使用者(事業所)から義務付けられた行為をしている時間はすべて労働時間となります。

移動の種類によって給料が発生するか変わる

訪問介護の場合、主に下記の3つの移動があり、移動の種類や状況によって給料が支払われるかが変わる可能性があります。

  • 自宅と訪問介護事業所の間の移動
  • 訪問介護事業所と訪問先の間の移動
  • 訪問先から訪問先への移動

「訪問介護事業所と訪問先の間の移動」や「訪問先から訪問先への移動」は、事業所に「◯時にAさんのお宅に訪問介護業務に入るように」と指示を受けて移動する時間です。スタッフが自由に使える時間ではないため、労働時間に含まれます。

一方で、「自宅と訪問介護事業所の間の移動」は通勤にあたり、出勤時刻に間に合えば自由に使うことができる時間です。就業時間までに事業所に到着することができれば、自宅から事業所に向かう移動時間で読書をしたり、途中で買い物をしたりすることが可能です。そのため、基本的に通勤のための移動時間は労働時間に含まれません。

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【ケース別】訪問介護の移動時間と労働時間の考え方

前項でご紹介したように、移動が労働時間に含まれると判断される場合は、移動時間にも給料が発生します。以下では、訪問介護の移動時間の給料の考え方をケース別に解説するので、チェックしてみてください。

利用者さんの自宅へ直行して訪問するケース

事業所に行かず、利用者さんの自宅に直行する場合の移動時間は、通勤時間と同じく自由に過ごす時間とみなされます。そのため、利用者さん宅に直接向かう場合の移動時間は労働時間としてはカウントされず、給料が発生しない可能性があるでしょう。

訪問の合間にも記録などの業務をするケース

訪問の合間に、記録の作成や事業所への連絡といった業務を行うこともあるでしょう。介護記録の作成などは仕事の一環なので、労働時間にカウントされ、給料が発生する時間となります。

近くに管理者がいなくても、事前に指示を受けていたり、電話で指示をされて記録をしたりする場合、指揮監督下にあるという判断が可能です。

訪問と訪問の間に休憩時間があるケース

利用者さんの自宅から別の利用者さんの自宅への移動時間に、しなければいけない業務を与えられていない場合は、休憩時間とみなされます。

ホームヘルパーが自由に使える時間は事業所の指揮命令下から外れるため、労働時間にはカウントされず、給料も支払われません。拘束されない自由な時間を活用して、訪問の合間に一度帰宅して用事を済ませる方もいるようです。

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訪問介護で移動時間以外に給料が発生する労働時間

業務中の移動時間は、事業所の指示を受けており、客観的に労働時間とみなされる場合は給料が発生します。訪問介護の業務において、移動時間以外に給料が発生する労働時間についても確認してみましょう。

事務所で記録業務を行っている時間

訪問介護業務が終わり、事業所に戻った後に記録や報告書を作成する時間は業務に携わっているため、当然労働時間に含まれます。残業して記録を行った場合も、事業所は時間外労働として給料を支払わなければなりません。

利用者さん宅で訪問介護を提供している時間

利用者さん宅で訪問介護業務に携わっている時間はもちろん労働時間に含まれ、給料が発生します。

事業所での待機時間

訪問のスケジュールは決まっていないものの、急な要請に対応するために事業所での待機を命じられることもあるでしょう。職場での待機時間は、何かあれば出動できる体制でいなければならず、完全に自由な時間を過ごすことができません。そのため、待機時間も労働時間に含まれ、給料が発生します。

会社の指示で研修を受講している時間

事業所から指示を受けて社内外の研修を受ける場合、勤務先の都合で時間が拘束されたとみなされるため、給料が発生します。明確な指示がなかったとしても、受講しないことで罰則が発生するような場合は、事業所は労働時間として給料を支払わなければなりません。

一方で、受講が任意の研修を自分の希望・判断で受ける場合は、労働時間にはならず給料が発生しない可能性があります。

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訪問介護事業所が移動時間に給料を払ってくれないときは

本来であれば給料が発生する移動時間に対し、訪問介護事業所が給料を支払ってくれない場合は、条件の確認や然るべき機関への相談をしてみましょう。以下で具体的な対処法をご紹介します。

労働条件を確認する

移動時間に対して給料の支払いがない場合、まずは雇用条件がどうなっているかを確認しましょう。事業所によってはみなし残業制度を取り入れていることがあります。みなし残業制度が適用されている場合、移動時間にみなし残業として給料が支払われていることもあるでしょう。ただし、みなし残業制度があったとしても、その時間を超えて移動時間が発生している場合は、超過分の給料を請求できます。

