
利用者ともっと親身に向き合いたい。そう思うものの、日々の仕事に追われて利用者との時間をなかなか取れないという介護士もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、IT技術を活用して介護現場の業務効率化をサポートする、株式会社最中屋に注目しました。利用者との時間を増やしたい方はもちろん、介護現場のICT化に興味のある方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
株式会社最中屋
「まん中でケアする人をおもてなし。」をビジョンに掲げ、持続可能な介護保険制度の確立に向けたアウトソーシングサービス、プロダクト企画・提供を行っている株式会社最中屋。真ん中でケアする方に必要なアプリを提供できれば、ケアを受ける利用者は人生の最後まで元気に自分らしく生活できるという考えのもと、アプリの企画・開発に取り組んでいます。
業務改善アプリ『ハカルト』

『ハカルト』は、2024年4月にリリースされた、介護事業所特化のタイムスタディ調査・業務改善自動提案アプリです。タイムスタディにより介護現場の課題を見える化し、ICTの導入をはじめとする業務改善内容を自動で提案。介護の無駄をなくすことで、利用者と向き合う時間を生み出します。
タイムスタディは、何にどれだけの時間を有しているのか測定する分析手法です。これにより無駄な時間を削減できるほか、作業の標準時間がわかり介護士の意識改革にもつながります。
やり方はいくつかあり、なかでもストップウォッチを使って作業時間を計測するタイムスタディ法は、シンプルですぐに行えるため広く実施されている手法です。
しかし、ストップウォッチと記録用紙を持って計測するのは手間に感じる方もいるでしょう。実施することで現場の負担になってしまうようでは本末転倒です。
その点、同サービスならスマホを1タップするだけで業務内容と時間を記録できます。介護士は大きな負担を感じることなく実施できるでしょう。
さらに、同サービスはタイムスタディを実施するだけで課題を分析。各介護サービスの形態や事業所の規模にあわせた業務改善提案を自動で行います。
自分たちだけでデータを分析したり、改善計画を練ったりするのは簡単ではありません。業務改善コンサルタントを雇う方法もありますが、それなりのコストがかかります。そうした手間やコストをなくせるのは、大きなメリットではないでしょうか。
そのうえ、令和6年度の介護報酬改定により新たに設けられた、生産性向上推進体制加算の取得、人員配置基準の特例的な柔軟化に対応しています。これらの申請に必要な要件のうち、これまでデータ収集が求められていなかった、機器の導入による業務時間(直接介護、間接業務、休憩等)の変化(タイムスタディ調査)と、職員の心理的負担等の変化(SRS-18等)のデータを、申請の様式にあわせて出力することが可能です。
たとえば、生産性向上推進体制加算(I)を取得した場合、50床の施設では年間60万円の収入増。人員配置基準の特例が適用された場合は、人員配置が3:1から3:0.9に緩和されます。人材不足が叫ばれる昨今、こうした申請を行いやすくしてくれる同サービスはありがたい存在といえるでしょう。
デジタルコミュニケーションサービス『CareLoop』

同社が取り扱っている商品の一つに、デジタルコミュニケーションツール『CareLoop』があります。『CareLoop』は、コミュニケーションアプリやメールを通じて、利用者のご家族とつながるツールです。日々のコミュニケーションはもちろん、領収書・請求書、ケアプラン、施設広報誌などの書類もオンラインで送ることができます。これまでアナログで行っていた作業をデジタル化することで、時間やコストを削減でき、介護士は本来の業務に集中できるでしょう。
同サービスは一斉配信のほか、個人を特定した配信やセグメント配信も可能です。情報の確認機能が附帯しているため、ご家族が情報を確認・承認した際にはそれを自動的に記録することもできます。紙で渡すと内容を確認してもらえたのかわからず不安を覚えることもありますが、この機能があると安心できるのではないでしょうか。
またご家族のなかには、施設に行く時間がない、対面では介護士と話しづらいという方も珍しくありません。デジタルコミュニケーションを取り入れることで、そうしたご家族とも気軽に話ができます。事実、デジタルでつながったことでご家族とのコミュニケーションが増え、そこからいただいた多くの意見をケアプランに反映しているという介護事業所も増えているそうです。
介護士をはじめとした施設で働く職員だけでなく、利用者やそのご家族にもメリットのある同サービス。今後ますますの発展が期待されます。
詳細情報
登録は1分で終わります!