
この記事のまとめ
- 介護職の契約社員の給料は、派遣社員と同等で時給1,500円ほど
- 介護職の契約社員の仕事内容は正社員とほぼ変わらない
- 契約社員は同じ事業所に5年務めることで、無期契約社員へ転換できる
介護職の雇用形態には、正社員やパート、アルバイト、派遣などのほかに契約社員もあります。ここでは契約社員にスポットを当て、働く上での注意点、メリットやデメリット、給料事情などを詳しく解説しましょう。これから契約社員として働こうかと考えている方は、この働き方についてしっかり理解しておくことが大切です。
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介護業界には契約社員というがあります。
契約社員といっても、仕事内容は正社員と変わりません。業務の中心は身体介護で、食事や入浴、排せつ、移動などの介助業務。また、食事の用意やレクリエーション活動の準備、施設の清掃など、ご利用者の身の回りのお世話もします。
最初は契約社員として採用されても、勤務態度や仕事ぶりを評価されて正社員に登用されるケースは少なくありません。
また、契約社員であっても介護業務の実務経験としてカウントされるため、介護福祉士などの資格を取得することが可能です。資格取得を機に、介護業界でさらにキャリアアップをはかっていくこともできるでしょう。契約社員は数年単位で契約して勤務するため、短期で働くパートやアルバイトに比べると、再就職や転職に有利だといわれています。
契約社員として働く前の注意点
契約社員として働く前に、契約期間をしっかり確認することが大切です。
あらかじめ契約期間がどれくらいで、更新することは可能なのかを応募先に確認しておきましょう。また、給料のことはもちろんですが、手当てなどの待遇についても事前に確認しておくことが大切です。退職金についても、介護事業所や施設の中には正社員と同等の金額が出るケースがある点を忘れないようにしてください。
契約社員は期間が限定されている
契約社員とはその名の通り、働く期間を契約によってあらかじめ決めている社員のこと。そのため、契約期間を過ぎれば契約が解除になる場合があります。更新すれば働き続けることはできますが、更新を打ち切られれば仕事を失うことになるので注意が必要です。
契約社員には賞与が出ないケースも多い
正社員はもらえる賞与が、契約社員だともらえないことがよくあります。
年収に換算すると賞与の存在は大きいので、賞与があるのか、あるとしたらどの程度なのか確認することが重要です。
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契約社員として5年はたらくことで無期転換が可能
有期契約社員が5年以上同じ勤務先で働いた場合、事業者に対して無期契約社員への転換を申し入れることができます。これは、平成25年から法改正により試行された制度です。つまり契約社員として介護施設や介護事業所などで5年以上働けば、無期契約社員に変更することが可能ということです。無期契約社員に切り替わると契約期間そのものがないため、事業者側は正当な理由なくして契約を打ち切ることができません。
無期契約社員と正社員の違いは?
無期契約社員は契約期間がなくなり、正社員と同じように継続的に働くことができます。ただし、給与体系はそのまま維持される点に注意しましょう。有期契約社員から無期契約社員に切り替わったからといって、給料がアップしたり賞与が出たりするケースは多くありません。
5年満期を迎える直前に契約を打ち切られたりしない?
深刻な人材不足の状況にある介護業界は、喉から手が出るほど介護人材を欲しがっています。5年間勤務して仕事を覚えてしている契約社員を新しい契約社員に切り替えることは、事業者にとって得策ではありません。求人を出したところで、新しい契約社員が見つからないことも考えられます。そのため、5年満期を迎える直前に契約を打ち切られるようなことは少ないでしょう。もしそのような事業者がいた場合は、労働契約法違反でペナルティを課せられるおそれがあり、信用問題につながりかねません。
介護業界の契約社員の給与はどのくらい?