また、1回の移動に対して定額で賃金を払っている事業所もあるようです。この場合、給料自体は支払われていても、移動に対する報酬の額が不当に低くなっている可能性もあります。移動時間は訪問先によって変動するので、給料の額が移動時間に見合っているかを確認してみましょう。

労働基準監督署に相談する

移動時間に給料が支払われない場合、まずは事業所の管理者に改善を要求してみましょう。管理者の把握不足によって未払いが生じている場合は、相談することで支払いに応じてもらえる可能性があります。

もしも管理者に直接伝えても改善されない場合は、労働基準監督署(労基)に相談するのも対処法の一つです。給料の支払い状況が労働基準法に違反している場合は、労基から是正勧告を行ってくれます。

別の訪問介護事業所へ転職する

移動時間の取り扱いに関して不満や悩みがある場合は、思い切って別の訪問介護事業所に転職するのも1つの手です。ホームヘルパーとして転職すれば、これまでの経験も活かしながらキャリアを継続できるでしょう。

とはいえ、求人票や転職サイトを見るだけで、給料支払いの実態まで把握するのは難しいと感じるかもしれません。転職エージェントであれば、移動時間の給料の取り扱いについて直接確認し、適切に労務管理を行っている事業所に絞って求人をご案内することができます。お悩みがある介護職員の方は、ぜひ介護専門の転職エージェントであるレバウェル介護(旧 きらケア)にご相談ください。

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訪問介護の移動時間や給料についてよくある質問

ここでは、訪問介護の移動時間や給料についてよくある質問に回答します。ホームヘルパーの働き方について詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。

登録ヘルパーですが移動時間に給料が発生しません…

登録ヘルパーであっても、労働時間とみなされる移動時間に対して、事業所は給料を支払う義務があります。ただし、業務内容に合わせて時給を変動させることは可能です。事業所側が「直接介護業務を行っている時間」と「移動時間」で異なる時給を設定することは認められています。そのため、移動時間に対して、訪問介護を行う時間と同じ水準の給与が支払われないことはあるでしょう。雇用契約でどのような給与内容になっているのかを確認してみてください。
登録ヘルパーについては、「登録ヘルパーとはどんな雇用形態?メリットや訪問介護の仕事内容を解説!」で解説しています。

訪問介護のヘルパーに移動費はいくら支給されますか?

訪問介護のヘルパーの移動費は、1訪問あたり数百円に設定されていることが多いようです。また、移動費は設けない代わりに、時給を高めに設定している事業所もあります。移動に対してどのように給料が支給されるかは、求人内容を確認したり、面接時に直接尋ねてみたりして確認するのがおすすめです。

訪問介護のヘルパーの移動時間は平均でどれくらい?

厚生労働省の「訪問介護・訪問入浴介護(改定の方向性)(p.35)」によると、訪問介護の一般的な移動時間は15分程度というデータがあります。ホームヘルパーの移動時間は介護報酬の算定対象に含まれないため、短い移動時間で訪問件数を増やしたほうが利益が出やすい仕組みです。そのため、エリアを絞って訪問サービスを提供する事業所が多く、ヘルパーの移動時間が長くなることは少ない傾向にあります。

まとめ

訪問介護事業所は、仕事で発生する移動時間に対して給料を支払わなければいけません。たとえば、「事業所から利用者さんの自宅に移動する場合」や、「訪問先から訪問先に移動する場合」は、給料の支払い対象です。また、移動時間以外に、会社の指示で研修を受けたり事業所で待機したりする時間も、事業所に拘束されている時間として給料が発生します。

移動時間に対して事業所から給料が支払われない場合は、雇用条件の確認を行いましょう。事業所によっては、みなし残業制度を取り入れていることもあります。移動時間に対して定額で給料が支払われている場合もあるので、確認が必要です。移動時間の給料が不当に低い場合は、管理者に改善を要求したり労働基準監督署に相談したりすることで、状況が改善される可能性があります。

もしも、然るべき対処をしても状況が改善されない場合は、転職するという選択肢もあります。レバウェル介護(旧 きらケア)では、お悩みや条件を丁寧にヒアリングしたうえで、ご希望に沿った求人をご紹介しています。相談は無料なので、転職を検討中の方はぜひ気軽にご相談ください。

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