介護業界で働く契約社員の給料は、ほぼ派遣社員と同等に扱われているケースが多いようでしょう。そこで厚生労働省「労働者派遣事業報告書2020年」の派遣社員のデータを参照しながら、介護業界の契約社員の給与状況を推測していきます。このデータによると、介護サービス職業従事者の派遣労働者の平均日給は9,592円という結果です。これにさまざまな手当てを加算すると、時給1,500円程度となるでしょう。月収に換算すると平均給与額は23万円前後となり、契約社員も同額程度の給料であると予想されます。
ただし、以上は一般論です。介護施設や介護事業所によっては、正社員と同じ待遇を契約社員にも適用しているケースも見受けられます。
出典:厚生労働省「労働者派遣事業報告書2020年」表8 派遣労働者の賃金(その1)(2020/09/11)
契約社員として働くメリット・デメリット
介護業界で契約社員として働くうえでの、メリットとデメリットについて解説します。
介護業界で契約社員として働くメリット
合わない職場は一定期間働いて辞められる
契約社員は契約期間が決まっているため、自分に合わないと思ったら契約期間内だけ働いたら辞めることが可能です。
正社員に登用されることもある
介護業界は深刻な人材不足の状態にあります。そのため、契約社員の正社員登用に対して積極的な介護施設や介護事業所が少なくありません。正社員になれば賞与なども支給されるため、年収がぐんとアップすることでしょう。福利厚生なども付くので、安定的に長く働き続けることができます。
契約社員ということで残業や夜勤を断りやすい
介護施設や介護事業所では、正社員が残業や夜勤を担当するのが一般的です。契約社員が夜勤をすることもありますが、その場合は夜勤専従としての契約社員のケースが多く給与もアップします。
介護業界で契約社員として働くデメリット
契約期間がきたら失業するかもしれない
契約社員は契約更新が行わなければ働き続けることはできません。
つまり失業するリスクがあり、この点は契約社員のもっとも大きいデメリットといえるでしょう。長い期間にわたって契約更新で勤務してきたのに、急に更新されず退職を余儀なくされた。そういうケースも少なくありません。
正社員に比べて給与などの待遇面で劣る
契約社員は、正社員に比べると給与が低かったり、福利厚生がなかったりと、待遇面で劣るケースが多いようです。
契約社員の経歴は転職に不利なことが多い
正社員と比較した際、契約社員としての経歴が転職で不利になることもあるでしょう。ただし契約社員であっても、介護業務に就いている以上は実務経験として認められます。不利にならないためには介護福祉士の資格を取得するなどして、状況を打破することが大切です。
介護職の契約社員に関するよくある質問
介護職の契約社員に関するよくある質問に回答します。「ボーナスはもらえるの」「契約社員の職歴って履歴書に書けるの?」など、契約社員について疑問がある方はぜひご覧ください。
介護職の契約社員はボーナスをもらえるの?
介護職の契約社員がボーナスをもらえるかどうかは、施設によって異なります。ボーナスの支給が義務付けられているわけではないので、「ボーナスなし」という施設が多いかもしれません。正社員の場合、ボーナスが支給される可能性が高いので、契約社員から正社員を目指すのも良いでしょう。
介護職のボーナスについては、「介護職のボーナス(賞与)の平均額はいくら?施設や資格別に支給額を解説」の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
契約社員は職歴として認められますか?
アルバイトやパートと違い、契約社員は職歴として認められるので、求職活動をする際に履歴書に書くことができます。契約社員の職歴を履歴書に記載するときは、「株式会社△△入社(契約社員)」「契約期間満了により退職」というように契約社員であることが分かるようにしましょう。
「介護職の履歴書の書き方!印象UPのコツを解説【見本とテンプレート付】」の記事で、履歴書の書き方を解説しているので、転職を考えている契約社員の方は参考にしてみてください。
まとめ
介護業界で働く契約社員の給料は時給1,500円程度と予想され、月収に換算した平均給与額は23万円前後になります。介護業界は人材不足の状態にあるため、契約社員を積極的に正社員に登用している介護施設や介護事業所が少なくありません。しかし、一方で契約社員は契約更新がなければ働き続けることができないというデメリットがあります。場合によっては失業し、ブランクが開いてしまう可能性もあるでしょう。また、正社員より給料が安いことや、福利厚生に恵まれていない点などもデメリットといえます。
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